茅野市の蓼科にある大瀧神社の参拝レポートです。
読み方は「おおたきじんじゃ」です。社殿には大きな黒曜石がお祀りされている、大変珍しい神社です。国道299号線(メルヘン街道)から少し入った、横谷観音のすぐ近くに鎮座し、谷には王滝が流れています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
蓼科の「大瀧神社」へ
僕は現在東京在住ですが、生まれも育ちも茅野市でして、蓼科の山奥なんです。
家が横谷観音のすぐ近くにありまして、まさにこの大滝神社や横谷観音、東山魁夷の絵でも知られた御射鹿池など、その辺り一帯が子供の頃の遊び場でした。
大人になった今それらの場所を訪れてみますと、とんでもない山の中でして、よくこんなところで遊んでいたな~と思ってしまうのですが、子供の頃は当たり前のように森の中を走り回っていました。
5月に地元に帰る用事があり、一日何も予定がない日がありましたので、嫁を連れてドライブがてら、昔僕が生まれ育った場所に行ってみようかと。天気も良かったので。
僕が育った蓼科の家というのはもう20年ほど前になくなってしまったのですが、今どんな感じになってるのかも見てみようと。生まれたときから高校生までずっと過ごしたところですので、懐かしい場所です。
現在僕の実家は茅野駅の近くにあり、そこから両親の車を借りて出発です。
途中、僕の通った中学校だったり(校舎は新しくなっていましたが)、通学路でいつも通っていた道など、懐かしいな~と思う場所がたくさんある一方で、すっかり変わってしまった風景に驚かされる場所も。
そんな景色を楽しみつつ、メルヘン街道と呼ばれる国道299号のウネウネとした道を、ひたすら山の中へと進みます。
嫁は乗り物酔いをしやすい体質なので、事前に酔い止めを飲んでのドライブです。
そのまま真っ直ぐ、僕の家が元あった場所に向かう予定だったのですが、途中に横谷観音があることを思い出し、ちょっと寄っていこうかと。
横谷観音は、僕が小学生の頃に現在の天皇陛下もいらっしゃっている場所です。林の中を突っ切ると僕の住んでいた家まで10~15分ほどで行けて、よく遊びにも来ていました。
小学校では地区子供会というのがあり、横谷観音からずっと下にある乙女滝くらいまで、ゴミ拾いをして歩いたりした覚えもあります。
また、横谷観音からさらに上に斜面を登ったところには小さな神社があり、高校受験や大学受験のときなど、一人でお参りしたのを覚えています。当時は「大瀧神社」という名前すら知りませんでしたが、その神社がこちらの記事で紹介する大瀧神社になります。
何かと思い出のある横谷観音と大瀧神社ですが、訪れるのは20数年振りです。
国道299号から脇道に入り、向かいます。
ご由緒
ご祭神は、大国主命の御子神であり、諏訪大社のご祭神でもある建御名方命(たけみなかたのみこと)です。
創建の年代や経緯は不明です。
御神体は大きな黒曜石で、北八ヶ岳の冷山から人馬のみで曳行し、建立されたものと伝えられています。
近くには横谷観音があり、谷には渋川が流れ、霧降の滝、王滝、おしどり隠しの滝などがあります。
社名の由来は不明ですが、横谷観音から眼下には王滝が見えますので、もしかしたら何かしら滝と関係しているのかもしれません。
長い間祠が野ざらしの状態でしたが、平成25年に社殿が造営されました。
大きな黒曜石を積み上げられて祠が造られている、大変珍しい神社です。
境内案内
国道299号から、横谷観音への道はひたすら真っ直ぐです。5月でしたので新緑が綺麗です。他の車が通る気配が一切ありませんでしたので、道路の真ん中に車を停めて撮影。
駐車場に車を停めて、森の中を歩きます。
歩くこと3分ほどで左手に大瀧神社の鳥居が現れるのですが、まずは横谷観音に向かおうと、直進します。
そのまま進むと開けた場所に出ます。右手には皇太子さま(現在の天皇陛下)が訪れた際の碑や、横谷観音のご由緒、建立に尽力した元陸軍中将である市瀬源助の像などがあります。
その先に観音堂です。
お堂を正面から。
お堂には龍や獅子が彫られています。子供の頃は、こんなところ見たことなかったです。
中には観音様がいらっしゃいました。参拝します。
お堂の左手には、大きな石の上に石仏です。
こちらの石仏は、胴体が蛇の宇賀神さまでした。参拝します。
お堂を背にしますと、こんな景色です。
突き当たりが展望台になっていますので、行ってみます。
展望台からは絶景を満喫できます。素晴らしい眺望を独占させて頂きました。眼下に見える滝は「王滝」です。
しばらく絶景を楽しんだ後、来た道を戻り大瀧神社に向かいます。こちらが入口の鳥居です。
鳥居の脇にはご由緒。昔はこんなご由緒はなかった気がします。
鳥居も新しく建て替えられていました。一礼して鳥居をくぐります。
ここからがけっこうな坂道です。僕が子供の頃は階段にはなっていなかったのですが、現在は整備されて登りやすくなっています。
ひたすら登ります。
両脇は完全に林です。
ようやく社殿が見えてきました。
振り返るとこんな景色です。けっこう急です。
あと少し。子供の頃はここを駆け上がっていたのが信じられません。
5分ほどでようやく登り切ると、正面に社殿があり、中には黒曜石の祠が見えます。四方には御柱も建てられています。
登って来た道のりをもう一度振り返ります。
社殿へと進みます。昔は祠が野ざらしだったのですが、祠を守るように社殿が建てられたんですね。
左には大瀧神社のご由緒。
社殿の上には立派な扁額も。
こちらが黒曜石の御神体です。子供の頃は何とも思わなかったのですが、今見るとこれは凄いです。時間を掛けて参拝します。
祠の前には大きな松ぼっくりがお供えされていました。徳利が一つあり「奥山の大木 里に下りて 神となる」と書かれています。これは御柱祭で唄われる言葉です。
黒曜石を左斜め前から。大きな黒曜石の上に、さらに大きな黒曜石が載っている形です。
祠は一周できるようになっています。こちらは後ろから。
再び社殿前に戻り、左斜め前からも激写。社殿の後方をさらに進んで登って行くと、僕が昔住んでいた家に着きます。
右手には大瀧神社の旗。第二札場とも書かれていますが、何の札場なのかわからず…。
こちらは右から見た社殿と祠です。
僕と嫁しかいない森の中、しばらく特別な時間を過ごさせて頂き、大瀧神社を後にしました。
参拝を終えて
20年以上振りに訪れた横谷観音と大瀧神社。
とても懐かしい気持ちになりました。
横谷観音の奥にある展望台からの景色も素晴らしかったですし、山の中の新鮮な空気も清々しかったです。
子供の頃は、景色などに全く興味がありませんでしたので何とも思わなかったのですが、大人になってからですと、その景色の素晴らしさを実感しますね。
昔からここはほとんど人がいない場所だったのですが、この日も完全に僕と嫁しかいない状態でしたので、その景色を独占させて頂きました。
展望台から王滝が見える景色は僕の記憶にも残っていたのですが、お堂の中の観音様だったり、脇にあった宇賀神さまなどは、子供の頃も絶対に目にしているはずなのですが、全く覚えていませんでした。
やっぱりそういったものは、大人になってから興味が湧くものですからね。
横谷観音からは、川の向こう側にある明治温泉や御射鹿池の方に抜けられる道や、谷の下の方にある乙女滝の方面に行ける道など、ハイキングコースというか、登山道みたいのが何本か延びています。
僕はそれらの道も日常的に走り回っていて、中学校のときなど、たま~に部活が急になくなった土曜などは、その道を下から歩いて帰宅しました。中学校からは3時間くらい掛かった覚えがあります。完全な登山道みたいなところを、学ランを着た僕が一人で登ってくるわけですので、登山の格好をした人たちとすれ違うと、皆さん驚きの表情を見せてくれたことをよく覚えています。こんな道を通学路にしてるなんて、誰も思いもしませんからね。
横谷観音にて懐かしい景色を楽しんだ後は、大瀧神社へ。
大瀧神社は、駐車場から横谷観音に向かう途中、さらに山の方へと登る入口があります。
今は立派な鳥居が建ち、道も整備されていました。昔は階段などなく、ただの急坂だった覚えがあり、僕はよく走って登り降りしていました。
急坂を上った先にある祠は、野ざらしだったのがちゃんと社殿に囲われ、とても立派な形になっていました。
高校受験の前の日、大学受験の前の日など、雪の中を歩いて行って、ここで一人、手を合わせた覚えがあります。
昔は祠についても特に何も思わなかったのですが、今見るとこれはなかなか凄いです。でかい黒曜石が積み上げられ、祠になっているんです。
僕は現在それなりの数の神社を巡ってはいるのですが、こんな形の神社は他で見たことがありません。知っている限りはここだけです。
改めて見ると、独特の雰囲気があり、神秘的な空気も漂っていました。
再三書いてしまうのですが、やはり子供の頃の感覚と、大人になってからの感覚って、全く違うものですね。
大瀧神社も横谷観音も、こんなに素敵な場所だったとは。
20年以上振りに、とても懐かしい場所に訪れることができました。
観光地としてはあまり知られていない場所かもしれませんが、蓼科を訪れた際には、是非立ち寄ってみてください。
この後僕たちは、昔僕が住んでいた家の跡地を経由して、御射鹿池(みしゃかいけ)へと向かいます。
御射鹿池については、僕が別で書いているこちらのブログで記事にしていますので、よかったらご覧頂けますと嬉しいです。
御朱印
大瀧神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は長野県茅野市北山5522です。
大瀧神社、横谷観音の公式サイトはありません。
電車
JR「茅野駅」から、レンタカー、もしくは「メルヘン街道バス」で行くことができます。バスのダイヤは季節によって変わりますので、メルヘン街道バスの公式ページにて確認してみてください。茅野駅から徒歩では困難な距離です。
駐車場
参拝者用の駐車場があります。
周辺のパワースポット
茅野市の神社一覧
僕が参拝した茅野市の神社一覧です。