高千穂町にある天岩戸神社東本宮の参拝レポートです。
読み方は「あまのいわとじんじゃひがしほんぐう」です。天岩戸神話の舞台といわれる地に鎮座している神社で、岩戸川を挟んで西の西本宮と、東の東本宮があります。東本宮は、天照皇大神が天岩戸からお出になった後、最初にお住まいになられた場所といわれています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
高千穂の「天岩戸神社東本宮」へ
日本神話の里と謳われる高千穂に、4泊5日という日程で、嫁と二人やって来ました。
この日はその2日目。
初日は阿蘇くまもと空港よりレンタカーで高千穂に入り、全部で9社の神社を回りました。9社目には高千穂郷八十八社の総社、高千穂神社に参拝しまして、その日の締めにしました。
天気は生憎の曇り空ではありましたが、高千穂の神秘的な神社を満喫しました。
初日の宿は高千穂神社のすぐ近くにあるホテル高千穂というところでして、窓からは高千穂峡が見えるという、素晴らしいロケーション。大浴場もありまして、夜はゆっくりと休ませて頂きました。
そして2日目の朝を迎えます。
この日はどうしても早朝に、天岩戸神社に行きたかったんです。天岩戸神社と天安河原ですね。どちらも高千穂では人気の観光スポットですので、できるだけ人が少ないうちに足を運びたいと思い、そうなると必然的に早朝になるわけです。
ゆえにホテルは食事無しのプランにして、前日にコンビニで買っておいたパンなどを部屋で食べ、6時半にはホテルを出発することに。
天岩戸神社は、西本宮と東本宮、そして天安河原宮と、計3か所に神社がある形です。で、その3か所全てに、できるだけ人の少ない時間に行ってみたいな~と。
この3か所を回る順番というのは、特に決まっているわけではないようですが、①東本宮→②天安河原→③西本宮という説もあるようですので、今回僕たちはそれに倣って回ってみることにします。
ですのでまずは天岩戸神社の東本宮へ。
東本宮は、天岩戸を出た天照皇大神が、最初にお住まいになられた場所ともいわれている神社ですので、まさに日本神話の舞台へと向かうわけです。ワクワクせずにはいられません。
ホテル高千穂を出発し、車で15分ほどだったかと思います。
ひむか神話街道という道を北上し、「天の岩戸」交差点を右折して、岩戸川を渡ってすぐ左手。
東本宮に到着です。
ご由緒
ご祭神は、天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)です。天照皇大神は、日本国民の総氏神で、皇室の祖神です。
創建の年代は不明です。平安時代前期の古記録には、思兼神(おもいかねのかみ)が、天岩戸をお出になった天照皇大神に、この地に造営した社殿に鎮座を願ったのが創始であると記されているそうです。
かつては伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)をお祀りしていたともいわれています。
平安時代の弘仁の時代には、三田井氏の先祖である大神太夫惟其公が、霊夢に恐惶し、荒廃していた社殿を再興し、深く崇敬したそうです。
その後社殿は戦乱により延焼しますが、江戸時代に再建されています。
天磐戸大神宮、氏社とも称されてきましたが、明治になり氏神社へと改称されます。
昭和45年には、岩戸川を挟んで西にある、天岩戸を御神体とする天磐戸神社と合併し、現在の天岩戸神社へと改称され、それぞれ西本宮、東本宮と称すようになります。
現在の本殿は、昭和31年に造営されたものになります。
本殿の後方には、御神木の杉の根元から湧き出る泉があり、御神水として信仰されています。
御神水の先には、江戸時代に植えられた七本杉の御神木があり、長らく禁足地のため立ち入ることができませんでしたが、平成26年に近くまで行ける遊歩道が造営され、見ることができるようになりました。
境内には、高千穂の夜神楽33番の舞の一つである、「鈿女(うずめ)」の像もあります。
秋季大祭には畳一枚を投げて飛距離を競い合う「岩戸投げ大会」が行われ、当社の名物にもなっています。
天照皇大神がお住まいになられたという、日本神話ゆかりの神社として、古来より厚く信仰されてきた神社です。
境内案内
駐車場に車を停めますと、人懐っこい猫ちゃんが寄ってきまして、しばし戯れます。
こちらが天岩戸神社東本宮の鳥居です。
鳥居の右手に社号碑とご由緒書き。
一礼して鳥居をくぐります。前方には二の鳥居と、その先に石段が続いているのが見えます。右手には天鈿女命(あめのうずめのみこと)がいらっしゃいます。
天鈿女命に近づき「おはようございます」とご挨拶したところ…
いきなり神楽が流れ出し、天鈿女命が回り始めました。まさか動くと思ってなかったので、ビビりました。
神楽が止まるのを待ち、進みます。こちらの参道はケヤキの木が多く見られますね。
右手に境内案内図がありましたので、確認。
二の鳥居へ。右脇には「道中」と書かれた変わった形の石灯籠。
二の鳥居をくぐり、石段を上がります。
まだまだ石段は続きます。けっこうあります。
途中、左手に社務所です。
石段の下の方はケヤキが多かったですけど、上は大きな杉だらけです。石段を上がるにつれ、少し空気が張り詰めてくる感じがします。
三の鳥居へと進みます。
三の鳥居の手前、左手には大きな杉の間に手水舎です。
反対側、右手にも注連縄で囲われた一角がありました。祓所かと思われます。
ここまで来ますと、ようやく拝殿の姿がしっかりと見えてきます。
三の鳥居をくぐります。
左に神楽殿です。
神楽殿の中には茅の輪が置かれていました。
右には小さな授与所。
拝殿へと進みます。
左手はこんな感じです。この木々の向こう側が、岩戸川になります。
拝殿前の左右の木はオガタマノキでしょうか。
拝殿の前まで行きますと、奥の本殿も見えます。参拝させて頂きます。
こちらは拝殿を左斜め前から。
拝殿の奥へと進んでみます。
脇からは神明造の本殿の姿もよく見えます。
左手はけっこうな急斜面です。
本殿の後ろには道が続いていて、御神水の案内も。
そして少し先の右手、こちらが古くから信仰されている、杉の根元から湧き出る御神水です。
御神木の杉にご挨拶をして、用意していたペットボトルに、御神水を頂きます。
奥には小さな祠があり、大神宮と書かれた石が祀られています。かつて天磐戸大神宮と称されていた頃のものと思われます。
お水を頂き、さらに奥の七本杉へと向かいます。御神水からは30mとの案内も出ていました。
遊歩道を進んで行きますと、左に七本杉が見えてきます。物凄い存在感ですので、すぐわかります。
七本杉の正面へ。どう数えると七本になるのか、少々気になるところではありますが、とにかくここの空気が凄いです。おそらくですが位置的に、この右下あたりに、天岩戸があるのではないかと。
しばし七本杉を眺めて過ごします。
来た道を戻ります。
帰りは行きとは反対の社殿脇を通ります。
石段を下り、天岩戸神社東本宮を後にします。
参拝を終えて
早朝の天岩戸神社東本宮は、空気が清として張り詰めていて、とっても神秘的でした。
こちらの神社に限ったことではありませんが、やはり早朝参拝というのは気持ちがいいものですね。身も心も引き締まります。
この日の天気予報は午後から晴れとのことで、まだ早朝の時間帯は曇り空でして、朝日を浴びながらという参拝ではありませんでしたが、それでも大変清々しい気持ちになりました。
まず、駐車場にて車から降りた途端に、人懐っこい猫ちゃんが寄ってきましたので、それだけでなんとなく、いい一日になりそうな気がしちゃいました。
先導するかのように鳥居の奥へと入って行く猫ちゃんの後に続くと、右手に天鈿女命がいらっしゃいます。で、前述もさせて頂きましたとおり、この天鈿女命さん、動くんですよ。そこそこの音量でいきなり神楽が流れ始め、天鈿女命が回り始めるので、びっくりしましたよ。まさか動くだなんて思ってないですからね。
天鈿女命に驚かされている間に、猫ちゃんも見失ってしまいましたし。
で、天鈿女命の先、前方にはなかなかの石段が続いています。
僕たちは高千穂での初日、最初に参拝したのが熊野鳴瀧神社でして、そちらもかなり手ごわい石段が続いている神社でした。ですので連日、最初の神社は石段からのスタートです。
上がるのは大変ではありますが、その石段の景色が、また素敵なんですよね。
石段を一歩一歩上がって行きますと、だんだんと空気が張り詰めてくるような、そんな感覚にもなりました。石段を上がった先、社殿の周囲も同様で、神聖な場所に足を踏み入れてしまった感じです。
かつて天照皇大神がこの場所にお住まいになっていたのかもと思うと、ロマンがありますね。日本神話の舞台となった場所に自分が立っていることが、不思議でもあります。
そして本殿の後ろが、これまた凄かった。
事前に御神水を頂けることは把握していましたので、空のペットボトルを用意し、まずは大きな杉の根元から湧き出る御神水を頂きました。
そこから先、かつては禁足地だったという道を進みますと、七本杉が現れます。けっこうな間近で見られます。遊歩道ができたのは平成26年とのことでして、それ以前はこうして七本杉を見ることができなかったので、嬉しいです。いいものが見れました。
2日目となる高千穂の神社巡りを、こんなに素敵な神社から始めることができ、幸せです。
西本宮と天安河原だけ立ち寄り、東本宮には参拝しない方も多いらしいのですが、本当にもったいないです。ぜひ東本宮にも足を運んでみてください。
天岩戸神社東本宮、参拝できてよかったです。
続いては西本宮へと向かい、まずは天安河原へ。
御朱印
こちらが天岩戸神社の御朱印です。東本宮、西本宮と共通で一つの御朱印です。
御朱印の受付時間
天岩戸神社の御朱印は、西本宮の授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、8時半から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073-1です。
天岩戸神社の公式サイトはこちらです。
https://amanoiwato-jinja.jp/
駐車場
20台ほど駐車できる駐車場があります。
満車の場合は、東本宮と西本宮合わせて第4駐車場までありますので、少々歩くことにはなりますが、他の駐車場も利用できます。公式サイト内にある駐車場案内を参照してください。
トイレ
駐車場にあります。
周辺のパワースポット
高千穂の神社巡り
高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
高千穂町の神社一覧
著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。