台東区の清川にある玉姫稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「たまひめいなりじんじゃ」です。氏子に靴生産者が多いことから、春と秋には靴市が行われていて「くつの神社」とも称されています。隣接している玉姫公園は、『あしたのジョー』の一場面で登場したことでも知られています。最寄駅は南千住駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
南千住の「玉姫稲荷神社」へ
この日は朝から浅草周辺の神社巡りをしていて、この玉姫稲荷神社が二ヶ所目に訪れた神社です。
僕は台東区の神社を巡るのはこれが三度目で、「台東区神社マップ」なるものを参考に回っています。過去の二回も、このマップを参考にして巡りました。
こちらが「台東区神社マップ」です。
このようなものがありますと、載っている神社は全部回ってみたくなってしまうんですよ。
しかしこのマップに載っている神社は全部で26ヶ所。とても一日二日では回り切れません。そんなわけで今回、三度目の神社巡りにやって来たんです。
まず最初に、唯一マップの左上のエリアで参拝していなかった千束稲荷神社へ。参拝を終え、そこからこの玉姫稲荷神社を目指します。
歩けない距離ではなかったのですが、季節は8月の下旬、まだまだ暑さが厳しい時期です。少々長い距離を歩くと、間違いなく汗だくのへろへろになることは予想できます。
そこで僕と嫁がとった手段は…
台東区には「めぐりん」と言う循環バスが走っていて、それに乗って移動すると言う、体に優しい方法です。
実は最初に台東区の神社巡りをした際にも、マップに「めぐりん」が紹介されていて、乗ろうとしたんです。乗ろうとはしたのですが、バス停とかルートとかが正直わかりづらくて、結局乗らずに徒歩で回ってしまいました。
めぐりんは料金も100円ですし、一日乗車券も300円です。きっと有効活用すれば、かなり快適に神社巡りができるのではないかと思います。
そこで今回、少々時間を掛けて調べ、千束稲荷神社から玉姫稲荷神社まで、めぐりんを使ってみることにしました。
めぐりんはこちらの台東区の公式サイト内でも路線やバス停など紹介されています。
https://www.city.taito.lg.jp/kenchiku/kotsu/megurin/index.html
正直、路線図がわかりづらいんですけどね。
こちら、僕がバス停で写真に撮ったものになります。
千束稲荷神社の近くにあった「一葉記念館」バス停から乗車し、玉姫稲荷神社の目の前にある「清川1丁目」バス停で下車をすると言うルートです。一本で乗り換えとかはありません。
初めてのめぐりんに無事乗車した僕たちは、エアコンの快適さに危うく寝そうになりました。
暑さの厳しい日でしたので、この移動はかなり助かります。
途中、三ノ輪駅前で渋滞に巻き込まれ、予想以上に時間は掛かってしまったものの、無事に玉姫神社のすぐ近くにあるバス停に到着です。
なんて便利なんだ、めぐりん。
前回も使えばよかった…。
そんな会話を嫁と交わしつつ、この日二ヶ所目、玉姫稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様である宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建は奈良時代中期の天平宝字4年です。京都の伏見稲荷大社より御分霊を勧請し、お祀りしたのが始まりだと伝えられています。
鎌倉時代には、新田義貞が鎌倉の北条高時追討の折に戦勝祈願を行いました。その際に義貞が弘法大師の直筆だとされる稲荷の像を瑠璃の宝塔(玉塔)に収めて奉納したため、「玉秘め」の社号の由来になったと言われています。
社殿は明治の新吉原の大火、大正の関東大震災で被災し、第二次大戦の空襲でも焼失しています。現在の社殿は昭和27年に再建されたものとなります。
氏子に靴生産者が多いことから、春には「こんこん靴市」、秋には「靴のめぐみ祭り市」の靴市が境内で開かれ、別名「くつの神社」とも呼ばれています。
境内の隣りにある玉姫公園は、『あしたのジョー』で矢吹丈と丹下段平が初めて出会う場所としても登場し、ジョーのふるさととしても紹介される場所です。
遠い昔より、厚く信仰されてきた神社です。
境内案内
めぐりんバスで「清川1丁目」を降りてすぐ、こちらが玉姫稲荷神社の入口になります。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。真っ直ぐに延びる参道の先には拝殿が見えます。
鳥居のすぐ脇には松でしょうか、立派な木が茂っていました。
参道の両脇が駐車場になっていて開けています。トラックなんかも停まってました。こちらは参道の左手です。
こちらが参道の右手です。駐車場の後ろには神輿庫が並んでいます。
参道を進みます。境内が開けている分、空も広いです。
拝殿に近付いて行くと、大きなサイズの狛犬さんがお出迎え。
こちらが左の狛犬さんです。大きな狛犬さんは、やっぱりそれだけで存在感も大きいですね。当たり前のこと言ってるかもしれないですけど。
こちらが右の狛犬さん。どちらも迫力と威厳がある顔立ちをしています。
狛犬さんの先、左手が手水舎です。緑が多く風情のある手水舎です。
お清めをします。手水鉢には龍がいました。
拝殿に進みます。境内には僕と嫁の姿しかなく、とても静かです。
拝殿前、右側には『あしたのジョー』の矢吹丈のパネルです。
同じく拝殿前、左側には白木葉子のパネルです。
拝殿には、大きな稲荷の神紋が掛けられていました。
時間を掛けてゆっくり参拝します。
参拝を終え、境内を散策してみます。拝殿を背にして参道を見ると、こんな景色になっています。
狛犬さんの手前あたり、参道の右手に境内社がありましたので、そちらに行ってみます。
「口入稲荷神社」と幟に書かれていますね。一礼して鳥居をくぐります。
鳥居の先、右手には古そうな手水舎がありました。
口入稲荷にも参拝します。
扉の前には奉納された小さな神狐さんがたくさん。
この口入稲荷の社殿前、左手に授与所がありました。閉まっていて「御用の方は表玄関受付へお回り下さい」と案内があります。後ほど御朱印を頂きに行ってみます。
社殿の右手に小さな神狐さんがいて、小路が奥へと続いています。行ってみます。
さらに奥にも一対の神狐さん。
突き当たりには石の祠がありました。小さな神狐さんもたくさんです。手を合わせます。
口入稲荷の鳥居を出て、御朱印を頂くため社務所へと向かいます。玉姫稲荷の社殿右手にあたる位置が社務所になります。
こちらの社務所で御朱印を頂きました。
境内の左手の先にも祠があるのが見えましたので、行ってみます。
こちらには八社の末社が祀られていました。八神殿と書かれています。白山神社、金刀比羅神社、八幡神社、松尾神社、八坂神社、天祖神社、春日神社、王子神社の八社です。参拝します。
こちらは末社の脇から玉姫稲荷の社殿を撮影。左斜め前の位置からです。
境内の左手にも鳥居があり、玉姫稲荷神社へはそちらからでも出入りできます。裏参道ですね。
その鳥居の近くには石碑。近くまで行ってみましたが、何の石碑かわからず…。
せっかくなので脇の鳥居から一度境外へ出てみました。こちらは口入稲荷へと真っ直ぐに参道が延びていますので、口入稲荷の入口なのかもしれないですね。
再び境内に戻り、しばしのんびりと過ごした後、玉姫稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
境内が開けていたせいなのか、とても空が広く感じた神社です。
参道の両脇が駐車場になっていますので、それが広々とした印象の景色を作っている要因かと思います。
春と秋に靴市が行われ多くの人で賑わうそうですので、その際にはこの境内にも、びっしりと靴の露店が並ぶんでしょうね。僕は靴市と言うものに一度も行ったことがありませんので、どんなものなのか興味はあります。
靴市では賑わうであろう境内も、この日は僕と嫁の二人だけ。始終他の参拝者が訪れる気配もなく、のんびりゆっくりと散策させて頂きました。
開けた参道の先にいるサイズの大きな狛犬さんは、なかなか迫力があって存在感があります。顔もけっこう怖い顔ですので、前を通る際にはちょっとした緊張感がありました。
狛犬さんの奥には夏の緑、さらに奥には社殿があり、それらが連なっている景色は惹かれるものがあり、ついつい足を止めて眺めてしまいました。
狛犬さんと拝殿の間にあった手水舎も、風情があって素敵でした。
拝殿の前には「あしたのジョー」のパネルがあったのですが、僕は「あしたのジョー」を見ていないんですよね…。矢吹丈、白木葉子って名前はなんとなく聞いたこともありますし、キャラクターも何かで見たことはあるとは思うのですが、ちゃんと見たことがないのでイマイチわからず…苦。この近くには昔、泪橋(なみだばし)と言う橋があり、主人公であるジョーの所属する丹下ジムは、泪橋近くと言う設定だったようです。
玉姫稲荷の一つ前に訪れた千束稲荷神社は樋口一葉に所縁のある神社でしたので、『たけくらべ』が読みたくなったのですが、この玉姫稲荷神社では『あしたのジョー』が読んでみたくなりました。
そして玉姫稲荷には、もう一つ見どころがあります。
それは、境内社である口入稲荷神社です。
僕は知らなかったのですが、「口入れ」と言うのは「仕事を斡旋する」って意味らしいです。この口入稲荷は、かつて新吉原の口入宿にあった稲荷社で、それが玉姫稲荷の境内に遷されたものだそうです。
境内には小さな神狐さんがたくさんいらっしゃって、奥には祠もありました。
開けていた玉姫稲荷の境内に比べ、ほんの少しですが空気が張り詰めていた気がします。奥の祠はうっかりすると見逃してしまいがちですので、訪れた際にはぜひ奥まで行ってみてください。
社務所で無事に御朱印も頂くことができましたので、玉姫稲荷神社を後にして、僕たちは次の目的地である熱田神社に向かうことに。
暑さがなかなか厳しい日でしたので、再びめぐりんバスを使うことも考えたのですが、地図を見るとどうやら徒歩の方が早そうです。
道も迷うことがなさそうでしたので、徒歩にて熱田神社を目指します。
御朱印
こちらが、玉姫稲荷神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印とお御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都台東区清川2-13-20です。
玉姫稲荷神社の公式サイトはありません。公式のFacebookはこちらです。
https://www.facebook.com/tamahimeinarijinja/
電車
①JR常磐線 / 日比谷線 / つくばエクスプレス 「南千住駅」から徒歩10分。
②日比谷線 「三ノ輪橋」から徒歩13分。
南千住駅、三ノ輪駅どちらからも徒歩だと10分は掛かります。めぐりんバスを使うと「清川1丁目」バス停からすぐです。
駐車場
社殿の左手にあたる場所に、参拝者用の駐車場があります。近くにコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
台東区の神社一覧