調布市にある布多天神社の参拝レポートです。
読み方は「ふだてんじんじゃ」です。多摩地方有数の古社であり、布田五宿の総鎮守とされ、五宿天神とも称され崇敬されてきた神社です。ゲゲゲの鬼太郎にも縁の深い神社で、甲州街道から少し入った先に鎮座しています。最寄り駅は調布駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
調布の「布多天神社」へ
僕は東京の三鷹市在住でして、調布市というのは三鷹市の南側にあり、繋がっています。
しかし、滅多に行く機会がないんです。
縦のラインで電車が走ってれば、たまには行く機会もあるとは思うのですが、そんな路線はありません。あるいは車があればちょいちょい行ったかもしれませんが、あいにく僕は車も持っていませんので。
最後に調布を訪れたのは、2年ほど前かと思います。
友人達とバーベキューをするのに、天気予報が見事に雨になってしまい、急遽「雨でもBBQができる場所」で探したところ、調布のBBQ場が浮上したんです。
京王フローラルガーデンANGEというところにある、BBQ Villageってとこですね。
(画像出典:asoview.com)
京王多摩川駅という、個人的には全く馴染みのない駅が最寄でして、都心からですと決して行きやすい場所とは言えません。
しかし、手ぶらで行って、雨でも快適にBBQができ、お酒の飲み放題もあって、なかなかいいBBQ場でした。是非また行きたいな~と思う場所でした。
と、神社巡りには何の関係もないことを書いていますが…。
今回、調布を訪れるのはそのBBQ以来と言うことが書きたかったんです。
久しぶりに調布に行くことになったきっかけは、最近うちの嫁がマンホールにハマっておりまして、調布に「ゲゲゲの鬼太郎」マンホールがあるので見に行きたいと。
調布は『ゲゲゲの鬼太郎』の作者である水木しげるさんが暮らしていた街で、鬼太郎にちなんだ色々があったりするみたいです。
調布の鬼太郎については、僕が別で書いているこちらのブログで紹介しています。
鬼太郎のマンホールを探して撮影しつつ、近隣の神社巡りもしよう、という計画で調布まで出掛けました。季節は6月のあたまです。
調布駅から北に歩き始め、歩道上にあるマンホールを探しつつ、まずは「上布田稲荷神社」という小さなお稲荷さんに参拝。
続いて向かったのが、こちらの記事で紹介する「布多天神社」です。事前に調べましたところ、調布の大きな神社のようです。
鬼太郎のマンホールを全種類コンプリートし、甲州街道を横断して少し進みますと、石鳥居と新緑の綺麗な境内が姿を現しました。
無事到着です。
ご由緒
ご祭神は、少彦名命(すくなひこなのみこと)と菅原道真公(すがわらのみちざねこう)です。少彦名命は日本神話の神様で、医薬、温泉、知識、酒造の神など、様々な性質を持った神様です。菅原道真公は学問の神様として知られています。
創建年代は不明です。社伝によると、飛鳥時代より遥か以前、垂仁天皇の時代とされています。平安時代前期の書物には既にその名が記述されていることから、それ以前の創建であることは間違いないと考えられています。
元々は現在の調布駅の南側(多摩川寄り)に鎮座していたのですが、戦国時代の前期に多摩川が大氾濫を起こしたことをきっかけにして、現在地に遷座しました。その際に当初からのご祭神である少彦名命に加え、菅原道真公が合祀されました。
江戸時代には甲州街道が作られ、この辺りには五宿(上石原、下石原、上布田、下布田、国領)ができ、布田五宿と呼ばれました。布多天神社は布田五宿の総鎮守とされ、五宿天神として崇敬されていました。
その後布田五宿は調布町となり、布多天神社も調布町の鎮守となっています。
多摩地方有数の古社であり、はるか昔より、人々に厚く信仰されている神社です。
境内案内
こちらが布多天神社の入口です。石鳥居の向こうは大きな木が何本も茂っていて、森のようになっています。
鳥居の手前、左手には布多天神社のご由緒。
一礼して鳥居をくぐります。
木陰になっている参道が真っ直ぐに延びています。
右手の奥には石碑がいくつか並んでいましたので、行ってみます。その前にある黒松も立派でした。
碑の一つに新撰組と近藤勇ゆかりのものがあり、目が留まります。
こちらは高く聳えている赤松です。
参道に戻ります。
左手には囲われた一角が。何の木を囲っているのかはわかりませんでした。
その先には途中で折れてしまったと思われる大きな木です。「シラカシ」の木と書かれていました。
シラカシの奥に手水舎です。
お清めをします。
手水舎の脇にも立派な黒松が聳えていました。
参道を進みます。少し左に折れた先に社殿が見えます。
左手には「くろがねもち」の木です。
くろがねもちの木の先にも、補強された大きな木です。
木の向かい側には、とても古いものに見える燈籠も。
右手には神楽殿です。
拝殿の全貌が見えてきました。参道の左手に境内社のお稲荷さんがありましたが、そちらは後ほど参拝することに。
ゲゲゲの鬼太郎のポスターが貼ってありました。鬼太郎は、この神社の裏にある森に住んでいるという設定らしいです。
燈籠の後ろには、狛犬や拝殿などの説明が並んでいます。狛犬は調布市内では最も古いものとのこと。
茶色の社殿と後ろの緑、青い空が綺麗です。後ろの森には鬼太郎が住んでいるんですね。
こちらが左の狛犬さん。確かにかなり古いものに見えます。
こちらが右の狛犬さん。どちらも小ぶりで可愛い顔をしていました。
右の狛犬さんの先に、神牛さんです。撫でさせて頂きます。
拝殿の正面へ。絵になりますね。
拝殿へと進みます。茶色を基調とした建物で、落ち着いた雰囲気のある社殿です。
6月の晴れ渡る空の下、参拝します。
拝殿を振り返り参道を見ますと、こんな景色です。緑が綺麗です。
拝殿に向かって右手に小路が続いていますので、行ってみます。まず小路の先には石碑が二つありました。
小路を折れると石鳥居があり、奥には境内社が並んでいます。
石鳥居の後ろには大きなケヤキ。
右手には手水舎がありました。水がなかったので、手をはたいてお清めします。
手水舎の後ろに小さな祠がありましたので、まずはそちらに参拝します。祠は厳島神社でした。
続いて、正面の境内社に向かいます。正面が金刀比羅神社と大鳥神社、左が稲荷神社です。
社殿の前には狛犬さん。こちらの狛犬さんも古いものに見えます。
二つの境内社に参拝します。この位置からは、布多天神社の本殿も見えました。
さらに右手には三つの祠が並んだ境内社。左から、御嶽神社、祓戸神社、疱瘡神社です。参拝します。
境内社への参拝を終え、拝殿前に戻ります。こちらは拝殿を右斜め前から撮影。
拝殿に向かって左手に社務所と授与所がありましたので、そちらで御朱印を頂きました。
境内の左手にも大きな木が茂っています。緑が多いです。
社務所の前はちょっとした庭園のような感じで、松や梅がありました。
そのお隣におみくじエリアがあり、ゲゲゲの鬼太郎おみくじがありました。
拝殿を左斜め前からも激写。
最後に、参道の途中にあった境内社のお稲荷さんにも参拝します。
先ほどの社務所の前、松と梅があった場所を正面から見ますと、こうなってます。一通り境内を散策し、布多天神社を後にしました。
参拝を終えて
訪れたのが6月の前半、朝から晴れて気持ちのいい一日でしたので、境内の緑がとても綺麗でした。
鳥居をくぐると、その先にはすぐに開けた境内。広くなった空間に、木々があちこちに聳えています。
たくさん伸びる木の中で、僕は特に松の木が印象に残りました。赤松、黒松が何本もあり、どれも見事な松でして、空に向かってどこまでも伸びている感じがしました。
神社の境内には大きな木があることが多いですけれど、どんな種類の木もそれぞれ違った魅力があり、惹き付けられます。松は少し曲がりながら伸びてるものがけっこう多い気がするのですが、それがまた素敵です。
布多天神社は菅原道真公を祀る天神様ですので、神牛さんもいましたし、梅の木もありました。天神信仰では牛が神の使いとされています。また、梅は道真公の後を追って飛んできたという「飛梅」の伝説もあります。
神牛は、他の天神社では、自分の体で悪い部分を撫でると良くなると書かれているのをよく目にしますので、布多天神社の神牛には特にそのような説明はなかったのですが、とりあえず撫でてみました。
しかし…この日はめちゃめちゃいい天気だったため、神牛さんがとっても熱くなっていて、まともに撫でられず…。火傷するかと思いました、ほんとに。
神牛さんは熱々になっていましたが、それくらいいい天気の中、ゆっくりと境内を散策させて頂きました。緑の多い境内でしたので、この季節は歩いているだけで気持ちいいです。
平日だったせいか、参拝者の姿もちらほら見掛ける程度でして、とても静かな空気の中、参拝もさせて頂きました。
茶色を貴重とした社殿も落ち着いた雰囲気がありましたし、境内社もどれも静かに佇んでいました。
拝殿前の狛犬さんは、江戸時代中期に奉納されたもので、市内では最古の狛犬さんだそうです。確かにかなり古いものに見えました。小さな狛犬さんでしたが、綺麗な容姿をしている狛犬さんでした。
かつては甲州街道を行き来していた人たちが、皆この境内に立ち寄ったのかな~とか想像しますと、当時の様子をこの目で見てみたくなります。この辺りは布田五宿と呼ばれる宿場町で、布多天神はその総鎮守だったとのことですので、きっとここで一休みした人たちが、旅の無事を願って参拝したんだろうな、と。
また、調布は水木しげるさんにゆかりの街とのことで、境内には「鬼太郎おみくじ」もありました。鬼太郎はこの神社の裏の森に住んでるという設定のようで、そう言われると本当に鬼太郎がいる気がしてきてしまいます。
もしかしたら水木しげるさんも、この神社を訪れていたかもしれないですね。
一通り境内社にも参拝した後、授与所にて御朱印を頂いたのですが、なんと書いて頂いた後に、祓串にて御朱印帳のお祓いをしてくださいました。このパターンは僕はこちらが初めてです。後ほど調べましたところ、どうやらこれは僕たちだけではなく、御朱印を頂くと皆さんお祓いをして頂けるそうです。新鮮でした。
布多天神社、参拝できてよかったです。
緑の多い境内にて、心地よい時間を過ごさせて頂きました。
この後僕たちは、地図にて布多天神の近くに見つけた「若松稲荷神社」へと向かいます。
御朱印
こちらが布多天神社の御朱印です。
こちらは、別日に頂いた「ゲゲゲ忌限定」御朱印です。
ゲゲゲ忌限定御朱印は、水木しげるさんの命日に合わせて調布で行われている「ゲゲゲ忌」の期間限定のものになります。期間中は、近隣にある下石原八幡神社の「ねこ娘御朱印」も、布多天神社にて頂くことができます。2018年の期間は11月23日~12月2日でした。2019年以降に関しては、調布市観光協会公式サイト「調布観光ナビ」でご確認ください。限定御朱印の有無や期間などもご確認できるかと思います。
布多天神社では上記の他に、境内社の大鳥神社の御朱印が、酉の日限定で頂くことができます。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都調布市調布ヶ丘1-8-1です。
布多天神社の公式サイトはこちらです。
http://fudatenjin.or.jp/
電車
京王線 「調布駅」から徒歩6~7分。
中央口から出て、北に延びる一番大きな通りから一本東に入った、天神通り商店街を真っ直ぐです。
駐車場
参拝者用の駐車場があります。第一駐車場、第二駐車場があり、50台ほど駐車可能です。
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調布市の神社一覧