中央区の日本橋人形町にある末廣神社の参拝レポートです。
読み方は「すえひろじんじゃ」です。かつて吉原遊郭のあった地にて、吉原の総鎮守として信仰されていた神社です。明暦の大火により吉原が移転した後、跡地の氏神となります。日本橋七福神の毘沙門天の神社でもあります。人形町駅と浜町駅が最寄りです。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
人形町の「末廣神社」へ
まだ残暑の残る9月の下旬、嫁と二人、久しぶりに都内の神社巡りに出掛けました。選んだ場所は日本橋周辺です。
この何日か晴天が続いていたものの、この日だけ生憎の雨。よりによってそんな日に神社巡りに出掛けなくてもよいのですが、東京駅の近くで以前から食事の予約をしておりまして、それに合わせてのお出掛けでしたので、日にちをずらすことができず。
しかも旅行サイトのポイントが貯まっていて、その使用期限が間近に迫っていたため、ホテルまで予約しちゃいました。僕たち夫婦は都内在住なのに、都内に宿泊するという贅沢なコースです。無理やりポイントを使おうと思ったら、そうなっちゃいました。
激しい雨だったら神社巡りは中止にして食事だけにしようとは思っていたんですけね。どうやら小雨が降ったり止んだりのようでしたので、決行することにしました。
雨の神社というのもまたいいものなので。
末廣神社はこの日参拝する四社目の神社です。
幸い神社巡りを始めた時間は雨にも降られていなかったのですが、三社目の笠間稲荷東京別社の参拝前あたりから小雨が降り始めました。持参した折りたたみ傘を広げつつの参拝です。
そして四社目の末廣神社に向かおうと歩き始めてすぐ、突然なかなかの本降りに。
雨の神社もまたいいもの、だなんて書きはしましたけど、やっぱり晴れていた方がいいですよね。本音では。いや、雨の神社がいいものなのも事実ではあるのですが、どっちか選べと言われたら、迷わず晴れの方を選んじゃいますからね。そこで雨を選べる人になりたいですけれど。
いきなりの本降りでしたので、神社巡りを中断しようかと一瞬迷いはしましたが、笠間稲荷から末廣神社はすぐ近くです。中断するにはあまりにも距離が近過ぎました。ですのでもう勢いで行ってしまおうと。
地図を確認しながら足早に歩いていますと、ビルとビルの間に鳥居を発見しました。笠間稲荷からは3分くらいだったと思います。
末廣神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、宇賀之美多摩命(うがのみたまのみこと)と武甕槌命(たけみかづちのみこと)です。
宇賀之美多摩命は食物や穀物の神様で、宇迦之御魂命、倉稲魂命などとも表記され、稲荷神と同一です。 武甕槌命は、葦原中国を平定した武神で、雷神や剣の神でもあります。
創建の年代は不明ですが、安土桃山時代の慶長元年には鎮座していた記録が残っているため、それ以前になります。
江戸で初めての遊郭である吉原(葭原)はかつてこの地にあり、江戸時代初期には吉原の総鎮守として信仰されます。
明暦の大火により吉原が移転した後も、跡地の氏神となります。
社号は延宝3年の社殿修復の際に、本殿から中啓(末廣扇)が発見され、人々が悦び祝い「末廣」の二文字を冠したといわれています。
昭和20年には東京大空襲で社殿が焼失してしまいますが、昭和22年に再建されています。
御神宝の古文書は、中央区の有形文化財に指定されています。
日本橋七福神の毘沙門天の神社でもあります。
境内案内
こちらが末廣神社の入口です。周囲はビルに囲まれています。紺の幟というのも珍しいですね。
鳥居の手前、左手にご由緒書きです。
一礼して石鳥居をくぐり境内へ。
前方、社殿の前には立派な木が聳えています。椎の木のようです。
左に手水舎。境内は緑が多いです。
龍のいる素敵な手水舎で、お清めをします。
参道を進み拝殿へ。
左右には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。
その先、左には御神木の椎の木があり、足元には気になるものが色々ありましたので、後ほどじっくり拝見させて頂くことに。
拝殿へと進み、参拝させて頂きます。
拝殿を振り返ると、こんな景色です。綺麗に手入れされていて、緑も多く素敵な境内。
御神木の椎の木を見上げます。
椎の木の足元にもご挨拶。「徳」と書かれた正面の石は「末廣徳の石」です。石の上にお金を置き願いを込め、そのお金を持っていると徳運が貯まり、使っても徳運が広がるといわれているとのこと。右奥には火消し「は組」の碑です。
左奥には、女性と子供の守り神、養母世稲荷です。
拝殿に向かって右に授与所があります。こちらで御朱印を頂き、末廣神社を後にしました。
参拝を終えて
強かった雨も境内に入ると小雨に変わりました。
末廣神社は緑も多く、とっても居心地のいい神社でした。
小さな神社で境内も広くはないのですが、手入れが行き届いていまして、庭園の中にいるような、そんな心地良さがありました。
龍のいた手水舎も、周りを緑に囲まれていて素敵でしたし、雨に濡れた狛犬さんというのも、またなんとも言えない可愛らしさがありましたし。
白と茶の社殿も映えてました。
雨と緑や石の相性もいいので、余計に色んなものが美しく見えたのかもしれません。
社殿の前に斜めに聳えていた御神木の椎の木も立派で、目を惹きました。入口の鳥居の前に立った瞬間に、まずぱっと目に飛び込んできましたからね。
もう一つ、紺の幟というのも同じく目を惹きました。白や赤の幟はよく目にしますが、神社で紺というのはけっこう珍しいのではないかと思います。それがまたかっこよかったです。
椎の木の足元には、徳の石や養母世稲荷がお祀りされていて、その一角だけ賑やかな感じになってました。
御朱印を頂く際も、とっても親切に対応して頂きました。こちらでは、末廣神社の御朱印と、日本橋七福神の毘沙門天の御朱印、さらには近隣にある茶ノ木神社の布袋尊の御朱印も頂くことができます。
参拝者は始終僕たち夫婦しかおらず、小雨の境内を心行くまで満喫させて頂きました。
かつてはこの辺りが吉原遊廓で、末廣神社は吉原の鎮守だったとのこと。遊郭があった頃はどんな景色だったんだろうと、なんとなく想像してみたり。
当時から数えきれない人が、こちらの神社に参拝しているんですよね。そう考えるとなんだか不思議な気持ちにもなります。
末廣神社、参拝できてよかったです。
続いては、人形町をいったん離れ、地下鉄に乗って門前仲町へ。
深川不動堂と富岡八幡宮へと向かいます。
御朱印
末廣神社では、二つの御朱印を頂くことができます。
こちらが末廣神社の御朱印です。
こちらが日本橋七福神の毘沙門天の御朱印です。
また、近隣にある茶ノ木神社の、布袋尊の御朱印もこちらで頂くことができます。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、日中の時間帯になります。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都中央区日本橋人形町2-25-20です。
末廣神社の公式サイトはこちらです。
https://suehirojinja.or.jp/
電車
①都営浅草線/日比谷線「人形町駅」A3出口から徒歩3~4分。
②都営新宿線「浜町駅」A1出口から徒歩5~6分。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。近くにはコインパーキングがいくつかあります。
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