新宿区の西新宿にある熊野神社の参拝レポートです。
読み方は「くまのじんじゃ」です。正式な社名は熊野神社ですが、十二社熊野神社(じゅうにそうくまのじんじゃ)、新宿熊野神社とも称されています。境内は新宿中央公園に隣接しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
新宿西口の「十二社熊野神社」へ
こちらの熊野神社は、花園神社とともに新宿の総鎮守である神社です。総鎮守とは、特定の地域や区域を守護するために祀られた神様です。つまり、熊野神社が新宿の一帯を守護しているわけです。
花園神社にはこれまで何度か訪れたことがありますし、勝手ながら花園神社が、新宿駅の周辺では一番大きな神社だと思っていました。しかしそんな花園神社と並び、同じく新宿一帯を鎮護する神社があったとは。
そんな神社にも関わらず、今までその存在を全く知らなかったことが恥ずかしいくらいです。
少なからず神社に関心のある人だったら、おそらく知っていて当たり前なのかもしれませんが…これから少しずつ知識を蓄えていきたい所存です。
このたびは嫁が、「新宿の中央公園の中に熊野神社があるらしい」と、どこからか情報を拾って来まして、それで初めて知りました。
新宿は嫁が普段仕事に行っている場所でもありますので、これはもう早速お参りに行かねばと思い、出掛けることに。
JRの新宿駅から、都庁の方に抜ける地下道を通り、中央公園を目指します。
そして中央公園に辿り着くと…平日の公園にも関わらず、大勢の人がいてびっくりしました。皆、一様にスマホの画面を見てります。
これは、数日前に日本でポケモンGOが配信されたばかりで、どうやら公園にポケモンを捕獲しに人が集まっている様子。
この調子だと熊野神社にも大勢のポケモンGO衆がいるのでは…と危惧しながら、公園を進みます。
そして公園を抜け神社に辿り着くと…
予想に反して、ポケモンGOの人々はほとんどいませんでした。
ですのでゆっくりのんびり参拝をさせて頂くことに。
ご由緒
ご祭神は、櫛御気野大神(くしみけぬのおおかみ)と伊耶那美大神(いざなみのおおかみ)の二柱です。
櫛御気野大神は、食物神と考えられていますが、荒ぶる神である須佐之男命(すさのおのみこと)の別名ともいわれています。伊耶那美大神は、多くの神々を産んだ日本神話の女神です。
熊野神社の総本社は、熊野三山です。熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称で、全て和歌山県にあります。熊野三山のご祭神である神々、熊野権現は熊野十二所権現と呼ばれています。
新宿の熊野神社は、紀州(現在の和歌山県辺り)出身の鈴木九郎と言う商人によって、室町時代に創建されたと言われています。鈴木九郎さんが、自分の故郷である熊野三山から十二所権現を祀ったのが始まりです。
また、この地域の開拓にあたった渡辺興兵衛という人物が、室町時代の熊野の乱に際し、紀州よりこの地に流れ着き、熊野権現を祀ったという説もあります。
江戸時代には熊野十二所権現社と称され、八代将軍吉宗も参拝しています。
明治の神仏分離により、櫛御気野大神と伊邪奈美大神をご祭神とし、現在の熊野神社へと改称されています。
かつては十二社の池があり、景勝地として賑わっていましたが、昭和になり埋め立てられました。
現在も新宿の総鎮守として厚く信仰されている神社です。
新宿にある「十二社通り」は、こちらの熊野神社に由来しています。
境内案内
JR新宿駅から歩くこと15分ほど。新宿中央公園の真ん中を突っ切ると、神社の入り口が見えました。しかし正面ではなさそうでしたので、ぐるっと回って正面らしき入り口に。
右手にはご由緒書きと境内案内図です。
境内には濃い木々の緑。
少し左に曲がった坂を上り切りますと、正面に鳥居です。
右には「十二社の碑」などの石碑が並んでいます。
一礼して石鳥居をくぐり、境内へ。境内は広々としています。右手の楠も立派です。
左手には神輿庫があり、その先に神楽殿です。
拝殿も大きな建物です。その後ろに高層ビルの聳える景色は、新宿ですね。
左手奥に手水舎です。その後方には大きな銀杏。
手水鉢には龍です。お清めをします。
拝殿へと歩を進めます。拝殿は少し黒っぽい、木の色を基調とした建物です。
拝殿前、左右の灯籠の上には、熊野神社の神使である烏です。
燈籠の後ろには狛犬さんです。こちらは左の狛犬さん。ちょっと可愛いです。
こちらが右の狛犬さん。こちらも可愛いですね。後ろの案内は、熊野神社の文化財に関するものです。
二拝二拍手一拝。
お参りを終え、振り返って鳥居の方を見るとこんな感じです。けっこう開けています。
こちらは左斜め前から見た拝殿。
御朱印を頂いた後に境内を散策すると、拝殿の裏側にこんな場所が。
拝殿側の目立たない場所に水鉢がありました。江戸時代の狂歌師、大田南畝さんと言う方の書による銘文が刻まれている文化財です。牢獄の中みたいですけど。
こちらからですと、本殿の姿も少し見ることができます。
先には、境内社である大鳥三社。
この大鳥三社の狛犬さんが、小さくてとても可愛かったです。お腹の下がくりぬきになっていない狛犬で、とても珍しいものらしいです。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。顔も可愛いです、なんだか愛嬌がありますね。
大鳥三社の右隣には、胡桃下稲荷神社です。
大鳥三社と胡桃下稲荷神社を一緒に見るとこんな感じです。
胡桃下稲荷神社の右手には、新都心の構築に尽力したという、都議会議長さんの像がありました。
像の対面には、石碑です。この向こうは新宿中央公園です。
手前にあった弁財天社にも、橋を渡り参拝させて頂きます。
再び拝殿前に戻り、向かって右手前にある授与所にて御朱印を頂き、熊野神社を後にしました。
参拝を終えて
8月の暑い中、参拝させて頂き、御朱印も頂きました。
新宿中央公園に隣接していますので、緑が多く蝉の声がすごかったです。それが夏らしくて気持ち良かったです。全体的に緑が多く、居心地のいい境内でした。
熊野神社も素敵でしたが、境内合祀されている大鳥三社の狛犬が可愛くて、それも印象に残っています。
僕は東京に出て来てもう20年程経ち、新宿はとても馴染みのある場所なのですが、中央公園にこんな神社があったなんて…。人ってほんとに興味がないことにはアンテナが張らないんだな~とつくづく感じました。
「十二社通り」という通りの名だけは、なんとなく聞き覚えがあったのですが、それがことらの神社に由来している通りの名だとは。
神社って地名などとも密接に関わっていたりするものですからね。そういうことも含めて、知ることができるのは嬉しいものですね。歴史や地名の勉強をしつつ、神社巡りができたらいいな~と。
こちらの熊野神社は、東口にある花園神社とは、また対照的な感じのする神社でした。
大都会新宿ですので、神社の周りには高いビルばかり。そんな中にありながら、とても静かな場所でした。神社って不思議と静かなんですよね。弁財池の水の音が、より際立って綺麗に聞こえました。
熊野神社は全国各地にあります。でも僕は今まで熊野神社という社名の神社を訪れた記憶がありませんので、もしかしたらこれが初の熊野参拝かもしれません。
和歌山にある熊野三山の三つの神社にも、是非いつか参拝してみたいです。
熊野神社を後にした僕と嫁は、この後同じく新宿を鎮護する、花園神社へと向かいました。
追記
約5年後の2021年、コロナ禍ではありましたが、久しぶりに十二社熊野神社を訪れました。
境内社である弁財天社のお祭りが行われた5月に参拝し、期間限定の弁財天社の御朱印を頂きましたので、そちらも次項にて追加で紹介しております。
また、境内案内の写真も、今回撮影したものを一部追加させて頂きました。
御朱印
こちらが新宿十二社熊野神社の御朱印です。
こちらは、5月に行われる弁財天社のお祭りに合わせた、期間限定の弁財天社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都新宿区西新宿2-11-2です。
新宿熊野神社の公式サイトはこちらです。
http://12so-kumanojinja.jp/
電車
①JR「新宿駅」から徒歩15分。
都庁方面への地下道を通って真っ直ぐです。地下道には動く歩道があります。地上に出て、新宿中央公園を突っ切る形です。歩くとそこそこ距離はあります。
②都営大江戸線 「西新宿五丁目駅」
A1出口より徒歩4分です。
③都営大江戸線 「都庁前駅」
A5出口より徒歩5分です。
④丸ノ内線 「西新宿駅」
E4出口より徒歩13分です。
僕はJR新宿駅から歩いたのですが、歩くのが大変な場合には、大江戸線に乗り換えて行くと近いです。また、JR新宿駅からバスでも行けます。
駐車場
そこまで広くはありませんが、境内に参拝者用の駐車場があります。
トイレ
ありませんが、隣接している新宿中央公園内にあります。
周辺のパワースポット
新宿区の神社一覧