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千束稲荷神社(台東区/三ノ輪)の御朱印と見どころ

千束稲荷神社の紹介

台東区竜泉にある千束稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「せんぞくいなりじんじゃ」です。樋口一葉に深いゆかりがあり、『たけくらべ』にも登場する神社です。近くには樋口一葉記念館もあります。江戸時代には吉原遊郭として栄えた地に鎮座しています。最寄駅は三ノ輪駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

三ノ輪の「千束稲荷神社」へ

台東区の神社を訪れるのは久しぶりです。昨年の11月に神社巡りに訪れていまずが、それ以来です。

台東区には神社がたくさんあり「台東区神社マップ」なるものまであります。区が神社巡りを推しているような感じもありますね。

こちらがその「台東区神社マップ」です。

元々は上野の方にある下谷神社に参拝したのがきっかけで、そちらでこのマップを初めて目にしました。神社巡りを趣味としている僕と嫁は、こんなマップを目にしてしまったら…やっぱり全部回りたくなっちゃうじゃないですか。回らずにはいられなくなります。

で、昨年の5月と11月、二度に渡り台東区神社マップを頼りに、神社巡りを決行したわけです。

しかしながら、このマップに載っている神社は全部で26ヶ所。上野、浅草などを中心にして、なかなか広範囲に及んでいます。二度の神社巡りではとても全部回り切れません。どうしても全部回りたいと思っている僕と嫁は、機会があったら残りの神社を制覇してやろうと、虎視眈々と狙っていました。

しかしなかなかそんな機会は訪れないまま時間が過ぎて行き…

ようやく今年の8月末に、大きなチャンスが訪れました。

知り合いの陶芸家さんが、浅草で個展を開かれるとのこと。ですのでその個展に遊びに行きつつ、その足で神社巡りもしてしまおうと言う計画です。

浅草周辺で回っていない神社がけっこうありましたので、個展の場所が浅草と言うのもラッキーです。

朝イチで浅草に向かい、まずは神社巡りをして、最後に個展をゆっくり楽しんで帰る。そんなコースで行くことに。

そう決めはしたのですが、ここで一つ問題が。

マップの左上にある千束稲荷神社。これが僕たちの前に立ちはだかります。

と言いますのも、左上のエリアにある神社は、前々回の神社巡りでほぼ回っているんです。ただ一ヶ所、回っていないのが…千束稲荷神社だったんです。

なぜそこだけ残してしまったんだろうと、僕も嫁も激しく後悔した覚えがあります。

僕たちが今回周りたいのは、マップでは右上にあたる浅草エリア。しかし、左上で唯一残された千束稲荷神社にも、できれば参拝してしまいたい。

色々考え嫁と協議した末、まず最初に千束稲荷神社に参拝し、その後右上のエリアを周ることにしました。そうしますと、左上のエリアも制覇することになります。

既に右下のエリアは全部回っていますので、この日に左上と右上を回れば、残すエリアは左下のみになるわけです。

というわけで、まずは千束稲荷神社のある三ノ輪駅に向かいます。

季節は8月下旬。曇り空ではありますが、まだまだ蒸し暑い時期です。

三ノ輪駅に降り立ち、地図を頼りに歩くこと5分ほど。

千束稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うがのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。 

相殿には、天照大御神の弟で、ヤマタノオロチを退治した、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。

創建の年代は不明ですが、江戸時代前期の寛文年間ではないかと考えられています。

一説には、鎌倉時代の中期に、相模国伊勢原の北条氏の家臣が神社とともに移り住んだのが始まりと言う説もありますが、定かではありません。

もともとは浅草から千住にかけての広大な範囲が千束郷と呼ばれ、北に下千束稲荷、南に上千束稲荷の二社に分かれていました。現在の千束稲荷神社は、北の下千束稲荷です。南の上千束稲荷は浅草寺の境内にあったそうですが、現存はしていません。

また、この辺りは、江戸時代には吉原遊郭として栄えた場所でもあります。

明治時代には近隣に樋口一葉が居住し、『たけくらべ』の中にも登場する神社です。境内には樋口一葉の碑があり、近くには樋口一葉記念館もあります。

千束郷の一部が龍泉寺村となってからは、村一帯の氏神様として崇敬され、現在も厚く信仰されている神社です。

 

境内案内

三ノ輪駅から歩くこと5分ほど。緑が茂る一角が現れ、千束稲荷神社に到着です。樋口一葉『たけくらべ』にゆかりのある神社だとの案内も出ています。

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こちらが千束稲荷神社の入口です。鳥居の奥、少し左に折れて参道が延び、その先に社殿が見えます。境内では子供が遊んでいました。

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一礼して鳥居をくぐります。

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鳥居の先に神狐さんです。こちらが左の神狐さん。けっこう大きめの神狐さんです。

千束稲荷神社の左の狐

 

こちらが右の神狐さん。どちらも優しそうな顔をした神狐さんですね。

千束稲荷神社の右の狐

 

左の神狐さんのすぐ後ろが手水舎です。

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お清めをします。上には可愛らしい招き猫。

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参道を進み拝殿に向かいます。参道の右手が芝生になっていて、これは意外と珍しいのではないかと。

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途中、左手に樋口一葉の石碑です。碑文は樋口一葉の自筆だと書かれています。

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お隣には碑の説明がありました。樋口一葉がこの近所に住んでいたことがあり、その時の生活や町の様子が『たけくらべ』にも描かれているそうです。

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樋口一葉の碑の後ろには、大きな御神木の銀杏です。

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銀杏は見上げると、天高く聳えています。

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再び参道に戻り、拝殿の正面に立ちます。木の茶色が優しく、とても落ち着いた雰囲気のある拝殿です。

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境内で遊ぶ子供たちの元気な声を聴きながら、参拝します。

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拝殿の左手には神輿庫。その手前にある黒松が綺麗です。

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拝殿の右手前には「三波石」と書かれた大きな石が奉納されていました。

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拝殿を背にして参道を見ますと、こんな景色になります。

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参道を少し戻り、社殿を右斜め前からも撮影。

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拝殿の右手前にも、御神木の大きな銀杏が聳えています。社殿の手前、左右に御神木がある形ですね。その後ろが授与所と社務所です。

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境内の右手はこんな感じです。ちょっと開けてます。

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社務所の前がちょっとした庭園のようになっています。こちらも散策してみます。

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庭園の隅には石灯篭。

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一通り境内を散策し、最後に拝殿の右隣りにあった授与所にて御朱印を頂き、千束稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

この日の神社巡りの最初に訪れた千束稲荷神社。

日比谷線の三ノ輪駅からもすぐで、迷うことなく辿り着けました。

鳥居の前に立つと、境内には元気に遊ぶ子供たちの姿があり、夏っぽさを実感してしまいました。夏休みなんだな~と。

そんな子供たちの遊ぶ声を聴きつつ鳥居をくぐると、比較的サイズが大きめなお狐さんがお出迎えです。左右どちらのお狐さんも優しそうな顔立ちでした。お狐さんの顔が怖い神社はけっこう多い気がするのですが、優しそうだとそれだけで少し安心してしまいますね。

訪れたのが8月の末でしたので、境内の緑も綺麗でした。御神木の大きな銀杏が二本あったのですが、二本とも高く聳えている姿が素敵でした。昔は遊郭に出入りしていた人たちもこの銀杏を見ていたのかな~とか考えると、ちょっと不思議な気持ちにもなりますね。

参道の右手には芝生の緑が広がっていて、境内に芝生のある神社は意外と珍しいのではないかと思います。歩くとふかふかして気持ち良かったです。

参道の先にあった拝殿は、木の濃い茶色が落ち着いた雰囲気で、芝生の緑ともよく合っていました。

境内はそんなに広くはありませんが、そんな中でもやはり樋口一葉の碑は目を惹きました。樋口一葉と言えば、現在の五千円札に描かれている人物ですので、その顔は多くの人にとって馴染みのあるものではないかとは思います。

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(画像出典:ja.wikipedia.org)

そんな彼女の顔の像が、千束稲荷神社の境内にはあるんです。胸から上あたりの像ですので、まさに五千円札と同じ感じですね。像の方が少しキリっとして顔をしている気もします。

また、碑には直筆での一文も書かれていました。

樋口一葉は明治の小説家で、代表作は『たけくらべ』と言う短編小説です。この千束稲荷神社は、『たけくらべ』にも出てくる神社で、樋口一葉はこの近くに一時期住んでいたとのこと。そう言った繋がりがあったんですね。

僕は『たけくらべ』を二十歳くらいの頃に一度だけ読んだ覚えがあるのですが、内容を全く覚えておりません…苦。残念ながら。

今回千束稲荷神社を訪れたことで、樋口一葉と言う人物に触れるきっかけにはなりましたので、『たけくらべ』を改めて読んでみたくなりました。ブックオフで探してみようと思います。どうせなら、『たけくらべ』を読んでからもう一度訪れたい神社ですね。

その際には近くに樋口一葉記念館もあるようですので、そちらにも立ち寄ってみたいです。

無事に御朱印も頂き千束稲荷神社を後にした僕たちは、次の目的地、玉姫稲荷神社へと向かいます。

徒歩でも行けそうではあるのですが、何しろ夏真っ盛りの8月です。外にいるだけで汗が滴り落ちてくる暑さです。

そこで僕と嫁は、「めぐりん」と言う台東区の循環バスを使うことに。

いまいちバス停やらルートがわかりづらかったのですが、千束稲荷のすぐ近くに乗り場がありました。

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「一葉記念館」と言うバス停ですね。そこから乗りますと、一本でちょうど「玉姫稲荷神社」の前まで行ける様子。

時刻表を確認しますと、20分に一本ペースで出ています。

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暑さに耐えつつしばしバス停で時間を潰していると、待望のめぐりん到着です。

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めぐりんに乗り、いざ次の玉姫稲荷神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが千束稲荷神社の御朱印です。

千束稲荷神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印とお御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都台東区竜泉2-19-3です。

千束稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://senzokuinari.tokyo-jinjacho.or.jp/

 

電車

日比谷線 「三ノ輪駅」から徒歩5分。「1b」出口を出て国際通りと言う大きな通りを南下し、竜泉二丁目の交差点を右折すると、すぐ右側にあります。

都電荒川線 「三ノ輪駅橋」から徒歩10分。

最寄は日比谷線の三ノ輪駅です。わかりやすい道かと思います。

 

駐車場

参拝者用の専用駐車場はありませんが、近くにコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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