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伊勢神宮・内宮(伊勢市)の御朱印と見どころ

伊勢神宮内宮の紹介

伊勢神宮・内宮の参拝レポートです。

読み方は「いせじんぐう・ないくう」です。皇大神宮(こうたいじんぐう)が正式名称で、伊勢神宮の二つの正宮のうちの一つです。天照大御神をお祀りしている、日本で最高位の神社になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

神宮の内宮「皇大神宮」へ

40歳を過ぎ、嫁と共に歩き回る神社巡りが趣味となり、このようなブログまで始めました。

最初は神社についての知識もほとんどなく、わからないことだらけだったのですが、いつしかそこそこ詳しくなってくるにつれて、伊勢神宮への憧れも大きくなっていきました。

もちろん伊勢神宮だけではなく、他にも行ってみたい神社が次から次へと出てくるものの、やっぱり「お伊勢参り」は、神社を語る上でも絶対に外すことができないものですし、特別なものとして意識するようになります。お伊勢参りはいつか必ず果たさねばと。

神社に限らずですが、「いつか行ってみたい場所」「いつかやってみたいこと」って、僕はまだまだたくさんありまして、近年それらを一つずつ実現させて行こうとしております。

当たり前ではありますが、行動に移さないと何も叶いませんからね。いつかいつかと言っているうちに、年老いて歩けなくなってしまうかもしれませんし。そんなことを考えている時点で、それなりに自分も歳を食ったんだな~とも思っちゃうんですけどね。若い頃はそんなふうに考えたこともなかったので。

そしてこの度は、そんな「いつか行きたい場所」の一つである伊勢神宮への参拝を、ついに叶えるに至りました。

伊勢神宮は神社好きにとって特別であることはもちろん、「一生に一度はお伊勢参り」といわれるくらい、日本人ならせめて一度は参拝しておきたい場所。

ましてや僕の場合このようなブログまで書いているくせに、参拝していないだなんて、恥ずかしくもありますもの。

で、どうせお伊勢参りに行くのなら、内宮と外宮だけではなく、神宮と関りの深い周辺の神社にもできるだけ足を運んでみようと思い、日程も余裕のある4泊5日にしました。

5月の中旬です。

昨年の4月には、同じく4泊5日という日程で高千穂をゆっくり回ってきましたので、今回はそのとき以来の4泊5日旅です。

事前に伊勢の神社をあれこれ下調べしていますと、もう魅力的なところばかりで、期待値も自然と膨らみます。

そんな中でも、やはり内宮と外宮は格別。

伊勢に到着した初日、まずは外宮に参拝します。

そして翌日、早朝にホテルを出発し、猿田彦神社に立ち寄り、続いて内宮へと向かいます。

 

ご由緒

ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。

日本国民の総氏神で、皇室の祖神です。太陽を神格化した神様ともいわれています。

三種の神器の一つである、八咫鏡(やたのかがみ)を御神体としています。

相殿には、天手力男神 (あめのたぢからおのかみ)と万幡豊秋津姫命 (よろづはたとよあきつひめのみこと)がお祀りされていて、天手力男神は弓を御神体、万幡豊秋津姫命は剣を御神体としています。

創建は飛鳥時代以前の、第11代天皇である垂仁天皇26年とされています。

天照大御神は宮中で天皇のお側にお祀りされていましたが、第10代崇神天皇の御代に、皇居外のふさわしい場所にお祀りされることを決意されました。

崇神天皇の皇女である豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)は、笠縫邑(かさぬいむら・場所については諸説あり)に神籬を立てて大御神をお祀りします。その後、第11代垂仁天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)が後を継ぎ、お祀りするにふさわしい地を求め国々を巡ります。そして倭姫命が伊勢国に入られたとき、「この国に留まりたい」という大御神のご神託を受け、五十鈴川の川上に宮を建て、磯宮と称したのが始まりとされています。

内宮の入口に架かる宇治橋は、日常の世界と神聖な世界を結ぶ架け橋といわれています。

宮域内には、正宮の次に格の高い、荒祭宮と風日祈宮の二つの別宮、宮域の守護神を祀る四至神、大山祇神社と子安神社などの所管社も鎮座しています。

125社からなる神宮の二つの御正宮の一つで、全ての神社の上に立つとされる最高の特別格の宮として、古くより崇敬されてきた神社です。

 

境内案内

内宮へと続くおはらい町を歩きます。早朝のおはらい町はほどんど人がいないため、異世界感強いです。

早朝のおはらい町

 

おはらい町を抜け、内宮の入口に到着です。憧れのあの宇治橋鳥居が目の前に。

 

鳥居の正面に立ちます。もうこの時点で感無量。

 

鳥居に向かって左が、歩いてきたおはらい町になります。トイレもあります。

 

右が衛士見張所。こちらで砂利道用の車椅子をお借りできたり、ペットを預けたりもできます。参拝案内のパンフもこちらで頂けます。

 

一礼して鳥居をくぐり、宇治橋を渡ります。外宮の左側通行に対し、内宮は右側通行。宇治橋は、日常の世界から神聖な世界を結ぶ架け橋です。

 

橋の下を流れるのは五十鈴川(いすずがわ)。川にある柱は木除杭(きよけぐい)といって、上流から流れてくる流木などが橋脚へあたることを防ぎ、橋を守る役目があります。

 

宇治橋の終点に二の鳥居です。その向こうは神域。

 

二の鳥居をくぐり、右手へ。広いです。神苑の緑も綺麗です。

 

右に見える建物は、菊花奉納展示などで使われるもののようです。

 

左には参集殿。参道の左右はどこもかしこも緑です。

 

右の手前に見える松は、明治24年に大正天皇が皇太子のときに御手植えされた松。左は、域内の警護を務めてくださる警衛部の建物です。

 

そのまま歩いて行きますと、前方には日除橋。橋の手前、右には古札納所とトイレ。

 

日除橋を渡りますと、三の鳥居です。

 

右手には手水舎。五十鈴川でお清めをしない場合には、こちらでお清めを。

 

三の鳥居をくぐりますと、右に五十鈴川です。

五十鈴川

 

五十鈴川にてお清め。誰もいませんでしたので、しばらく川を眺め、音に聴き入ります。

 

続いて、元の参道には戻らず、右の小路を入り、その先にある瀧祭神(たきまつりのかみ)へ。五十鈴川の守り神で、天照大御神に要件を取り次いでくださる神様でもあります。「とりつぎさん」「とっつきさん」とも呼ばれているとのこと。

瀧祭神

 

元の参道へと戻ります。左に見えるのが授与所です。

 

宮域内はそこかしこに巨木が聳えています。右には別宮の風日祈宮へと続く参道があります。

 

授与所の先は神楽殿。

 

その向こうには五丈殿(ごじょうでん)。雨天の際に、祓所に代わり神饌などを祓い清める場所です。

 

その先、石畳の上に祀られているのが、内宮の神域の守り神である四至神(みやのめぐりのかみ)です。こちらも所管社になります。

内宮の四至神

 

続いて左、大木の後ろに見えるのが、神饌を調理する忌火屋殿(いみびやでん)と、神饌を祓い清める祓所です。

 

正宮へと進んで行きますと、左前方にひときわ大きな杉。神宮杉です。

神宮杉

 

こちらを左に行くと別宮の荒祭宮(あらまつりのみや)です。直進が正宮で、あと100メートルとの案内も。

 

参道の中央に聳える杉の向こう、左手が正宮です。右は外宮の豊受大御神をお迎えし、御贄調理の儀式を行う御贄調舎(みにえちょうしゃ)です。

 

御贄調舎の前まで行き、左を向きますと正宮への石段。この場所に立てることも感慨深い。ここから先は撮影禁止です。石段を上がり、国家の安寧を願い、参拝させて頂きました。中も凄かった。

 

続いて正宮の出口から出て、荒祭宮へと向かいます。荒祭宮へは先ほど見た神宮杉の脇を通って行きます。

 

神宮杉の先にある二つの建物は、左が御稲御倉(みしねのみくら)で正面が外幣殿(げへいでん)。御稲御倉は三節祭でお供えする御稲を納める所管社、外幣殿は古神宝を納める建物です。

 

この右手は先ほど参拝させて頂いた正宮の後ろ側。朝日が降り注ぎ、光ってました。まるで天照大御神がいらっしゃるかのように。

 

石段を下ります。この石段、気を付けないといけない場所が一か所あるんです。要注意。

 

それがこちらの「踏まぬ石」という、踏んではいけない石です。画像の中央です。石段の下の方にありまして、一つだけ不自然な場所にあります。踏むと足に怪我をしたり、災いが起きるとか。

踏まぬ石

 

踏まぬ石を無事乗り越え、その先が荒祭宮です。内宮の別宮のうち第一に位している宮で、天照大御神の荒御魂をお祀りしています。

荒祭宮

 

荒祭宮からは、先ほど前を通った五丈殿まで、後ろから小路が繋がっています。

 

五丈殿の後ろには二つの建物。大きな方が、左が酒の神をお祀りする御酒殿(みさかどの)で、小さな方が、古くはお供えものや果物などを納めていた由貴御倉(ゆきのみくら)です。どちらも所管社になります。

 

再び授与所の前まで戻り、御朱印を頂きます。授与所は撮影禁止です。

 

授与所の向かい側に御厩(みうまや)です。神馬さんはご不在でした。

 

授与所を右、御厩を左に見て、そちらにも道が続いていますので、行ってみます。

 

少し歩くと右手に手水舎があり、奥が池でした。

 

その先には日除橋があり、渡るともう一つの御厩です。こちらも神馬さんはご不在でした。御厩の右手にはトイレもあります。

 

御厩の左奥へと進むと、参拝者向けの休憩所である参集殿。利用時間は8時半から15時でして、早朝過ぎてまだ入れませんでした。

 

参集殿の脇にも池があり、綺麗な錦鯉。

 

参集殿の左奥へと進み、元来た参道へと戻ります。

 

先ほどは宇治橋を渡り右に進みましたが、今度は渡って正面の方へ。こちらにも衛士見張所があります。

 

少し歩きますと、右手に二つの所管社です。奥が大山祇神社(おおやまつみじんじゃ)、手前が子安神社(こやすじんじゃ)です。大山祇神社は神路山入口の守護神である大山祇神を、子安神社は大大山祇神の娘神である木華開耶姫命をお祀りしています。

大山祇神社と子安神社

 

さらに奥には神宮司庁。伊勢神宮の事務をつかさどる機関です。

 

宇治橋の前へと戻ります。こちらは宮域側からの宇治橋。

 

宇治橋を渡り、内宮を後にしました。

 

参拝を終えて

憧れの皇大神宮に、ついに参拝することが叶いました。

しかしです。まず、このブログを読んでくださっている皆様に謝らなければいけないことが…。

僕は大バカ者です。救いようのないバカ者です。

別宮の風日祈宮(かざひのみのみや)、参拝し忘れました…。

大失態です。

しかもそのことに気が付いたのが、自宅に戻ってきてからという、取返しのつかないタイミングです。

事前に念入りに調べ、何度も確認したはずなのですが、なぜか当日にすっかり風日祈宮のことが抜け落ちてしまっていて、その後も全く気付かず。嫁もろともです。

気が付いたときには、茫然としてしまいましたよ。いったい俺は何をやってるんだと、自分の愚かさを呪いました。ありえない。

ですのでこちらの記事の境内案内でも、残念ながら風日祈宮は紹介できておりません。申し訳ないやら情けないやらで…。

しばらくは打ちひしがれていたのですが、もう過ぎてしまったことは仕方ありません。これは「また来なさいよ」という、天照大御神さまからのありがたいメッセージだと勝手に解釈し、前向きになろうと思います。また行きます。

風日祈宮はいったん置いておきまして、気持ちを切り替えレビューを。

まず、内宮へと向かう道中、ほとんど人がいない早朝のおはらい町を歩いている時点で、現実感のない景色の中に放り込まれ、不思議な感じになってました。

そしておはらい町を抜けた先には宇治橋の鳥居。その瞬間はぞわっとしましたし、鳥居の正面に立ったときには、これまで写真や映像でしか見ていなかった景色の中に、自分が今立っていることに、なんともいえない感動を覚えました。

ちなみに参拝後には、誰もいない宇治橋という貴重な写真も撮れましたので、そちらも一枚載せておきます。

宇治橋

宇治橋を渡った先、宮域に入りますと、そこは広大な森でした。森なのですが参道も広いので、景色はとっても開けています。

五十鈴川でお清めをした際には、ちょうど誰も人がいないタイミングでして、ただ川を眺めたり、音を聴いたりして、こちらもまた神秘的な空気を満喫させて頂きました。美しかったです。

瀧祭神にてお取次ぎをお願いし、向かった正宮では、これまた写真や映像でしか見たことがなかった石段の景色に感動。

外宮と同じく内宮でも、正宮では国家の平和などを願い、個人的な願いは別宮でするのが、参拝の作法となっています。僕もそのようにさせて頂きました。

正宮から荒祭宮までには、巨木である神宮杉があったり、踏んではいけないという踏まぬ石があったり。正宮の脇から後ろへと歩く形になるのですが、ちょうど朝日が正宮の方から射し込んでいまして、まるで天照大御神が光っているような、そんな素敵な光景を見ることもできました。

僕たちが訪れたのは早朝の6時台でして、通常は神社に訪れる人の姿はほとんど見られない時間帯です。しかしそこは伊勢神宮。もちろん多くはありませんが、その時間でも人の流れが途切れることはありません。

とはいえ場所やタイミングによっては、僕たち夫婦だけという贅沢な瞬間もけっこうありました。

これが7時を過ぎますと少しずつ参拝者も増え、お昼には平日でもかなりの人で賑わう光景へと変わります。

どの時間帯でも神社は素敵ですけれど、やっぱり早朝というのは特別な空気が吸える感じはします。とっても気持ちがいい参拝ができました。早朝参拝はお勧めです。

宮域内はとっても広いので、伊勢神宮の公式サイトに「モデルコース」というのがあります。60分コースと90分コースの2パターンで。

風日祈宮を見逃した分際で、偉そうなことは言えませんが、僕たち夫婦も90分のモデルコースを参考にして、参拝させて頂きました。なのになぜ見逃したのか、本当に不思議なくらいです。

入口の衛士見張所では、案内図を頂けるだけではなく、ペットを預かってくださったり、砂利道用の車椅子のレンタルもしてくださいます。これは外宮も同様です。

僕は風日祈宮を見逃しましたが、これから初参拝される皆様は、どうぞモデルコースと案内図を参考にし、お見逃しのないようにしてくださいませ。

見逃したといえばもう一つ。籾種石(もみだねいし)という大きな石があったっぽいんですけど、そちらも見ておりません。存在すら後になって知りましたので。

風日祈宮への参拝と籾種石の発見を果たすため、また足を運ぼうと思います。

情けない見逃しこそありましたが、宮域全体が素晴らしく、素敵な景色をたくさん見ることができました。

皇大神宮、参拝できてよかったです。

続いては、内宮のすぐお隣にある、宇治神社へ。

 

御朱印

こちらが伊勢神宮・内宮(皇大神宮)の御朱印です。

伊勢神宮内宮の御朱印

 

御朱印の受付時間

神楽殿授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、午前6時から参拝停止時間までです。参拝停止時間は季節により異なり、1月~4月と9月が18時、5月~8月が19時、10月~12月が17時となっています。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は三重県伊勢市宇治館町1です。

伊勢神宮の公式サイトはこちらです。
https://www.isejingu.or.jp/

 

電車

JR/近鉄「伊勢市駅」からバスで10~15分、タクシーで8~10分。

近鉄「宇治山田駅」からバスで10~15分、タクシーで5~10分。

近鉄「五十鈴川駅」からバスで7分、タクシーで5分。

バスですと、上記3駅からいずれも「内宮」方面行きに乗車です。CANバスですと「鳥羽水族館方面」行きです。

下車するバス停は、内宮の最寄りは「内宮前」ですが、おはらい町を歩いて向かう場合は、「猿田彦神社前」「浦田町」「神宮会館前」のどこかで下車になります。おかげ横丁の最寄りは「神宮会館前」です。

また、外宮からも内宮行きのバスが出ています。

バスの時刻検索は三重交通の下記サイトが便利です。
https://www.sanco.co.jp/krs/

 

駐車場

参拝者用の駐車場が数か所あります。詳しくは以下の駐車場情報でご確認ください。満空情報も出ています。
http://www.rakurakuise.jp/jam_map_02.html

 

トイレ

入口の左手、古札納所の脇、参集殿の脇の3か所あります。また、8時半から15時までは参集殿内のトイレも利用できます。その他駐車場にもあります。

 

周辺のパワースポット

 

伊勢の神社巡り

伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

伊勢市の神社一覧

著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。