墨田区の押上にある飛木稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「とびきいなりじんじゃ」です。境内にある墨田区随一といわれる大銀杏は、暴風雨で飛来したとされる銀杏が、いつしか大きく聳えるまでになったと伝えられています。押上駅と曳舟駅の中間辺りに鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
押上の「飛木稲荷神社」へ
この日は嫁と二人でスカイツリーのレストランにてランチと言うお洒落な予定があり、押上までやって来ました。
厳密にはスカイツリーの中ではなく、ソラマチの中にあるレストランですが。
僕たち夫婦は三鷹在住でして、押上という場所は全く馴染みのない場所です。訪れる機会もなかなかありません。
ですので、せっかくなら周辺の神社巡りも兼ねてのスカイツリーランチにしようと。
ランチは13時半からの予約でしたので、午前中をがっつり押上周辺の神社巡りに費やすことにしました。
事前に調べますと、気になる神社がいくつも出てきます。こちらで紹介する飛木稲荷神社もその一つです。
さらに押上ではありませんが、嫁が以前から御朱印帳を求めに行きたがっていた猿江神社というのが、押上からも近い住吉にあるということで、そちらにも最初に立ち寄って御朱印帳を手に入れることにしました。
そんな流れである程度ルートを決め、当日を迎えます。
季節は早々に梅雨が明けた7月上旬。天気は曇り空でしたが、気温は30度超えの、神社巡りには厳しい暑さです。
朝イチで自宅を出て電車を乗り継ぎ、まずは住吉に降り立ちます。住吉でもいくつかの神社を回り、思ったよりも時間を使ってしまいました。
ですので押上に着いたのはもうお昼少し前くらい。ランチ予約の時間まで、そこまで余裕がありません。
押上では当初、5~6ヶ所の神社を回る予定だったのですが、とてもそこまで巡れなそうです。
30度を超える気温の中を歩き回っていましたので、体力的にもだいぶ弱ってきていましたし。
ですので時間と場所で照らし合わせ、ランチ前に回る神社を2~3ヶ所に変更します。あとはランチの後に行けそうなら行ってみる、という感じにしました。
押上でまず訪れたのは高木神社です。最寄り駅の曳舟駅で下車して向かい、参拝しました。社殿が紫色という珍しい神社でした。
そこから次に目指したのが、飛木稲荷神社です。
地図で見ますと高木神社とはかなり近い場所にあり、同じ通り沿いに入口があります。
曳舟駅を降りた時点で、目の前にはスカイツリーが聳えていてテンションが上がったのですが、高木神社も飛木稲荷神社も押上方面にありますので、自然とスカイツリーに向かって歩いて行く形になります。
これまでもそこそこの距離でスカイツリーを見たことはあるのですが、これだけ近いのは初めてです。やっぱり近づけば近づくほど迫力がありますね。
右前方にそんな大きなスカイツリーを見ながら、高木神社から飛木稲荷神社へ。
歩くこと1~2分です。
玉垣と大きな銀杏が視界に入り、飛木稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様である宇迦神霊命(うかのみたまのみこと)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建の正確な年代は不明ですが、室町時代から戦国時代にかけての、応仁2年と考えられています。
鎌倉幕府の滅亡後にこの地に逃れて移り住んだ北条氏の一門が、稲荷大明神を勧請し祀ったのが始まりとされています。
社名の由来は、暴風雨の際に銀杏の枝が飛来して突き刺さり、それがいつの間にか大きく聳えたという言い伝えによるものとされています。この銀杏の飛来と成長を特別なこととして、稲荷神社が創建されたという説もあります。
銀杏は樹齢500~600年と言われるもので(千年とも言われています)、境内に現存しています。昭和20年には第二次大戦の空襲により大きな損傷を受け黒こげになりましたが、この銀杏が街への延焼を防いだことから「身代わり飛木の焼けイチョウ」と呼ばれました。損傷により一時は枯れてしまうのではないかと思われましたが、その後に再び芽吹き、現在は完全に回復して繁茂しています。墨田区随一の大木と言われています。
社殿は昭和20年の空襲により焼失してしまい、昭和27年に再建され、現在に至ります。
この地域の鎮守として、境内の大きな銀杏と共に、古くから厚く信仰されているお稲荷さまです。
境内案内
高木神社より歩いて行きますと(曳舟方面から)、境内の大きな銀杏がまず目に入ります。
正面入口に回り込みます。やっぱり視線は銀杏に持って行かれます。
改めて、こちらが飛木稲荷神社の正面入口になります。鳥居の前にはお狐さん。
そして、何度も申し訳ありませんが、やっぱり銀杏を見てしまいます。
こちらは鳥居の前、左のお狐さんです。
こちらが右のお狐さん。どちらも凛々しい顔をしています。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。すぐ右手に神楽殿です。
左手に大銀杏。
イチョウの足元には、かつて空襲での延焼をこの銀杏が防いだという逸話が記されています。
銀杏を見上げます。その大きさに圧倒されます。
参道に戻り拝殿へと歩を進めます。銀杏の緑が綺麗です。
拝殿の前に二つ目の鳥居です。一礼してくぐります。
左手に手水舎がありましたので、お清めに向かいます。
お清めをします。
手水舎の上部には、左右に狐さんが彫られていました。僕は全く気付かず、嫁が見つけました。
手水舎の右脇には力石です。そのお隣は何の木でしょうか。
手水舎の左手には、飛木稲荷と大銀杏のご由緒がそれぞれ書かれていました。
こちらは手水舎の前から見た銀杏です。
その位置から見上げた銀杏の枝の一部が狐に見えるとのことで探してみますと、いました。見つけました。わかりますでしょうか?ちょうどこの写真の真ん中辺りです。
お狐さん部分を拡大してみます。確かにお狐さんが座っているかのように見えますね。
しばらく銀杏を眺めていましたが、拝殿に向かいます。
拝殿は茶色を基調とした建物です。拝殿前にもお狐さんがいます。
こちらが左のお狐さん。
こちらが右のお狐さん。どちらも鋭い目つきをしています。
拝殿を見上げると二匹の狐の彫刻。
後ろに大きな銀杏の存在を感じながら、参拝します。
拝殿を振り返るとこんな景色です。
社殿の左奥に境内社があるようですので、行ってみます。
こちらは拝殿の左側、とても古いものに見える額が掛けられています。
奥には本殿の姿も見えます。
まずは手前にあった境内社に参拝します。日枝社です。
よく見ると日枝社の祠には立派な彫刻が施されていました。
続いて奥の境内社へと向かいます。鳥居には奥社と書かれています。
鳥居の先には塚があり、お稲荷さんが祀られていました。
塚には小さなお狐さんがたくさん。参拝します。
一通り境内の散策を終え、拝殿右手にある社務所にて御朱印を頂きました。
社務所の前はこんな感じの休憩スペースになっています。
最後にもう一度銀杏を見上げます。
今さらながら気付いたのですが。銀杏には焦げた跡が残っています。空襲時の焼け跡だと思います。名残惜しい気持ちを振り払い、飛木稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
何よりもまず、御神木の大きな銀杏が凄かったです。圧倒されました。
境外からでもその大きさが一目でわかるものでして、一瞬で惹きつけられます。とにかくでかい。
近づいて見上げますと、その大きさをさらに実感することができます。
神社巡りをしていますと、大きな御神木というのはよく出会うものではありますが、そんな中でもこちらの銀杏はかなり大きなものではないかと。
季節が7月でしたので、銀杏の葉は綺麗な緑だったのですが、秋の黄色だったり、冬の葉がない状態も見てみたくなりました。他の季節にはこの大きな銀杏はどんな姿をしているのだろう?と興味が湧いてしまいます。
空襲により大きな損傷を受けたのことですが、確かにけっこうな広範囲に及び黒く焦げた跡がありました。それがきっかけで枯死してしまっていたら、今こうして見上げることはできなかったので、再生してくれたことがありがたいです。
イチョウの話ばかり書いてしまっていますけれど、もう一つ。
手水舎の前あたりから銀杏を見上げますと、枝の一部がお狐さんの姿に見えるんですよ。
事前に嫁が調べてくれていましたので、ばっちりとその姿を見ることができました。最初はどこにいるのか全然わからなかったのですが、角度を変えて見上げてみるとすぐに見つかりました。
飛木稲荷を訪れた際には、是非そのイチョウに隠れている狐さんを探してみてください。手水舎の前から見えます。
イチョウの中のお狐さんとは別に、ちゃんと境内を守っているお狐さんも、入口の鳥居前に一対、拝殿前に一対いらっしゃいます。
社殿は茶色を基調とした建物で、派手さはありませんが、周囲の緑に溶け込んでいる感じがしました。
また、社殿の左奥から裏手にかけて、二つの境内社があります。
一つは日枝神社で、そちらは祠の彫刻が素晴らしかったです。最初は彫刻に気付かずに通り過ぎてしまったのですが、帰り道に何気なく横から祠を見て気付きました。危うく見逃すところでした。
社殿の裏手にあたる場所は、塚があり小さなお狐さんがたくさんある奥社稲荷神社です。境内は全体的にとても静かだったのですが、この奥社の前はさらに一段と静かで清としていました。空気も少し違ったかと思います。
僕たち夫婦以外にも参拝に訪れる人の姿はちらほらお見掛けしたのですが、奥の境内社の方まで訪れる人はほとんどいませんでしたので、人の気配もなく余計に清として感じたのかもしれません。
境内をのんびり散策し、大きな銀杏を何度も眺め、心地良い時間を過ごさせて頂きました。
暑かったですけれど。
御朱印を頂いた際には、素敵な絵葉書も頂きました。
緑と銀杏と黄色の銀杏がそれぞれ描かれた二枚です。絵の中には、先ほど僕たちが見つけた銀杏の中のお狐さんも描かれていました。素敵なものを頂きました、ありがとうございます。
飛木稲荷神社を後にした僕たちは、スカイツリーへと向かいます。
本当はもう一ヶ所、向島秋葉神社という神社まで足を延ばそうかと考えていたのですが、時間的にギリギリになりそうでしたので、そちらへの参拝はまたの機会にしました。
初めてのスカイツリーに到着し、予約していたソラマチでのランチへ。
ラ・ソラシドというレストランでのランチでして、そちらのレビュー的なものは、僕が別で書いているこちらのブログで紹介しています。
炎天下を歩き回ったこともあり、料理が美味しかったこともあり、ついついビールを飲み過ぎてしまいました。
ランチの後にもあわよくば神社巡りの続きを、なんて考えていたのですが、食べ過ぎと飲み過ぎでもうそんな気力もなくなり、この日は帰路に就くことに。
まだまだ行きたかった神社がありますので、また是非機会を見つけて、押上までやって来ようと思います。
さらにはこの日は曇り空で、スカイツリーの展望台まで上るのを諦めましたので、次回は晴れた日にリベンジしたいと思います。
暑い中でしたが、良い神社巡りができました。
御朱印
こちらが飛木稲荷神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都墨田区押上2-39-6です。
飛木稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
①スカイツリーライン 「曳舟駅」から徒歩6分。
西口から大通りに出たら、スカイツリーの見える押上方面に進み、押上二丁目の信号を左折。左手にまず高木神社があり、そのさらに先の左手にあります。
②半蔵門線 / 都営浅草線 「押上駅」から徒歩6分。
A3出口から出て、スカイツリーを背にして真っ直ぐ歩き、右手に高架下の踏み切りがある交差点を左折すると、右手にあります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。入口にある駐車場はお隣の圓通寺の駐車場になります。神社前の道路も細いので、路上駐車も厳しいかもしれません。少し離れた場所にはなりますが、コインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
墨田区の神社一覧