渋谷区の道玄坂にある千代田稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「ちよだいなりじんじゃ」です。道玄坂から百軒店商店街の路地を入った一角にある神社です。かつては江戸城内に鎮座していたことから、「千代田」という社名が付けられています。道玄坂や百軒店の守り神として信仰されています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
渋谷道玄坂の「千代田稲荷神社」へ
8月の下旬、35度近い厳しい猛暑の中、嫁と二人で渋谷駅周辺の神社巡りに出掛けて参りました。
回る神社を前日までにピックアップし、地図を見ながら順番やルートなどもある程度決めてしまいます。その際に、御朱印の有無なども調べておきます。
この日回る予定の神社は全部で9ヶ所。
渋谷駅の南東にある「商和稲荷神社」という小さな神社を皮切りに、「渋谷氷川神社」、「金王八幡宮」、「豊栄稲荷神社」、「宮益御嶽神社」、「穏田神社」、「北谷稲荷神社」、「大山稲荷神社」と、ここまで8ヶ所の神社に参拝しました。
渋谷駅を中心にして、反時計回りにぐるっとです。
そして最後の9ヶ所目、この日の締めとして向かったのが、こちらの記事で紹介する「千代田稲荷神社」です。
8ヶ所目に訪れた大山稲荷神社は、道玄坂の北、文化村の裏側の松涛にありました。地図を確認しますと、千代田稲荷はそこからも近くです。
どうやら道玄坂の右手(坂を下から上った場合)、百軒店商店街の奥にある神社のようですが、その辺りはラブホテルが密集していたり、ちょっといかがわしいイメージが個人的にはあるエリアです。
近くには、O-WESTとかO-EASTというライブハウスがありまして、僕も若い頃に何度か足を運んだ覚えがありましたので、初めての場所ではありません。それらのライブハウスに向かうのに、ラブホテル街を抜けて向かった覚えもあります。道に迷って、ウロウロした覚えもあります。
しかしながら、そんなエリアに神社があることはこれまで全く知りませんでした。
地図で確認しますと、ラブホ街のかなり奥の方です。一番奥と言ってもいい場所に、千代田稲荷神社なるものが鎮座しているわけです。
僕は今年のあたまに、鶯谷にある元三島神社に参拝したのですが、そちらも完全なラブホ街の中にありました。
ですので今回、千代田稲荷神社が、ラブホ街にある神社としては二ヶ所目に訪れる神社ということになります。
別に、特筆することでもないですけれど…。
そんな千代田稲荷神社を目指し、道玄坂のラブホ街に突入します。嫁と二人でラブホ街を歩くというのは、なんだかちょっとした気恥ずかしさがありますね。
地図を確認しつつ細い路地を進みますと、奥の方に千代田稲荷神社と書かれた赤い提灯が目に入りました。
無事、到着です。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建は室町時代の後期です。戦国武将である太田道灌が、江戸城築城の際に守護神として京都の伏見稲荷を勧請し、創建したのが始まりです。
徳川家康が江戸城に入城した後は、城内の紅葉山(現在の皇居内)に遷座し、その後江戸城の拡張に伴い、渋谷宮益の地に遷座しています。現在の社名である「千代田」は、その際に江戸城の旧名に因んで称されるようになったものです。
幕末には、孝明天皇の妹である和宮親子内親王の江戸降嫁に際し、その道中を守護したことから、人々の信仰をより集めることとなり、江戸名所図絵にも名を残しています。
関東大震災のあった大正12年に、百軒店商店街の創設に伴い、道玄坂に遷座します。現在の場所に遷座したのは、第二次世界大戦後になります。
現在も道玄坂や百軒店の守り神として、厚く信仰されている神社です。
境内案内
百軒店商店街の奥、赤い提灯が千代田稲荷の入口です。
提灯をくぐると左手に鳥居と社殿が見えます。
正面に立ちます。赤い幟がたくさん立っていて、木の緑との調和が綺麗です。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。
拝殿の手前には、小さなお狐さんが一対いらっしゃいます。
左手に手水舎です。
手水舎の後ろにはご由緒が書かれていました。
手水鉢にてお清めをします。
お清めを終え、再び拝殿前へ。昼間でしたが、拝殿の提灯には明りが灯っていて綺麗です。
お狐さんにもご挨拶。こちらが左のお狐さんです。
こちらが右のお狐さん。耳が少し欠けてしまっています。小さな子供もいました。
周囲を赤に囲まれた拝殿へと進みます。どことなく温かい雰囲気のある拝殿です。
参拝します。とても静かです。
左手に顔出しパネルがありましたので、ついつい嫁と交代で顔出しをして撮影を。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。正面はラブホテルです。
境内の右手に社務所がありました。
社殿の左奥にも赤で囲まれた境内社があるようですので、行ってみます。
赤と緑が綺麗な空間です。
鳥居には「中川稲荷大明神」と書かれていました。一礼して鳥居をくぐります。
中川稲荷にも参拝します。
赤に囲まれた境内を一通り楽しみ、千代田稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
この日の神社巡りの締めとして訪れた千代田稲荷神社。
どこか下町っぽいような、そんな雰囲気のある神社でした。
周囲にはラブホテルが立ち並ぶ中、赤い提灯が入口の目印です。僕たちは昼間に訪れたのですが、夜には提灯に明かりが灯されるようです。
提灯をくぐると左手に鳥居と社殿です。境内も広いわけではなく、社殿もとりわけ大きいわけではないのですが、どことなく賑やかな感じがあるんですよね。
境内社の中川稲荷神社も含め、赤い幟がたくさん立てられていましたので、それで賑やかな印象を受けたのかもしれません。
赤い幟、赤い玉垣など、全体的に赤の印象が強い神社でした。その中に木の緑が控え目に混じっている感じで、とても綺麗でした。
拝殿の前には顔出しパネルも置かれていまして、僕たち夫婦は「顔出しパネルを見るとやらずにはいられない病気」に侵されていますので、交互に顔を出して写真を撮らせて頂きました。
中年夫婦がお恥ずかしい限りですが、幸い僕たち以外に参拝者の姿はありませんでしたので、心行くまで顔を出させて頂きました。
千代田稲荷神社の社名ですが、参拝前はそこまで調べていなかったので、「なぜ渋谷なのに千代田なんだろう?」と思っていたんです。
元々江戸城内に鎮座していたことから、千代田という社名がついたんですね。すっきりです。
先ほども提灯について書きましたが、どうやら千代田稲荷は、夜も参拝しやすいように明かりが灯るみたいです。お祭り時などではなく通常時も。
きっと夜はまた違った神社の姿を見れるはずですので、夜にも訪れてみたくなりました。
道玄坂、百軒店商店街の一番奥に鎮座している千代田稲荷神社。
参拝できてよかったです。
千代田稲荷神社への参拝を終え、この日の神社巡りを終了し、帰路に就きました。
猛暑の中を9ヶ所もの神社を巡り歩き回りましたので、さすがにバテはしましたが、楽しい散策ができました。
大きな歓楽街である渋谷の周辺に、こんなにもたくさん素敵な神社があったとは。
それぞれに違った魅力があって、どの神社でも心地よい時間を過ごすことができました。
今回渋谷の神社を9ヶ所も回りましたので、過去の参拝も併せますと、渋谷区内の神社をそれなりに訪れたことになります。渋谷区の神社制覇に一歩近づきました。
とは言え、まだ恵比寿や代官山だったり、未開の地もけっこうありますので、また時間を見つけて、その辺りも巡ってみようと思います。
いい神社巡りができました。
御朱印
千代田稲荷神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都渋谷区道玄坂2-20-8です。
千代田稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
①各線 「渋谷駅」から徒歩5~7分。
ハチ公口からでしたら道玄坂方面に進み、109を左手へ。道玄坂の途中で右手の百軒店商店街へ。小路を進み奥の方にあります。
②井の頭線 「神泉駅」から徒歩5~7分。
北口を出て、渋谷方面に進み、百軒店商店街に入ってすぐです。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。近くにコインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
渋谷区の神社一覧