伊勢市の二見町にある御塩殿神社の参拝レポートです。
読み方は「みしおどのじんじゃ」です。二見町では「みしおでんじんじゃ」とも称されています。伊勢神宮の神饌として奉納される堅塩(かたしお)を古来より作り続けている神社で、内宮の所管社になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
内宮の所管社「御塩殿神社」へ
5月の中旬、嫁と二人、念願のお伊勢参りを決行することに。
僕はこのようなブログを書いていながら、まだ伊勢神宮に参拝しておらず、いつか行きたいとずっと思っていたんです。
正確には、子供の頃に両親に連れられ参拝していますので初めてではないのですが、そのときの記憶はほとんどありませんので、未参拝みたいなものです。
近年、いつか行きたい、いつか行かねばと思っている場所を一つずつピックアップし、その夢を叶えるということを実行しておりまして、今年の一大ベントに選んだのが、お伊勢参りです。
で、どうせ行くのなら、神宮だけではなく、ゆかりのある周辺の神社にも行きたくなるもの。そうなると日程もそこそこ確保せねばばらぬので、4泊5日というスケジュールにしました。
朝イチで東京を出発し、新幹線でまずは名古屋へ。そこから快速みえというのに乗り、伊勢へ。
東京からですと4時間ほどでした。伊勢市駅に到着し、まずはその日チェックイン予定の駅近くのホテルに荷物を預けます。
そして最初の目的地として向かいましたのが、こちらの記事で紹介する御塩殿神社です。
天気は雲一つない快晴で、絶好の神社巡り日和。
お伊勢参りでは、まず最初に二見浦にある禊の神社「二見興玉神社」に参拝するのが、正式な参拝順序とされています。ですので僕もこの度はその順序で参拝させて頂こうと思い、あれこれ調べていましたところ…二見興玉神社の前に、御塩殿神社にまずは参拝するのが、さらに良いともいわれているとか。
そんな情報を見てしまったら、そうしたくなるじゃないですか。
御塩殿神社は、125社からなる伊勢神宮の一社で、神宮の新選で使われるお塩を古来より2000年以上作り続けていて、神宮にとって重要な位置づけにある神社だと。境内には製塩の施設があるそうですし、海の絶景も拝めるとのこと。もう行きたくてたまらない。
御塩殿神社の最寄り駅は、伊勢市駅からJR参宮線で2駅先の二見浦駅です。
荷物を預けた後、参宮線に乗り二見浦駅で下車。
御塩殿神社は、駅からは徒歩で15分ほどとのことで、タクシーというのも考えはしたのですが、ずっと電車で座りっぱなしでしたし、駅前にタクシーも見当たりませんでしたので、歩くことにします。
いざ、伊勢にて最初の御塩殿神社へ。
ご由緒
ご祭神は、御塩殿鎮守神(みしおどののまもりのかみ)です。伊勢神宮にて神饌として捧げられる御料の御塩の守り神です。
潮流を司る神である、神塩土翁(しおづちのおじ)がご祭神という説もあります。
創建の年代は不明ですが、平安時代初期の延暦23年には延暦儀式帳に記載があることから、それ以前になります。
古来より、伊勢神宮の神饌として使われる堅塩(かたしお)を作ってきた神社で、塩田の御塩浜をはじめ、御塩汲入所・御塩焼所・御塩御倉・御塩殿など製塩の設備を有しています。御塩は御塩浜から運ばれた鹹水を御塩焼所で煮詰め、御塩殿で型に入れて焼き固めるという、古式にのっとった方法で作られます。
明治には神領の制度廃止があり、製塩が困難になる時期がありましたが、旧神領の住民による製塩の伝統は現在も受け継がれています。
御料地(神饌などを調進する施設)として、神宮にとって重要な位置づけにある神社で、内宮の所管社です。
境内案内
二見浦駅を出ますと、目の前に大鳥居です。その先が夫婦岩のある二見興玉神社への表参道になります。
表参道を直進。
少し歩きますと、左手に赤福です。御塩殿神社はその手前の小路を左折するのですが…。
早起きで東京を発っていまして、おなかも空いていましたので、とりあえず赤福でお茶をすることに。美味かったです。赤福最高。
小腹を満たし、予定通り赤福手前の小路を進みます。
途中、二見浦海水浴場の駐車場がありまして、その向こうには海が見えます。車で御塩殿神社に行く場合は、こちらが最寄りの駐車場です。
赤福からは歩くこと10分ほどでした。右手前方に御塩殿神社の森が現れます。
左手には、ひときわ大きな松の木が一本。
松の下にご由緒書きです。
その向こうには鴨長明が御塩殿を訪れて詠んだという歌碑。
そして道路の反対側が、御塩殿神社の鳥居です。
一礼して鳥居をくぐり、美しい参道へ。
右手に御塩殿と刻まれた手水鉢。
左右は木々が茂る森です。
そのまま参道を進みますと、前方に社殿。ここからの景色もまた素敵です。
社殿の前は少し開けています。右の社殿は本殿ではなく、粗塩を焼いて固め堅塩にする作業を行う御塩殿になります。
左手にも社殿があり、そちらが本殿になります。本殿の方が御塩殿より小さいです。
まずは本殿に参拝させて頂きます。
本殿の右に空いている場所は、前回の遷宮まで御殿が建てられていた古殿地(こでんち)です。御塩殿の脇には大きな松も。
続いて御塩殿に参拝。御塩殿の右奥には、粗塩を保管する御塩御倉があるようです。
しばし木々を見上げます。
右に社務所らしき建物があり、その手前には御塩汲入所と御塩焼所の矢印。行ってみます。
奥に小径が続いています。左右に分かれていましたので、まずは左へ。
少し歩くと建物が見えてきました。
建物は二つ。左が御塩焼所です。
右が御塩汲入所。
そこから右に行きますと、先ほどの分かれ道の先と合流しているようですので、行ってみます。
その先には二見浦の海が待っていました。素晴らしい景色。
二見浦の海は穏やかです。
静かな境内にてしばらく過ごし、御塩殿神社を後にします。帰り道の景色もまた素敵でした。
参拝を終えて
伊勢にて最初に訪れた御塩殿神社。
素晴らしかったです。入口の大きな松に始まり、鳥居から参道の景色、境内の森、珍しい製塩の設備、そして後方の海。
そんな素敵な景色の中にいるのは僕と嫁の二人だけ。
なんとも贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
いきなりの赤福で既に幸せな気持ちになっていたところに、最初の神社が絶景の御塩殿神社。こんなに幸先の良い旅でいいものかと、逆に心配になるくらいです。
入口から見る木漏れ日の参道は、異世界に続いているかのようで、まずその景色からしてがっちりと心を掴まれました。
参道を進んだ先、社殿の前からの眺めもまた素敵なんです。大きな木々に囲まれた中に、切妻造りの社殿が二つ。
僕は最初、右にある大きな方が本殿かと思ってしまったのですが、逆でした。左の小さい方が本殿で、右は製塩作業が行われる御塩殿でした。
御塩殿だけではなく、奥には同じく製塩作業が行われる御塩汲入所と御塩焼所がありまして、そのような設備がある神社は稀有なのではないかと。もちろん僕は目にするのも初めてですし、貴重なものを見ることができました。
そして一番奥に待っているのが、二見浦の海です。このロケーションは素敵過ぎますってば。
伊勢神宮の正式な参拝順として、まずは二見興玉神社で禊をするというのは、よく知られているかと思います。ですのでおそらく二見興玉神社の方は、いつも多くの参拝者で賑わっているのではないかと。しかしながら「二見興玉神社の前に御塩殿神社へ」というのはかなりマニアックな巡り方かと思われ、道中も含め他の参拝者とすれ違うことも一切ありませんでした。ゆえに、素敵な景色を独占できてしまったんですけどね。
僕たちが訪れたのは平日でしたので、これが土日だったらもう少し違っていたかもしれませんけれど。
神社巡りが好きな方には、ぜひとも二見興玉神社の前に立ち寄って欲しい、お勧めの神社です。
はるか昔から神宮の御塩を作っているその場所に、自分が実際に立てたということも、感慨深かったりもします。
御塩殿神社、参拝できてよかったです。
続いては、来た道を赤福まで戻り、禊の二見興玉神社へと向かいます。
御朱印
御塩殿神社の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は三重県伊勢市二見町荘唐剣山2019-1です。
御塩殿神社の公式サイトはこちらです。神宮会館の公式サイト内に紹介ページがあります。
https://www.jingukaikan.jp/125mairi/m10/1001.html
電車
JR参宮線「二見浦駅」から徒歩15分。
駅を出て大鳥居をくぐり、そのまま真っ直ぐ進みます。赤福の手前を左折して、しばらく歩いた右手です。僕は赤福からちょうど10分でした。
二見浦駅から「おかげバス」に乗り、「御塩殿神社前」下車ですとすぐですが、バスは本数が極めて少ないため(一日4本)、徒歩かタクシーがベターではないかと。おかげバスは、五十鈴川駅からも出ています。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。「二見浦海水浴場駐車場」と「二見総合駐車場」がありますので、そちらに駐車できます。近いのは「二見浦海水浴場駐車場」です。二見興玉神社に近いのは「二見総合駐車場」になります。もしくは、神社前の道路も、短時間でしたら路駐も可能かとは思われます。
トイレ
ありません。徒歩5分ほどの二見浦海水浴場駐車場にあります。
周辺のパワースポット
伊勢の神社巡り
伊勢神宮と周辺の神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
伊勢市の神社一覧
著者が参拝した伊勢市の神社の一覧です。