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中野島稲荷神社(川崎市/中野島)の御朱印と見どころ

中野島稲荷神社の紹介

川崎市多摩区にある中野島稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「なかのしまいなりじんじゃ」です。多摩川の氾濫に対する堤の鎮護のため、創建されたともいわれている神社です。住所は多摩区の中野島で、最寄り駅は南武線の中野島駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

「中野島稲荷神社」へ

僕は今年の2月に肺の手術をしておりまして、その関係で術後も何度か通院をしております。この日はそんな通院の日でして、病院まで出掛けて行きました。

7月の上旬で、連日雨ばかり。この日も朝から雨ではありましたが、天気予報によるとお昼には止むようです。せっかく病院まで出掛けますので、雨が止むのなら、帰り道にどこか近くにある神社にでも立ち寄ってみようと。

で、地図検索をしてみますと、電車で移動にはなりますが、行ける範囲内に、まだ一度も参拝したことがない、中野島稲荷神社を見つけた次第です。

この何か月間か、コロナの影響で神社巡りはかなり控えめにはしていたのですが、誰にも会わず、できるだけ物にも触らず、ひと気のない神社に行く分には、特に問題ないのではないかと、そう思い始めている今日この頃。もちろん対策は徹底しつつではありますが、それさえ怠らなければ、そして油断さえしなければ、神社巡りを楽しむことは全然ありなのではないかと。

そんな判断の元、僕の病院の終わり時間に合わせて嫁にも来てもらい、一緒に中野島稲荷神社に向かうことになりました。

神社の最寄り駅はJR南武線の中野島駅です。僕は南武線はめちゃめちゃ使っているものの、中野島駅にはこれまで降り立ったことがなく、初になります。

中野島といえば、近くにカリタス学園という学校がありまして、昨年2019年の5月に、児童や保護者ら複数の死傷者が出てしまった、大変痛ましい通り魔事件がありました。

かなり衝撃的な事件ではあったのですが、あれからもう一年以上経つんですね。そして時間の経過とともに、その衝撃も薄れてしまったり、記憶も薄れてしまったりするものです。僕も正直、忘れかけていました。でも当事者や遺族にとっては、絶対に忘れられない事件なんだろうなって思います。そして無念だったろうなって考えると、なんともやりきれない気持ちになってしまいます。

事件現場に行ったわけではありませんけれど、何か事件や事故のある場所に来ますと、どうしてもそういうことを考えてしまいますね。

少々暗い気持ちになってしまいましたが、気を取り直して神社参拝を楽しむことにします。

予報では雨は上がるはずだったのですが、まだ時々ぽつりぽつりと小雨がありまして、降ったり止んだりという感じです。

駅にて嫁と合流し、傘を差しつつ、中野島稲荷神社を目指します。

駅からの道のりはとてもわかりやすかったです。歩き始めて5分ほどで、木々が茂る境内が見えてきました。

その頃には少しだけ降っていた雨も止みました。

中野島稲荷神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)です。穀物や食物の神様で、宇迦之御魂命などとも表記され、稲荷神と同一です。相殿には学問の神様である菅原道真公(すがわらのみちざねこう)がお祀りされています。

創建の年代は定かではありませんが、安土桃山時代と江戸時代を跨ぐ慶長年間に、京都の伏見稲荷大社より、勧請され創建されたと伝えられています。また、この地域を開墾した農政家である田中休愚(たなかきゅうぐ)という人物が、多摩川の氾濫に対する堤鎮護のため、勧請し創建したという説もあります。

古くより、地域の人々に厚く信仰されてきた稲荷神社です。

 

境内案内

こちらが中野島稲荷神社の入口です。境内には大きな木が何本も聳えているのが見えます。

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入口から少し左手には、戦役記念碑がありました。

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一礼して石鳥居をくぐり、境内へ。

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鳥居のすぐ先には、立派なご神木です。ケヤキでしょうか。(違ったらごめんなさい)

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いつものごとく、しばし大木を見上げます。

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右手には老木があり、その奥には献魂碑です。手を合わせます。

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参道右手の先に、小さな手水舎。

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お清めをします。手水石の中には砂利が敷かれていました。

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参道に戻ります。社殿の後ろも緑が多いです。

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左手には神輿庫と、その先が社務所のようです。

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反対側、右手には神楽殿。

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拝殿へと進みます。左手奥には境内社も見えます。

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事前に調べましたところ、こちらは御朱印があるようですが、社務所には人の気配はありません。

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社殿は派手さはありませんが、落ち着いていて雰囲気のある建物です。左右にはお狐さんの姿も。

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こちらが左の神狐さん。どことなく犬にも近いような、丸い顔のお狐さんですね。

中野島稲荷神社の神狐

 

こちらが右の神狐さん。顔の先が欠けてしまっています。おそらく子供もいるかと思われるのですが、子供もお顔が欠けてしまっています。

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拝殿の前へ。正面には立派な龍の彫刻です。

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左右には狛犬(獅子)の彫刻。

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参拝させて頂きます。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。境内はけっこう広々としています。

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散策してみます。こちらは社殿を左斜め前から。

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社殿の左手には、境内社です。その脇にも立派な木が聳えていまして、シラカシと書かれていました。

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鳥居をくぐり、境内社にも参拝させて頂きます。こちらは多摩川の洪水から堤防を守るために造られた、河除稲荷との説明書きがありました。元々は現在の中野島駅から北側、多摩川の近くにありましたが、昭和39年にこちらの境内に遷座したものだそうです。

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河除稲荷の脇には不思議な形で折れ曲がっている木と、その奥には大きな釜。釜は湯立神事という神事に使用していたものだそうです。

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折れ曲がっている木は、別の木に支えられる形で、伸びていました。

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木と釜の手前には、小さな石祠が三つ。一番左の祠の前には、小さなお狐さんもいらっしゃいました。それぞれに参拝させて頂きます。

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河除稲荷の後ろにも、小さな石祠が。そちらにも参拝させて頂きます。手前の木も立派です。

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こちらは河除稲荷の背中です。

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境内のさらに奥にも何かあるのが見えましたので、一度境内社の鳥居を出てから、行ってみることにします。こちらからですと本殿の姿もよく見えます。

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奥にも木が何本も茂っています。境内はどこも綺麗に手入れされています。

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奥に見えた祠は、聖徳太子をお祀りした聖徳太子堂でした。参拝させて頂きます。

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再び拝殿の前に戻ります。こちらは拝殿を右斜め前から。しばらく境内にでのんびりと過ごし、中野島稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

雨上がりの中野島稲荷神社は、とても静かで空気が澄んでいました。

僕たちが境内にいる間、男性が一人と女性が一人、それぞれ参拝して行きましたが、それ以外は僕たち夫婦しかおらず、のんびりと散策させて頂きました。

社務所は無人でしたが、ちょうど神職の方がお掃除に見えられていて、少しだけお話を伺うこともできました。

まず、御朱印についてお聞きしたところ、宮司さんが社務所にいるときのみ、受け付けてくださるとのこと。ちなみにこの日いらしていた神職さんは、宮司さんではなかったです。こちらの宮司さんは、全部で7つの神社を兼務しているとのことで、社務所にいらっしゃる日も限られているんだと。

残念ながらこの日は御朱印は頂けませんでしたが、またご縁があれば、どこかで頂くことができるかもしれません。

社殿の左手、境内社の石祠が並ぶ奥に大きな釜がありまして、それについてもお聞きしたところ、湯立神事(ゆだてしんじ)という伝統的な神事に使われていたものだと教えて頂きました。釜に湯を沸かして、笹でその湯を身に掛け、無病息災などを願う神事です。僕も何かで見たことある気がします。もしかしたら、出川哲朗さんとかダチョウ倶楽部さんとかがやられてたような気もします。

現在も、大きな釜は使っていませんが、湯立神事自体は行っているとのこと。是非一度体験してみたいものです。熱そうですけれど。

境内には大きな木が何本もありまして、雨上がりの空に聳えていました。静かな空気の中、木々がひっそりと茂っている様子は、なんだかとても落ち着くものがあります。河除稲荷の前にあった不思議な折れ方をした木も、印象に残りました。

社殿は木の茶色を基調とした雰囲気のある建物で、施された彫刻も立派でした。

左右のお狐さんも、右のお狐さんは顔が欠けてしまっていましたが、どちらも少し丸い感じの顔立ちをした、特徴のあるお顔をしていました。

雨上がりを境内にて、のんびりと過ごさせて頂きました。

青空の下の神社も大好きですけれど、雨上がりもまたいいものですね。曇り空ですとどうしても写真的には少し暗い感じになってしまいますけれど、実際の空気は澄んでいて、とても気持ちが良かったです。

やっぱり神社参拝は、いいものですね。

この日は一社のみの参拝で帰路に就きましたが、清々しい時間が過ごせた気がします。

まだまだコロナが終息の兆しすら見えませんが、また機会を見つけ、じゅうぶん気を付けつつ、神社巡りに出掛けようと思います。

中野島稲荷神社、参拝できてよかったです。

 

御朱印

中野島稲荷神社では、御朱印は扱っていらっしゃいますが、社務所に宮司さんがいらっしゃるとき(不定期)のみになります。僕は今回頂くことができませんでした。

ご不在のことが多いようですので、どうしても頂きたい方は、事前の電話確認をお勧めします。電話番号は「044-863-9873」です。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は神奈川県川崎市多摩区中野島1-16-2です。

中野島稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://nakanoshimainari.jinja.at/

 

電車

JR南武線 「中野島駅」から徒歩5分。

改札を出たら線路を右手に見て、左に進みます。「中野島中学校入口」の信号を右折。そして二つ目の路地を左折です。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありませんが、ごく短時間でしたら、他の車の迷惑にならぬよう、神社前の道路に駐車可能かと思われます。また、近くにはコインパーキングもいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

川崎市の神社一覧

僕が参拝した川崎市の神社一覧です。