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新井薬師【梅照院】(中野区)の御朱印と見どころ

新井薬師の紹介

中野区にある新井薬師の参拝レポートです。

読み方は「あらいやくし」です。真言宗の寺院で、正式名称は新井山梅照院(あらいさんばいしょういん)です。眼病平癒のご利益などでも知られる、中野区最大の寺院になります。中野駅と新井薬師前駅の中間辺りに位置しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

新井薬師として知られる「新井山梅照院」へ

2月の下旬、嫁と二人で中野周辺の社寺巡りにやって来ました。

新井薬師は、その四か所目に訪れた寺院です。

新井薬師を訪れるのは、この度が僕は二度目。

もう4年半ほど前になりますが、以前も嫁と共に参拝しております。近くに新井天神北野神社という神社がありまして、そちらに参拝した際に、新井薬師にも立ち寄りました。

さらに僕は数年前、新井薬師と隣接する公園にて、毎年のように会社の仲間たちと花見をしてたんです。なのでめちゃめちゃ馴染みのある場所でもあります。

そんな新井薬師ですが、以前訪れているにも関わらず、僕はこちらのブログで記事にしていないんです。「神社ではなく寺院だから」という理由で。

僕はこのブログを始めるにあたって、神社という縛りを自分の中で作ってしまっていました。別に寺院が嫌いとかでは全くなく、縛りを作った方が記事を書きやすいと思ったからです。

ゆえに、寺院を訪れた際にも、特に撮影などもしませんし、記事にしていない場所が何か所もあるんです。

しかしです。最初のうちは特にそれについて気にはしていなかったのですが、だんだん途中からそんな縛りがアホらしくなってきたんですよね。せっかく参拝しているのに、もったいないな~と。

神社だけでも手一杯なのに寺院にまで手を出したらアカン、という気持ちはあるのですが、別に参拝した寺院は書いてもよいのではないかと。

基本的に巡る中心は神社ですけれど。

そうスタンスを変更してからは、ちょいちょい寺院の記事も書いています。

で、このたび中野の神社巡りに出掛けましたので、せっかくなので以前訪れて記事にしいない新井薬師にも、もう一度参拝し今度は記事にしようと。

そんな流れで、新井薬師を参拝コースに組み込みました。

中野駅の南側、高円寺寄りの神社を三ヶ所参拝し、続く四か所目に新井薬師へ。

新井薬師は中野駅から徒歩でも行ける距離ではあるのですが、微妙に遠いんです。なので時短を選びバスに乗り込みます。

そして北野神社前バス停で下車。

せっかくですので、バス停の目の前にある新井天神北野神社にも参拝します。

北野神社は拝殿が新築されていて、びっくりしました。

参拝を終え、歩くこと数分。

二度目の新井薬師に到着です。

 

ご由緒

真言宗豊山派の寺院で、新井山梅照院が正式名称になります。

ご本尊は、薬師如来(やくしにょらい)如意輪観音(にょいりんかんのん)です。

薬師如来は、病気を平癒し身心の健康を守ってくださる、医薬の如来です。如意輪観音は、知恵や福徳もたらし、煩悩を打ち砕く菩薩です。

梅照院のご本尊は、表を薬師如来、裏を如意輪観音とする二仏一体の像です。

創建は戦国時代の天正です。行春という僧により創建されました。

元々この地には、鎌倉時代末期より一人の僧が草庵を結んでいましたが、天正の時代のあるときより毎夜、草庵の梅の古木が光り輝き、中から二仏一体のご尊像が現れたそうです。その後ご尊像を祀るための御堂が建立されたのが、梅照院の始まりです。

江戸時代には、二代将軍秀忠公の第五子である和子の方が、重篤な眼病を患いますが、当院の薬師如来に眼病平癒を祈願したところ、たちまち回復したといわれ、眼病治癒の利益でも広く知られるようになりました。

また、当院第五世の玄鏡が如来の啓示を受け、優れた小児薬を調合し、多くの子供たちを救ったことから、子育てのご利益でも知られるようになります。

ご本尊である二仏一体のご尊像は、12年に一度、寅年に開帳されています。

境内の堂宇は第二次大戦時に焼失してしまいますが、戦後に再建されました。

本堂には、薬師如来を守護する12柱の神様である、十二神十將もお祀りされています。

「目の薬師」「子育て薬師」として篤く信仰されてきた、中野区最大の寺院です。

 

境内案内

中野通り側より歩いて行きますと、左手に新井薬師への入口(西門)。その先に見える木もでかいです。こちらは正面の入口でははありませんので、そのまま通過して、ぐるっと回ります。

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先ほどの道を左折しますとすぐ、正面の入口に到着です。左には「新井山梅照院」、右には「新井薬師」と刻まれた寺号碑です。参道の左右には立派な桜。

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入口の右脇に豊川稲荷が祀られていましたので、参拝させて頂きます。

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参道を進みます。桜の時期にも歩きたくなる参道です。山門の左手前に見える細い桜の木は「プリンセス雅」という桜で、愛子様の誕生を祝い、平成13年に植樹されたものになります。「プリンセス雅」が新井天神にあるのは知っていたのですが、こちらにもあるとは知らず。コメント欄にて教えて頂きました。

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山門の向こうには常香炉が見え、その先が本堂です。

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山門の手前、右手には「本堂再建供養塔」と、石灯籠が二つ。

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一礼して門をくぐりますと、開けた境内へと出ます。こちらでも左右の桜が目を惹きます。

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参道の左手には薬師霊堂。阿弥陀如来と閻魔大王がお祀りされています。後ほど参拝させて頂きます。

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反対側、右手には不動明王をお祀りした不動堂です。こちらも後ほど参拝します。

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不動堂の先に手水舎です。

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水盤には蓮の花。このような蓮のある水盤は、僕は今のところこちらでしか見たことがありません。水盤自体、蓮のようにも見えます。

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手水舎には龍も彫られています。

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参道に戻ります。

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この左手にある桜が、境内では一番大きな桜ではないかと思われます。

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そして桜の後ろにも、大木です。おそらくヒマラヤスギかと。

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本堂へと歩を進めます。常香炉には梅紋です。

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本堂の左右の屋根には、逆立ちをした獅子の姿。

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本堂の前へ。

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参拝させて頂きます。扁額にはこちらの本堂の別名である、「瑠璃殿」と書かれています。

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本堂を振り返りますと、こんな景色です。やはり参道の桜に目が行ってしまいます。

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本殿の右手に授与所がありますので、こちらで御朱印を頂きます。

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先ほど通り過ぎた薬師霊堂にも参拝。霊堂の前には、弘法大師像(左)と観世音菩薩像(右)です。

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薬師霊堂の右手前には、精巧な彫刻が施された灯籠が一基。

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続いて、反対側の不動堂に参拝。お堂の左手前には、水子地蔵尊です。足元には蓮を持った赤ちゃんがいます。

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右手前には、願いを叶えてくださるという、お願い地蔵尊。

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本堂、霊堂、不動堂と参拝を終えましたので、境内を散策してみます。こちらは本堂を左手前から。こうして見ますと、大きなお堂です。

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本堂に向かって左には、三界萬霊と書かれた一角がありました。供養塔と思われる石仏がたくさん並んでいます。こちらにも立派な桜の木が一本。

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本堂に向かって右手は、こんな感じで広くなっています。奥には河津桜と思われる早咲きの桜も見えます。

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こちらは手水舎の後方にある鐘楼堂です。脇の銀杏も立派です。

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しばし桜を楽しみます。奥には石碑も並んでいます。

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やっぱり桜は美しい。こちらの木には何羽ものメジロの姿も。

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本堂の右奥は、こんな感じで向こう側に行けるようになっていますので、行ってみます。

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渡り廊下をくぐった先、右手には大悲殿という大きな建物。こちらは葬儀場のようです。

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大悲殿の右手前に、「白龍権現水」という白龍が導いたと伝わる大井戸があります。名水として知られて、お水取りができるようになっています。

白龍権現水

 

大悲殿の反対側には、聖徳太子像。こちらは中野区の左官業組合が、技能向上を願って建立したものだそうです。聖徳太子に手を合わせ、再び本堂前まで戻り、新井薬師を後にしました。

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参拝を終えて

新井薬師への二度目の参拝。

天気にも恵まれまして、すっきりと晴れ渡った空の下、気持ちいい参拝ができました。

境内には立派な桜の木が何本もあり、ぜひ桜の咲いている季節にも来てみたくなりました。特に本堂に向かって左、手水舎の向かいにあった桜がひときわ大きく目を惹きましたので、咲いている姿も見てみたいな~と。

訪れたのは2月下旬でして、ソメイヨシノにはまだまだ早い時期でしたが、境内の右手奥には河津桜が綺麗に咲いていまして、その景色を楽しませて頂きました。木にはメジロが何羽もいまして、何かついばんでいて可愛らしかったです。

人は年齢とともに、花や木や鳥の良さがわかってくるものですね。それだけ爺になったってことなんですけど。

花や鳥だけではなく、もちろんちゃんと参拝もさせて頂きました。

新井薬師は眼病にご利益があるとのことで、僕は最近自宅でパソコンにばかり向かっていて、少々視力の低下が気になっていたので、悪くならないようにと。

うちは嫁がメガネなので、嫁の視力も落ちないように、とも。

境内には、手水舎や賽銭箱など、梅の紋がところどころにありました。僕は普段神社を中心に巡っていますので、神社で梅紋といえば、菅原道真公をご祭神とする天神さまです。それと同じ梅紋を寺院で見るというのは、ちょっと新鮮な感じがしました。寺院にはそんなに訪れているわけではないので、梅紋の使われているお寺がどれくらいあるのかは、無知ではありますが。

新井薬師は、梅の古木から二仏一体のご尊像が現れたというご由緒がありますので、そこからの梅紋なんだと思われます。

また、すぐ近くの新井天神北野神社は、新井薬師の開祖である行春が創建したとも言われていまして、梅繋がりで天神さまが勧請されたのかもしれません。北野神社はかつて新井薬師が別当寺として管理していたそうですし、この二つの社寺には深い繋がりがあったことが窺えます。

北野神社は徒歩でもすぐですし、この二か所はセットでの参拝をお勧めします。

新井薬師の境内では、他にも手水舎の蓮や龍、霊堂前の灯籠、不動堂のお地蔵さんなど、見どころが色々とありました。ヒマラヤスギもでかかったです。

名水として知られている白龍権現水は、本堂の右奥、渡り廊下をくぐった先にありますので、お見逃し注意です。お水取りもできます。

晴天の下、のんびりと散策させて頂きました。

新井薬師、参拝できてよかったです。

続いては、中野駅からやや東にある、打越天神北野神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが新井薬師(梅照院)の御朱印です。

新井薬師(梅照院)の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都中野区新井5-3-5です。

新井薬師の公式サイトはこちらです。
https://www.araiyakushi.or.jp/

 

電車

西武新宿線「新井薬師前駅」から徒歩7分。

南口を出たら右に進み、大通りを左折。そのまましばらく歩き五差路になったら、右斜め前の道を直進。少し歩いた右手です。

JR中央・総武線/東西線「中野駅」から徒歩15~18分。もしくはバス5分と徒歩2分。

北口を出て中野通りを北上し、左手に新井天神北野神社がある交差点を右折し、少し歩いた左手です。バスの場合は中野駅の北口より、関東バスで1番乗り場の中12江古田行きで「北野神社前」か、7番乗り場の池11池袋行きで「新井薬師前」下車で徒歩すぐです。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近隣にコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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