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滝尾神社(日光市)の御朱印と見どころ

滝尾神社の紹介

日光市にある滝尾神社の参拝レポートです。

読み方は「たきのおじんじゃ」です。瀧尾神社と表記されることもあります。二荒山神社の別宮で、二荒山神社、本宮神社とともに、日光三社の一つに数えられ、日光最強のパワースポットともいわれています。世界遺産である日光の社寺の一部です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

日光最強のパワースポット「滝尾神社」へ

11月、秋の日光に嫁と二人でやって来ました。コロナ禍ではありますが、Go To トラベルをフル活用で。

二泊三日で、世界遺産である「日光の社寺」をがっつり回るという腹積もりで、日程を組みました。

「日光の社寺」というのは、正確には「二社一寺及びこれらの建造物群をとりまく遺跡」でして、二社一寺は、日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社を指します。二つの神社と一つの寺院です。

そして二社一寺とはまた別で、日光には「日光三社」(かつては「日光三所権現」)と称される日光二荒山神社、本宮神社、滝尾神社の三つの神社があります。このうち本宮神社と滝尾神社は、どちらも二荒山神社の別宮です。全て世界遺産にも含まれています。

上記のうち、東照宮、二荒山神社、輪王寺、本宮神社などは、どこも近い場所に位置しているのですが、滝尾神社だけはかなり山奥に鎮座していまして、歩くとそれなりの時間を要する場所にあります。車ですと近くまで行くことはできますが、車がない場合にはバスなども出ていませんので、徒歩かタクシーです。

故に滝尾神社は、訪れる人も他と比べますと、かなり少ないようです。

しかしです。どうやらこの滝尾神社、物凄いパワースポットとして知られているようでして、特に境内の三本の御神木が並ぶ「滝尾三本杉」が有名みたいです。

元々僕たちも滝尾神社は訪れる予定ではありましたが、色々と下調べをすればするほど、興味を惹かれる神社です。

また、滝尾神社までは滝尾道という石畳の道が続いていまして、その画像を見ますとなんとも神秘的で、ぜひとも歩いてみたいと。

そんなあれこれの下調べを入念にし、ついに当日を迎え、特急にて東京から日光へ。

初日は午前中に滝尾神社、午後に輪王寺と大猷院、というのを大きな目的地に決めます。東照宮や二荒山神社は、翌日の二日目にじっくり回る予定にしました。

朝イチで日光に降り立った僕たちは、まず日光山内の入口にある神橋、本宮神社、四本龍寺、児玉堂と立ち寄り、その後はハイキング気分で滝尾神社を目指すことに。

道中にある開山堂、北野神社などの寺社や遺跡、白糸の滝、そして巨木の聳える滝尾道自体も、全て世界遺産です。

この日は平日だったためか、歩き始めてから始終、僕と嫁しかいないという、なんとも贅沢な時間が続いておりまして、世界遺産を思う存分満喫させて頂きました。

そして神橋からは35~40分ほどで、滝尾神社の入口となる、石段の手前まで到着です。

そこからまずは右手にありました、滝尾高徳水神社に参拝。

再び滝尾道に戻り、滝尾神社へと続く石段を上ります。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話に女神である田心姫命(たごりひめのみこと)です。宗像三女神の一柱で、二荒山神社の主祭神である大己貴命の妃神です。

創建は平安時代初期の弘仁の時代です。弘法大師(空海)が女峰山に滝尾権現(田心姫命)を勧請したのが始まりとされています。

二荒山神社、本宮神社とともに、日光三社の一社に数えられています。男体山に勧請された男体権現(二荒山神社)、女峰山に勧請された滝尾権現(滝尾神社)、太郎山に勧請された太郎権現(本宮神社)は、かつて日光三所権現として信仰されていました。

現在は二荒山神社の別宮です。

本殿の裏にある、三本杉の巨木が聳える場所は、田心姫命が降臨した地とされています。

三本杉をはじめ、運試しの鳥居、子種石、縁結びの笹など、パワースポットとしても知られています。

女峰山の山頂に鎮座している女峰山神社は、滝尾神社の奥社になります。

滝尾道の奥、白糸の滝近くに鎮座していて、境内には末社の滝尾稲荷神社もお祀りされています。

本殿や門などは国の重要文化財に指定されています。

平成11年に世界遺産登録された、日光の社寺の一部でもあります。

 

境内案内

こちらが滝尾神社へと続く石段です。この左手には白糸の滝、右手には滝尾高徳水神社があります。

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石段の手前にご由緒書きと境内案内がありましたので、目を通します。

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石段を上ります。途中の石灯籠はとても古いものに見えます。

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行く手には大きな杉の木も。この左には白糸の滝へと続く稲荷川が流れています。

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右に小さな石祠がありましたので、手を合わせます。

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石段を上がりきりますと、巨木の聳える石畳の参道が続いています。

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参道を進むと、右手に「別所跡」と書かれた案内書きがありました。明治までこの場所には輪王寺の別所があり、山伏が大盛りの飯を残さずに食べる強飯式という儀式も、この地で行われていたそうです。

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別所跡の先には「影向石(ようごうせき)」の案内。弘法大師が祈願したところ、この奥の大岩に女神が現れたそうです。

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影向石の近くまで行ってみます。石祠がありましたので手を合わせます。この左の大岩が、女神が現れた影向石かと思われます。

影向石

 

参道に戻ります。前方には石鳥居と、その奥には赤い門も見えます。

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石鳥居は、「運試しの鳥居」と書かれています。三代将軍家光の家臣である梶定良(かじさだよし)が奉納した鳥居です。

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鳥居中央にある穴に小石を三つ投げ、そのうちの一つでも入ると願いが叶うと言われているそうです。僕たち夫婦もチャレンジしますが、まったく入らず…。

運試しの鳥居

 

一礼して石鳥居をくぐります。こちらは鳥居を後ろから見た景色です。小石が入らず悔しかったので、後ろからもチャレンジしたところ、僕は一つ入りましたが、嫁は入らず。

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先へ進みます。聳える杉と赤い楼門の景色が素敵です。

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大きな杉の手前に、滝尾神社の御由緒書き。

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左手の眼下には稲荷川が流れているのが見えます。

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楼門(ろうもん)の正面へ。

楼門

 

一礼して楼門をくぐると、すぐ目の前に拝殿です。朱と黒を基調とした建物で、江戸時代中期に造り替えられる以前は、この倍の規模の建物だったそうです。

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参拝させて頂きます。扉の前には御朱印の案内もありました。

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拝殿の左手奥に石畳が続いていますので、行ってみます。

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左手はこんな感じで少し広くなっています。古い石灯籠が並び、木々が聳えています。

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こちらは拝殿を左斜め前から。後ろに見えるのは本殿です。

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本殿の前へと歩を進めますと、その手前、左右には「縁結びの笹」です。笹の前で良縁を祈ると、良い人の縁が叶うといわれているそうです。

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こちらが本殿の唐門(からもん)です。江戸時代中期に建て替えられたもので、玉垣もその際に設けられたものとのこと。

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本殿に参拝させて頂きます。

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本殿の脇より、さらに奥へと進みます。前方に鳥居と赤い幟が見えてきました。

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赤い鳥居の先が、滝尾稲荷神社です。弘法大師が滝尾神社とともに創建したといわれている神社です。

滝尾稲荷神社

 

滝尾稲荷にも参拝させて頂きます。社殿は昭和41年に台風で流出してしまい、昭和43年に再建されたものとのこと。

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滝尾稲荷神社に向かい、右手の玉垣の中に見えるのが三本杉です。

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三本杉へと進みます。途中には小さな石橋がありました。「無念橋」と呼ばれている橋で、自分の歳の歩数で渡ると、女峰山頂上にある奥宮まで登ったのと同じご利益があり、願いが叶うと言われているそうです。

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三本杉の前には石鳥居。

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石鳥居をくぐり、三本杉の正面へ。三本杉は女峰山の女神が降臨したという御神木です。初代の三本杉は江戸時代に倒れてしまい、現在は二代目のものだそうです。

三本杉

 

三本杉を独り占め。ここまで歩いて来てよかった。

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滝尾稲荷の右手が三本杉で、反対の左手にも石畳が続いていますので、今度はそちらに行ってみます。鳥居も見えます。

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鳥居の手前、右手に「酒の泉」です。日光の三霊水のひとつに数えられていて、こちらの水には酒の味があるといわれ、醸造家の信仰も厚いそうです。

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酒の泉の先には、鳥居が二つ。この先に「子種石」があるとの案内もあります。

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木の鳥居をくぐると、前方に石鳥居。その左手前には大きな切り株と、「安産子種石」と刻まれた碑です。

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石鳥居をくぐり、玉垣に囲まれた子種石の前へ。この石に子供が授かるように祈願すると、子宝に恵まれ、安産するとの信仰が古くからあるそうです。

子種石

 

周囲は完全な森です。いつクマが出てきてもおかしくないですね。

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子種石から滝尾稲荷側を見ますと、こんな景色になっています。

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来た道を戻ります。こちらは本殿を後ろから。裏壁には、女峰山を遥拝するための扉があるのが見えます。

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こちらは拝殿と本殿にに向かって左手の、広くなっている場所です。この向こうに稲荷川が流れています。

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再び拝殿前に戻ります。拝殿はぐるっと一周できるようになっています。こちらは右側から。奥の本殿も見えます。その手前の縁結びの笹も。

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楼門を出て、石畳を戻り、滝尾神社を後にしました。

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参拝を終えて

滝尾道の奥にある滝尾神社。

とっても素敵な神社に参拝することができました。

滝尾神社は日光最強のパワースポットとも謳われているとのことですが、まさにそんな言葉がぴったりの霊場でした。

入口の石段からしてもう雰囲気がありましたが、その先の境内全体がパワースポットのような感じです。

僕たちはこの日、最初に訪れた神橋では他の参拝者も少しだけいらっしゃいましたが、その後の本宮神社からは誰一人いらっしゃらず、ずっと世界遺産を独占させて頂いておりました。

滝尾道もずっと僕たち夫婦だけです。

ですのでずっとその状況が続くのかと思いきや、滝尾神社でようやく他の参拝者の方々と出会うことに。

滝尾神社へと続く石段の右手、滝尾高徳水神社の前には駐車場もありまして、どうやら車でそこまで来る方もちらほらいらっしゃるようです。滝尾神社はパワースポットとしても有名ですし、日光三社の一社ですし。

とはいえ多くの人がいるわけではなく、ほんとに数人だけですので、ほぼ境内を独占させて頂いているのに近い状態ではありました。

石段を上り切った石畳の先には、巨木の向こうに赤い楼門が見えまして、その景色だけでも「来てよかったな~」と思えるものでした。まるで楼門が、さらなる異空間への入口みたいにも見えました。

その手前にあった運試しの鳥居では、小石を片手にだいぶはしゃいでしまいましたけれど。結局僕も嫁も3回では入れられませんでした。僕は再チャレンジして入りましたが、嫁はとんでもないところに小石を飛ばしてました。笑

鳥居前の別所跡や影向石も神聖な空気感がありましたが、やはり一番凄かったのは、本殿奥のエリアです。

楼門の先がすぐ拝殿でして、その後ろの本殿も近くから見ることができます。拝殿、本殿ともに赤と黒を基調とした建物で、森の中に凛として鎮座している様は美しかったです。

で、その本殿の奥へと進みますと、滝尾稲荷神社、三本杉、子種石、酒の泉、無念橋など、見どころがたくさんあるエリアがあります。

三本杉は滝尾神社の御神木で、境内で最も神聖な場所といわれています。見事な杉が三本、真っ直ぐに天に伸びている景色は、素晴らしかったです。初代の三本杉は300年前に倒れてしまい、現在は三本とも二代目の御神木とのことですが、もし初代が残っていたら、また違った景色になっていたんだろうな~と。

個人的には、三本杉と並び、もしくはそれ以上に張り詰めた空気を感じたのが、子種石の周辺です。脇には稲荷川が流れ、奥は今にもクマが出てきそうな深い森になっていて、清としています。人もほぼ誰もいない状態ですので、そんな中にいますと、まるで別の世界に来てしまったかのような感覚にもなります。

境内の神聖な空気を、これでもかというくらい、時間をかけて吸い込ませて頂きました。

滝尾神社に至るまでの滝尾道や、その道中の社寺も含め、素晴らしい場所に訪れることができて、大満足です。

近くまで車で行くこともできますが、歩くのに問題がなければ、ぜひ滝尾道を歩いての参拝をお勧めします。

滝尾神社、参拝できてよかったです。

この後僕たちは、時間もお昼になりおなかも空いていたので、神橋まで再び徒歩にて戻り、昼食にすることに。

そして午後は輪王寺へと向かいます。

 

御朱印

滝尾神社と、境内社の滝尾稲荷神社、二つの御朱印を頂くことができます。

まずこちらが滝尾神社の御朱印です。

滝尾神社の御朱印

 

こちらが滝尾稲荷神社の御朱印です。

滝尾稲荷神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印は二荒山神社の授与所にて頂くことができます。書置きのみのご対応となります。

御朱印と御守りを頂ける時間は、季節によって異なりますが、9時から16時まででしたら、どの季節でも頂けるかと思います。詳しいお時間は、二荒山神社の公式サイトにてご確認ください。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は栃木県日光市山内です。

滝尾神社の公式サイトはありませんが、本社である二荒山神社のサイト内に案内があります。
http://www.futarasan.jp/cgi-bin/imgsys/image_c.cgi?60

 

電車&バス

神橋」バス停より徒歩35~40分。北野神社からは20分ほどです。

「神橋」バス停より日光橋を渡り、右の坂道を上って行きます。途中Y字になっていている場所は、道なりに右手の方へ。その少し先、橋の手前を左折です。鈴屋という食堂が左に見える路地です。そのまま登り坂を10分ほど上がると左手に開山堂があり、そこから滝尾道に入り、20分ほどで石段に到着です。石段からは4~5分で拝殿です。

 

駐車場

入口の石段近く、滝尾高徳水神社の前に、数台駐車できるスペースがあります。そこからは徒歩で拝殿まで5分ほどです。

 

周辺のパワースポット

 

日光世界遺産巡り

日光の二社一寺を中心とした、世界遺産の全ての社寺については、こちらの記事でまとめてあります。

 

日光市の神社一覧

僕が参拝した日光市の神社一覧です。