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二見興玉神社(伊勢市)の御朱印と見どころ

二見興玉神社の紹介

伊勢市の二見町にある二見興玉神社の参拝レポートです。

読み方は「ふたみおきたまじんじゃ」です。霊石である興玉神石(おきたましんせき)を拝する神社で、古来より神伊勢宮の参拝前に禊をする「浜参宮」です。大注連縄で結ばれた夫婦岩や、二見蛙でも知られています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

夫婦岩のある「二見興玉神社」へ

嫁と二人、東京からお伊勢参りにやってきた初日。

伊勢市駅からまずは二見浦駅まで電車に乗り、そこから徒歩で御塩殿神社に参拝します。御塩殿神社は神宮にて神饌として使われる御塩を作っている神社で、境内には製塩設備まであるという、なかなか他にはない神社です。境内を奥へと進んだ先には海の絶景が待っていまして、素晴らしい神社でした。

お伊勢参りをする前に、まず禊をするために二見興玉神社に立ち寄ってから、というのが正式な参拝順というのは、そこそこ知られているかとも思います。しかしさらに深く掘り下げたい人は、御塩殿神社から、ともいわれているそうでして…それを知ってしまったからには行かずにはいられず。で、先に御塩殿神社に立ち寄りました。

御塩殿神社は二見興玉神社とは近くでして、同じ二見浦に鎮座しています。ですので御塩殿神社の参拝後は、そのまま夫婦岩表参道に戻り、二見興玉神社へ。

伊勢にて最初に訪れた御塩殿神社が素晴らしかったので、もう一発目からその魅力にやられつつ、次に向かう二見興玉神社への期待値も高まります。

二見興玉神社といえば、夫婦岩の景色が有名です。僕も何度となく写真や映像では目にしていますので、この目で実際に見られるというのは嬉しいに決まってます。

古くは神宮に参拝する人々は、まず二見浦で汐水を浴び身を清めたそうですが、現在は禊の代わりに、二見興玉神社にてお祓いを受ける形になっているそうです。つまり二見興玉神社は、神宮への参拝前に禊をする神社でもあるわけです。

しっかりと禊をして、神宮に参拝させて頂きます。

また、二見興玉神社の御朱印帳が、夫婦岩が描かれたデザインのものでして、僕たち夫婦もそちらを購入予定です。このたびのお伊勢巡りは、その御朱印帳を使わせて頂くことにしようと事前に決めておりましたので。

ご祭神である猿田彦大神のお使いとされる「二見蛙」さんも、境内にはいらっしゃるとのことで、そちらも楽しみだったり。

憧れの神社にワクワクしつつ、松の連なる海沿いの参道を歩き、向かいます。

 

ご由緒

ご祭神は、猿田彦大神(るたひこのおおかみ)です。相殿には、宇迦乃御魂大神(うがのみたまのおおかみ)がお祀りされています。

猿田彦大神は、天孫降臨で道案内をした神様で、道ひらき(導き)や旅の神様です。当社では興玉大神(おきたまのおおかみ)とも称されています。

宇迦乃御魂大神は、神宮外宮の豊受大神の別名とされ、衣食や産業を加護する神様です。

猿田彦大神を祀る興玉社(おきたましゃ)と、宇迦乃御魂大神を祀る三宮神社(さんぐうじんじゃ)が合祀された神社です。

興玉社の創建年代は不明ですが、猿田彦大神の化身とも、天孫降臨の際に猿田彦大神が立たれたとも伝わる「興玉神石(おきたましんせき)」を拝するため、夫婦岩に注連縄を張ったことに始まるといわれています。奈良時代の天平年間には、僧の行基が興玉神の本地垂迹として、江寺(えでら)を創建し、興玉社を建て鎮守社とします。後に現在の二見浦へと遷座しています。

三宮神社の創建年代も不明ですが、元は境内の天乃岩戸に祀られていました。安土桃山時代には岩戸の外に遷されています。

三宮神社は明治43年に興玉社の本殿に合祀され、社名も現在の二見興玉神社へと改称されます。

興玉神石と日の大神(天照大神)を遥拝する鳥居の役目を果たしている夫婦岩は、古くは男岩が立石、女岩が根尻岩と呼ばれていましたが、いつしか夫婦岩と呼ばれるようになりました。

興玉神石は江戸時代中期の宝暦の時代に発生した地震により海中に沈んでしまい、肉眼で見ることはできませんが、昭和35年に起きたチリ大地震による津波で水が引いた際に、一時的に姿を現したそうです。

古来より二見浦は、伊勢参宮を控えた人々が、汐水を浴び心身を清めた禊場でした。二見浦に参詣して身を清めることを「浜参宮」といいますが、現在では禊の代わりに二見興玉神社に参拝し、「無垢塩祓(むくしおはらい)」を受けることを、「浜参宮」としています。

神宮参拝前の禊の神社としても、多くの参拝者が訪れる神社です。

 

境内案内

こちらが二見興玉神社へと続く参道です。松が連なる素敵な参道。

 

ちなみに、さらに海側の防波堤を歩くこともできまして、そちらを歩くとこんな景色です。右の松の連なるエリアは二見興玉神社の外苑です。どちらの道も捨てがたい。

 

途中、石碑があったり、シロクマやワニやザラシがいたり(像です)、見どころも色々あります。こちらは国の重要文化財に指定されている賓日館。伊勢神宮に参拝する賓客の休憩と宿泊施設です。

 

参道は突き当たって左に折れていて、そこには社号碑と鳥居です。

 

鳥居の正面に立ちます。鳥居には珍しい裏花菱の神紋。伊勢神宮の神紋は花菱です。

 

右手にはご由緒書きと歌碑。その先には二見浦と浜参宮についての案内書きもありました。

 

一礼して鳥居をくぐりますと、狛犬さんとご対面。こちらが左の狛犬さん。子供もいます。

二見興玉神社の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。

 

ここから参道は海に沿って延びています。なんとも素敵な参道です。前方には二の鳥居。

 

左にはさざれ石や句碑も。句碑は俳人である山口誓子さんによるもので、「初富士の 鳥居ともなる 夫婦岩」。

 

二の鳥居へと進みます。この右手はトイレです。

 

二の鳥居の手前に、猿田彦大神のお使いである二見蛙さんです。こんにちは。

二見蛙

 

二の鳥居をくぐります。その先にもカエルさんが二匹。そして夫婦岩がちらっと見え始めます。

 

夫婦岩とご対面。

 

夫婦岩にばかり気を取られていましたが、振り返ると天の岩屋です。参道の右手、海とは反対側になります。

二見興玉神社の天の岩屋

 

岩屋には、天鈿女命(あめのうずめのみこと)がいらっしゃいました。輪注連縄なるものも置かれています。これで身体をさすり、悪いところ輪注連縄に託し、納めさせて頂きます。社殿の奥を覗き込むと、洞窟になっていました。

 

岩屋のお隣が授与所です。

 

授与所の先が手水舎。二見蛙さんが何匹も。水の中のカエルは願掛けカエルで、右は男性が、左は女性が水を掛け、願掛けをするそうです。

 

左の奥にも蛙さんが並んでます。こっち見てます。

 

その下にもカエルさん。海王大和国と刻まれた碑も。海王大和国とは、蛙の国を指すようです。

 

左前方に夫婦岩を見つつ、拝殿へと進みます。右の建物は社務所です。

 

その先、右には大きな貝殻。オオシャコ貝という世界最大の貝で、猿田彦大神が手を挟まれたといわれている貝ですね。

 

左には蛙さんが並んでます。夫婦岩も近くなってきました。

 

拝殿へと進み、参拝させて頂きます。

 

拝殿前には蛙みくじの白いカエルさん。

 

拝殿の右手にも授与所があります。こちらで御朱印を頂きました。

 

右奥に小路が延びていますので行ってみます。

 

少し進むと本殿も見えました。

 

その先には鳥居があり、日の神と皇居の遥拝所になっています。遥拝させて頂きます。

 

遥拝所の左右にもカエルさんです。こちらの蛙は皆さん撫でていくようでして、色が変わっています。じゃっかんメカっぽくも見えますけど。

 

その少し先辺りで、夫婦岩を一番近くに見ることができます。昔はこの先に興玉神石が見えたんでしょうね。

夫婦岩

 

さらに奥へと進んでみます。

 

橋がありました。「みそぎばし」です。

 

禊橋を渡りますと休憩スペースがあり、江戸時代に若い男女が、夫婦の契りと子孫の繁栄を祈願したという「契りの松」があります。下の碑は本居宣長が二見浦を詠んだ歌碑です。

 

休憩所にて少し休みます。海が綺麗です。

 

さらに奥へと進みます。右手には石碑が二つ。紫峡の石碑と青畝石碑の石碑。どちらも二見浦を詠んだもの。

 

続いて現れるのが、境内社の龍宮社。手前には授与所もあります。龍宮社の御朱印はこちらの授与所にて頂けます。

 

龍宮社の正面に立ちます。海を守護する綿津見大神(わたつみのおおかみ)をお祀りする神社です。

 

龍宮社の手水舎には、かっこいい龍。

 

お清めをして参拝させて頂きます。左右には狛犬さん、その後ろにも一対の龍がいらっしゃいました。

 

龍宮社への参拝を終え、その先にあった裏参道の鳥居を一度出てみます。こちらは境外からの景色。

 

再び鳥居をくぐり、龍宮社の前の海岸に下りれるようになっていましたので、しばし水遊びをしてから、二見興玉神社を後にしました。

 

参拝を終えて

神宮参拝前の「浜参宮」を無事に終えることができました。

これまで写真や映像でしか見たことがなかった夫婦岩や二見興玉神社に、実際にこうして足を運び、自分の目で見られたということがまず嬉しい。

駅から徒歩ですと思ったよりも距離があるのですが、松が連なる参道はとても綺麗で、歩いていて気持ちがよかったです。お土産物屋さんなどがある参道と、海の堤防を歩く方、どちらも素敵なので、どっちを歩いたらいいのかわからなくなるくらいです。僕たちは行きと帰りで分けました。

境内に入ってからも海沿いに延びる参道が美しくて、その景色だけでも、来てよかったな~って思っちゃいました。

そして、参道の先にある夫婦岩を夫婦揃って見られるというのは、幸せなものですね。

昔は夫婦岩の先の興玉神石も肉眼で見られたんだと思いますが、現在は沈んでしまっているからこそ、余計に神秘的な感じもします。チリ地震のときに一時的に姿を現したとのことで、その画像がないか探してみたんですけど、残念ながら見つけられず。またいつか出てくることもあるかもしれないですね。

境内のいたるところには二見蛙さんがいまして、これがまた可愛いんです。無事カエル、お金がカエルなど、縁起のいいものとされています。僕たち夫婦も蛙の御守りをいくつか購入させて頂きました。

予定していた御朱印帳も無事購入。日の出と満月の二種類ありまして、どちらも素敵でしたので両方買い求めることに。

二見興玉神社の御朱印帳

裏には二見蛙さんがいて可愛いです。

御朱印帳の裏

このたびの伊勢の神社巡りでは、まずは日の出の御朱印帳から使わせて頂くことに。

そして本来、こちらの二見興玉神社にて御祈祷を受けるのが、神宮参拝前の禊になるのですが、祈祷をしない場合には「無垢塩草(むくしおくさ)」というのを身に付けるのが習わしになっています。

僕たち夫婦もこのたびは御祈祷を受けなかったため、それぞれ無垢塩草を購入し、身に付けさせて頂くことに。

無垢塩草

これで神宮参拝の準備は万端。

おそらく僕たちと同じように、神宮参拝の前にこちらに立ち寄る人も多いようでして、境内は賑わっていました。一つ前に訪れた御塩殿神社は僕たち夫婦しかいなかったのですが、こちらは参拝者が絶えません。

夫婦岩や二見蛙だけではなく、他の見どころもたくさんありました。

輪注連縄というものも、僕はこちらで初めて目にしました。せっかくなので一つやらせて頂きました。

裏花菱という神紋も、おそらく僕は初めて目にしています。神宮の神紋が花菱なのに対し、こちらは裏花菱。なぜ表と裏なのか、調べてみたのですがわからなかったです。どうせなら神職さまに聞いてみればよかったと、少し後悔。

龍宮社の手水舎にいた龍、かっこよかったですね。

龍宮社の前の砂浜には下りられるようになっていて、年甲斐もなく水遊びをしてしまいました。穏やかな波の音にも癒されました。

青空の下、気持ちのいい浜参宮ができて、何よりです。

二見興玉神社、参拝できてよかったです。

続いては、いよいよ伊勢神宮への参拝です。まずは外宮から。

 

御朱印

二見興玉神社では、2つの御朱印を頂くことができます。

こちらが「浜参宮」と書かれた二見興玉神社の御朱印です。

二見興玉神社の御朱印

 

こちらが境内社の龍宮社の御朱印です。

龍宮社の御朱印

 

上記の他に、毎月23日(ふたみの日)限定で、明治・大正期に使用していた蛙と輪注連縄の印・禊斎證印を使用した、復刻朱印が頂けます。

 

御朱印の受付時間

二見興玉神社の御朱印は、拝殿右手の授与所で頂けます。時間は日の出~夕方までとなっていますが、公式サイトに時間の目安が掲載されていますので、ご確認ください。以下のページです。
https://futamiokitamajinja.or.jp/awardtime/

龍宮社の御朱印は、龍宮社の授与所にて頂けます。9時から16時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は三重県伊勢市二見町江575です。

二見興玉神社の公式サイトはこちらです。
https://futamiokitamajinja.or.jp/

 

電車

JR参宮線「二見浦駅」から徒歩15分。

駅を出て大鳥居をくぐりますと、その道が夫婦岩表参道になっていますので、真っ直ぐ進みます。突き当りを右折し、そのまま道なりです。

バスですと「伊勢市駅」か「宇治山田駅」から 「鳥羽バスセンター」行き、もしくはCANバスに乗車し、「夫婦岩東口」バス停で下車すると徒歩5分です。その場合、表参道ではなく反対の裏参道から向かう形になります。

公式サイト内に電車&バスの時刻表が掲載されていますので、ご確認ください。

 

駐車場

参拝者用の駐車場があります。鳥居の脇の二見浦公園駐車場が一番近いですが、30台しか駐車できません。次に近いのが参集殿駐車場ですが、そちらも15台のみです。駐車できる台数が多くはないため、周辺の駐車場利用も推奨されています。詳しくは公式サイト内に駐車場案内が出ていますので、そちらも参考にしてみてください。

 

トイレ

鳥居をくぐってすぐ、参道の右手にあります。

 

周辺のパワースポット

 

伊勢の神社巡り

伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

伊勢市の神社一覧

著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。