江東区の千田にある宇迦八幡宮の参拝レポートです。
読み方は「うかはちまんぐう」です。この地域の開拓に際し創建された神社で、農民を飢餓から救ったという伝承もあります。八代将軍吉宗が鷹狩りに訪れた際に残した矢の根が、御神体となっています。最寄り駅は住吉駅で、東陽町駅寄りです。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
住吉の「宇迦八幡宮」へ
早々に梅雨明けをし、厳しい暑さが連日続く7月の上旬、嫁と二人で宇迦八幡宮に参拝しました。
この日は天気予報では曇りだったのですが、夜中から雨が降り出し朝になっても止みません。そろそろ出掛けようかとしていた9時少し前に、ようやく上がりました。
雨の中の神社巡りも嫌いではないのですが、できれば降っていない方が傘もなくて済みますし、身軽に動けますからね。助かります。
雨上がりの少しむっとした空気の中、自宅を出発します。
この日の元々の目的地は、東京スカイツリーです。親戚の結婚祝いのお返しに頂いたカタログギフトにて、スカイツリーのレストランお食事券というのを嫁と協議の末に選びましたので、そのランチ予約を入れていました。
で、いつもの流れではありますが、せっかくなのでその足で、周辺の神社巡りもしてみようと。
スカイツリーは押上にありますので、押上の神社をいくつかピックアップ。さらには嫁が以前から欲しがっていた御朱印帳がある、猿江神社というのが押上から地下鉄で2駅の住吉にありましたので、猿江神社もこの日のコースに入れてしまいます。
まずは住吉で電車を降り、猿江神社にて御朱印帳を手に入れてから、押上に向かおうと。
そして事前に猿江神社を調べましたところ、周辺にもいくつか神社があるのを発見します。
その一つが、こちらで紹介する宇迦八幡宮です。
範囲を広げますと、もちろんまだまだかなりの数の神社があるのですが、猿江神社周辺、住吉駅周辺で調べると、立ち寄れそうな神社は二つほどに絞られます。猿江神社を入れて三つですね。
日ノ先神社、猿江神社、宇迦八幡宮の三ヶ所です。住吉駅からはその順番で回る予定です。
電車を乗り継ぎ、まずは予定通り日ノ先神社に参拝。続いて猿江神社に参拝したのですが、授与所が閉まっていまして、お目当ての御朱印帳はその時点で手に入れることができませんでした。ですので先に宇迦八幡宮に行ってしまい、帰りにもう一度寄ってみることに。
さらには、事前にはチェックしていなかったお稲荷さんが、猿江神社の後方、道路を挟んで反対側にありましたので、そちらにも参拝します。お稲荷さんは猿江稲荷社という神社でした。
そこから次の宇迦八幡宮を目指します。
宇迦八幡宮は、猿江神社からはめちゃめちゃ近いわけではなさそうですが、じゅうぶん徒歩圏内かと思われます。
地図を確認しつつ、小名木川という川の橋を渡りしばらく歩いて行きますと、左手に「開運延命子育地蔵尊」というお地蔵様がいらっしゃいましたので、立ち寄って手を合わせます。
再び歩き始めますとすぐに、清洲橋通りという大通りに出ます。そこから交差点を渡り細い路地を進んで行きますと、住宅街の中に玉垣が見えてきました。
宇迦八幡宮に到着です。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様であり稲荷神と同一である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)と、武神である八幡神と同一である応神天皇(おうじんてんのう)です。
創建は江戸時代の中期、寛政の時代です。それより数十年前の享保の時代、近江の商人である千田庄兵衛という人物が、この地を開拓したいと当時の八代将軍徳川吉宗に願い出ました。許可を得た千田はその後数年を掛けて開拓し、この地域は千田新田と名付けられました。現在の地名の元にもなっています。千田庄兵衛はこの地に社殿を造営し、千田稲荷神社として創建したのが宇迦八幡宮の始まりとされています。
新田の鎮守として信仰され、穀物が不作で飢餓が発生した際には、穀物に代わって片栗を栽培するようにとのお告げがあり、それに従った農民が飢餓から救われたという伝承があり、片栗八幡宮とも称されました。
御神体は、八代将軍吉宗が鷹狩りに訪れた際に残した矢の根とされ、今も保存されているそうです。
第二次大戦時に社殿が焼失してしまいますが、昭和27年に再建され、その際に社名も宇迦八幡宮と改称されています。
この地域の鎮守として、今も厚く信仰されている神社です。
境内案内
こちらが宇迦八幡宮の入口です。緑の多い境内が見えます。
鳥居の脇には立派な桜。春には全く違った景色が見れるはずです。
さらに左手には、宇迦八幡宮のご由緒。
一礼して鳥居をくぐります。あいにくの曇り空ですが、緑が綺麗です。
境内に入り右手前の奥には、造営を記念した石碑です。
参道を進みます。目の前には落ち着いた雰囲気を纏った社殿。右には大きな銀杏の木も見えます。
拝殿の右手、大きな銀杏の前に手水舎です。
手水舎を正面から。後ろの銀杏の存在感が大きいです。
手水鉢には水晶の載っている龍がいました。後ろには水槽も。お清めをします。
後ろには銀杏、その脇には石碑です。
しばし銀杏を見上げて無になります。
拝殿前へと進みます。
拝殿前には狛犬さんです。こちらは左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらも比較的新しいものに見えます。
拝殿には龍が彫られています。
暑さも忘れ、時間を掛けて参拝します。
拝殿から参道を振り返ると、こんな景色です。
境内を散策してみます。こちらは社殿を左斜め前から。社殿の色合いと周囲の緑の調和が綺麗です。
左手奥には神輿庫が並んでいます。その奥からでも境内に出入りできるようになっています。
社殿の左奥には塔とお地蔵さんが見えます。
こちらは社殿を横から。奥には本殿が見えます。拝殿と弊殿の仕切りには立派な彫刻も施されていました。
突き当たりは、左が六角宝塔、右が身代わり地蔵尊です。どちらにも手を合わせます。
再び拝殿前に戻ります。写真は拝殿を右斜め前から。
拝殿の右手に社務所がありましたので、そちらで御朱印を頂き、宇迦八幡宮を後にしました。
参拝を終えて
境内がとても静かで、落ち着いた雰囲気の神社でした。
鳥居の両脇にあった桜と、手水舎の後ろにあった銀杏の木がひときわ目を惹き、存在感が大きかったです。特に御神木の銀杏は迫力がありました。桜の木は境内に何本かありましたので、春には綺麗な桜が楽しめる場所になるはずです。
綺麗に茂った緑の中に、木の茶色を基調とした社殿が静かにどっしりと鎮座しています。
社殿は戦後に再建されたものとのことですが、だいぶ古い建物な印象を受けました。木の茶色が後ろの緑とも綺麗に調和していて、おそらく境内の落ち着いた雰囲気は、この社殿の影響が大きいのではないかと思われます。
拝殿の上部には立派な龍の彫刻も。
拝殿と幣殿との境にも彫刻が施された仕切りがありましたので、うっかり見逃さず、ちゃんと見ることができて良かったです。
社殿の左奥には石造六角宝塔と身代わり地蔵尊があります。
六角宝塔は、宇迦八幡宮を創建した千田庄兵衛が造立したものだそうです。身代わり地蔵尊の方は、水子供養としても知られているお地蔵さんとのこと。どちらにも手を合わさせて頂きました。
僕たちは宇迦八幡宮を訪れる前に、近くの猿江神社を訪れているのですが、猿江神社の方はどことなく境内も開けていて、白い社殿も華やかさがありました。その直後に森の中のような宇迦八幡宮に参拝しましたので、対照的に余計に落ち着いた空気を感じたのかもしれません。もちろん、どちらがいい、悪いではなくです。
静かな境内にて、清々しい空気を満喫させて頂きました。
途中、保育園児たちの集団が保育士さんに連れられて現れ、拝殿の前へ。すると保育士さんのうちの一人が代表して拝殿前に進み参拝し、園児たちは後ろの方でそれをおとなしく見守っていました。そんな様子が可愛かったので、ついつい嫁と一緒に一部始終を眺めさせて頂きました。
園児たちの参拝はありましたが、それを除けば境内には僕と嫁だけ(宮司さんが掃除をしていらっしゃいましたが)。
しばらく静かな境内にて過ごし、宇迦八幡宮を後にました。
その後は再び猿江神社に立ち寄り、先ほどは閉まっていた授与所が開いていましたので、無事に御朱印帳を購入し、御朱印も頂きました。
そして住吉駅へと戻る途中、駅の近くに小さなお稲荷さんを発見。
行きにも同じ道を通ったはずなのですが、行きは全く気付かなかったです。
もちろん参拝させて頂いたのですが、境内にも周囲にも、社名やご由緒など書かれたものは一切なく。帰宅後に調べても詳細などわかりませんでしたので、こちらの記事の中に挿入させて頂きました。
お稲荷さんの住所は、江東区猿江2-11-6付近になります。何かわかり次第、追記させて頂こうと思います。
住吉駅から電車に乗った僕たちは、3駅先の曳舟駅へ。
次に目指すのは、押上にある高木神社です。
御朱印
こちらが宇迦八幡宮の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都江東区千田12-8です。
宇迦八幡宮の公式サイトはありません。
電車
半蔵門線 / 都営新宿線 「住吉駅」から徒歩10分。
住吉駅の南には小名木川という川が東西に流れていて、その川を越えてすぐです。住吉駅のB1出口からが最も近いです。猿江神社からですと5~6分かと思います。
駐車場
境内に数台でしたら駐車できるスペースがあります。裏手から車で境内に入れるようになっていますので、特別な日でなければ問題なく停められるかと思います。また、神社前の道路にも、他の車のご迷惑にならなければ、短時間でしたら路上駐車も可能かと思われます。近くにはコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
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