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矢川弁財天(立川市/羽衣町)の御朱印と見どころ

矢川弁財天の紹介

立川市羽衣町にある矢川弁財天の参拝レポートです。

読み方は「やがわべんざいてん」です。矢川辨財天とも表記されます。矢川の水源の一つであった湧水の脇に祀られていたものが、元になっているといわれています。境内には狛犬ではなく、狛蛇(こまへび)がいます。最寄駅は南武線の西国立駅で、矢川駅からも徒歩圏内です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

立川の「矢川弁財天」へ

僕は今年の7月末に、嫁を伴い東新宿の神社巡りをしました。

その際に「金弁財天(こんべんざいてん)」という小さな神社に訪れ、そちらで初めて、狛犬ならぬ「狛巳(こまへび)」というものを目にしました。

神社では、鳥居の脇や社殿の前には一対の狛犬さんがいることが多いです。稲荷神社の場合は、狛犬さんではなくお狐さんがいます。犬や狐以外にも、珍しいパターンではありますが、猿や狼などの神社もあります。

僕は東新宿の金弁財天にて、蛇というパターンもあることを初めて知りました。

蛇というだけで、なんだか神秘的な感じがして、惹きつけられちゃうんですよね。もちろん、狛犬さんやお狐さんが魅力的ではないというわけではなく、蛇は蛇で、独特な魅力を感じてしまうんです。

金弁財天はとても小さな神社だったのですが、狛巳さんのイメージが強く残っていて、個人的にはけっこう印象に残っている場所です。

そんな中、嫁が「他にも狛巳さんがいる神社がある」という耳よりな情報を持って来ました。

その場所が、こちらの記事で紹介する、立川の「矢川弁財天」になります。

矢川弁財天は、立川から南武線で一駅の西国立駅、もしくはその一つ先の矢川駅から、徒歩で行ける範囲内にあるようです。

僕たちは以前、立川の神社巡りも少しだけしたことがありますが、そのときには立川駅から北側を中心に回ってしまったので、南側にある矢川弁財天は完全にノーマークでした。

矢川弁財天を画像検索してみますと、確かに立派な狛巳さんがいらっしゃって、是非とも生で見てみたくなります。

東新宿で見た金弁財天の狛巳さんは、サイズも小さめでして、また、金網に囲まれた中にいましたので、そこまで接近してじっくりは見れなかったんです。

それに対し矢川弁財天の狛巳さんの方は、画像検索で見る限り、サイズもけっこう大きめのようですし、金網なども特にありません。

これはかなり間近で狛巳さんをじっくりと観察できそうです。

というわけで、9月の上旬、僕も嫁も特に予定がなかった休日に思い立ち、狛巳さんを見るという目的のためだけに、立川まで足を運んでみることにしました。

「蛇見に行っちゃう?」というような、軽いノリで。

天気は少々の曇り空ですが、9月の上旬とは言え、まだまだ夏真っ盛りの暑い季節です。

猛暑というほどではありませんが、油断は大敵ですので、水筒には麦茶を満タンにし、塩飴なども持参し、熱中症対策を万全にして出掛けます。

立川より南武線に乗り一駅。西国立駅に降り立ち、地図を見ながら歩いて行きますと、駅からは10分ほどだったでしょうか。

右手の坂の下に赤い幟が見え、そこには社殿と池がありました。

矢川弁財天に無事到着です。

 

ご由緒

ご本尊は、社名からの推定にはなりますが、仏教の守護神で、七福神の一神である弁財天(べんざいてん)です。(あるいは弁財天と習合された日本神話の女神で、水の神様でもある市杵島姫命がご祭神の可能性もあります。)

創建の年代は不明です。創建された経緯も不明ですが、矢川の水源の一つであった湧水の脇に祀られていたものが元になっているようです。また、かつてこの辺りにあった箕輪城の鬼門除けでもあったとも言われています。

いつの頃か雑草が生い茂り、池の水も暗くよどみ、荒れ放題になっていて、そこを畑にしようとした人が祟りに遭うなどの災いがあったそうです。そこで一人の老人が荒れた弁財天を清めて欲しいと、ある修行僧に依頼し、僧が整地をし法要を行うと、祟りはなくなったという伝承があります。

境内には狛犬ではなく、珍しい狛蛇(こまへび)がいます。

古くからこの地の人々に厚く信仰されている弁財天です。

 

境内案内

西国立駅から歩いて行きますと、右手の坂の下に社殿と鳥居が見えてきます。

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鳥居の手前には橋が架かり、池も見えます。池には大きな鯉が泳いでいるのも。

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少し先に階段があり、その先が入口になっているようです。

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参道の入口に到着です。

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参道を進みます。石鳥居の先に社殿も見えます。

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右手に手水舎がありましたが、こちらは水がありませんでした。どうやらもう少し先にも手水舎があるようです。

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鳥居の前に立ちます。その先には橋が架かり、社殿の前にも鳥居があるのが見えます。

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右前方にけっこう大きな池です。中央に建てられた碑には「龍神之池」と刻まれていました。

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一礼して鳥居をくぐります。

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「白龍橋」と書かれた橋を渡ろうとしたところ、左右の欄干に一匹ずつ、白蛇がいるのを発見!それできっと白龍橋という名前がついているんですね。

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こちらが右の白蛇さまです。一瞬、ちょっとビビります。

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こちらが左の白蛇さま。よく見ると、けっこう可愛い顔をしてるんですよね。

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こちらは橋の左側。龍神の池には大きな鯉がたくさんです。

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こちらが右側です。後ほど鯉と遊ぼうと思います。

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橋を渡ると左手に小さな手水舎です。その奥には立派なお堂も見えます。

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手水石が素敵です。お清めをします。後から知ったのですが、この水は湧き水とのことです。

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参道に戻り、二つ目の鳥居をくぐります。

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社殿の前には見たかった狛巳さん。とぐろを巻いたけっこう大きな狛蛇さんです。社殿はかなり古いもののように見えます。

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念願の狛巳さんをじっくり観察。こちらは左の狛巳さんです。とぐろは左回りで巻かれています。

矢川弁財天の左の狛蛇

 

こちらが右の狛巳さん。とぐろは右回りで、左右対称になっている形です。

矢川弁財天の右の狛蛇

 

狛巳さんを気の済むまで眺め、社殿に進み参拝します。

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社殿を振り返るとこんな景色です。

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境内の左手に行ってみます。手前に小さな祠があり、奥には大きなお堂です。

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まずは手前の境内社に参拝。どんな神様が祀られているのかはわかりませんでした。

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こちらは社殿を左斜め前から。

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社殿の左奥にももう一つ境内社がありましたので、先にそちらから参拝することにします。お隣には石像が並んでいます。

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こちらの境内社は毘沙門天でした。参拝します。

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お隣は、左が三龍殿と刻まれた記念碑、中央が「みちびき観音」、右が矢川弁財天の初代教主「木島キヨ」さんという方の像でした。手を合わせます。

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左手の大きなお堂へと進んでみます。お堂と呼んでいいのか、社殿と呼んでいいのかわかりませんが…。

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お賽銭箱には、弁財天や厳島神社の紋章が刻まれていました。

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見上げると立派な彫刻が施されています。手前は鶴でしょうか。奥が三匹の龍です。どれも迫力のある見事な彫刻です。

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扁額には「三龍殿」と書かれていました。それで三匹の龍が彫られているんですね。

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もう一度、三匹の龍を見上げ、参拝します。

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三龍殿から境内を見ますと、こんな感じです。

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社殿の前に戻ります。社殿の右手はこんな景色になってます。

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もう一度狛巳を眺め、参道を戻ります。橋で身を屈めますと、餌をもらえるかと思った鯉たちがたくさん寄ってきました。何もあげられなくてごめんね。

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こちらが一番大きかった金色の鯉です。上からでもよく見えた鯉です。

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しばし鯉と遊び、矢川弁財天を後にしました。

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参拝を終えて

狛蛇さんを見るという目的で訪れた矢川弁財天。

とっても素敵な神社でした。

西国立駅から歩いて行きますと、境内が道路から一段低い場所にありますので、上から全貌を見渡すことができます。その際、真っ先に目に留まったのは、池にいた大きな鯉です。

境内にはけっこう大きな池があり、橋が架かっています。その池には色鮮やかなたくさんの鯉が泳いでいまして、中でも二匹くらい、かなりでかいのがいました。後ほど近づいてじっくり池を見たところ、上からでも目立っていた金色の鯉がいまして、そちらがおそらく一番大きな鯉ではないかと確認できました。

久しぶりにじっくりと鯉を見た気がします。

そんな鯉を見ていた橋の上には、二匹の白蛇さんがいました。左右の欄干の上に一匹ずつ。社殿前の狛蛇さんは事前に画像検索で確認していたのですが、橋の上というのはノーマークでしたので、ちょっとビビりました。

そして、この白蛇さんを見て、僕は思い出しました。

冒頭で、狛巳さんを東新宿の金弁財天にて初めて見た、と書きまして、この矢川弁財天が二ヶ所目だと思っていたわけですが、二ヶ所目ではなく三ヶ所目かもしれないです。

品川区の二葉にある「上神明天祖神社」にて、僕は狛蛇さんを見ているかもしれないんです。

上神明天祖神社は、「東京の白蛇さま」とも呼ばれている神社でして、境内には白蛇さんがたくさんいたんです。とは言え、いわゆる台座に載った「狛巳」という感じのものはいなかったとは思うのですが…。境内社である弁財天の祠の両脇に白蛇さんがいましたので、もしかしたらそれが狛巳さんだったのかな~と。

上神明天祖神社のものが狛巳さんだとしたら、今回は僕にとって三度目の狛巳さんになります。二度目でも三度目でも、特に違いはないんですけどね…。

どちらにしても、境内に蛇という珍しいものが置かれているだけで、テンションは上がります。

そしてやはり、最も僕たちのテンションが上がったのは、社殿前の狛巳さんです。

金弁財天で見たものよりも大きくて、惹き付けられます。とぐろの巻き方は、金弁財天と同じく左右が逆の巻き方でした。

間近で凝視させて頂いたのですが、思ったよりも顔は優しい印象を受けました。ぱっと見はでっかい蛇なので怖いんですけど、顔は優しいんです。それがまた魅力的に映りました。

珍しい狛巳さんを心ゆくまで眺めさせて頂き、大満足です。

狛巳さんの他には、社殿の左手にあった「三龍殿」という建物も印象的でした。

三龍殿はお寺の形式なのか神社の形式なのか、また、どのような建物なのかも残念ながらわからなかったのですが、施された龍の彫刻が素晴らしい建物でした。正面と左右、計三ヶ所に彫られていまして、おそらく三龍殿という名称にちなんだものかと思われます。

念願の狛巳さんも見ることができましたし、三龍殿の彫刻もよかったですし、大きな池に大きな鯉が泳ぐ境内も素敵でした。

矢川弁財天。参拝できてよかったです。

狛巳さんがいる神社というのは、そう多くはないようですが、全国にはまだまだ存在するようですので、いつかそれらを全部回ってみたいです。

矢川弁財天を後にした僕たちは、そのまま帰路に就く予定だったのですが、うっかり欲が出てしまいまして、近くに一つ神社があるのを地図で見つけましたので、そちらに立ち寄ってから帰ることにしました。

目指す神社は「第六天神社」です。

 

御朱印

矢川弁財天では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都立川市羽衣町3-29-27です。

矢川弁財天の公式サイトはありません。

 

電車

JR南武線 「西国立駅」から徒歩8~10分。

改札を出たら右手に進み、踏切を渡ります。その後「立川病院東」の交差点を左折、「みのわ通り北」を右折して少し歩きますと、右側です。

JR南武線 「矢川駅」から徒歩13~15分。

改札を出たら左に進み、南武線の線路沿いを北上します。3つ目の踏切を渡り、矢川緑地を左手に見ながら進み、大きな道路に出たら左折すると、右側にあります。

 

駐車場

境内の脇に、参拝者用の駐車場があります。

 

周辺のパワースポット

 

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