伊勢神宮・外宮の参拝レポートです。
読み方は「いせじんぐう・げくう」です。豊受大神宮(とようけだいじんぐう)が正式名称で、伊勢神宮の二つの正宮のうちの一つになります。内宮の天照大御神の食事を司る神様として、豊受大御神がお祀りされています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
神宮の外宮「豊受大神宮」へ
僕はこのような神社ブログを書いていながら、これまで伊勢神宮を紹介できていなかったことに、どこか恥ずかしさといいますか、後ろめたさみたいなものはあったんです。こんなに色んな神社に足を運んでおきながら、伊勢神宮は行ってないんかい!と。
もちろん神社巡りは強制されるものではありませんし、どこの神社に行こうが自由ではありますけれど、やっぱりお伊勢参りは行っておかねばと、ずっと思い続けておりました。
それがこのたびようやく叶います。
厳密には、子供の頃に両親に連れられ参拝しておりますので、二度目なんですけどね。大人になって自分の意志で参拝するのは初ですので。
季節は5月です。嫁と二人、朝イチで東京を出発し、新幹線と快速みえを乗り継ぎ、伊勢市駅に到着。そこからまずは二見浦駅まで行き、御塩殿神社と二見興玉神社に参拝。
続いて向かいましたのが、外宮です。
神宮の正式な参拝順というのは、ざっくり書きますと、まず二見興玉神社で禊をし、次に外宮、次に内宮になります。神宮の祭典はまず外宮から行われますので、それに倣い参拝も外宮から、という形になっているみたいです。
伊勢神宮といえば、鳥居と橋のあの景色を思い浮かべる方も多いかと思いますが、そちらは内宮の宇治橋になります。ゆえに、外宮といわれてどんな景色を思い浮かべるかというと、申し訳ないことに、出てこないんですよね。それは大変失礼なことですので、このたびしっかりと参拝させて頂き、境内もじっくりと観ていきたい。
境内には、外宮の別宮や摂末社、神宮の式年遷宮を紹介する博物館「せんぐう館」など見どころもたくさんありそうですので、楽しみです。
二見興玉神社にて僕たち夫婦は、無垢塩草(むくしおくさ)という禊のお守りを購入しました。二見興玉神社で御祈祷を受けるのが正式な禊になるとのことですが、受けない場合は無垢塩草を身に付けて神宮に参拝するのが習わしになっているそうです。ゆえに僕たち夫婦も無垢塩草をしっかりと身に付け、外宮に向かうことに。
二見興玉神社から外宮に行くには、二見浦駅から電車で二駅です。しかし二見興玉神社から二見浦駅が、意外と遠いんです。車なら全然問題ないんですけどね。
で、二見興玉神社に参拝後に電車の時間を調べたところ、あと少しで電車が来るではないですか。電車も本数が多いわけではないので、一本逃がすとそこそこ先になっちゃったりするんです。
ゆえに、二見興玉神社でタクシーに乗って駅まで行ってしまおうと思ったのですが、タクシーが見当らず。Goアプリも使えず。おそらく呼べば来てくれるはずなのですが、時間が読めなかったので、とりあえず駅に向かって早足で出発し、そのまま到着してしまいました。後半は走っちゃいましたし。
そんな感じで多少バタバタしてしまいましたが、無事に予定していた電車に乗車し、伊勢市駅に到着。。
伊勢市駅を出ますと、もうそこが外宮への参道になっています。
憧れの伊勢神宮、外宮へ。
ご由緒
ご祭神は、豊受大御神(とようけのおおみかみ)です。
内宮にお祀りされている天照大御神の食事を司る神様で、衣食住や産業の守護神でもあります。
創建は飛鳥時代以前の、第21代天皇である雄略天皇の時代とされています。天照大御神が伊勢に鎮座されてから約500年後になります。
雄略天皇の夢枕に天照大御神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井(ひじのまない)にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)をここに呼び寄せなさい」とおっしゃいました。その神託を受け、内宮に近い現在の地に創建されました。
皇大神宮(内宮)とともに「二所大神宮」と称され、殿舎や祭儀のほとんどが皇大神宮と同様となっています。「日別朝夕大御饌祭」という、天照大御神をはじめとする神々にお食事を捧げる神事が、一日も欠かさず毎日行われています。
神宮の祭典は、まず外宮で祭儀が行われる習わしで、その順路にならい、参拝も外宮から内宮の順が習わしとなっています。
宮域内には、正宮の次に格の高い、多賀宮、土宮、風宮の三つの別宮、外宮の境界を守る四至神などの宮や、式年遷宮を紹介する「せんぐう館」もあります。
125社からなる神宮の、二つの御正宮の一つです。
境内案内
こちらが伊勢市駅を出てすぐの鳥居です。この先が外宮へと続く参道になっています。その向こうに見える緑の一帯が、外宮です。
お土産物屋や食堂などが並ぶ参道を歩くこと5分ほどで、外宮の入口へ。この右手には赤福もありました。
宮域へ。正面に見える橋が火除橋です。この左手奥にトイレがありまして、この先の境内にはせんぐう館(入館料がかかります)を除きトイレがありませんので、心配な方は済ませてから向かいましょう。
日除橋の手前、右にあるのが衛士表見張所です。こちらで境内案内図を頂けます。また、砂利道用車いすの貸し出しや、ペットの預かりもしてくださいます。北門にある衛士裏見張所も同じくです。
日除橋を渡ります。外宮は左側通行です。前方には鳥居も見えます。
橋を渡るとすぐ右手に、大きなクスノキ。清盛楠です。平清盛が勅使として参向した際、冠に触れた枝を切らせたという伝承がある楠。
清盛楠の反対、左手に手水舎です。お清めをします。
手水舎の後ろに休憩処があり、その向こうが勾玉の形をした「まがたま池」になります。
まがたま池に向かい左に折れると「せんぐう館」の入口。せんぐう館は式年遷宮を紹介する博物館です。参拝前に、まずはせんぐう館へ。中は撮影禁止です。
こちらはせんぐう館から見た「まがたま池」。緑が綺麗です。
せんぐう館を出て、参道へ。こちらが外宮の一の鳥居。
一礼して鳥居をくぐり進みます。参道は森の中ですね。ところどころに大きな木の姿も。
少し歩くと前方に二の鳥居。
二の鳥居をくぐると、少し景色が開けます。
右には神楽殿。そのお隣が授与所なのですが、授与所は撮影禁止です。
授与所の先にあるのが、所管社の四至神(みやのめぐりのかみ)と、五丈殿と九丈殿です。四至神は外宮神域の守り神で、榊が立つ石畳に祀られています。後ろの五丈殿と九丈殿は、雨天の際に祓所に代わり、神饌などを祓い清める場所です。
参道を進みます。
右手にひときわ開けた空間。前回の遷宮まで御殿が立っていた古殿地(こでんち)です。右に見える楠もでかい。
そして古殿地の向こうが、正宮である豊受大神宮。この右奥です。
正宮の撮影はここまで。これより先は禁止です。正宮へと歩を進め、国家の安寧を願い、参拝させて頂きます。
正宮側から見た境内はこんな景色。左が古殿地、正面は歩いてきた参道です。ここから今度は別宮の多賀宮(たかのみや)がある右手へ。
多賀宮へと進む道への手前、囲われている中にあるのが三ツ石です。ここでは御装束神宝や奉仕員を祓い清める、式年遷宮の川原大祓が行われます。
橋を渡ります。この橋にあるのが亀の形をした亀石です。どっちが頭か一瞬わからなかったのですが、どうやら右が頭のようです。この石は、三重県最大の横穴式古墳である「高倉山古墳」の入口の石だったと伝えられています。
大きな木が連なる道を進みますと、突き当りに石段です。この上が別宮の多賀宮。右に行くと同じく別宮の土宮(つちのみや)、左に行くと別宮の風宮(かぜのみや)になります。
まずは多賀宮に参拝するため、石段を上がります。この景色も素敵です。
石段は右に折れていて、その先に多賀宮が見えてきます。
多賀宮の手前に、地蔵石です。右が頭で横向きですね。お地蔵さんに似ていることから、そう呼ばれるようになったそうです。
こちらが豊受大御神の荒御魂をお祀りする多賀宮です。参拝させて頂きます。
多賀宮を左斜め前からも。正宮が撮影できない分、多賀宮を何枚も撮ってしまいました。お隣には古殿地もあります。
石段を下りまして、続いて別宮の土宮へ。地主の神である大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)がお祀りされています。別宮で唯一、東を向いているそうです。
土宮に向かって左にも小路が延びていて、その先には所管社である下御井神社(しものみいのじんじゃ)がありますので、行ってみます。
こちらが下御井神社。中には井戸があり、お供えのため御水を頂く上御井神社で不都合があった場合、こちらから御水を頂くそうです。上御井神社も外宮の域内にありますが、一般の参拝はできません。
この奥は森です。
再び来た小路を戻り、続いては別宮の風宮へ。何かの工事が行われています。
工事中ではありましたが、参拝は無事にできました。風宮は、風雨を司る級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)をお祀りしています。
風宮への参拝を終え、授与所まで戻り、御朱印を頂きます。そして今度は、宮域の北側へ行ってみます。裏参道ですね。この左手が五丈殿と九丈殿、右手が授与所です。
気持ちいい5月の緑の中を歩きます。この左前方には、天照大御神のお食事を用意するための忌火屋殿(いみびやでん)がありましたが、立ち入り禁止になっています。
しばらく歩くと北御門口鳥居です。裏参道の鳥居になります。
鳥居の先には御厩(みうまや)。皇室から献上された神馬がいる場所です。二頭の名前が掛けられていましたが、残念ながら不在でした。
宮域内には巨木を至るところで目にしていますが、御厩の奥にもひときわ目を惹く巨木。
御厩の脇にも左に続く小路があり、先には摂末社があるようですので行ってみます。
森の中を歩いて行きますと、右手に摂社の度会国御神社(わたらいくにみじんじゃ)です。外宮神主家だった度会氏の祖神をお祀りしている神社になります。
さらに奥へと進むと、五十鈴川河口の守護神をお祀りする、末社の大津神社です。社殿が新しい。
森の小路を戻り、裏参道の出口へ。こちらにも火除橋です。
火除橋を渡り、北御門口から宮域外へと出ます。こちらにも手水舎がありました。
北御門口より外宮を後にします。
参拝を終えて
いつか行きたいと想い続けていた場所に、また一つ立つことができまして、感無量です。
まだ外宮のみでの参拝ではありますが、伊勢神宮の凄さにすっかり魅了されてしまいました。
宮域自体が大きな森になっていて、どこもかしこも緑に囲まれています。巨木がいたるところに聳えていますし、けっこう早い段階で感覚が麻痺してしまうんですよね。他の神社でしたら、大きな一本の御神木として崇められているような木が、そこかしこにたくさんあるんですもの。それが当たり前の状態になるので、麻痺するんです。
そんな中でも、御厩の後ろにあった巨木がひときわ凄かったです。人も少ない場所ですし、おそらく目を留める人もあまりいないのではないかと思うのですが、ひっそりと聳えている様は、迫力がありました。
初めての豊受大神宮ですので、どんな順番で回ったらいいのか、どこがどんな宮なのかなど、わからないことだらけでしたので、伊勢神宮公式サイト内にあった「モデルコース」というのを参考にさせて頂き、回りました。30分コースと60分コースがあり、僕たちは迷わず60分コースを選び、じっくりと巡らせて頂くことに。
モデルコースのページは以下です。初参拝の方は、かなり参考になるかと思います。
これに加え、入口の衛士見張所にて境内案内図も置いてありますので、そちらも併せて見つつ、巡るのがよいのではないかと。
僕はモデルコースに従い、いきなりせんぐう館に入ったのですが、せんぐう館は最後でも問題ないかとは思います。せんぐう館から見る「まがたま池」の景色もとっても素敵でしたので、そちらもお勧めです。せんぐう館は入館時間がありますので、料金なども併せて、せんぐう館の公式サイトにてご確認ください。
正宮だけ、もしくは正宮と別宮だけの参拝で帰られる方も多いかとは思いますが、宮域全体が本当に凄いので、時間のある方にはぜひゆっくり歩いて欲しいです。
やっぱり一の鳥居からの参道と、正宮の周辺が一番人は多かったです。続いて別宮ですね。僕たちが訪れたのは平日の昼間だったのですが、これが土日だったらさらに混雑しているのではないかと。
しかしながら、正宮と別宮以外、特に裏参道の方はほとんど人の姿もなく、静かでした。
表参道、裏参道、どちらの入口にも衛士見張所がありまして、そちらでは砂利道用の車椅子をお借りできたり、なんとペットまで預かってくださるそうです。神宮は神社では珍しく、石段がほぼありません。唯一、多賀宮への石段がなかなかの段数あるのですが、それくらいです。ゆえに、車椅子の方もちょいちょいお見掛けしました。
全ての宮に古殿地があるのも、神宮ならではの光景です。中でも正宮の古殿地は広大で、その何もない景色が逆に強く印象にも残ります。
ご存じの方も多いかと思いますが、正宮は個人的なお願いではなく、国家の平和など公のお願いをするところです。個人的なお願いは別宮の多賀宮でしましょう。僕もそのようにさせて頂きました。
正宮、別宮、摂社、末社、所管社と、参拝できるところは全て立ち寄らせて頂きましたし、三ツ石、亀石、地蔵石なども見逃さずことなくバッチリ見ることができました。
残念だったことといえば、御厩に神馬さんが不在だったことくらいですね。
快晴の空の下、新緑の森の神聖な空気を思い切り吸い込みつつ、ゆっくりと散策させて頂き、最高に気持ちのいい時間を過ごすことができました。
こんなに恵まれた天候と景色の中で、最初のお伊勢参りができたことが幸せです。
豊受大神宮、参拝できてよかったです。
続いては、宮域外にある外宮の別宮、月夜見宮へと向かいます。
御朱印
こちらが伊勢神宮・外宮(豊受大神宮)の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印は、神楽殿授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、午前6時から参拝停止時間までです。参拝停止時間は季節により異なり、1月~4月と9月が18時、5月~8月が19時、10月~12月が17時となっています。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は三重県伊勢市豊川町279です。
伊勢神宮の公式サイトはこちらです。
https://www.isejingu.or.jp/
電車
①JR/近鉄「伊勢市駅」から徒歩5分。
JR伊勢市駅の出口を出ますと、駅を背にして真っ直ぐ参道が延びています。
②近鉄「宇治山田駅」から徒歩10分。
駅を出てロータリー先の道路を左に進み、最初の信号を右折です。
駐車場
参拝者用の駐車場があります。第1駐車場(50台)、第2駐車場(210台)、第3駐車場(60台)、臨時駐車場(120台)の4ヵ所あります。詳しくは以下の駐車場情報でご確認ください。満空情報も出ています。
http://www.rakurakuise.jp/jam_map_03.html
トイレ
表参道の入口、裏参道(北御門)の入口の2か所と、せんぐう館の中(入館料が掛かります)の、計3か所あります。
周辺のパワースポット
伊勢の神社巡り
伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
伊勢市の神社一覧
著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。