渋谷区の神宮前にある穏田神社の参拝レポートです。
読み方は「おんでんじんじゃ」です。かつて隠田村と呼ばれていた地域一帯の鎮守社で、境内には特徴のある狛犬がいます。渋谷駅と原宿駅の中間辺り、キャットストリートから少し入った場所に鎮座しています。最寄駅は明治神宮前駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
渋谷の「穏田神社」へ
8月の下旬、気温は35度になるかという猛暑の中、嫁と二人で渋谷駅周辺の神社巡りに出掛けてきました。
熱中症対策を万全にし、9ヶ所もの神社を徒歩にて回る予定を立て、朝から渋谷駅に降り立ちます。
午前中は曇りと晴れの予報だったのですが、夕方くらいから台風の接近により荒れる可能性もあり、できるだけ早めに全部回って帰路に就きたい一日です。
こちらの記事で紹介するのは、6ヶ所目に訪れた「穏田神社」です。渋谷からですと原宿駅寄りにあり、特徴のある狛犬さんがいる神社です。
この日回る予定だった9ヶ所の神社は、渋谷駅を中心にして反時計回りにて巡る予定でした。
渋谷駅を時計の中心だとしますと、まずは4時の辺りにある、「商和稲荷神社」と「渋谷氷川神社」に参拝。続いて3時にあたる「金王八幡宮」、「豊栄稲荷神社」、「宮益御嶽神社」に参拝します。
そこから次に向かったのが、1時の辺りにある「穏田神社」になります。
時計の位置での説明、ちょっとわかりづらかったらすみません…。
ようするに、渋谷駅の周辺を左回りでぐるっと歩くってことですね。
猛暑の中をそれだけ歩き回りますと、もう常に滝のように汗が流れてくる状態でして、持っていたタオルハンカチもびしょびしょです。水筒の中の麦茶もあっと言う間になくなってしまい、コンビニで補充しました。
8月の神社巡りは、そんな暑さとの闘いでもありますので、できるだけスムーズには回りたいものです。道に迷ったりするとかなりの体力を消耗することになりますからね。
ですので事前に、道に迷ったりしないよう、できるだけ地図はチェックして出掛けて来ています。
にも関わらず…。
6ヶ所目に訪れる予定だったこの穏田神社にて、見事に道に迷いました。
地図を見つつGPSも使いつつでしたので、だいたいの神社の場所はわかっていたのですが、どこをどう通ったら神社の入口に辿り着けるのかがわからず、手間取ってしまったんです。
時間もお昼近くになり、気温も朝に比べるとだいぶ上昇しています。
噴き出す汗を拭いつつ、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
エリアは、渋谷から原宿へと続く山手線の東側です。僕はそのエリア自体これまで訪れたことがなかったので、当然土地勘も全くありません。渋谷駅前の喧騒とは違って、比較的落ち着いた雰囲気があるお洒落なエリアでした。
僕たちが歩いていたのは、どうやら原宿キャットストリートという通りだったようです。
そんなちょっとお洒落な街中を汗だくで迷うこと数分。
なんとか神社の入口を見つけ、穏田神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、淤母陀琉神(おもだるのかみ)、阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)、櫛御食野神(くしみけぬのかみ)の三柱です。
淤母陀琉神と阿夜訶志古泥神は、淤母陀琉神が男神、阿夜訶志古泥神が女神で、人体の完備を神格化した日本神話の神様です。神仏習合により仏教の第六天魔王であるともされています。
櫛御食野神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の別名で、島根の松江にある熊野大社のご祭神でもあります。
創建の年代や経緯は不明ですが、かつて穏田村と呼ばれていたこの辺り一帯の鎮守として、古くから信仰されていた神社です。
安土桃山時代には、徳川家康より伊賀衆に穏田の地が与えられ、給地となります。
江戸時代には第六天社と称されていましたが、明治の神仏分離により、社名も現在の穏田神社になりました。
明治6年に、近隣にあった熊野神社を合祀し、ご祭神が現在の三柱になります。
第二次大戦時の空襲で被災してしまい、現在の社殿などは昭和31年に再建されたものになります。
縁結びや技芸上達、美容にもご利益があるといわれている神社です。
境内案内
こちらが穏田神社の入口です。参道は端が駐車場になっているようで、車が何台も駐車していました。
鳥居の脇には大きな木が聳えています。
一礼して鳥居をくぐり境内へ。少し曇が多くなってきました。
参道を進みます。
右の前方に社殿が見えてきました。不思議な形をした狛犬さんも目に入ります。
狛犬さんの手前、右手に手水舎です。
手水舎にて、まずはお清めをします。
手水舎を振り返ると、もう一本別の入口がありました。こちらからでも境内に出入りすることができます。
再び参道を進みます。両脇には独特な容姿をした狛犬さん。
こちらが左の狛犬さんです。僕はこの形の狛犬さんに出会うのは初めてです。
こちらが右の狛犬さん。かなり古いもののようにも見えますね。
右の狛犬さんを正面からよく見ると、おなかのあたりに子供がじゃれていました。
不思議な狛犬さんをしばらく眺め、拝殿へと向かいます。参道は少し右に折れている形です。
こちらが拝殿の正面です。狛犬さんの後ろにはそれぞれ梅の木があり、絵になります。
歩を進め、狛犬さんの前へ。こちらが左の狛犬さんです。
こちらが右の狛犬さん。子供もいます。拝殿前の狛犬さんも、左右どちらも特徴のある容姿をしていまして、魅力的です。
右の狛犬さんを別角度から見ますと、子供のお尻が可愛いです。
拝殿の正面に立ちます。拝殿は白と、木の薄い茶色を基調とした建物で、昭和31年に建てられた比較的新しめのものになります。
時間を掛けて参拝します。
拝殿を振り返りますと、境内はこんな感じの景色です。
散策してみます。こちらは拝殿を右斜め前から。
拝殿に向かい、境内の右手後方に境内社がありましたので、行ってみます。
境内社は出世稲荷神社です。一礼して鳥居をくぐります。
鳥居の先には「河野カタ女史像」と書かれたお婆ちゃんの石像がありました。河野カタさんとは、穏田神社の再建に尽力した、漢方医薬の大家の方のようです。
出世稲荷にも参拝します。
再び拝殿前に戻ります。こちらは社殿を左斜め前から。この左奥にも、もう一つ境内への出入り口がありました。
拝殿の手前、境内の左手に柱が建てられていて、旧第一鳥居の柱であると説明が書かれていました。
一通り境内を散策し、拝殿の右手にある授与所にて御朱印を頂きます。
穏田神社では、穏田神社の御朱印と、境内社の出生稲荷神社の御朱印、二つを頂くことができます。
最後にもう一度、特徴のある狛犬さんたちを心行くまで眺め、穏田神社を後にしました。
参拝を終えて
道に迷った末に汗だくで辿り着いた穏田神社。
大きな神社ではありませんが、とっても目を惹く個性的な狛犬さんが二対。これはなかなかインパクトがありました。
事前に穏田神社を調べた際に、少し変わった容姿の狛犬さんがいるのは把握していました。拝殿の前にいる、なんだか豪快な感じの狛犬さんを画像で見ていまして、会えるのを楽しみにしていたんです。
ところが実際に穏田神社を訪れてみますと、画像で見ていた狛犬さんのもっと手前にも、さらに珍しい容姿の狛犬さんがいて、ビビリました。
こっちもか!と。
入口の方の狛犬さんは、サイズもでかかったです。どことなくイースター島のモアイ像を連想させるような狛犬さんでして、かなり印象に残りました。
右の狛犬さんには、子供の姿もありました。
この大きさでこの容姿の狛犬さんは、出会うのは僕はこちらが初めてです。遺跡のような感じがして、かなり古いもののようにも見えました。
帰宅後に調べましたところ、どうやら肥前狛犬というタイプの狛犬さんのようで、現在の佐賀や長崎にあたる肥前の地域に見られる狛犬さんみたいです。
それが何故この穏田神社にいらっしゃるのかまでは、残念ながらわかりませんでした。
入口の珍しい狛犬さんに魅せられてしまった次は、拝殿前の狛犬さんです。
そちらは事前に画像検索にて見てはいたのですが、実物の方がやっぱりインパクト大でした。そして、思ったより可愛い狛犬さんでした。
豪快な感じの容姿なのですが、可愛いんですよ。なんだか怪獣みたいな狛犬さんです。
「かいじゅうたちいるところ」という映画を思い出してしまいました。
そんな怪獣のような左右の狛犬さんの後ろには、それぞれ梅の木が伸びていて、それもまた絵になっていました。
珍しい容姿の二種類の狛犬さんをじっくりと見ることができましたので、それだけでも汗だくで辿り着いた甲斐がありました。いいものが見れました。
穏田神社には境内社の出世稲荷神社があり、そこにはおばあちゃんの像があります。「河野カタ女史像」と書かれていましたので帰宅後にどのような人なのか調べたところ、漢方医薬の大家とのことでした。穏田神社に日参し、戦災で荒廃した穏田神社に拝殿など奉納された人物だそうです。穏田神社にとって、大切な人なんですね。
また、ついでと言ってはなんですが、穏田という社名も気になったので調べてみました。
社名はこの地域が穏田村と呼ばれていたことに由来するようですが、なぜそのような地名になったのはか諸説あるようです。
北条氏の家臣だった恩田氏が居住していたためという説。領主に税を徴収されぬよう隠していた田んぼの「隠し田」に由来するという説。伊賀忍者の一族が住んでいて忍者の隠れ里だったためという説。
どれが確かな説なのかはわかりませんが、元々は「隠田」だったのが、「穏田」に変化したともいわれているみたいです。
神社参拝をしつつ、歴史の勉強をするのも楽しいものですね。
不思議な狛犬さんのいる穏田神社。参拝できてよかったです。
続いては、近くにある「北谷稲荷神社」へと向かいます。
御朱印
こちらが穏田神社の御朱印です。
こちらが境内社の出世稲荷神社の御朱印です。
穏田神社では上記二つの御朱印を頂くことができます。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、6時から17時までです。朝早くから受け付けてくださっているようです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都渋谷区神宮前5-26-6です。
穏田神社の公式サイトはありません。
電車
①千代田線 「明治神宮前駅」から徒歩6~8分。
表参道、もしくは明治通りから、原宿キャットストリートを通って向かうのが近いです。
②各線 「渋谷駅」から徒歩9~11分。
宮下公園方面に出て、明治通りから斜めに延びているキャットストリートを北上です。
③山手線 「原宿駅」から徒歩9~11分。
表参道からキャットストリートに入り南下するのがわかりやすいです。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。境内の駐車スペースは月極めの駐車場です。近くにコインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
渋谷区の神社一覧