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北谷稲荷神社(渋谷区)の御朱印と見どころ

北谷稲荷神社の紹介

渋谷区神南にある北谷稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「きたやいなりじんじゃ」です。平成9年に、建築家の菊竹清訓氏によるデザインで再建され、オフィスビルと一体化した近代的な建物が特徴的な神社です。原宿駅、明治神宮前駅、渋谷駅の中間辺り、NHKの近くに鎮座しています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

渋谷の「北谷稲荷神社」へ

北谷稲荷神社は、この日僕たちが訪れた7ヶ所目の神社になります。

8月下旬の猛暑日の中、朝から渋谷駅に降り立ち、神社から神社へとひたすら渋谷を歩きます。汗だくで。

ここまで回ったのは、渋谷駅周辺で山手線の東側エリア、以下の6ヶ所です。

①商和稲荷神社
②渋谷氷川神社
③金王八幡宮
④豊栄稲荷神社
⑤宮益御嶽神社
⑥穏田神社

渋谷駅を中心にして、右下(南東)右上(北東)までを反時計回りでぐるっと回った形です。

事前に予定していた神社で、残るは以下の3ヶ所。

⑦北谷稲荷神社
⑧大山稲荷神社
⑨千代田稲荷神社

この3つの神社は、山手線を挟んだ西側になります。大山稲荷と千代田稲荷は道玄坂の方面です。

台風が近づいていまして、天気予報でも夕方から雨の可能性と言っていましたので、できればお昼くらいには帰路に就きたいところです。しかし、6ヶ所目の穏田神社を訪れた時点で、既に時刻は12時過ぎ。

事前にある程度計画を立てて出掛けてはきているのですが、徒歩での移動時間や神社での滞在時間など、実際は当日になってみないとわからないことだらけです。とてもお昼までには回り終わりませんでした。

厳しい暑さに汗は滝のように流れ、早起きで歩き回っていますので、おなかも空いてきました。

熱中症対策で水分や塩分は定期的に補給しているものの、僕も嫁もさすがに疲れが見え始めています。年齢的には二人とも完全に中年ですので、あまり無茶はできません。笑

もちろん神社巡りは夫婦共通の趣味ですし、楽しいので続けているのですが、僕たちの場合ついつい無茶をして歩き過ぎる傾向があるので。笑

そんなわけで、次の北谷稲荷神社に参拝したら、いったんどこかでランチ休憩をしパワーチャージをしてから、最後に道玄坂の二つの神社を回り、帰路に就くことにしました。

神社巡りをしていますと、神社にいること自体が休憩のような感じになってしまうので、ついつい本格的な休憩を取り損ねたりしてしまうんですよね。

自分たちがもう若者ではなく、中年だということをもう一度自覚し、ちゃんと休憩を取ろうと思います。笑

そしてお昼休憩前の最後の神社、北谷稲荷神社を目指します。

原宿キャットストリートの裏にある穏田神社から、歩くこと5~6分でしょうか。

山手線の高架をくぐり少し歩くと、路地の先に鳥居と石段が見えました。

北谷稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、五穀豊穣の神様で、穀物や食物の神様である宇迦之霊大神(うかのみたまのおおかみ)です。倉稲魂命とも表記され、稲荷神と同一です。

相殿には、大己貴大神(おおなむちのおおかみ)、大宮比賣大神(おおみやひめのおおかみ)、神功皇后(じんぐうこうごう)、大田大神(おおたのかみ)が祀られています。

創建の具体的な年代は不明ですが、戦国時代の前期には、既に現在の地に創建されていたと考えられています。

渋谷村の名主のご先祖である讃岐太郎直高という人物が、駿河(現在の静岡県)から移り住んだ際に創建したともいわれています。

江戸時代には、現在の渋谷周辺である上渋谷村と上豊澤村の鎮守でした。

神社のある辺りは小名北谷と呼ばれる地だったため、社名はそれに由来しています。

第二次大戦時に社殿など全て戦災で焼失してしまいましたが、昭和33年に掛けて再建されました。

その後平成9年に、老朽化に伴い建て替えられます。建築家である菊竹清訓氏のデザインにより竣工され、現在に至ります。

オフィスビルと一体化した近代的な建物の神社です。

 

境内案内

NHKホールや代々木体育館のすぐ近く、路地の一角に鳥居と石段があり、そちらが北谷稲荷神社の入口です。

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一礼して石鳥居をくぐります。鳥居にはしめ縄が横一直線に掛けられていました。

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鳥居の先には、左右に立派な燈籠です。

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石段を上ります。上がどのような境内になっているのか、下からですと全くわかりません。

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石段の上、ガラス張りのビルには空が映っているのが見えます。

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石段を上りきりますと、目の前には大きなビルと一体化した境内が広がっていました。両脇にはかなり古いと思われる石燈籠も。

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石段を振り返るとこんな景色です。上からですと、意外と高いところまで上ったことを実感します。

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前方にはとってもお洒落な感じの社殿が見えます。

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左手に手水鉢がありましたので、まずはそちらへ。

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手水鉢のある空間も、どことなくお洒落な感じがします。お清めをします。

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手水鉢を振り返りますと、左手が社務所になっています。

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拝殿に向かい、正面に立ちます。全体的に青色っぽい、珍しい色合いの社殿です。建物も近代的です。

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夏の静かな境内にて、参拝します。

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参拝を終え境内を散策してみます。こちらは社殿を右斜め前から。

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右手には石碑がありました。かつて渋谷を流れていた宇田川が氾濫し、その洪水の後に建てられた治水記念碑のようです。

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その先にも石碑が二つ。

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社殿の右奥に小路が延びていましたので、行ってみます。

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奥には境内社がありました。その手前、右手にはしだれ桜です。咲いた姿も見てみたくなります。

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しだれ桜の脇にあった境内社が、「宇田川出世弁財天」です。右の石には「龍神」と刻まれていました。参拝します。

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左手にも境内社が一つ。その手前には一対の狛犬さんです。

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狛犬さんはだいぶ古いもののように見えます。

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境内社は「土師家天満宮」です。はしかなどの疱瘡にご利益があると言われているそうです。参拝します。

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二つの境内社の辺りから、境内中央を見ますと、こんな感じです。

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今度は社殿を左斜め前から。

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奥にあった扉もお洒落です。

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社殿の左奥は、こんな感じで開けています。

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社殿の後ろには、代々木体育館がすぐ目の前に見えます。

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一通り境内を散策し、授与所にて御朱印を頂きます。授与所には待合スペースもあります。

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せっかくですので中で待たせて頂きました。小休憩ができました。笑

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御朱印を頂き、社殿の左奥にも境外へ抜けられる階段がありましたので、そちらから出ることに。

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近代的な境内をもう一度眺め、北谷稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

北谷稲荷神社は、ものすごく近代的でお洒落な神社でした。

建物はもちろんですが、空間自体がモダンでお洒落です。神楽坂の赤城神社などに通じるものがあるかとも思います。

僕は建築やデザインなどに詳しいわけではなく、完全な素人ではありますが…それでも、ものすごくスタイリッシュな感じがしました。スタイリッシュという言葉の使い方が合っているかどうかはわかりませんが。笑

特に僕が印象に残ったのは、社殿の色です。

僕はあちこちの神社を訪れていますが、北谷稲荷の社殿の色は初めて出会うものでした。

全体的に青みがかっていて、紺色や薄紫色の部分もあります。また、ガラスもうっすらと青くなっていて、それがさらに全体の印象を青っぽいものにしていた感じもします。

青といっても明るい青ではありませんので、落ち着いた雰囲気の色合いです。

社殿の左手にはガラス張りのオフィスビルが聳え、そこには青い空と雲が綺麗に映っていましたので、天気のいい日には、また別の青が入り込むようなデザインにもなっているんだと思います。

そういった色合いなども含め、この空間をデザインした建築家、菊竹清訓(きくたけきよのり)さんという方は凄いな~と、素直にそう思ってしまいました。

僕は恥ずかしながら、菊竹清訓さんを存じ上げていなかったのですが、「今世紀を創った世界建築家100人」にも選ばれている、大変著名な建築家さんとのことです。

菊竹さんは残念ながら2011年に83歳で亡くなられていますが、携わった建物は日本国内にかなり現存しているようですので、見てみたくなりました。

北谷稲荷神社の一番の印象は、そんなモダンで近代的な空間だったのですが、そこに至るまでの過程もまた魅力の一つかもしれません。

入口の鳥居や石段だけ見ますと、上にこんな近代的な空間があるなんて思いもしません。石段がけっこう長めでして高い場所まで続いているので、下からでは境内の様子が全く見えないんですよね。

ですので、上まで上がってみてびっくりなんです。笑

そのギャップが新鮮でした。

境内には社殿の右手奥に、境内社が二つ祀られています。

そのうちの宇田川出世弁財天の方は、「人食い松」という伝承があるそうです。道玄坂にあった松の大木を切ろうとすると、多数の負傷者が出たそうで、その松は「道玄坂の人食い松」と呼ばれたそうです。そのため松とともに弁財天と竜神の祠を造営し祀ったそうです。その後、松は枯死してしまい、祠は行方不明になっていたそうですが、昭和50年に発見され、北谷稲荷の境内に遷されたそうです。

何気なく参拝してしまったのですが、そんな色々があった祠だったんですね。

境内には僕と嫁の二人以外、誰一人参拝者がいらっしゃいませんでしたので、独特のモダンな空間を独占させて頂きました。

御朱印を頂く際には待合室まであり、少々涼ませて頂きました。笑

また、御朱印を頂いた際の挟み紙にも、可愛らしいお狐さんが描かれていました。

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北谷稲荷神社、参拝できて良かったです。

続いては、昼食休憩を挟んで、道玄坂方面にある「大山稲荷神社」へと向かいます。

 

御朱印

こちらが北谷稲荷神社の御朱印です。

北谷稲荷神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都渋谷区神南1-4-1です。

北谷稲荷神社の公式サイトはありません。

 

電車

山手線 「原宿駅」から徒歩8~10分。

山手線の西側(駅を背にすると右側)をまっすぐ渋谷方面に南下し、途中の路地を右折です。

千代田線 「明治神宮前駅」から徒歩8~10分。

原宿駅方面から山手線の西側に回り、線路に沿ってまっすぐ渋谷方面に南下し、途中の路地を右折です。

各線 「渋谷駅」から徒歩10~12分。

山手線の西側(駅を背にすると左側)をまっすぐ原宿方面に北上し、途中の路地を左折です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近くにコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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