江東区の富岡にある深川不動堂の参拝レポートです。
読み方は「ふかがわふどうどう」です。正式名称は成田山東京別院深川不動堂(なりたさんとうきょうべついんふかがわふどうどう)になります。真言宗智山派の寺院で、千葉にある成田山新勝寺の別院です。深川不動尊とも称され親しまれています。門前仲町駅より徒歩すぐ。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
門前仲町の「深川不動堂」へ
深川不動堂には、以前に一度だけ嫁と参拝しております。2017年ですので、もう6年も前です。
東京十社巡りをしていて、その一社である富岡八幡宮に参拝した際に、お隣に不動堂があるのを発見し立ち寄った形です。事前に何の知識も仕入れておらず、行き当たりばったりの参拝でした。にもかかわらず、ものすごく印象に残っている寺院なんですよね。
梵字で埋め尽くされた本堂の外観に始まり、護摩焚きが痺れるほどかっこよかったのと、クリスタル五輪塔の回廊の空気感が凄かったのと。
僕は当時まだこちらのブログを始めたばかりでして、神社のみを書くという方針でやっていた頃で、寺院については書いておりませんでした。今では神社も寺院も関係なく、参拝させて頂いたら記事にはしているんですけどね。ですので深川不動堂も記事にはしておらず、ぜひとももう一度足を運び、ちゃんと記事にさせて頂きたいと思っていたんです。
この日は嫁と二人、東京駅の近くでディナーの予約をしておりまして、その足で日本橋周辺の神社巡りを決行しました。で、少し足を延ばせばこちらの深川不動堂がありますので、じゃあ行こうじゃないかという流れです。
不動堂のお隣、富岡八幡宮も、以前参拝した際には社殿が工事の真っ最中でして、ちゃんと見れておりませんので、そちらにも行きたかったというのもあります。当時、社殿の前にはでっかいシートが掛けられ、そこに社殿の写真がプリントされていたのですが、僕も嫁も近づくまでプリントだと気付かず、びっくりした覚えがあります。本物だと思って歩いて行きましたので。直前まで気付かなかった僕ら夫婦もアホですけれど。
そんなわけで、深川不動堂と富岡八幡宮の参拝に向かうため、門前仲町へ。直前には人形町駅近くの末廣神社に参拝しましたので、人形町駅から地下鉄にて向かいます。
門前仲町駅に到着し、1番出口を出ると、もうそこが不動堂へと続く参道「人情深川ご利益通り」の入口です。
時間はちょうどお昼です。不動堂の護摩祈祷の時間を調べたところ、次が13時でして少々時間がありましたので、駅の近くのラーメン屋さんでランチをしちゃいます。腹ごしらえはばっちり。
そしてまずは深川不動堂へ。
ご由緒
ご本尊は、不動明王(ふどうみょおうおう)です。
創建は江戸時代中期の元禄16年です。
江戸時代のはじめ、歌舞伎役者の市川團十郎が、不動明王が登場する芝居を打ったことなどにより、庶民の間で成田山の不動明王の人気が高まります。市川家は代々篤く成田山を信仰していて、屋号を「成田屋」と称するほどでした。そんな庶民の人気により、元禄16年に富岡八幡宮の別当寺である永代寺にて、本尊の不動明王像を成田山から運び公開される出開帳が行われます。これが深川不動堂の始まりとされます。その後も出開帳は何度も行われ、大いに賑わったそうです。
一説には、5代将軍徳川綱吉の生母である桂昌院が、最初の出開帳を実現させたともいわれています。
明治になり神仏分離令により永代寺が廃寺(明治29年には再興)となりますが、不動尊信仰は止むことがなかったため、明治11年に現在の地に、不動明王の御分霊が正式に遷座され、深川不動堂となります。明治14年には本堂が完成します。
大正の関東大震災、昭和の東京大空襲と二度にわたり堂宇が焼失しますが、ご本尊は役僧たちが命懸けで運び出し、焼失を免れています。
昭和25年には再建され、平成24年には新本堂が造営され、現在に至ります。
外壁を梵字で埋め尽くされた本堂、国内最大級の木造不動尊像である「おねがい不動尊」が安置された旧本堂、4階建ての内仏殿、一万体のクリスタル五輪塔が安置された回廊、成田山出世稲荷を勧請した深川開運出世稲荷など、境内には多くの見どころがあります。護摩修行を拝観することもできます。
参道は「人情深川ご利益通り」と呼ばれ、毎月1日、15日、28日には縁日が開かれています。
門前仲町という地名の由来にもなっている寺院です。
境内案内
こちらが深川不動堂へと続く参道の入口です。
一礼して門をくぐり進みます。参道は「人情深川ご利益通り」と呼ばれています。
右手には、一度は廃寺となるもその後に再興された永代寺です。深川不動堂とも関りの深いお寺。
参道を進むと、左右には立派な青銅燈籠。常香炉の上には、護摩焚きの時間などの案内が電光掲示板で出ています。
左に手水舎です。まずはお清めを。
手水舎の後ろには、深川龍神です。三頭の龍がいらっしゃいます。
三頭龍の神さまを近くで。
奥には「亀鯉供養之碑」です。かつてこの場所には池があり、そこに棲んでいた亀や金魚の供養碑です。
手水舎を振り返ると、梵字で埋め尽くされた本堂です。その下には総合案内所。
参道に戻ります。正面の堂宇は旧本堂になります。
右には御守りの授与所。大きな草鞋(わらじ)もあります。
そして右手後ろ側にも御守りの授与所です。こちらにも大きな草鞋。御朱印もこちらで頂けるようですので、後ほど。この先には深川開運出世稲荷も見えましたが、そちらも後ほど。
左の本堂を少し引きの絵で。ついつい見入ってしまいます。
石段の左右には、不動明王にお仕えする童子さまの像です。こちらが左の制多迦童子(せいたかどうじ)。不動明王の忿怒(ふんぬ)を表しているといわれています。
こちらが右の矜羯羅童子(こんがらどうじ)。不動明王の慈悲を表しているといわれています。
旧本堂へと石段を上がります。
旧本堂の木鼻には獅子と象。こちらは左側。
こちらが右の木鼻です。
扁額には龍が彫られています。
右奥より、中に入ることができます。参拝や拝観は無料です。ここから先は撮影禁止。旧本堂、本堂、内仏殿など全てこちらから参拝させて頂きました。護摩祈祷の拝観やクリスタル五輪塔の回廊も。
参拝を終え、続いては旧本堂に向かって右手にある、深川開運出世稲荷へ。
一礼して鳥居をくぐります。常香炉には獅子。左右には青銅燈籠も。
参拝させて頂きます。お堂には彫刻も施されています。
花や木の彫刻も。こちらは左側です。
こちらは右奥。桜の木もありました。
開運出世稲荷に向かって右手には、勝利をもたらす地蔵尊といわれる、馬に乗った勝軍地蔵尊です。その左には不動明王像。
その左にはでっかい百度石。
さらに左には、中央に利剣のお姿をしたお不動さまである利剣不動尊、左に不動明王像、右に童子像です。
その奥、開運出世稲荷の堂宇の後ろにあたる場所に、お百度不動尊です。
旧本堂の右手奥が駐車場になっています。
左には車の交通安全祈願をする祈祷殿。
右には石碑や石像が並んでいます。
少し変わった形の右の碑は、歌舞伎界の名優だった五代目尾上菊五郎の碑です。
再び本堂前まで戻り、御朱印を頂き、深川不動堂を後にしました。
参拝を終えて
二度目の参拝となる深川不動堂。
一度目も印象に残るものが多々あったのですが、二度目はさらにそれをじっくりと堪能することができた気がします。
堂宇の中に入る前から、目を惹くものが多いです。特に梵字で埋め尽くされた本堂は、独特の強烈な存在感があります。他ではこんな建物見たことないですからね。
入口の両童子像だったり、旧本堂の彫刻は、前回はあまりしっかり見た覚えがなかったので、そちらもじっくり観察できました。
そしてやっぱり、旧本堂の「おねがい不動尊」は、国内最大級の木造不動尊像とのことで、でっかくて迫力満点です。後ろにも回れます。
お目当てだった護摩祈祷も素晴らしかったです。始まった瞬間、もうぐっと惹き付けられました。かっこいいライブを観ているかのような感じです。痺れます。もっともっと聴いていたくなってしまうくらいでした。
本堂、旧本堂、内仏殿は全部繋がっていますので、ぜひ全部回ってみることをお勧めしたいです。
僕は護摩焚きを拝観した後、ゆっくりと時間を掛け、本堂や内仏殿を回らせて頂きました。
内仏殿は4階までありまして、4階には日本最大級の天井画「大日如来蓮池図」、2階には「みまもり不動尊」や「四国八十八カ所巡拝所」など、見どころもたくさんあります。
お目当てのもう一つだった、本堂の「祈りの回廊」も素晴らしかったです。1万体のクリスタル五輪塔が並ぶ様は圧巻ですし、音一つない回廊を歩いていると、現実感もなくなりますし、自分がいったいどこにいるのかわからなくなります。回廊はうっかりすると見過ごしてしまう場所にありますので、ご注意を。本堂の中、左に入口があります。
拝観後、堂宇の外に出てからも、境内をうろろと徘徊させて頂きました。
開運出世稲荷の彫刻をじっくり見たり、奥の勝軍地蔵尊などにも全て参拝させて頂いたり。
前回は気付かなかったのですが、駐車場の奥にも石碑や石像などが並んでいまして、今回はそちらのエリアも散策させて頂きました。
また、不動堂のお隣は深川公園になっていまして、永代寺の跡地です。そちらには日清戦争の戦勝記念して明治28年に建てられた石造燈明台などもあります。
深川公園の存在も、一度目のときは全く気付かず、二度目にして知りました。
深川不動堂、参拝できてよかったです。今度はぜひ縁日に来てみたいですね。
続いては、お隣の富岡八幡宮に参拝し、その後は東京駅をウロウロ。で、そのままディナーへ。
いい休日が過ごせました。
そのまま僕たちは、人形町のビジネスホテルに宿泊。
翌日は同じく周辺の神社巡りをして、帰路に就く予定です。
御朱印
こちらが深川不動堂の御朱印です。
こちらが深川開運出世稲荷の御朱印です。
上記の他にも、月替わりのものなどいくつかの御朱印が用意されています。下記は著者参拝時のものですが、ご参考にして頂ければと思います。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、8時から18時までです。参拝可能時間も同様になります。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都江東区富岡1-17-13です。
深川不動堂の公式サイトはこちらです。
http://www.fukagawafudou.gr.jp/
電車
東西線/大江戸線「門前仲町駅」から徒歩2~5分。
東西線なら1番出口からすぐ、大江戸線なら6番出口です。
駐車場
参拝者用の駐車場があります。そこまで大きな駐車場ではありませんが、特別な日でなければ駐車できるかと思います。近くにはコインパーキングもあります。
周辺のパワースポット
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