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元箱根から箱根園へのバスは?船は?フリーパスは使える?

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箱根の芦ノ湖周辺には、いくつかの観光スポットがあります。

芦ノ湖の遊覧自体も人気ですが、箱根神社や箱根関所、箱根園や駒ヶ岳など、湖畔にも素敵なスポットが点在しています。

しかしながら、その移動手段が少々複雑で、特に「元箱根」から「箱根園」への移動が若干ややこしいんです。

神社巡りが好きでしたら、元箱根にある箱根神社に加え、箱根園から行ける箱根元宮と九頭龍神社にも参拝したい方も多いはず。そのためには元箱根から箱根園への移動をスムーズにしたいところ。

こちらの記事では、そんな「元箱根から箱根園へのアクセス」について詳しく解説していますので、参考にして頂けたら嬉しいです。

元箱根(箱根神社)から箱根園(元宮)へのアクセス

先日、嫁と二人で箱根に温泉旅行に行って参りました。東京から一泊二日の小旅行です。

箱根に行くのは今回が4度目でして、多少は地理などにも明るくはなってきています。もちろん、まだまだ行ったことがない場所はたくさんですし、無知なことの方が遥かに多いですけれど。

僕は車を持っていませんので、これまでの箱根旅行は全て、電車やバスが移動手段です。

都内からの旅行ですので、新宿からロマンスカーに乗り、箱根からは「箱根フリーパス」をフル活用するというのがいつものパターンです。

箱根フリーパスというのは、新宿から箱根までの乗車券に加え、箱根登山鉄道とか、バスやロープウェイなどが乗り放題になるという、とっても便利な切符です。小田急が行っているサービスです。

詳しくはこちらの公式サイトをどうぞ。
https://www.odakyu.jp/ticket/couponpass/hakone/

箱根というのは大きな観光地でして、交通網もかなり充実しています。車がなくても様々な場所をそれなりに周れるようにはなっているんです。

そして、そこにフリーパスという便利な存在が加わることで、より移動がしやすくなります。

しかしです。

そんな箱根の中で、少々「行きづらい場所」というのがあるんです。

それが「箱根園」です。

箱根園は芦ノ湖畔にある複合リゾート施設でして、そこからは駒ヶ岳に行けるロープウェイも出ています。

僕はこれまでに三回、箱根園には行きました。元箱根から二回、桃源台から一回です。

僕は嫁と二人で神社巡りをするのが趣味でして、今回の旅行も神社巡りがけっこう中心だったりもします。

で、元箱根には箱根神社があります。箱根神社については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

そして、箱根園からロープウェイにて登る駒ヶ岳には、箱根神社の元宮があるんです。元宮についても、こちらの記事で紹介しています。

今回僕たちは、箱根神社に参拝後、駒ヶ岳の元宮に向かうというコースを設定していましたので、元箱根から箱根園に移動する必要がありました。

以前も同じコースで移動したことがあるのですが、どうもその移動手段がよくわからず、初めてのときはテンパった覚えもあります。

つまり、元箱根から箱根園のアクセスというのが、わかりづらいうえに、不便なんです。

ですので、僕と同じようにテンパってしまう方のために、わかる範囲ではありますが、そのアクセスを解説しておこうと思います。

 

箱根山戦争(小田急vs西武)

そもそも、観光地の中では交通網がかなり発展していると思われる箱根で、なぜ元箱根から箱根園に行きづらいのか。

それは、「箱根山戦争」と言われる巨大グループによる箱根をめぐる戦いの名残りなんです。

つまり、大人の事情なわけです。

箱根ではかつて、小田急グループと西武グループが、そのシェアをめぐり熾烈な闘いを繰り広げていたそうです。

二つのグループが、その交通網のシェアを競っていたってことですね。

箱根山戦争は既に終結しているとのことですが、箱根では現在も、小田急グループと西武グループ、その二つの交通網が構築されています。

で、両者多少の歩み寄りはあるようですが、完全には連携が行われていないのが実情のようです(※2018年10月現在)。

箱根山戦争について詳しく知りたい方は、Wikipediaの「箱根山戦争」をご覧ください。経緯など詳しく載っています。

そして話を箱根園に戻します。

まず、箱根園や駒ヶ岳ロープウェイというのは、西武グループのものなんです。箱根園は西武グループの箱根開発の拠点でもありました。また、駒ヶ岳の頂上にある箱根神社の元宮は、西武グループの創業者である堤康次郎氏によって再建されています。

一方、登山鉄道や箱根ロープウェイ、海賊船など、箱根フリーパスで移動できる交通網を持っているのが小田急グループなんです。

そんな背景があるために、箱根園へのアクセスというものが、少々複雑でわかりづらくなっているわけです。

 

箱根園への交通手段

前置きが長くなってしまいましたが、それでは箱根園への交通手段を紹介していきたいと思います。

まず、それぞれの位置関係はこうなってます。

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歩いて行くという選択肢ももちろんないわけではありませんが、ここでは省きます。

ちなみに、もし徒歩で向かった場合には、NAVITIMEによりますと所要時間は34分です。

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(画像引用:www.navitime.co.jp)

 徒歩以外での移動手段としては、以下の6つが挙げられます。

  1. タクシー
  2. 芦ノ湖遊覧船(西武グループ)
  3. レンタサイクル
  4. 伊豆箱根バス(西武グループ)
  5. 水陸両用バス(西武グループ)
  6. 小田急箱根高速バス(小田急グループ)

次項より、上記6つのアクセス方法について、具体的に解説していきます。

 

タクシーでのアクセス

まず、一番手っ取り早いのはタクシーです。

タクシーでの移動は高いのでは?と思われがちではありますが、元箱根から箱根園に関しては、車ですと距離もそんなに遠くありませんので、金額的にもけっこうお得だったりするんです。

再びNAVITIME様を参考にさせて頂きますが、なんと所要時間は5分で、料金も1,000円くらいなんです。

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(画像引用:www.navitime.co.jp)

2人で乗ったとしたら、一人500円くらいの計算になります。

また、タクシーが一台もいなかった場合にはタクシー待ちや配車の手間はありますが、船やバスの時間に縛られることなく、自分のペースで移動できるのも魅力です。待機しているタクシーがいれば、最速です。

元箱根のタクシー乗り場はこちらです。

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画像はGoogleのストリートビューを引用させて頂きます。

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(画像引用:www.google.co.jp)

「箱根神社入口」のバス停からすぐですので、場所も不便なところではありません。

できるだけ早く箱根園に移動したい、という方には、タクシーが一番お勧めの交通手段です。

 

船(遊覧船)でのアクセス

タクシーの次に便利だと思われるのが、船で行く方法です。

船ですと芦ノ湖を遊覧できるという別の楽しみも満喫できますし、湖上から箱根神社の鳥居や駒ヶ岳を眺めることもできます。

そうしたメリットに加え、出航している本数も比較的多めです。

ただし、ここでいう船というのは、西武グループの「箱根 芦ノ湖遊覧船」です。

小田急グループの「箱根海賊船」ではありません。ご注意ください。

名前が少々ややこしいので混乱してしまうかと思いますので、見た目で判断してください。

こちらが「箱根 芦ノ湖遊覧船」です。箱根園にはこちらの船を利用します。

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(画像出典:www.izuhakone.co.jp)

そしてこちらが「箱根海賊船」です。こちらでは箱根園には行けません。

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(画像出典:www.hakone-kankosen.co.jp)

念のためもう一度書きますが、海賊船は箱根園にはとまりません

箱根園に船で行けるのは、海賊船ではなく「箱根 芦ノ湖遊覧船」のみになります。ですので必然的に、小田急の箱根フリーパスは使えません

これも箱根山戦争の名残だとは思うのですが、仕方ありません。

で、船の乗り場はこちらです。

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北側、箱根神社寄りにあるのが遊覧船の乗り場で、南にあるのが海賊船の乗り場です。

しつこいほどに繰り返しますが、箱根園に行くには北の遊覧船乗り場です。地図ですと上の方です。

下は乗り場入口の写真です。

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芦ノ湖遊覧船は、以下の航路で運行しています。

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(画像出典:www.izuhakone.co.jp)

本数や時刻などは季節によって多少違うようですが、だいたい1時間に1~2本出ています。

詳しくは遊覧船の下記公式サイトをご覧ください。
http://www.izuhakone.co.jp/hakone-yuransen/timetable/index.html/

料金は、大人で片道「760円」、往復券だと「1,450円」です。

所要時間は箱根園まで約15分です。

僕たちは今回、こちらの遊覧船を使い、箱根園に向かいました。

9月でして、時刻表はこんな感じでした。

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船からは箱根神社の平和鳥居や駒ヶ岳など、景色を楽しみつつ箱根園に向かいました。

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料金的にはタクシーよりは少し高くなりますし、小田急の箱根フリーパスは使えませんが、湖の遊覧ができるという点では観光気分になれるかとも思います。

ただ、1時間に1~2本という本数ですので、時短を優先する場合には、タクシーの方が良いかと思います。

時間に余裕があるのでしたら、タクシーを除くと船での移動が一番お勧めです。

 

レンタサイクルでのアクセス

続いては、レンタサイクルでのアクセス方法です。

自転車でというのは、天候にも左右されますし、体力的な面などでも全ての人に当てはまるアクセス方法ではありませんが、手段の一つとして紹介させて頂きます。

元箱根ではシェアバイクのサービスで、自転車をレンタルすることができます。

参考までに、こちらがレンタサイクルの公式サイトです。
https://cycle.ryde-go.com/

芦ノ湖遊覧船乗り場でレンタル可能です。場所はこちらです。

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(引用:docomo-cycle.jp)

レンタルは一日パスポートという形式で、料金は1,000円。受付時間は8:30~16:30です。

レンタサイクルですと、時間に縛られることなく自分のペースで出発できますし、自転車ならではの景色も楽しめます。

所要時間も15分ほどかと思われます。

また、箱根園からはそのまま自転車に乗って、車では近づけない九頭龍神社の本宮にも行くことができますので、そう言った意味でも便利です。

自転車は箱根園にて返却することも可能です。

晴れた日などはサイクリング気分で気持ち良く移動できるかと思いますので、レンタサイクルもお勧めの移動方法の一つです。

ただし、雪などの天候状況により、貸し出しを中止する場合もあるとのことですので、ご注意ください。

 

バスでのアクセス(伊豆箱根バス)

元箱根から箱根園へはバスで行くことも可能です。

ただし、これも先ほどの船と同様に、行けるのは西武グループの運営する「伊豆箱根バス」のみになります。

そしてこちらは船と同じく、小田急の箱根フリーパスは使えません

バス乗り場はタクシー乗り場と一緒でこちらです。

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もっと南、海賊船乗り場の前にもバス乗り場がありますが、そちらは小田急の箱根登山バスで、箱根園には行きませんのでご注意ください。

バスでの箱根園までの所要時間は約12分で、料金は片道340円(※2018年10月現在)です。

SuicaやPASMOも使えますので、チャージしておくと便利です。バスで小銭用意したりとか、両替とか、けっこう面倒臭いですからね。

フリーパスは使えませんが、箱根園まで時間もそんなに掛からず行けますし、料金も一番安く行けます。

しかしです。

バスの本数が、めっちゃ少ないというデメリットが。

元箱根発の時刻表はこんな感じです。(※2018年10月)

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(出典:izuhakone.jorudan.biz)

これは正直、かなり少ないです。

上手くこのタイミングに合わせられるようでしたら、バスという手段も使えますが、そうでなければタクシーや船などの方が間違いなく便利です。

 

水陸両用バスでのアクセス

2018年より、芦ノ湖の新アトラクションとして、水陸両用バスである「NINJA BUS(ニンジャバス)」というのがが運行しています。

運営しているのは西武グループですので、こちらも小田急の箱根フリーパスは利用できません

ニンジャバスは移動手段としてももちろん利用できますが、アトラクション的な要素も強いかと思います。

公式の動画がありますので、載せておきます。

ちょっと面白そうだな~とは僕も思ってしまいました。

僕はまだ人生で一度も水陸両用車には乗ったことがありませんので、いつか乗ってみたいな~と。

しかしながら、料金がけっこう高いですし、本数もかなり少ないです。

乗車料金は大人2,800円です。

運行本数は日によって変動があるのですが、元箱根発は一日3本です。

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(出典:www.izu-hakone.com)

このニンジャバスはWeb予約も受け付けています。

詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。
https://www.izu-hakone.com/jp/ninjabus/

純粋に箱根園に行くという目的ですと、本数や料金など便利とは言えない交通手段ではありますが、アトラクションとして楽しむことを重視するのであれば、ありな手段だと思います。

 

バスでのアクセス(小田急箱根高速バス)

元箱根から箱根園に移動するには、基本的に小田急の箱根フリーパスは使えません。

しかしながら、唯一それを使って移動する手段もゼロではないんです。

それが「小田急箱根高速バス」を利用する方法です。

高速バスという名称から、「長距離」とか「予約しないと乗れない」というイメージもあるかと思いますが、そういうわけでもありません。

こちらの路線図をご覧ください。

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(画像出典:www.odakyu-hakonehighway.co.jp)

小田急の箱根フリーパスにも「小田急箱根高速バス」というのはしっかりと名前が記載されていて、()で「指定区間」と入っています。この指定区間は、上記路線図の「箱根小田急山のホテル」から「御殿場駅」なんです。

で、この区間は自由に乗り降りできると。

そして、山のホテルのバス停はこちらになります。

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元箱根から小田急のバスは出ていませんが、この「山のホテル」まで辿り着ければ、そこからフリーパスの使えるバスに乗って、箱根園まで行けることになります。フリーパスをお持ちなら、これが一番安上がりな方法です。

山のホテルまでの所要時間は、元箱根からですと徒歩で15分ほど。箱根神社の平和の鳥居前からですと、8分ほどかと思われますので、歩けない距離ではありません。

山のホテルから箱根園までは、バスで5分ほどです。

少し歩くのさえ苦でなければ、この手段もありです。

しかしです。

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(画像引用:www.odakyu-hakonehighway.co.jp)

本数は他のバスと同様に、かなり少ないです。少ないですけれど、1時間に1本はありますので、まだ他のバスよりは便利ではあります。

少し歩くのと、時間的なタイミングさえ合うのなら、箱根フリーパスも使える「小田急箱根高速バス」も、箱根園に行く一つの方法です。

 

箱根フリーパスが利用可能な手段

以上ここまで、元箱根から箱根園に行く交通手段を、6つ紹介させて頂きました。

僕も最初に箱根園に行こうとした際にまず思ったのが、「フリーパスって使えないの?」という疑問でした。フリーパスの利用だけではなく、そもそも箱根園への行き方もよくわかりませんでしたので。

ですので僕と同じように、フリーパスが使えるのかどうかや、箱根園への行き方に迷う人もいらっしゃるはずです。

この記事が何かの参考になりましたら嬉しいです。

元箱根から箱根園への交通に関しては、小田急の箱根フリーパスは、基本的には「使えない」と思ってもらってOKかと思います。

ただ一つ、前項で紹介した山のホテルまで歩いた場合には、小田急箱根高速バスにて箱根園まで使用することができます。

また、箱根園では駒ヶ岳ロープウェイに乗る方も多いとは思いますが、箱根フリーパスを提示することにより、10%の割引料金で切符が購入できます。

僕はそれを後から知りまして、正規料金で普通に切符を買ってしまいました。

まさかの西武と小田急の連携です。

今後、西武と小田急ががっつりと連携してくれたら、箱根の移動がもっと便利になるとは思うのですが、なかなかそう簡単にはいかないんでしょうね。

フリーパスの統合なども一時期検討されたようですが、まだまだその実現には時間が掛かりそうです。

何かと不便なこともありますが、箱根の交通網の背景にある「箱根山戦争」を知っていると、ある意味それを楽しめたりもするかもしれません。


以上本日は、元箱根から箱根園へのアクセスについて書かせて頂きました。

 

九頭龍神社へのアクセスについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧くださいませ。

 

また、箱根神社・箱根元宮・九頭龍神社の「箱根三社参り」については、こちらの記事でまとめてあります。