稲城市の大丸にある胆馬稲荷社の参拝レポートです。
読み方は「たじまいなりしゃ」です。稲城長沼駅の近くにある、小さなお稲荷さんです。社殿や手水舎は朱色一色で統一されている、珍しい神社でもあります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
稲城の「胆馬稲荷社」へ
僕の嫁は実家が稲城でしで、この日はそちらに用事があり、その後の神社巡りです。
頻繁に足を運んでいる地域でありながら、がっつり神社巡りというのはこれまでしたことがなかったので、ちょいとしてみようかと。
神社ってどの地域にも必ずあるものですからね。それだけ日本という国と密接に関わってきたといいますか、日本人にとっては生活の一部にもなっている、大切な場所でもあるってことだと思います。
ゆえに神社巡りというのは、どんな地域に行ってもできてしまうわけです。
我ながらいい趣味を見つけられました。
この日はあいにくの雨だったのですが、そんなに強い降りではなかったので、雨の神社巡りもまた一興、みたいな感じで出掛けました。
まずは、稲城長沼駅から一番近くにある津島神社天王社へ。大きな神社ではありませんでしたが、社殿前の松の木が素敵な神社でした。
そして次に向かったのが、こちらの記事で紹介する但馬稲荷社です。津島神社天王社からだと歩いてすぐです。
稲城というのは、高い建物が少なくて空が広いんですよね。なので歩いていても東京を歩いている感じが全くしません。地方の田舎町を歩いているかのような気分になります。畑などもけっこうありますし、夏には虫や蛙の声もたくさん聞こえます。人も車も少ないですし、小川も流れていたりします。僕は長野のド田舎出身なのですが、ちょっと田舎を思い出すような感じですね。落ち着きます。
稲城をディスってるわけじゃないです、その逆です。東京にもかかわらず、東京っぽくないいい所だな~と。
小雨の降る中、傘を差して歩きます。
そんな天気のせいなのか、いつも以上に人とすれ違うこともなく、静かです。
津島神社天王社からは旧川崎街道を歩くこと2~3分です。
右手に小さな鳥居が姿を現しました。
胆馬稲荷社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、穀物や食物の神様である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建の年代や経緯などは、残念ながらわかりませんでした。社殿に「文久」と書かれていましたので、江戸時代の後期には既に存在していたことは間違いないかと思います。
近くにある津島神社天王社は、多摩川の洪水を鎮めるために創建されたとのことですので、もしかしたらこちらの但馬稲荷社も、そのような経緯があるのかもしれませんね。推測にしか過ぎませんが。
また、社名の由来なども不明です。なぜ「但馬」なのか。この辺りにそのような地名も特にありません。
現在の兵庫県北部は、かつては「但馬国(たじまのくに)」と呼ばれていましたが、その地域と関係があるのかどうかも不明です。
境内案内
こちらが胆馬稲荷社の入口です。石鳥居の先に真っ直ぐ参道が延びています。
石鳥居の扁額には「正一位但馬稲荷社」。
一礼して石鳥居をくぐると、すぐに朱色の二の鳥居です。奥には同じく朱色の社殿が見えます。
参道は細いのですが、まっすぐに延びています。両側には住宅があり、少し不思議な空間です。
参道を進むと左に手水舎。こちらも朱色で統一されています。水がありませんでしたので、雨でお清めを。
社殿に向かいます。大きくはない建物ですが、朱が映えて素敵な社殿です。後ろの木が社殿から出ているちょんまげのようにも見えます。
傘を置き参拝。扁額には「但馬稲荷大明神」と書かれています。右側には「文久」の文字が。
こちらは社殿の右手奥です。切り株がたくさんありました。奥の石碑に書かれているのは、松尾芭蕉の句とのこと。その場ではちゃんと見ずに帰ってしまったのですが、帰宅後に調べると「此あたり目に見ゆるものは皆涼し」と言う句が書かれているようです。
こちらは社殿側から見た参道です。細いのですが、なんだか素敵な参道です。一通り境内を散策し、但馬稲荷社を後にしました。
参拝を終えて
胆馬稲荷社、小さな神社ではありましたが、少し不思議な雰囲気のある神社でした。
嫁は何度も来たことがあるとのことでしたが、僕は今回が初めての参拝です。
まず、朱色で統一された社殿や手水舎が素敵でした。一部が朱というのは神社でよく目にしますけれど、全部が朱色で塗られているというのは、珍しいのではないかと思います。少なくとも僕は他で見た覚えがありません。
そして、細いのですがまっすぐに延びる参道が、これまたいい感じなんです。で、その先に朱の社殿が見える景色が美しくて。
雨の中でしたので、晴れの日とはまた違った美しさがあったのではないかと。
聞こえるのは雨の音だけでした。
住宅街の中にあり、ひっそりと佇んでいいました。
胆馬稲荷社は創建の経緯などが全くわからなかったのですが、わからないと知りたくなるものです。社名についている「但馬」もなぜ但馬なのかとか、色々気になってしまいます。
社殿の左右には切り株がたくさんありましたので、もしかしたら元々はたくさんの木が生い茂っていたのではないかとも思われます。その景色も見てみたかったです。
社殿の右奥にあった松尾芭蕉の句「此あたり目に見ゆるものは皆涼し」は、そのまま解釈しますと「この辺りでは、目に見える景色は皆涼しげ」というようなニュアンスかと。そのままですが。
これは芭蕉がこの地を訪れた際に読んだ句ではなく、旅路の途中、岐阜で読んだものらしいです。ですがその句がぴったりと当てはまるような気がする場所でした。
胆馬稲荷社、参拝できてよかったです。
今度は晴れの日にも訪れてみようと思います。
この後僕と嫁は、雨の中さらに西へと歩き、同じく稲城にある大麻止乃豆乃天神社へち向かいます。
御朱印
胆馬稲荷社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都稲城市大丸233です。
胆馬稲荷社の公式サイトはありません。
電車
①JR南武線 「稲城長沼駅」から徒歩7~8分。
旧川崎街道を西(南多摩駅方面)に歩くと、右手にあります。
②京王相模原線 「稲城駅」から徒歩20分。
最寄駅は南武線の稲城長沼駅です。京王線の稲城駅からですと、歩くとそれなりに距離があります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありませんが、神社前の道路に短時間でしたら路駐しても問題はないかと思われます。
周辺のパワースポット
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