新宿区の上落合にある月見岡八幡神社の参拝レポートです。
読み方は「つきみがおかはちまんじんじゃ」です。区内で最古の庚申塔など有形文化財を有していて、境内には冨士塚もあります。落合駅、下落合駅、中井駅の中間辺りに位置している旧上落合村の鎮守社です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
上落合にある「月見岡八幡神社」へ
3月の上旬、花粉症の身としてはなかなか辛い季節ではありますが、久しぶりの神社巡りに出掛けました。
この日は嫁の誕生日で、阿佐ヶ谷にてちょいと贅沢な夕食を予定してましたので、その前に神社巡りを二か所だけ。
中井御霊神社と月見岡八幡神社、どちらも新宿区の神社です。
新宿区内の比較的大きめな神社で、未参拝の神社はあと数社なんです。全部回って制覇しようとずっと思ってはいたのですが、なかなか遂行できずにいました。そんなあと数社のうちの二社に、ようやくこの度参拝できます。
まずは中井御霊神社に参拝し、続けて向かいましたのが、こちらの記事で紹介する月見岡八幡神社になります。
月見岡八幡神社は、どの駅からもそこまで近くないという、じゃっかん徒歩では行きづらい場所ではあります。冒頭でも書きましたが、東西線の落合駅と、西武新宿線の下落合駅、中井駅、その三つの駅の真ん中辺りですね。
さらに最初に訪れた中井御霊神社も、西武新宿線の中井駅と新井薬師前駅の中間辺りでして、そこから月見岡八幡神社までは、歩くとそこそこの距離がありそう。
とはいえ僕も嫁も歩くのは好きなので、ここは迷わず徒歩という選択肢で向かうことに。
もっととんでもなく遠そうでしたら、バスとかタクシーとかシェアサイクルとか検討はするんですけどね。歩けそうなら歩いちゃえ、というのがいつのも形なので。
中井御霊神社より、スマホで地図を確認しつつ、歩きます。
そして20分ちょっとくらいだったかと思います。最寄り駅から歩けば、そこまで時間は掛からなそうでした。
住宅街の路地を右に左にと曲がった先に、神社の境内が現れました。
月見岡八幡神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、品陀和気命(ほむだわけのみこと)、息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)、大雀命(おほさざきのみこと)の三柱です。
品陀和気命は、第15代天皇の応神天皇で、八幡神とも同一視されています。息長帯比売命は、応神天皇の母である神功皇后です。大雀命は、第16代天皇の仁徳天皇で、応神天皇の皇子です。
創建の年代は不明ですが、源義家が奥州出征の際に戦勝祈願をしたと伝えられていることから、それ以前(平安時代以前)と考えられます。
義家が植樹したと伝わる松の木は、江戸時代に枯死してしまいますが、その後も切り株が社殿の後ろに残っていたそうです。
かつては今よりも少し南(現在の八幡公園)に鎮座していて、境内には涌水の井戸があり、その水面に月光が美しく映ったことから、「月の美霊(つきのみたま)」として崇敬され、社名の由来にもなりました。
当初は月読命、美井乃神、杉井乃神がご祭神として祀られていましたが、後に八幡神が合祀されます。明治には近隣の北野神社と浅間神社も合祀されます。浅間神社には「落合富士」と称された冨士塚もあり、そちらも併せての合祀です。
昭和の第二次大戦時には、空襲により社殿が焼失してしまいますが、後に再建されました。
昭和36年~37年にかけ、区画整理により現在の地に遷座します。
境内には八幡神社愛育園という保育園が併設されています。
明治の神仏分離にて、所蔵していた仏具である鰐口が行方知れずになってしまいますが、昭和7年に北海道で発見され、再奉納されたという逸話もあります。鰐口は現在、新宿区の有形文化財(非公開)に指定されています。
また、境内にある区内最古の庚申塔と、旧社殿天井の板絵である「谷文晁の絵」(非公開)も、同じく新宿区の有形文化財に指定されています。
旧上落合村の鎮守社で、古くより地域の人々に崇敬されてきた神社です。
境内案内
こちらが月見岡八幡神社の入口です。鳥居の手前に狛犬さん。三つ巴の門も。
まずは狛犬さんにご挨拶。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。子供もいます。後ろにはかなり古いものと思われるご由緒書き。
さらに右手には、境内にある区内最古の庚申塔などの説明書きです。
一礼し、門を開け、石鳥居をくぐります。
境内に入りますと、すぐ左手に手水舎。
参道は右斜めに延びていて、その先に社殿です。
左には神楽殿。
拝殿へと進みます。右手は保育園になります。
左奥には境内社が見えましたので、後ほど行ってみます。境内には立派な木々も。
拝殿の前へ。
参拝させて頂きます。
拝殿を振り返ると、こんな感じです。境内にはところどこどろに遊具があります。
こちらは社殿を左斜め前から。
左手の境内社へ。まずは赤い幟が連なる笑福稲荷神社へ。
足元には可愛らしい神狐さん。
中にも小さな神狐さんが見えます。
続いてお隣の浅間神社へ。この後ろに冨士塚があります。
そして、横からじゃないと気付かなかったのですが、先ほどの笑福稲荷神社の社殿には、立派な彫刻が施されているのが見えます。
浅間神社の左奥に見えるのが、区内最古の庚申塔です。宝篋印塔の形をしたものになります。脇には天狗のような石像も。
浅間神社の後ろに回って、冨士塚を拝みます。「落合冨士」と称されている冨士塚で、こちらも旧社地から移転されたものになります。
冨士塚の頂上に祠も見えます。門が閉まっていたため、登頂はできませんでした。
今度は社殿の右手へ。こちらにも境内社があります。
クスノキの後ろにある境内社は、中央が天祖神社、左が北野神社、右が足王神社と道祖神社になります。
足王神社と道祖神社の前には、だいぶ古いものに見える狛犬さんです。
境内社の前からは、本殿も見えます。
最後に授与所にて御朱印を頂き、月見岡八幡神社を後にしました。
参拝を終えて
この日二社目に訪れた月見岡八幡神社。
八幡神社愛育園という保育園が併設されていて、神社とは同じ敷地内にある感じになってます。それゆえなのか、入口には門があり、閉まっています。
門があることや、自由に開け閉めして参拝してもOKというのを、事前に下調べをした際にチェックしておりましたので、怯むことなく入ることができました。
とはいえ、これがおっさん一人とかでしたら、やはり少々入りづらさはあるかもしれません。不審者と思われないかと、余計な心配をついしてしまいますので。僕の場合は写真も撮りまくったりしますから、やはりそこは気は遣います。嫁がいて助かりました。
境内には遊具などもいくつかありましたので、おそらく保育園の庭的な役割も担っているものと思われます。ですので時間帯によっては、さらに参拝がしづらいかもしれません。
そんな門と保育園というじゃっかんのハードルはありますが、もちろんこちらは古くより崇敬されてきた神社です。境内に入りますと、いつもの神社巡りと同様に、初めて出会うあれこれにワクワクしてしまいます。
入口の狛犬さんも可愛らしかったですけど、奥の境内社にいた古い狛犬さんも印象に残っています。
社殿の左手には、笑福稲荷神社という、なんとも幸せそうな社名の境内社がありまして、社殿に施された狐の彫刻も目を惹きました。
そして左奥には冨士塚があり、独特の雰囲気にもなっています。
落合冨士とも称されていたこの冨士塚は、神社の移転の際に一緒に移されたとのことですが、どんなふうに冨士塚が移転されたのか、気になるところでもありますね。
冨士塚の前には門があり閉まっていましたので、登頂はできなかったのですが、帰宅後に調べてみましたところ、どうやら山中には猿の母子像や天狗像などがあったみたいです。中に入れたら、新宿区最古の庚申塔なども近くで見れたと思うので、それが少々残念ではあります。
御朱印を頂いた際に、冨士塚は登れるのかどうか聞いてみればよかったです。そこまで思い至りませんでした。
もしまた次に行く機会に恵まれた際には、ぜひ聞いてみようと思います。
境内には大きな木もけっこう多くありまして、これが夏でしたら、もっと緑の強い感じになっていたことと思われます。鳥居の左右には立派なイチョウもありましたし、それぞれの季節でまた違った景色が楽しめるのではないかと。
月見岡八幡神社、参拝できてよかったです。
この後僕たちは落合駅まで歩き、東西線で阿佐ヶ谷へ。
そして嫁の誕生日プレゼントで、贅沢な焼肉を食し、満腹になり帰宅。
素敵な神社に参拝できましたし、美味しい食事もできましたし、いい休日が過ごせました。
また近々、都内の神社巡りに出掛けようと思います。
御朱印
こちらが月見岡八幡神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、日中の時間帯になります。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都新宿区上落合1-26-19です。
月見岡八幡神社の公式サイトはありません。
電車
①東西線「落合駅」から徒歩7~8分。
4番出口を出て、目の前の早稲田通りを東に進み、途中の路地を左折した先です。
②西武新宿線「下落合駅」から徒歩9~10分。
南口を出て、落合駅方面です。
③西武新宿線/大江戸線「中井駅」から徒歩10~12分。
西武新宿線なら南口、大江戸線ならA2出口になります。
駐車場
駐車場はありません。周辺にコインパーキングがいくつかあります。
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