神社と御朱印、ときどき寺院

美しき日本の神社をご案内。

伊勢神宮と周辺の神社巡り。御朱印・順路・所要時間などを全解説
箱根の神社巡り。三社参りと御朱印のご案内。
高千穂の神社巡りと御朱印の解説をどこよりも詳しく。
戸隠五社巡りの御朱印と順路。見どころや所要時間も解説

大鳥神社(目黒区)の御朱印と見どころ

目黒大鳥神社の紹介

目黒区にある大鳥神社の参拝レポートです。

読み方は「おおとりじんじゃ」です。目黒大鳥神社とも称され、目黒区最古の神社であり、目黒の総鎮守です。目黒という地名の由来になった神社ともいわれ、江戸時代から続く酉の市は、現在でも大きな賑わいを見せています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

目黒の総鎮守「目黒大鳥神社」へ

12月の中旬、年末のお買い物で新宿に用事がありましたので、その足で年内最後の神社巡りをすることとなりました。いつものように嫁と二人です。完全に年末になってしまうと、何かと慌ただしいですし、神社の側も初詣の準備などで境内の様相もじゃっかん変わってきますので、その前に巡っておこうと。

目的地は自然と、新宿からそう遠くない範囲でということになるわけですが、まだまだ行ってみたい神社が山のようにありまして、なかなか決められず、久しぶりにだいぶ迷いました。

で、最終的で決めたのが、恵比寿にある恵比寿神社です。選んだ理由は…恵比寿神社への参拝を果たしますと、渋谷区にある比較的大きめな神社は全て制覇することになる、という邪なものではあります。

もちろん恵比寿神社自体も以前から気になっていまして、いつか参拝しようと思っていた神社ですけれど。

新宿区もあと何か所か参拝すれば、全て制覇する形にはなるのですが、少々範囲が広かったため、今回は見送りました。

恵比寿神社は、その名の通り恵比寿にありまして、最寄り駅も恵比寿駅です。駅周辺で行けそうな神社をピックアップし、さらにはお隣が目黒駅でしたので、そちらでもググってみましたところ、駅の西に大鳥神社という、目黒ではおそらく一番大きな神社があるではないですか。

目黒大鳥神社は、目黒区では最古の神社で、酉の市でも知られているそうです。また、目黒という地名の由来になっているという説もあるようです。

目黒区の神社は、僕たちはこれまでほんの数か所しか訪れておらず、最近もノーマークでしたので、この機会に大鳥神社にはぜひ参拝させて頂こうと。

そんなわけで、大鳥神社への参拝が決定です。

巡る順番もあれこれ考えた末、まずは目黒から歩くことにし、大鳥神社からのスタートにしました。

天気は雲一つない文句無しの快晴。しかし、気温がこの冬最低とのことで、寒さが心配なところ。

自宅を出発し、電車を乗り継ぎ、目黒駅に到着。西口を出て目黒通りを歩き始めますと、もうビル風がすごくて、なかなかに寒い。凍えそう。

そんな寒さをこらえつつ、歩くこと7~8分。

山手通りとの交差点の先に、玉垣と石鳥居が見えました。

目黒大鳥神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)国常立尊(くにのとこたちのみこと)弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)の三柱です。

主祭神が日本武尊で、相殿に国常立尊と弟橘媛命がお祀りされています。

日本武尊は、第12代景行天皇の皇子、第14代仲哀天皇の父であり、武勇に優れた日本古代史上の伝説的英雄です。 国常立尊は、初めての神で、日本神話の根源神とされています。弟橘媛命は、日本武尊の行く手を阻んだ荒れ狂う海に身を投げ、海を鎮めた、日本武尊の妃です。

創建は平安時代の初期、大同の時代です。飛鳥時代より以前、景行天皇の時代には、この地に国常立尊をお祀りした社があり、日本武尊が東征の折に立ち寄り、平定の達成と部下の目の病の治癒を祈願しました。その後、その願いが無事に叶ったため、日本武尊は神恩に感謝し十握剣(とつかのつるぎを)を奉納します。日本武尊の没後には、その霊が白鳥として舞い降り、鳥明神として祀られ、大鳥神社の起源となっています。大同元年に社殿が完成し、その年を創建年としています。

奉納された十握剣は、天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)として、当社の神宝となっています。

日本武尊の祈願により目の病気が治癒した言い伝えから、盲神(めくらがみ)とも称され、「めくら」が次第に訛っていき、「めぐろ」という地名の由来となったという説もあります。

江戸図では最古のものとされている室町時代の地図にも、江戸九社の一社として描かれています。

江戸時代から続く酉の市は、現在でも大きな賑わいを見せています。

境内には東京都の天然記念物にも指定されていた、オオアカガシ(アカガシの変種)の巨木がありましたが、残念ながら平成14年に枯死しています。

現在の社殿は昭和37年に造営されたものになります。

目黒区最古の神社として、古くから厚く崇敬されている神社です。

 

境内案内

こちらが目黒大鳥神社の入口です。山手通りに面しています。

f:id:inudenchi:20211218192506j:plain

 

一礼して鳥居をくぐり境内へ。右手前の大きな木はスダジイでしょうか。

f:id:inudenchi:20211218192519j:plain

 

左手に手水舎です。すみません、おもいっきり逆光になってしまってますが。

f:id:inudenchi:20211218192530j:plain

 

手水鉢には鳳凰の神紋です。

f:id:inudenchi:20211218192541j:plain

 

参道の反対、右手は広くなっていて、鳥居の側に神楽殿です。

f:id:inudenchi:20211218193005j:plain

 

参道を進みます。右には二本目の、スダジイと思われる立派な木。

f:id:inudenchi:20211218193107j:plain

 

左右には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。鞠と子供の両方という、珍しいパターンの狛犬さんです。

目黒大鳥神社の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。こちらにも子供がいます。

f:id:inudenchi:20211218205525j:plain

 

社殿は木の茶色を基調とした美しい建物です。

f:id:inudenchi:20211218205536j:plain

 

拝殿前、左手が授与所です。後ほど御朱印を頂くことに。

f:id:inudenchi:20211218205548j:plain

 

右手にご由緒書きです。

f:id:inudenchi:20211218205603j:plain

 

拝殿の左右には、消防団により奉納された長提灯。

f:id:inudenchi:20211218205621j:plain

 

お賽銭箱にも金の鳳凰紋です。

f:id:inudenchi:20211218205737j:plain

 

扁額には「大鳥宮」。参拝させて頂きます。

f:id:inudenchi:20211218205748j:plain

 

拝殿を振り返りますと、こんな景色です。目の前の山手通りは交通量が大変多い。

f:id:inudenchi:20211218215914j:plain

 

境内を散策してみます。こちらは社殿を左斜め前から。

f:id:inudenchi:20211218215939j:plain

 

社殿の左手には庚申塔が並び、その間には「神楽塚」です。目黒大鳥神社では、酉の市でも神楽が奉納されているとの説明書きも。

f:id:inudenchi:20211218215956j:plain

 

境内の左手奥が、境内社の目黒稲荷神社です。鳥居の後ろの木は「おがたまの木」です。参拝させて頂きます。

f:id:inudenchi:20211218220010j:plain

 

再び拝殿前に戻り、今度は右手を散策。まず目に入るのが、御神木の大イチョウです。空襲に見舞われながらも復活した奇跡の大銀杏、との案内書きも。

目黒大鳥神社の大イチョウ

 

大銀杏は半分ほど黄色く紅葉(黄葉)しています。

f:id:inudenchi:20211218220111j:plain

 

大銀杏の奥、社殿の脇には、櫛(くし)の供養で建てられた櫛塚です。

f:id:inudenchi:20211218220130j:plain

 

こちらは社殿を右斜め前から。

f:id:inudenchi:20211218220143j:plain

 

大銀杏から右、境内の右手奥が社務所です。

f:id:inudenchi:20211218220158j:plain

 

社務所に向かって右、目黒通り沿いにももう一つ鳥居がありまして、境内にはこちらからでも出入りができます。

f:id:inudenchi:20211218220220j:plain

 

この鳥居の前にある木が、これまた大きな木でして、目に留めずにはいられません。どうやらアカガシの木のようです。

目黒大鳥神社のアカガシ

 

しばしアカガシを見上げて過ごします。

f:id:inudenchi:20211218220252j:plain

 

アカガシの右手には、石碑と石灯籠。碑は、平成14年に枯死してしまったオオアカガシの記念碑です。先ほど見たアカガシより、さらに大きなオオアカガシがあったってことですよね。

f:id:inudenchi:20211218220316j:plain

 

石灯籠は、キリシタンの迫害を逃れるため、イエス像を仏像形式に偽装した、切支丹燈籠です。

f:id:inudenchi:20211218220330j:plain

 

一通り境内を散策し、最後に授与所にて御朱印を頂き、目黒大鳥神社を後にしました。

f:id:inudenchi:20211218220343j:plain

 

参拝を終えて

快晴の空の下、気持ちの良い参拝ができました。

神社に到着するまでは、ビル風が強かったり日陰が多かったため、かなりの寒さを感じつつ歩いてきましたが、境内は日当たりがよく、暖かかったです。

そんなポカポカ境内にて、一番印象に残りましたのは、大きな木々ですね。

まず参道のスダジイ(スダジイじゃなかったらごめんなさい…授与所にて聞けばよかった)が、存在感ハンパないです。一番手前が一番大きくて、その他にもあと二本。どれも青空に逞しく伸びていまして、素晴らしかったです。

さらには拝殿右手の御神木である、大銀杏もでかかったです。半分ほど黄色く紅葉していていました。

で、極めつけは目黒通り寄りのアカガシです。

目黒大鳥神社には、かつてオオアカガシの巨木があり、都の天然記念物にも指定されていた、というのは事前に勉強しました。残念ながら平成14年に枯死してしまい、天然記念物も解除されてしまったことも。

ですのでもうアカガシには会えないと思っていましたところ、なんともう一本、かなり立派なアカガシが聳えていてびっくりしました。一瞬、今あるアカガシが、枯死したオオアカガシかと思ってしまいましたし。

現存しているアカガシにも見惚れてしまったので、枯死してしまったオオアカガシの方は、どれだけでかかったことかと、とっても気になってしまいます。帰宅後に画像検索してみたものの、残念ながら見つけられまんでした。平成14年以前に訪れた人しか、見れてないわけですからね。僕もぜひとも見たかった。

見られるものは、見られるうちに見ておかないといかんですね。

枯死してしまったオオアカガシは、どうあがいてももう見ることができませんが、大鳥神社では大木だけではなく、他にも面白いものをいくつか見ることができました。

イエスの像がわからないように彫ってある「切支丹燈籠」も、なかなか見れられない珍しいものです。切支丹燈籠は、僕は以前に一度だけ、神楽坂の秋葉神社にて見たことがあるのですが、そちらともまた違った形状のものでした。

拝殿に向かって左の狛犬さんは、鞠に前足を載せ、さらには子供もいるという、こちらもまたなかなか珍しいタイプの狛犬さんなのではないかと。

黒い長提灯も、なかなか他では見ない提灯でした。

青空の大木の中に建つ、茶色の社殿も美しかったです。

こちらの大鳥神社は、日本武尊が奉納した天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)が神宝になっているとのことで、ぜひとも見てみたくはありますが、残念ながら非公開でございます。もしこの先、万が一にも公開されることがあるのならば、必ずや拝見しに伺います。

境内は、山手通りと目黒通りという、大変交通量の多い通りが交わる場所に位置しているにもかかわらず、不思議ととっても静かでした。大鳥神社に限らず、他の神社でも僕は同じようなことを感じることが多々ありますが、それは自分の意識の問題なのか、もしくは他の要因なのか。あるいはそのどちらもなのかもしれませんけれど。

冬晴れの境内にて、いい時間を過ごすことができました。

目黒大鳥神社、参拝できてよかったです。

続いては、目黒駅の東にある、誕生八幡神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが目黒大鳥神社の御朱印です。

目黒大鳥神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

上記の他に、酉の市やお正月には限定の御朱印があります。大鳥神社の公式Twitterにて、案内が出ている場合がございます。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都目黒区下目黒3-1-2です。

目黒大鳥神社の公式サイトはこちらです。
https://www.ootorijinja.or.jp/

 

電車

各線「目黒駅」から徒歩7~8分。

西口を出て、駅を背にして前方に延びる目黒通りを直進です。山手通りとの交差点を渡った先、左手です。

東急目黒線「不動前駅」から徒歩10~12分。

山手通りまで出て北上し、目黒通りとの大きな交差点の手前、左手です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません(ご祈祷を受けられる方のみ、境内に駐車可能です)。近くにコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

目黒区の神社一覧