大田区の羽田にある白魚稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「しらうおいなりじんじゃ」です。漁師が初水揚げした白魚を奉納していたことから、白魚稲荷と称されています。羽田七福いなりめぐりの六番目の神社です。最寄駅は京急の天空橋駅、もしくは穴守稲荷駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
羽田七福いなりの一社「白魚稲荷神社」へ
季節は11月の中旬です。僕と嫁、そして嫁の妹という三人で、羽田の神社巡りに出掛けて参りました。
朝イチで自宅を出発し、電車を乗り継ぎ、京急の大鳥居駅に降り立ちます。
事前に調べておいた各神社へと順調に立ち寄り、続いて向かう白魚稲荷神社が、この日の五ヶ所目となる神社。
朝から歩き続けて、時間は既にお昼に差し掛かる頃です。
しっかりと朝ご飯は食べてきたものの、そろそろ空腹を感じる時間です。
歩き回っていますのでカロリーも消費していますし、既に10時過ぎにはおなかがグーグーと鳴り始め…。気が付けばその状態に陥っているのは僕だけではなく、嫁と嫁の妹も同じでした。
ですので、途中コンビニに寄って、肉まんでも買って小腹を満たし、ランチまで繋ぐという意見で三人とも一致します。
しかしです。
こういうときに限って、一軒もコンビニに出会わないんですよね。
求めていないときにはたくさん見掛けるものなのですが、いざ求めていると見つからないものです。人生はそんなものなのかもしれません。
僕たちは別に山の中を歩いているわけでもなく、住宅街を歩いているんですけどね。コンビニに限らず、「お店」というものの姿もほとんど見掛けませんでした。
以前、台東区の神社巡りをしているときも、今回と全く同じ状況に陥ったことを思い出しました。
都内の住宅街だからといって、コンビニが一定の間隔で存在しているわけではない、ということを改めて学びました。
そんなこんなで僕たちは、空腹を抱えたまま歩き続け、白魚稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、食物や穀物の神様で、五穀豊穣の神様である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建の年代や経緯は不明ですが、江戸時代前期以前の創建ではないかと考えられています。
多摩川の河口では、白魚やボサエビなどが名物として獲られていて、漁師たちが初水揚げした白魚を当社に奉納していたことから、白魚稲荷神社と称されるようになりました。
明治には、多摩川での砂利採取が盛んになり、従事する人々からも厚く信仰されました。
漁師たちからは火伏の神様としても信仰され、第二次大戦時の空襲では、一帯が被災するも、社殿は延焼を免れています。
「羽田七福いなりめぐり」の一社で、無病息災のご利益があるといわれています。
羽田神社の兼務社です。
境内案内
弁天橋通りという道沿いに、羽田七福いなりめぐりの、白魚稲荷神社の看板を見つけました。この路地の先に見えるのが白魚稲荷のようです。
路地に入るとすぐ、前方に赤い鳥居です。
こちらが白魚稲荷神社の入口になります。鳥居の先には少し左に参道が延び、社殿があります。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。青空が気持ちいいです。
鳥居の先、すぐ左手に手水鉢があります。水がありませんでしたので、手をはたいてお清めをします。
手水鉢の脇には、「紀元二千六百年記念」と書かれた石碑がありました。
参道を社殿へと進みます。
左前方はこんな感じで広くなっていて、車も停まっています。奥には神輿庫があります。
社殿は少し高めの位置に建てられています。
石段を上ります。社殿は木の茶色を基調とした建物で、落ち着いた雰囲気を纏っています。
上まで上がりますと、社殿の彫刻に目が留まります。
彫刻は、正面に二匹の狐、左右には獅子です。
11月の青空の下、参拝させて頂きます。扁額の文字が丸みのあるかわいい書体ですね。
社殿を振り返りますと、こんな景色です。境内は駐車場にもなっているようで、数台の車が停められていました。
境内を散策してみます。こちらは社殿を左斜め前から。
境内の左奥、神輿庫の前にあった円筒形の建物は、トイレのようです。
今度は社殿を右斜め前から。
右手には明治40年に建てられた石碑がありました。
そして、社殿の屋根にもお狐さんがいらっしゃるのを発見。発見したのは嫁の妹です。こちらは屋根の右側です。
反対の左側の屋根にも、同じくお狐さんがいらっしゃいました。
青空の下にてしばしのんびりと過ごし、白魚稲荷を後にしました。
参拝を終えて
この日五ヶ所目に訪れた白魚稲荷神社。
社名が少々変わっているな~と思っていたところ、漁師さんたちにより白魚が奉納された稲荷神社、とのことで、そのような社名になっているんですね。
多摩川の河口で白魚が獲れていたということも、僕は初めて知りました。どうやら現在は獲れなくなってしまったようで、漁が行われていたのは明治までみたいです。
白魚だけでなく、ボサエビ、ハゼ、シジミも名物だったそうです。ボサエビってのがどんなエビだかわからなかったので画像検索したところ、ちっこいエビでした。
うちの嫁は白魚がけっこう好きでして、お寿司屋さんに行きますと、頼むことが多いです。一度なかなかの量が載った白魚の軍艦巻きを食べようとして口に入り切らず、大変な事態になったこともありました。
こちらの白魚稲荷には、かなりの空腹を抱えつつ参拝しましたので、そんな白魚のことを思い出したりして、お寿司が食べたくなってしまいました。
お寿司で日本酒を…など欲にまみれながら足を踏み入れた境内ですが、もちろん参拝はしっかりとさせて頂きました。いったんランチのことは忘れ、神様に失礼のないように。
白魚稲荷の社殿は、少し高い位置にあります。この直前に訪れた玉川弁財天も、少々高めの位置だったかと思います。近くに多摩川が流れていますので、もしかしたらその洪水対策などで、そのような位置になっているのかもしれません。
社殿の前面には、二匹の狐の彫刻が施され、左右には獅子です。
彫刻はてっきりそこだけかと思っていましたところ、嫁の妹が、屋根の左右にも一対のお狐さんがいらっしゃるのを発見。教えられなければ、僕は間違いなく見逃したまま帰ってしまうところでした。危なかったです。ちゃんと見れてよかったです。
社殿も木の茶色を基調としたもので、落ち着いた雰囲気の建物でした。昭和42年に再建された社殿とのことです。
あと、もう一つ、気になったものはトイレです。
境内の左奥に神輿庫がありまして、その前に何やら円筒形の建物があり、ドアが付いてるんです。なんだこれ?と疑問に思いながら近づいたところ、どうやらトイレでした。
このような位置にこんな形のトイレがある神社というのも、意外と珍しいのではないかと思います。
いずれにしても、トイレが境内にあるというのは、参拝者としては何かと安心ですね。
僕たち三人しかいない境内にて、しばしのんびりと過ごさせて頂きました。
白魚稲荷神社、参拝できてよかったです。
続いては、この日の神社巡りの締め、穴守稲荷神社へと向かいます。
御朱印
白魚稲荷神社では、通常は御朱印は扱っていませんが、お正月の「羽田七福いなりめぐり」開催時のみ、御朱印を頂くことができます。開催期間や受付時間は、穴守稲荷の公式サイトに案内が出ていますので、確認ください。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都大田区羽田5-27-8です。
白魚稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://shirauoinari.hanedajinja.com/
電車
①京浜急行or東京モノレール 「天空橋駅」から徒歩5分。
多摩川へと続く海老取川の橋を渡り、左(南)に進みます。住宅街の中、じゃっかん入り組んだ路地を進むことになりますので、地図を見ながらをお勧めします。羽田七福いなりめぐり玉川弁財天社からですと、徒歩2~3分です。
②京浜急行 「穴守稲荷駅」から徒歩6~7分。
南に進み、弁天橋通りに出たら左折です。じゃっかん入り組んだ路地を進むことになりますので、地図を見ながらをお勧めします。
駐車場
参拝者用の駐車場はありませんが、境内に数台停められるようになっていますので、ごく短時間でしたら駐車可能かと思われます。また、すぐ近くにコインパーキングもあります。
周辺のパワースポット
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