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猿田彦神社(伊勢市)の御朱印と見どころ

猿田彦神社の紹介

伊勢市にある猿田彦神社の参拝レポートです。

読み方は「さるたひこじんじゃ」です。天孫降臨で瓊瓊杵尊の道案内をした猿田彦大神をお祀りする神社で、内宮のすぐ北に鎮座しています。境内には天宇受売命をお祀りする佐瑠女神社や、御神田があります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

伊勢神宮近くの「猿田彦神社」へ

嫁と二人、5月のお伊勢にやって来ました。4泊5日の日程で、がっつり神社巡りをするという旅行です。

この日はその二日目。

二見興玉神社や外宮には初日に参拝しましたので、二日目は内宮を中心に回る予定です。

猿田彦神社→内宮→月読宮→倭姫宮というのが、主軸のコースですね。

時間があれば内宮の後、近くにある宇治神社にも立ち寄り、倭姫宮の後には神宮徴古館にも寄ってみようかと。

平日ではありましたが、内宮はおそらく多くの参拝者が訪れることと思われましたので、早朝に行くことにしました。

内宮と猿田彦神社なのですが、どちらが先にという順番は特にないようです。しかしながら、猿田彦神社を先にという説もあるにはあるようでして…。ですのでそれらも踏まえ、まず猿田彦神社に参拝してから、内宮へと向かうことにしました。

場所的にも猿田彦神社は、内宮への通り道ではありますし。

一点だけ、猿田彦神社の御朱印受付が8時30分からとのことなので、早朝に行きますと頂けないという問題があります。ですのでどうしたものかと迷っていたところ、嫁が「じゃあ戻ればよくない?」と。解決しました。

そんなわけで、猿田彦神社→内宮という順番で参拝させて頂きます。で、後でまた御朱印を頂きに猿田彦神社に戻ります。

前日から宿泊したホテルは伊勢駅のすぐ近くです。朝食も無料だったのですが、提供時間が6時30分からでしたので、そちらは諦め前日にコンビニで朝食を購入。

5時には起床して朝食をとり、6時前に出発。

伊勢市駅から猿田彦神社には、バスで行けます。本数もそこそこありますのでアクセスは悪くありません。バスはSuikaなども使えますので楽ちんです。

しかしです。事前に調べた通りバスで向かおうとしたところ…どうやら僕が確認していた早朝のバスは、毎月1日と土日祝日のみにしか出ていないやつだったようで、痛恨のミス。平日は一番早くて7時少し前みたいです。

そんなミスに気付き、さてどうしたものかと思っていましたところ、絶妙のタイミングでタクシーがやって来たではないですか。

ですので迷わず乗車。

10分ほどで到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)です。

天孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨されたとき(天孫降臨)、その道案内をした神様です。

相殿には、猿田彦大神の子孫である大田命(おおたのみこと)がお祀りされています。大田命は、天照大神をお祀りするにふさわしい場所を探していた倭姫命に、内宮の地を献上したといわれています。

創建の年代は不明です。

玉串大内人(たまぐしおおうちんど)という、式年遷宮で重要な役割を果たす職として神宮に奉仕していた宇治土公(うじとこ)氏が、祖である猿田彦大神と大田命を、私邸内に祀ったのが始まりと伝えられています。

宇治土公氏の移転とともに何度か遷座し、現在の地に遷ったのは江戸時代前期の延宝5年です。

人々が広く参拝できるようになったのは、明治になってからです。

現在も宮司は宇治土公家が務めています。

本殿と向かう合うように建てられた境内社の佐瑠女神社(さるめじんじゃ)は、天宇受売命(あめのうずめのみこと)をお祀りし、芸能のご利益でも知られています。

ご本殿の手前にある八角形の「方位石」は、触ると運気が上がるともいわれています。

毎年5月5日に行われる御田祭は、三重県の無形民俗文化財に指定されています。

全国に約二千社ある猿田彦神社の総本社は、鈴鹿市の椿大神社とされていますが、当社が総本社ではないかという説もあります。

すぐ近くには、かつての宮司の長女だった画家、伊藤小坡(いとうしょうは)の美術館も有しています。

内宮のすぐ北に鎮座し、「みちひらき」の神として信仰されている神社です。

 

境内案内

こちらが猿田彦神社の入口です。

 

左に社号碑と手水舎です。手水舎が鳥居の前にあります。

 

左右に狛犬さんがいらっしゃいましたので、ご挨拶を。こちらが左の狛犬さん。後ろにはご由緒書きがあります。

猿田彦神社の狛犬

 

こちらが右の狛犬さんです。脇にあるのは境内社の佐瑠女神社のご由緒書きです。

 

手水舎は千社札だらけ。しかもカラフルです。

 

竹から流れ落ちる水でお清め。よく見ると手水舎の柱は八角形。

 

手水舎の後方には「子宝池」があります。こちらには宇治土公家の産霊神(むすびのかみ)が奉祀されていて、子宝に恵まれるといわれています。

 

一礼して鳥居をくぐります。鳥居の柱も八角形。

猿田彦神社の鳥居

 

境内に入りますと、目の前に拝殿です。鳥居の前も開けていましたが、さらに景色が開けます。右の楠も大きい。

 

右には「たから石」です。石の形が宝船に似ていることから名付けられ、さらには白蛇が乗っているようにも見えることから、金運をもたらす縁起のいい石といわれています。

猿田彦神社のたから石

 

中央にある八角の石柱が「方位石」です。昔の神殿跡を印している神聖な場所。この石に触れながら願いごとをするのがいいそうです。

猿田彦神社の方位石

 

拝殿に向かって左手に授与所。早過ぎて閉まってますけど。こちらの建物は結婚式にも利用されるようです。

 

右手はこんな景色。東から朝日が射し込んでいます。

 

拝殿へと進み、参拝。

 

拝殿を振り返りますと、こんな景色です。誰もいない早朝の境内は、空気が清としています。

 

拝殿を左斜め前から。

 

拝殿と授与所の間、奥は庭園のようになっています。

 

授与所を左に回り込むと、その先には赤門です。赤門の先は宇治土公家の邸宅になります。門には鯱も載ってます。この左手が先ほどの子宝池ですね。

 

今度は右手側を散策してみます。まずこちらが、拝殿と向かい合うように鎮座している、天宇受売命をお祀りする佐瑠女神社です。同じく鳥居の柱は八角形。幟には新海誠さんやSHOCK EYEさんなど著名人のお名前が。参拝させて頂きます。

佐瑠女神社

 

佐瑠女神社の脇にはさざれ石です。お隣にはおがたまの木もありました。

 

佐瑠女神社を振り返りますと、こんな感じです。拝殿の右奥にも小路が続いていますので、行ってみます。

 

拝殿を右斜め前から。

 

小路が直進と右に分かれていましたので、まずは右へ。鳥居も見えます。

 

その先は駐車場でした。鳥居の前は車両修祓所。左はトイレと青少年館。右は参拝者休憩所です。全部閉まってますけど。こちらは境外から見た景色です。

 

参拝者休憩所の前には、本居宣長が参宮した際、神主に贈った歌碑です。

 

車両修祓所の前にも狛犬さんがいらっしゃいました。こちらが左の狛犬さん。

 

こちらが右の狛犬さん。

 

再び境内へと戻り、社殿の奥へと進んでみます。左には本殿がちらっと見えました。

 

小路は本殿の裏手へと続き、橋を渡った先にあったのは御神田です。

猿田彦神社の御神田

 

美しい。

 

しばし御神田を眺めた後、再び拝殿前へと戻り、猿田彦神社を後にしました。

 

参拝を終えて

早朝の猿田彦神社は、空気が澄み切っていて、そこに朝日が射し込んできますので、何もかもが綺麗でした。

中でも鳥居をくぐった先、開けた空間の中にある社殿の姿と、後方にある御神田が、ひときわ美しかったです。

社殿そのものも美しかったんですけれど、周囲の木々の緑や、境内にある他の色との調和が全て綺麗で、見惚れてしまいました。

御神田というものは、他の神社でもたまに目にすることはあるのですが、これだけ大きなものを見るのは僕はこちらが初めてです。まさか社殿の後ろにこんなに素敵なものがあるとは思ってもいませんでした。

早い時間に来過ぎたようでして、人の気配も一切なく、神聖な場所に僕たち夫婦だけがいるという状態です。贅沢過ぎて申し訳なくなるくらい。

境内では美しいだけではなく、珍しいものもあれこれ見ることができました。

まず、入口にあった手水舎に、カラフルな千社札が大量に貼ってありまして、関東では見たことがない千社札ばかりで、びっくりしました。まるでライブハウスのバンドステッカーみたいで。ビックリマンシールみたいなのもありましたからね。一瞬、いいの?って思っちゃいましたもの。

そして、手水舎の柱や鳥居の柱が八角形なんです。これも僕は神社巡りをしてきて、初めて出会うものになります。よく見ると社殿の屋根の上、鰹木も八角形なんですよ。

八角というのは方位を意味していて、猿田彦大神の方位除の御神徳を仰ぐため、八角形でできているそうです。

そんな八角形の仲でも一番強力なパワースポットといわれているのが、昭和11年まで御神殿があった場所を印す「方位石」です。方位石に願い事をする際には、どうやら触れる順番があるようですが…僕たち夫婦は全く把握せずに、願い事をしてしまいました。

ちなみにその順番というのは、仕事運は亥・卯・未、金運は巳・酉・丑、家庭運は申・子・、人気運は寅・午・戌、とのこと。これから参拝される方は、ご参考にして頂ければと。また、方位石は参拝後に触れるようにしましょう。

境内社の佐瑠女神社には、著名人の方々から奉納された幟がたくさん立てられていました。

佐瑠女神社は本殿と向かい合うように鎮座していますので、猿田彦大神と天宇受売命の夫婦が向かい合っているわけです。向かい合っていれば、お互いに寂しくないですよね。夫婦神が祀られている神社に、夫婦で足を運ぶことができたというのも、また嬉しいじゃないですか。

いい参拝早朝ができました。

この後、内宮と近くの神社にいくつか参拝し、再び猿田彦神社を訪れまして、無事に御朱印を頂きました。

その際には近くにある伊藤小坡美術館にも立ち寄りました。

伊藤小坡美術館

美術館は御神田に向かって左の小路を進み、突き当ったら坂を上がった先です。歩いて5分くらいです。

小さな美術館でしたが、のんびりと鑑賞させて頂きました。外には日本庭園もあります。僕たち夫婦しかおらず、受付してくださった方と少しお話もさせて頂いたり。

伊藤小坡美術館も含め、猿田彦神社を満喫しました。

参拝できてよかったです。

続いては、日本の神社の最高位である内宮(皇大神宮)へ。

 

御朱印

猿田彦神社では、二つの御朱印を頂くことができます。

こちらが猿田彦神社の御朱印です。

猿田彦神社の御朱印

 

こちらが境内社の佐留女神社の御朱印です。

佐留女神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。時間が変更になることもあるようですので、公式サイト内の授与品ご案内ページでご確認ください。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は三重県伊勢市宇治浦田2-1-10です。

猿田彦神社の公式サイトはこちらです。
https://www.sarutahikojinja.or.jp/

 

電車

JR/近鉄「伊勢市駅」からバスで10~15分、タクシーで8~10分。

近鉄「宇治山田駅」からバスで10~15分、タクシーで8~10分。

近鉄「五十鈴川駅」からバスで5分、タクシーで3分。

バスですと、上記3駅からいずれも「内宮」方面行きに乗車し「猿田彦神社前」下車です。CANバスですと「鳥羽水族館方面」行きです。

バスの時刻検索は三重交通の下記サイトが便利です。
https://www.sanco.co.jp/krs/

 

駐車場

境内の東側に、70台駐車できる参拝者用の駐車場があります。第一駐車場はバス専用で、乗用車は第二駐車場になります。

 

トイレ

参拝休憩所の中と、第一駐車場の脇にあります。夜間や早朝は使用できませんのでご注意を。おはらい町の入口にある公衆トイレも近いです。

 

周辺のパワースポット

 

伊勢の神社巡り

伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

伊勢市の神社一覧

著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。