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月夜見宮(伊勢市)の御朱印と見どころ

月夜見宮の紹介

伊勢市にある月夜見宮の参拝レポートです。

読み方は「つきよみのみや」です。外宮(豊受大神宮)の別宮になります。外宮の別宮は4つあり、その中では唯一宮域外に鎮座している宮です。外宮からは神路通りという一本の道で繋がっています。

「月読宮」と書く「つきよみのみや」は内宮の別宮になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

外宮の別宮「月夜見宮」へ

別宮(べつぐう)というのは、内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)の正宮に準じる格式の高いお宮で、内宮に10社、外宮に4社の宮があります。

せっかく伊勢神宮に参拝するのなら、そんな別宮にも全部足を運んでみたくなるもの。宮域外に鎮座していて、なかなか行きづらい場所にある別宮もあるのですが、このたびはそんな別宮にも全部行けるようなスケジュールを組み、嫁と二人で伊勢にやって来ました。

季節は初夏の5月中旬。一番気持ちいい季節です。

この日はその初日。

朝イチで東京を出発し、10時過ぎには伊勢市駅に到着。

そこから二見浦駅まで移動し、まずは御塩殿神社と二見興玉神社に参拝し、再び伊勢市駅に戻り、外宮に参拝。

その次に向かいましたのが、こちらの記事で紹介する月夜見宮になります。

外宮の参拝時に、多賀宮、土宮、風宮という、宮域内にある三つの別宮には参拝させて頂きましたので、残す外宮の別宮は月夜見宮のみ。

月夜見宮は宮域外ではあるのですが、外宮の近くにありますので行きやすいです。

朝から歩き回っていますので、僕も嫁もだいぶ疲れが蓄積してきた頃ではありますが、じゅうぶん徒歩圏内でしたので、歩いて向かうことに。

歩き回って疲れれば疲れるほど、その後に飲むお酒が美味いんですよね。それも含めて、神社巡りの楽しみだったりもします。

先述もさせて頂きましたが、別宮には「つきよみのみや」が二つあるんです。内宮の月読宮と、外宮の月夜見宮。僕も最初「ん?」って思って一瞬だけ混乱したんですけどね。どちらも同じご祭神をお祀りする別宮です。

月夜を見ると書く月夜見宮、月を読むと書く月読宮、どちらもその名前だけでも素敵です。

内宮には翌日に参拝予定で、月読宮にもその後立ち寄りますので、まずこの日は外宮の月夜見宮へ。

外宮は伊勢市駅から南西に徒歩5分ほど、月夜見宮は同じく伊勢市駅から北西に5分ほどの場所です。今回僕は外宮からそのまま月夜見宮へと向かいました。外宮の北御門から月夜見宮には真っ直ぐ「神路通(かみじどおり)」という参道が延びていますので、そこを歩いて行きますと、突き当りが月夜見宮になります。

神路通りに入った時点で、前方には月夜見宮の森が見えます。

向かいます。

 

ご由緒

ご祭神は、月夜見尊(つきよみのみこと)と、月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)の二柱です。

月夜見尊は、月を神格化した神様ともいわれ、夜を統べる神です。天照大御神の弟であり、素戔鳴尊の兄です。神宮では「つきよみ」と読みますが、「つくよみ」とも読まれます。

月夜見尊荒御魂は、月夜見尊の荒御魂(荒ぶる神霊)です。

外宮(豊受大神宮)の4つある別宮の一つで、唯一宮域の外にある宮です。

創建の年代は不明です。古くは高河原(たかがわら)と称され、川の流れと農耕に深いつながりのある社でした。

平安時代、止由気宮儀式帳には「月讀神社」、延喜式神名帳には「月夜見神社」、延喜太神宮式には「月夜見社」と記され、外宮摂社の首位とされていました。

鎌倉時代前期の承元4年に、別宮に昇格されます。

明治になり、外宮の月夜見宮、内宮の月讀宮と表記されるようになります。

明治9年の伊勢暴動では、火災の類焼を懸念し、一時的に風宮(外宮の別宮の一つ)に遷されます。昭和の空襲時には周辺は全て焼失するも、社殿だけは焼けずに残っていたそうです。

外宮の北御門から「神路通り」と呼ばれる参道が真っ直ぐに延びています。境内には樹齢数百年の御神木の楠をはじめ多くの木々が茂り、静かなご神域となっていて、外宮の摂社である高河原神社(宮川の高河原といわれたこの辺りの守護神を祀っています)も鎮座してます。

 

境内案内

こちらが神路通の入口です。「月よみの宮さんけい道」と書かれた碑があります。

 

少し歩いた先には、神路通の説明書き。月夜見宮にいらっしゃる月夜見尊が、外宮の豊受大神のもとへ通われる道とのこと。

 

神路通の突き当りが月夜見宮の入口です。

神路通り

 

外宮からは歩くこと5分ほどで到着です。鳥居の先は森の中ですね。

 

鳥居の右手に、1~2台駐車できるスペースがあります。左手は駐車禁止になっていました。一礼して鳥居をくぐります。

 

参道はすぐ左に折れ、またすぐ右に折れて続いています。左右には石垣。

 

鳥居からはすぐでした。右前方に社殿です。

 

右に手水舎。お清めをします。手水舎の後ろは祓所です。

 

反対側、左手に宿衛屋。後ほどこちらで御朱印を頂きます。

 

右手、祓所の脇には巨木です。御神木の大楠です。でかいです。

月夜見宮の大楠

 

しばし大楠を見上げます。樹齢推定400~500年の楠で、高さ20m、幹の太さは8mとのこと。圧倒されます。

 

大楠から、社殿へ。

 

社殿の左手前に聳えているのは杉でしょうか。こちらもまたでかいです。

 

鳥居をくぐり、参拝させて頂きます。

 

参拝を終え、境内を散策。右手奥に境内社が見えますので行ってみます。

 

境内社は外宮の摂社である高河原神社(たかがわらじんじゃ)です。この辺りの守護神をお祀りしています。

高河原神社

 

高河原神社の奥にも大きな木々。

 

再び境内の中央に戻ります。高河原神社側から見た境内はこんな景色です。

 

こちらは社殿を左斜め前から。

 

お隣は古殿地です。

 

古殿地の左奥にも鳥居が見えましたので、行ってみます。

 

鳥居の先には一本の楠。空襲の焼夷弾により焼けた御神木です。この御神木が被害を全て引き受け、月夜見宮を戦火から護ったといわれています。

 

楠の足元には神狐さんも。月夜見宮を守ってくださってありがとう。後方にも大きな楠が見えます。

 

再び境内の中央へ。やっぱり大楠の存在感が凄いです。

 

宿衛屋で御朱印を頂き、月夜見宮を後にします。

 

参拝を終えて

月夜見宮は、静かな森の中にある別宮でした。

一つ前に訪れた外宮は、平日にもかかわらず多くの参拝者が訪れていました。伊勢神宮ですからね、当たり前ですけれど。月夜見宮はそんな外宮から徒歩5分の別宮ですので、おそらくそれなりに混雑しているんだろうと思いつつ訪れましたところ…参拝者の姿はかなり少なく、境内には僕たち夫婦しかいない時間帯もありました。

そんな人の少なさもあってか、より静かな印象を受けました。

参道を進んだ先に現れる、巨木がこれまた凄かった。

外宮でもさんざん巨木は目にしていましたが、こちらの大楠も迫力満点です。いつまででも見ていられそうなくらい、圧倒的な存在感がありました。

大楠だけではなく、社殿手前の杉や、高河原神社奥の楠もでかかったです。

左手奥にあった、焼夷弾で焼けてしまったという御神木も、その歴史を知ると余計に尊く感じてしまいます。焼けて朽ち果てることなく、現在も残っていることがまた凄い。その姿を見ると、身を挺して月夜見宮を守ったというお話を、そのまま受け入れられてしまうんですよね。

静かな森の中、大きな木々を眺め、澄んだ空気を吸い込み、とっても気持ちがいい時間を過ごさせて頂きました。

気持ちのいい空気の中にいると、疲れも吹っ飛んでしまうものです。だいぶ疲労困憊していた嫁も、ここで復活してました。

月夜を見る宮という社名はもちろん、こちらには夜を統べる神である月夜見尊がお祀りされていますので、月夜の晩に来たら、何か素敵なものが見れそうな気もしてしまいます。いや、むしろ見てはいけないものを見てしまうかもしれません。夜には月夜見尊が、神路通から外宮の豊受大神の元に通われるといいますし。どちらにしても夜の参拝はできませんけれど、そんなことも考えてしまうくらい、神秘的な雰囲気のある神社でした。

外宮を訪れた人には、ぜひとも月夜見宮まで足を運んで欲しいです。

月夜見宮、参拝できてよかったです。

こちらの月夜見宮にて、この日予定していた神社は全て回り終えました。

ですのでいったん伊勢市駅前のホテルに戻り、居酒屋に向かおうと思ったのですが…その前にもう一社。

駅前にある世木神社に立ち寄って、この日の神社巡りの締めにすることにします。

 

御朱印

こちらが月夜見宮の御朱印です。

月夜見宮の御朱印

 

御朱印の受付時間

境内の宿衛屋で頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、午前6時から参拝停止時間までです。参拝停止時間は季節により異なり、1月~4月と9月が18時、5月~8月が19時、10月~12月が17時となっています。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は三重県伊勢市宮後1-3-19です。

月夜見宮の公式サイトは、伊勢神宮の公式サイト内、別宮のページ内になります。
https://www.isejingu.or.jp/about/outerbetsugu/

 

電車

JR/近鉄「伊勢市駅」から徒歩6~7分。

駅を出て右手前方の大きな通りにある「本町1」の交差点を西(駅側からですと右折)に進むと右手です。

外宮から向かう場合は、北御門から真っ直ぐ「神路通り」という通りが延びていますので、そちらを歩くと5~6分です。

 

駐車場

鳥居の前、向かって右に1~2台のみ駐車可能です。駐車できる台数が限られますので、外宮の駐車場に停めて、徒歩にて向かう方が確実です。外宮の駐車場案内はこちら。その他、近くにはコインパーキングもあります。

 

トイレ

宿衛屋にあります。ご利用の際にはひと声掛けてからがよいかと。

 

周辺のパワースポット

 

伊勢の神社巡り

伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

伊勢市の神社一覧

著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。