台東区の入谷にある小野照崎神社の参拝レポートです。
読み方は「おのてるさきじんじゃ」です。渥美清さんが願掛けをし、後に『男はつらいよ』の主演を獲得したという逸話でも知られている神社です。東京の下町である入谷に古くから鎮座し、樋口一葉にも縁があります。最寄駅は入谷駅か鴬谷駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
渥美清が願掛けをした「小野照崎神社」へ
僕はこの日、「台東区神社マップ」と言うものを手に、嫁と二人でこの辺りの神社巡りをしておりまして、こちらの記事で紹介する小野照崎神社が、4か所目の神社になります。
ですのでここまで回った3社の神社の記事内にて、毎回のように台東区神社マップを紹介してしまっているのですが、今回も同様に、まずそちらを載せてみます。
こちらが台東区神社マップ。
3か所目には秋葉神社に参拝しましたので、参拝後に地図を見ますと、小野照崎神社が近そうでしたので、次の目的地に定めました。完全に行き当たりバッタリの神社巡りです。
神社に関する予備知識はゼロの状態ですので、どんな神社なのか全く知らぬまま。
冒頭では小野照崎神社について、渥美清さんが願掛けをしたり、樋口一葉さんにも縁があったりと書きましたが、それらは全て参拝時に知った情報です。そんなことは一切知らずに向かってしまいました。
おそらく神社巡りに慣れていらっしゃる方は、こんな巡り方はしないんだろうな~とも思いますけれど。初心者ゆえの回り方なのかもしれません。
全て「台東区神社マップ」を頼りに、近い神社から制覇している状態ですね。
しかし、この神社マップ、一見とっても丁寧でわかりやすい地図に見えるのですが、意外に大雑把なんですよ。
大きな目印などがあまり記載されていませんので、なかなか目的地の神社を見つけるのが難しい。二か所目の矢先稲荷神社と三か所目の秋葉神社、どちらもけっこう迷いました。
スマホに住所を打ちこんで、ちゃんと検索しながら行けば良かったのですが、それも面倒だったので…。
とは言え、迷った末に辿り着くと言うのは、辿り着いた時の喜びは大きいものですね。
二か所目、三か所目も迷いましたので、この四か所目も迷うことを覚悟していたのですが、そんな予想に反し、すんなりと見つけてしまいました。
小野照崎神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、小野篁公(おののたかむらこう)と菅原道真公(すがわらみちざねこう)です。
小野篁公は、百人一首にも撰された平安時代の歌人であり、法律に明るい学者でもあり、参議という国の要職も務めた、多くの才能を有していた人物です。巨躯であったともいわれています。
同じく菅原道真公も、平安時代の類まれなる才能の持ち主だった学者で、学問の神様としても知られています。
創建は平安時代前期の仁寿2年です。小野篁公が御東下の際に住まわれた上野照崎の地にて、住民が篁公を奉斎したのが始まりとされています。
江戸時代の寛永年間に、寛永寺の建立のため幕府より移転を命じられ、現在の地に遷座しています。
江戸時代後期には、回向院(現在の墨田区両国にある寺院)より、菅原道真公が御配神として遷され、「江戸二十五天神」の一つにも数えられます。
境内には江戸時代後期に建造された、富士山を模した冨士塚があり、「下谷坂本の富士塚」として、重要有形民俗文化財に指定されています。
俳優の渥美清さんがまだ俳優として売れていなかった時代に、「大好きなタバコを一生吸いません。ですので仕事をください」と願掛けをし、数日後に『男はつらいよ』の主演を獲得した、という逸話も残っています。
明治時代の作家、樋口一葉とも所縁のある神社で、彼女の代表作である『たけくらべ』にも、「小野照さま」として名前が登場しています。
学問、芸能、芸術、仕事など広くご利益があるとして、厚く信仰されている神社です。
境内案内
近くの秋葉神社から歩くこと10分ほど。住宅街の中に鳥居が現れます。小野照崎神社の入口です。左右には可愛い狛犬さん。
一礼して鳥居をくぐると、左手に手水舎です。
お清めをして拝殿へ向かいます。緑が多く茂っていて気持ちの良い境内です。この右手奥が拝殿です。
こちらが拝殿の正面。拝殿は木の茶色を基調とした建物です。
拝殿に向かって左の狛犬さん。
向かって右の狛犬さんです。ちょっと笑っているようには見えます。
静かな空気が流れる中、参拝。
参拝後、境内をのんびり散策。拝殿に向かって左手に、富士山から運んだ溶岩で築いた富士塚がありました。門を守るのは狛犬さんやお狐さんではなく、お猿さんです。
富士塚に向かってさらに左側の奥に、稲荷神社と織姫神社。こちらにも参拝。
稲荷神社と織姫神社ですが、少し変わった神狐さんが守っていました。こちらは左の神狐さん。
こちら右の神狐さん。僕はこの姿勢の神狐を見るのは初めてかもしれません。
鳥居がもう一つありましたので、そちらからの角度でも一枚。小野照崎神社の入り口は二か所です。こちらが表参道ですね。
僕が最初に入って来た裏参道の鳥居近くには、御嶽神社と三峯神社。
境内を一通り散策した後、最後に拝殿に向かって右にある授与所で御朱印を頂きました。
御朱印を頂き、小野照崎神社を後にします。
参拝を終えて
僕が小野照崎神社を訪れたのはGW中だったのですが、参拝者も多くはなく、ゆっくりのんびりと境内を散策することができました。とても静かな中での参拝でした。
一つ前の秋葉神社でも、全く意識しないまま裏参道から入っていたのですが、こちらの小野照崎神社でも、おそらく裏参道から入ってしまいました。できれば表から入りたいとなんとなく思っているのに、気付けば裏からばかり入っております。別にいけないことではないのでいいんですけどね。
裏参道の鳥居に狛犬さんが一対、拝殿前にも狛犬さんが一対、そして境内の奥にある稲荷神社と織姫神社を守っていた、珍しい容姿の神狐さんが一対、富士塚を守っていたお猿さんが一対。
一つの神社で狛犬さん、神狐さん、お猿さんを見れてしまうというのは、それだけでちょっと贅沢といいますか、得したような気分にもなるものです。お猿さんというのは、僕は初めて出会いました。
そんなお猿さんが守っていた富士塚ですが、ちゃんとした山になっていて、一合目から十合目までちゃんとあるんですよね。毎年6月30日と7月1日のみ、この富士塚に登ることができるみたいなんです。僕が参拝した日は残念ながら外からしか見ることができませんでしたが、実際に登れるものなら登ってみたくなるものです。
境内のあれこれも素敵でしたけれど、渥美清さんがこちらで願掛けをして成就したという逸話を知りまして、あの渥美さんもここに来ていたんだな~と思うと、それだけで不思議な感じがしてしまいます。きっと渥美さんにとっては、特別な神社でもあるんだろうな~と。
また、樋口一葉さんの『たけくらべ』にも登場する神社とのことですが、僕は大学生の頃『たけくらべ』を読んだ覚えはあるものの、内容は全く覚えておらず…。ですのでもちろん小野照崎神社が出てくることも知りません。もう一度読んでみたくなりました。
神社って、境内そのものの魅力だけではなく、そういった誰かのエピソードなども、また面白いものだったりしますよね。神社巡りがより楽しくなる要素な気がします。
小野照崎神社、参拝できてよかったです。
続いては、近くにある三島神社へと向かいます。
御朱印
こちらが小野照崎神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時半から16時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都台東区下谷2-13-14です。
小野照崎神社の公式サイトはこちらです。
http://onoteru.or.jp/
電車
①日比谷線 「入谷駅」から徒歩3分。
4番出口を出て、目の前の道を右に進むとすぐです。
②JR 「鴬谷駅」から徒歩7分。
南口を出て左へ。高架を渡り大きな道路を渡り、右へ。入谷口通りを左折し、次の信号を右折です。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。近くにコインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
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