温泉地として有名な箱根には、「箱根三社」と称されている三つの神社があります。
箱根神社、箱根元宮、九頭龍神社の三社で、いずれも芦ノ湖の周辺に鎮座しています。
箱根神社はアクセスも良好で、知名度もあるかと思います。箱根元宮は駒ケ岳山頂にあり、ロープウェイで行くことができます。しかしながらあとの一社、九頭龍神社は、車の進入ができない九頭龍の森の中にあり、アクセスがあまりよろしくないんです。
こちらの記事では、そんな九頭龍神社のアクセスを詳しく解説していますので、参拝の際の参考にして頂けましたら嬉しいです。
九頭龍神社とは?
九頭龍神社は、芦ノ湖のほとりに鎮座する、箱根のパワースポットとしても有名な神社です。
「九頭龍の森」と呼ばれる森の中にあります。
縁結び、金運守護、商売繁盛に大きなご利益があるといわれている神社で、特に縁結びのご利益は有名で、テレビなどでもたびたび取り上げられています。
毎月行われる月次祭には、多くの参拝者が訪れることでも知られています。
こちらが九頭龍神社本宮の社殿です。
九頭龍神社には、その昔、悪さをして人々を苦しめていた芦ノ湖の龍が、形を変え守護神として祀られています。
詳しいご由緒や境内案内などは、僕が別で書いているこちらの記事で紹介しています。
同じく箱根のパワースポットとして知られている箱根神社の境内には、九頭龍神社の「新宮」が祀られています。
こちらは新宮の手水鉢。龍の頭が九つ並んでいます。
箱根神社内の新宮は、アクセスも良く参拝しやすいのですが、九頭龍の森の中にある本宮は、少々アクセスしづらい場所にあるんです。
こちらの記事では、そんな九頭龍神社本宮へのアクセスを解説したいと思います。
車では近づけない神社
九頭龍神社の本宮には、車で行くことができません。
車の通れる道路自体はあるのですが、関係者以外侵入禁止になっています。一般車両が入ることはできません。
タクシーやバスも入れませんので、それらの交通機関を利用することもできないんです。
まず、こちらが九頭龍神社の地図になります。
芦ノ湖の東側には、箱根神社のある「元箱根」や、駒ヶ岳ロープウェイのある「箱根園」、箱根ロープウェイの駅である「桃源台」など、いくつか観光の拠点となる場所がありますが、九頭龍神社は「箱根園」と「桃源台」の中間あたりに位置しています。
そして、今度は少し拡大した地図を載せます。
神社の右手に「75」と書かれた少し大きめな道路(県道75号線)が縦に走っていますが、九頭龍神社には、この道路からは行けません。間には深い森が広がってします。
芦ノ湖と75号線の間に細~い道が見えるかと思いますが、その道からじゃないと行けないんです。そして、その細い道が一般車両は進入禁止の道路です。
つまり九頭龍神社の本宮には、「近くまで車で行くこともできない」わけです。
そうなると、車以外の方法で行かなければいけません。その方法は以下の4つです。
- 徒歩
- 自転車
- 船(九頭龍神社参拝船)
- 船(モーターボート)
次項より、それぞれのアクセス方法について解説していきます。
徒歩でのアクセスと所要時間
まず、歩くのが苦ではなかったり好きな方は、徒歩でのアクセスがお勧めです。ハイキング気分で道中を楽しみながら向かうこともできるかと思います。
徒歩でのアクセス方法は、二ヶ所から。
- 箱根園
- 湖尻
地図で見ますと以下になります。
上の地図を見る限りは、どちらからも同じくらいの距離に見えるかと思いますが、実際は箱根園からの方がかなり近いです。湖尻ルートですと、道がぐるっと回っていますので、時間が掛かるんです。
所要時間は、箱根園からが20分前後、湖尻からが30分前後です。
箱根園からのルートの方が、上り下りなども少なく歩きやすい道のりとなっています。湖尻からのルートは、上り坂下り坂がけっこうあります。
どちらも森の中を歩く形にはなりますが、より歩きやすく、時間も早いのは【箱根園から】のルートということになります。間違いなくそちらの方が楽です。
どちらのルートからも、神社への入口は一緒です。
九頭龍神社は「九頭龍の森」(旧箱根樹木園)の中にありまして、入園料500円が必要です。開園時間は9:00~16:00(夏季は17時まで)です。
入園料を払い園内に入り、整備された芦ノ湖沿いの遊歩道を5分ほど歩いた先が、九頭龍神社の本宮です。
園内の時間も合わせますと、箱根園からは約20~25分、湖尻からは約35~40分になります。
箱根園からの方が楽なルートではありますが、僕は個人的に湖尻からのルートが好きです。
巨木が聳えていたり、清とした杉林があったり。
森の中を歩くことが好きでしたら、湖尻からのルートを是非お勧めしたいです。時間は掛かりますけれど。
ただし、冬場で雪が積もった際などは、特に湖尻ルートは歩行が困難になる場合がありますので、ご注意ください。
自転車(レンタサイクル)でのアクセス
車では近づけない九頭龍神社本宮ですが、徒歩で行くよりも、もっと楽な方法があります。
それが、レンタサイクルです。
道路も自転車で走りやすい舗装された道ですので、ちょっとしたサイクリング気分で九頭龍神社まで行くことができます。
時間も徒歩に比べ遥かに短縮できます。
徒歩のときと同様に、九頭龍神社のある「九頭龍の森」には入場料500円が必要で、自転車はその入口に置いて入園する形となります。
レンタサイクルを利用できるのは、徒歩での入口と同じく、箱根園と湖尻の二ヶ所です。
また、その他に元箱根でも利用できますので、元箱根から箱根園、箱根園から九頭龍神社までと、そのまま利用するのも一つの手段です。
箱根園
まず箱根園は、箱根園ショッピングプラザの2Fで受け付けています。
(画像出典:www.hakone-ashinoko.net)
営業時間は9:00~17:00(最終受付は16:00)で、返却も17時までです。
料金は1時間500円です。
こちらのレンタサイクルは、元箱根港でも貸出と返却が可能です。
天候の状況(雷雨や冬場の積雪など)により、貸し出しを行わない場合もございますので、ご注意ください。
湖尻
湖尻ターミナルでもレンタサイクルを利用することができます。一日パスポートを、ターミナル内の売店で購入できます。
売店の営業時間は9:00~17:00です。返却は16時30分までです。
料金は一日パスポートのみで、1,000円です。
湖尻のレンタサイクルは、こちらは湖尻の他に箱根関所の旅物語館、遊覧船箱根関所跡港にも同じサービスがあります。そして便利なのは、返却はそちらでも可能という点です。
つまり、湖尻でレンタルをして、箱根関所跡港に返却という形も可能なわけです。回るルートによって検討してみてください。
箱根園と同じく、天候の状況(雷雨や冬場の積雪など)により、貸し出しを行わない場合もございますので、ご注意ください。
元箱根
元箱根の芦ノ湖遊覧船乗り場(海賊船ではない方の船)でも、レンタサイクルを利用できます。
元箱根から箱根園までは自転車で10~15分ほどですので、そのまま九頭龍神社に向かうというのもありかと思われます。
元箱根から箱根園というのは、アクセスが若干わかりづらい形ですので、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
元箱根のレンタサイクルは、箱根園と同じサービスですので、元箱根で借りたものを、箱根園で返却することも可能です。
箱根園や湖尻と同じく、天候の状況(雷雨や冬場の積雪など)により、貸し出しを行わない場合もございますので、ご注意ください。
船(九頭龍神社参拝船)でのアクセス
徒歩や自転車以外にも、九頭龍神社に行ける方法があるんです。
それが、船という手段です。
九頭龍神社本宮の境内は芦ノ湖に面しています。ですので、芦ノ湖から船で向かい、湖に面した「神山桟橋」から境内に入り参拝するという方法もあるんです。
そして、神山桟橋まで連れて行ってくれる、とっても便利な遊覧船というものまであるんです。「九頭龍神社参拝船」です。
(画像出典:www.izuhakone.co.jp)
ただし、その遊覧船が運航するのは【毎月13日のみ】です。
九頭龍神社の月次祭が毎月13日の午前10時からでして、それに合わせて遊覧船が運航する形です。
船が出る場所は元箱根港。こちらです。
元箱根では、西武グループが運営する「箱根 芦ノ湖遊覧船」の乗り場と、小田急グループが運営する「箱根海賊船」の乗り場、二ヶ所あるのですが、九頭龍神社参拝船が出ているのは西武の「箱根 芦ノ湖遊覧船」の方ですので、注意が必要です。海賊船ではない方、です。
料金は往復で1,500円。
冬季以外(3月20日~11月30日)は、出航時間が9:10と9:30、冬季(12月1日~3月19日)は、9:30の一本のみです。乗船時間は約20分です。
乗船の受付時間は朝の7:30からです。御祈祷の受付なども行われています。
当日は混雑が予想されますので、できるだけ早めに受付を済ませて乗船することをお勧めします。
帰りの神山桟橋からの出航時間は、夏季が11:05、11:45、12:20の3本、冬季が10:55、11:45の2本です。
九頭龍神社参拝船については、下記の遊覧船公式サイトにて詳しく紹介されていますので、参考にしてみてください。(※船の運行時間など変更になる場合もございますので、ご確認ください。)
http://www.izuhakone.co.jp/hakone-yuransen/3747/index.html/
船にて参拝する場合には、九頭龍の森への入園料はかかりません。無料です。
また、毎月13日の月次祭の日は、徒歩や自転車での参拝も入園無料となっています。
月次祭での参拝をお考えでしたら、参拝船を使うのが一番便利かと思われます。
また、駒ヶ岳ロープウェイにて九頭龍神社参拝船の乗車券を見せると、切符が割引で購入できます。
船(モーターボート)でのアクセス
遊覧船が九頭龍神社まで連れて行ってくれるのは、毎月13日の月次祭のみです。
しかし、それ以外にも船で九頭龍神社に行く方法があります。
それが、モーターボートです。
(画像出典:www.hakone.or.jp)
モーターボートは、箱根園、湖尻、元箱根、箱根町から出ています。
遊覧船とは違い、個人でチャーターするような形になりますので、お値段は少々高めではあります。
1艇(4名まで)で7,000円や、1人1,800円など、借りる場所によって差異は多少あるようですが、九頭龍神社までの往復で、だいたい一人2,000円くらいが相場のようです。
モーターボートで行く場合にも、神山桟橋から境内に入る形になりますので、九頭龍の森への入園料は掛かりません。
モーターボートは料金もそれなりにしますが、時間に縛られずに自分のタイミングで行くこともできますし、長距離を歩くことなく桟橋まで行けますので、最も便利な交通手段と言えるかもしれません。
徒歩や自転車が難しく、13日の月次祭以外で参拝するとしたら、逆にモーターボートという選択肢以外はありません。
以上、本日は九頭龍神社へのアクセスについてまとめてみました。
九頭龍神社、箱根神社、箱根元宮の三社は、「箱根三社参り」として全て回る方も多いようです。
三社参りの詳しい情報などを下記の記事て紹介していますので、よろしければそちらもご覧頂けますと幸いです。