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穴守稲荷神社(大田区/羽田)の御朱印と見どころ

穴守稲荷神社の紹介

大田区羽田にある穴守稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「あなもりいなりじんじゃ」です。かつては羽田空港内に鎮座していた神社で、現在も空港鎮護の神社として知られている、東京を代表する稲荷神社です。最寄駅は京急の穴守稲荷駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

羽田空港を守る「穴守稲荷神社」へ

この日は羽田の神社巡りに出掛けて来まして、穴守稲荷神社が最後の締めで訪れた神社です。

11月の青空の下、僕と嫁、嫁の妹という三人での組み合わせでの神社巡りです。

羽田には、羽田神社と穴守稲荷神社という、比較的大きめな神社が二つありまして、どちらも僕たち夫婦が以前から行きたかった神社です。もう2年くらい前から、嫁が「いつか行きたい」とずっと言ってました。

そうは言いつつも、なかなか羽田まで足を延ばす機会がなく、参拝が叶わずにいたのですが、このたびおもいきって朝から出掛けるに至りました。

羽田神社と穴守稲荷神社、この二ヶ所への参拝を軸として、さらにはその周囲の神社にも、できる限り立ち寄ってみることに。事前に調べましたところ、「羽田七福いなり」という稲荷神社が点在しているので、それらにも何ヶ所か参拝することにしました。

羽田といえば、羽田空港をまず思い浮かべる人が多いかとは思います。僕もそうです。というか、他にはなかなか出てこないくらいです。

僕は飛行機が苦手な方でして、羽田空港にもなかなか足を運ぶ機会がありません。飛行機によく乗る人でしたら、羽田という地にもかなり馴染みはあると思うんですけどね。僕の場合は縁遠い存在でして。

ですのでこの度、せっかく羽田まで行くのでしたら、羽田空港にも立ち寄ってみて、飛行機を見て帰ろうと。

神社巡りからの羽田空港観光ツアーです。年がいもなく、なんだかワクワクしてしまいます。おじさんが空港と飛行機にワクワクです。

京急の大鳥居駅に降り立ち、まずは羽田神社からスタートします。その後順調に周辺のお稲荷様を回り、続いてが六ヶ所目となる穴守稲荷神社。この日の神社巡りの最後となる神社です。

朝から歩き続け、時間は既にお昼過ぎ。三人ともおなかペコペコです。

穴守稲荷への参拝を終えたら、どこかでランチをして、羽田空港に向かう予定です。

「お昼に何を食べたいか」などと三人で話しつつ、五ヶ所目に訪れた白魚稲荷神社から、てくてく歩くこと5分ほどでしょうか。

穴守稲荷神社に、無事到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、豊受姫命(とようけひめのみこと)です。食物や穀物を司る日本神話の女神で、宇迦之御魂神や稲荷神と同一視されている神様です。

創建は江戸時代の後期です。現在の羽田空港内に位置する鈴木新田の開墾の際、沿岸の堤防に穴が空き決壊し、海水により水田が甚大な被害を受け、開発の障害となっていました。そのため村民たちが天下泰平を祈願し、堤防の上に稲荷大神を勧請し、祠を祀ったのが始まりです。

「風浪が作りし穴の害より田畑を守り給う稲荷大神」という御神徳から、「穴守稲荷社」と称されるようになりました。現在の「穴守稲荷神社」と改称されたのは、明治になってからです。

江戸時代には、「穴を性病から守る」ともいわれ、遊女たちからの信仰も集めたそうです。

明治から昭和にかけ、多くの参拝者が訪れ賑わいましたが、第二次大戦の終戦後、羽田空港拡張のため、社地がGHQにより強制接取されてしまいます。

移転先を探す中、一度は羽田神社に合祀されますが、その後に現在の地が崇敬者により寄進され、遷座することとなります。現在の社殿は昭和40年に再建されたものとなります。

旧社地にあたる旅客ターミナルビルの前には、大鳥居のみ長らく撤去されず残されていましたが、平成11年に弁天橋の東に移されています。

羽田空港を鎮護する神社として知られる、東京を代表する稲荷神社です。

また、「羽田七福いなりめぐり」の一社で、七番目の神社でもあります。

 

境内案内

穴守稲荷神社は、入口が東、西、南の三ヶ所あります。こちらは社殿からは正面にあたる、南側の入口です。

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秋の青空の下、一礼して鳥居をくぐります。

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参道の両脇は緑が茂っていて、落ち着きます。

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参道を進むと、すぐ左手に、小さなお狐さんがたくさんいらっしゃる祠がありました。狐塚です。参拝させて頂きます。

穴守稲荷神社の狐塚

 

その先に、赤い鳥居がいくつも重なって置かれています。何やら工事中の様相が。手前には「飛龍明神」と刻まれた石碑もありました。

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参道の右手にも、同じく赤い鳥居が重ねられています。小さな祠もありました。

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緑の茂る参道を抜けますと、いっきに視界が開けます。正面には二つめの鳥居と、その先に社殿です。そしてどうやら、この先の右手エリアが丸々工事中のようです。本来は奥の宮などがある場所ですね。おそらく先ほどの重ねられた鳥居は、そちらから移動されたものと思われます。

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右手に手水舎です。この先、東側にももう一つ鳥居があり、反対の西側にも参道と鳥居があります。

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お清めをします。

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手水舎の天井には、立派な龍の彫刻が施されていました。僕は全く気付かず、嫁の妹が気付いて教えてくれました。

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鳥居の両脇にはお狐さんです。こちらが左のお狐さん。スマートでかっこいい神狐さんです。大きさもけっこう大きめです。

穴守稲荷神社の神狐

 

こちらが右のお狐さん。同じくスマートでかっこいい容姿です。子供もいます。工事のため近づいて見れないのが残念です。

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二つめの鳥居をくぐります。拝殿の手前には献灯台があります。

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左手には大きな社務所。後ほど御朱印を頂きに伺います。

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献灯台にてロウソクを一本ずつ、奉納させて頂きました。

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拝殿の前へと進みます。社殿は赤と白を基調とした建物で、綺麗です。

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拝殿はその真下に立ちますと、大きな建物であることを実感します。

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秋の少し冷たい空気の中、参拝させて頂きます。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。広々とした境内です。

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境内を散策してみます。こちらは東側の入口です。一度境外に出てからの写真になります。位置としては、この鳥居をくぐった右の先が拝殿です。

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東の鳥居をくぐり境内に入ると、すぐ左に二つの社があります。その前にはお狐さんたちの姿も。奥の宮の方に鎮座していた、境内社の開運稲荷神社と出世稲荷神社が、工事のためこちらに置かれている形です。参拝させて頂きます。

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二つの社の前には、三猿が彫られた庚申塔もありました。

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その先の建物が、工事中の奥の宮の仮殿になっています。中には奥の宮をはじめ、境内社が並んでいるのが見えます。

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仮殿の右手前にも、境内社が二つと、小さなお狐さんたちがたくさんです。奥は繁栄稲荷神社と書かれています。

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仮殿の中に入り、奥の宮から一つ一つ、参拝させて頂きました。奥の宮の前には、招福のご利益があるといわれている御神砂(あなもりの砂)がありましたので、頂きます。

穴守稲荷神社のお砂

 

こちらは、境内の左手、西側の参道になります。

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南の参道へと向かう手前には、大きなクスノキも。

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こちらはクスノキの先にあった神楽殿です。

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本来、奥の院の前に連なっている赤い鳥居が、工事のため神楽殿の脇に集められています。

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西参道の方には、工事の案内が出ていました。工事が終了するのは春のようです。

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こちらは社殿の左手にある社務所の、正面側の入口になります。

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社務所の手前には、花が浮かべられた手水鉢がありました。花手水というやつですね。とても綺麗です。

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そのまま社務所に向かい、御朱印帳と御朱印を頂きました。穴守稲荷では、二つの御朱印を頂くことができます。

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こちらは社務所側から見た社殿です。左斜め前からです。

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一通り散策を終え、西参道より境外へと向かいます。

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こちらが西側の鳥居です。境外からの写真になります。社号碑がありますので、こちらがメインの参道かと思われます。

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鳥居の扁額の文字も、少し変わった書体でした。一礼し、穴守稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

この日の神社巡りの締めとして訪れた穴守稲荷神社。

ずっと行きたいと思っていた神社への参拝が、ようやく叶いました。

しかしです。

なんと境内が、大規模な工事中でした…。

僕たち夫婦はけっこうこういうパターンに遭遇するんです。もちろんちゃんと事前に調べておけば、工事中だということはわかったはずなのですが、いつもうっかりそこを見落としてしまうようでして…。いざ行ってみますと、社殿が工事中で見れなかったり、入れないエリアがあったり、そんなことがちょいちょいあるんです。

この日の穴守稲荷は、境内の右手、奥の宮や築山のあるエリアが丸々工事中でして、一切立ち入ることができず。穴守稲荷の奥の宮といえば、赤い鳥居が連なる景色でも知られていて、境内でも最も目を惹く場所ではないかと思われます。おそらく、穴守稲荷神社を象徴するエリアではないかと。

ですので、そんなエリアが丸々工事中ということは…やっぱり、やっちまった感は否めません。

とはいえ、工事は綺麗な境内を維持していくのに必要なことですからね。こればかりは仕方ないです。鳥居の連なる奥の宮を見たければ、また工事が終わってから行けばいいだけです。きっと「また来なさいよ」ということだと、そんなふうに思うことにします。

工事中ではありましたが、もちろん拝殿には普通に参拝できましたし、散策もさせて頂きました。

赤と白を基調とした社殿は、青空に映えていて綺麗でした。

参道の両脇にいたお狐さんも、とってもスマートな容姿でかっこよかったです。大きさもけっこうありまして、あまり他では目にしないタイプの神狐さんでした。右の子連れのお狐さんが、工事のためあまり近づいて見れなかったのが、ちと残念ではありますが。

個人的に最も印象に残った場所は、正面の鳥居から入ってすぐ左にあった、狐塚です。

境内は工事中で若干わちゃわちゃしていましたし、僕たち以外の参拝者の方も絶えずいらっしゃっていましたので、清とした静寂な雰囲気、というわけではありませんでした。にも関わらず、狐塚の場所だけは、独特の張り詰めた空気が漂っていました。少し怖いくらいでしたね。

そして、境内の右奥エリアが丸々工事中だったため、元々そこにあったと思われる、境内社の社や神狐さんたちが、数ヶ所に分けて集められていました。仮殿の中には奥の宮をはじめ、境内社が並んでいます。奥の宮では、招福や祈願成就のご利益があるといわれる「御神砂」を頂くことができますので、僕たちも少し分けて頂きました。

僕たち夫婦は数年前、草津温泉の賽の河原というところに観光で行きまして、そちらにも穴守稲荷神社があり、御神砂を頂いたことがあります。お砂は帰宅後に家の周りに撒きました。ですので今回は、そのとき以来、二度目の穴守稲荷の御神砂ということになります。御神砂は願いにより撒き方が違うようですので、確認の上、撒かせて頂こうと思います。撒き方は穴守稲荷の公式サイトにて案内があります。

仮殿の中や手前に並んだ境内社や、集められた神狐さんたちもそうですが、それらはおそらく工事をしていなかったら見れなかった景色かと思います。

同じく、普段は奥の宮へと連なっている赤い鳥居が、二ヶ所に分けて集められていたのも、工事中じゃないと見れない光景でした。

そんな普段は見れない数々の景色が見れましたので、これはこれでよかったのではないかと。

ちゃんと参拝もできましたし、のんびり散策もさせて頂きました。手水舎の天井の彫刻も、嫁の妹が発見してくれましたので、見逃さずに済みました。

御朱印も頂けましたし、可愛いお狐さんが描かれた御朱印帳も手に入れることができました。

こちら、穴守稲荷神社の御朱印帳です。

穴守稲荷神社の御朱印帳

いい参拝ができました。

次回は是非、工事終了後の穴守稲荷神社に足を運ぼうと思います。

それともう一つ、旧大鳥居というのを見ずに帰って来てしまったというのが心残りで…。

旧社地の穴守稲荷の大鳥居は、GHQの接取後もそのまま撤去されず、旅客ターミナルビルの前に残っていたそうです。何度か撤去や移転の案が出たものの、その度に工事関係者の事故が相次いだといわれている、いわくつきの大鳥居です。僕もなんとなく、そんな話は随分前にどこかで聞いた覚えもありました。「穴守稲荷の祟り」として、都市伝説なお話かとは思うのですが。

たたりの真偽はわかりませんが、そんないわくつきの大鳥居でしたら、是非とも見ておきたかったです。現在は空港内からは移転され、弁天橋という橋のほとりにあるそうです。

次回、穴守稲荷に再訪した際には、大鳥居まで足を延ばしてみようと思います。

この日最後の参拝を終えた僕たちは、空腹の限界で、穴守稲荷駅前にあった食堂に飛び込みます。ビールを一杯飲みつつ、ハンバーグやかき揚げ丼で空腹を満たしました。

そして、羽田空港の国際線ターミナルまで行き、空港内を観光したり飛行機を見たりしてから、帰路に就きました。

久しぶりに間近で見た飛行機に、ついついテンションが上がってしまいました。

楽しい休日が過ごせました。

 

御朱印

穴守稲荷神社では、二種類の御朱印を頂くことができます。

まずこちらが、穴守稲荷神社の御朱印です。

穴守稲荷神社の御朱印

 

続いてこちらが、奥の宮の御朱印です。

穴守稲荷神社奥の宮の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都大田区羽田5-2-7です。

穴守稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://anamori.jp/

 

電車

京浜急行 「穴守稲荷駅」から徒歩3分。

駅を出ると鳥居がありますので、その前の道を左に進みます。ローソンの手前を右折し、少し歩くと左手です。

京浜急行or東京モノレール 「天空橋駅」から徒歩5分。

天空橋を西へと渡り、対岸に着いたら右に。最初の路地を左折して少し進むと、右手です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場があります。西の鳥居から境内に入り、神楽殿の前が駐車できるスペースになっています。特別な日でなければ問題なく駐車できるかと思います。周辺にはコインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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