新宿区の左門町にある陽運寺の参拝レポートです。
読み方は「よううんじ」です。日蓮宗の寺院で、正式名称は長照山陽運寺になります。四谷怪談のお岩さんをお祀りしていることから「於岩稲荷(おいわいなり)」とも称されていて、境内にはお岩さんゆかりの井戸もあります。最寄駅は四谷三丁目駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
お岩さんゆかりの陽運寺へ
陽運寺に行って参りました、とたった今、出だしで普通に書いてしまいましたが、実は元々僕は、陽運寺に参拝する予定はありませんでした。
当初目指していたのは、同じくお岩さんをお祀りしている、「於岩稲荷田宮神社」という神社なんです。
で、於岩稲荷田宮神社に参拝したつもりが、陽運寺を於岩稲荷田宮神社だと勘違いし、参拝してしまいました…。つまり、やらかしちまったわけです。
この日は新宿で用事がありましたので、せっかくなのでその足で、どこか近くの神社に立ち寄って帰ろうと、いつものパターンで少しだけ神社巡りをする予定でした。
コロナの感染拡大がいっこうに止む気配のないご時勢ではありますが、感染予防を怠らず、しっかりと自分の身を守りながらでしたら、なおかつ混雑していない神社なら、多少は出掛けるのもありではないかと、個人的に最近そのような結論に達しましたので、今回さっそく決行した次第です。
新宿から近いエリアでまだ訪れていない神社をピックアップして吟味したところ、四谷三丁目周辺に、参拝していない神社がいくつかまとまってありましたので、そちらを回ることにしました。
四谷は以前、『君の名は』の聖地としても話題になった須賀神社のみ訪れていますが、そのときは周辺の神社はノーマックだったんですよね。
近くには、四谷怪談のお岩さんをお祀りした於岩稲荷田宮神社、というのがあることも知りまして、今回はまずそちらに訪れてみようと。
四谷怪談がどんな内容だったのか、完全にうろ覚えではありますが、お岩さんの怖い容貌などは、何かと絵で目にした覚えもあります。そんなお岩さんを祀っている神社があるのでしたら、興味津々です。
新宿での用事を終え、嫁と二人で丸ノ内線に乗り、四谷三丁目に移動。改札を出たところで、偶然友達に会うという嬉しいハプニングもありました。
地上に出、地図を確認して向かいます。
そして歩くこと5~6分だったしょうか。路地の先に「於岩稲荷」と書かれた幟が見えましたので、一切の迷いもなく、そちらが目的地の、於岩稲荷田宮神社かと思ってしまいました。
入口には立派な門があり、奥には竹が茂っているのが見え、とても素敵な雰囲気で、吸い込まれるように入ってしまいました。
於岩稲荷田宮神社ではない、と知ったのは、お恥ずかしながら、帰宅後です…。苦
間違えているとも知らず、僕と嫁は迷うことなく、陽運寺の門をくぐります。
ご由緒
ご本尊は日蓮大聖人御尊像(にちれんだいしょうにんごそんぞう)です。日蓮大聖人は日蓮宗の宗祖です。
茨城県水戸市にある本山久昌寺の蓮牙院日建上人のより、昭和のはじめに創建されたといわれています。日蓮宗の寺院で、正式名称は長照山陽運寺になります。
この地にあった、四谷怪談で知られるお岩様の祠が起源とされ、現在も本堂にはお岩様の木像が安置されています。お岩様の霊堂が戦災に遭ったしまったため、栃木県沼和田より江戸時代中期の薬師堂を移築し本堂として、当寺が開山されました。
境内にはお岩さんゆかりの井戸もあります。
お岩様をお祀りしていることから於岩稲荷(おいわいなり)とも呼ばれています。
厄除け、縁結び、芸能に霊験があるとして、多くの参拝者が訪れる寺院です。
境内案内
こちらが陽運寺の入口です。提灯に「於岩稲荷」と書かれていましたので、てっきりこちらが於岩稲荷田宮神社かと思い込んでしまいました。
縁結び祈願や、水子供養なども書かれています。
境内にはどうやら、食堂が併設されているようです。
入口にはばっちり「お岩さま縁の寺」「陽運寺」と書かれているんですけどね。なぜか神社だという思い込みは解けず。
一礼して門をくぐります。扁額には「於岩霊堂」。
参道には竹が茂り、素敵な雰囲気です。奥には稲荷と思われる祠が見えます。
お岩さんについての説明書きもありました。四谷怪談は後世の人が創作した物語だとも書かれていますね。
参道を進みます。
右手が、先ほど入口から見えた食堂です。こちらもお洒落でいい感じです。
左手の足元には大黒天様がいらっしゃいましたので、手を合わせます。
竹のエリアを抜けたところ、左右にはお狐さん。
こちらが左の神狐さん。鞠を持っているお狐さんです。
こちらが右の神狐さん。鍵を持っているお狐さんです。
右のお狐さんの後ろに、手水鉢です。「龍神様の手水」と書かれていて、お岩さんもこちらの霊水を使用したといわれているそうです。お清めをします。
参道から正面の突き当りにはお稲荷さんがありますが、そこから左に折れた先が本堂です。江戸時代に栃木より薬師堂が移築された本堂になります。
本堂の前には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらもお顔のしっかりした、凛々しい狛犬さんです。
本堂の前へと進みます。こちらにも「於岩稲荷」の提灯が提げられています。「合掌一拝」にて参拝と書かれていましたので、その通りにお参りさせて頂きます。
本堂の右手が、先ほどの食堂の屋内席のようです。美味しそうなランチメニューが出ています。
参道の突き当りに位置していたお稲荷さんは、「福禄寿稲荷神」との幟が立っていました。こちらにも参拝させて頂きます。
その右隣には、「心願成就の石」です。石の穴に叶玉を投げ入れる形になっているようです。
そのまた右隣に、霊堂の再建碑です。後ろには鯱らしきものも。碑の脇には当寺のご由緒書きがありました。
その右手に「水かけ福寿菩薩」です。南無妙法蓮華経と唱えながら、お水をかけさせて頂きます。
奥に、お岩さん縁の井戸があります。お岩さんもこの井戸を使ったのでしょうか。
井戸の右手が、於岩稲荷のようです。参拝させて頂きます。
於岩稲荷に向かって右手が、先ほどの食堂のガーテンテラスになります。
本堂に向かって左手の奥が、寺務所です。そちらの雰囲気も素敵です。
本堂の左手前には、ミニ盆栽が飾られていました。
寺務所の前は、これまたお洒落な休憩スペースになっています。
寺務所にて、御朱印を頂きます。
素敵な雰囲気の境内を満喫し、陽運寺を後にしました。
参拝を終えて
本来の目的地であった、於岩稲荷田宮神社と間違えて訪れた陽運寺ですが、境内はとっても雰囲気がよくて、素敵なお寺でした。
アホな僕たち夫婦は、間違えていることにすら気付かず、参拝をし、御朱印まで頂き、次の神社へと向かったわけですが、それだけご満悦の参拝だった、とも言えるのではないかと。こじつけですけど。
入口の門からして、奥に竹が茂り、いい感じだったんですよね。まるでどこかの料亭の入口のような、そんな感じすらしてしまいましたし。
竹を抜けた先、左手には立派な本堂がありました。江戸時代中期のものを栃木から移築したとのことですが、外からではそんなに立派な本堂があるのが見えなかったので、余計に最初に目に飛び込んできたときの、その印象が残っている気がします。
境内には食堂があったり、趣のある休憩スペースがあったり、全体的にお洒落な空間が作られていて、綺麗でした。手入れも行き届いていましたし、居心地も良かったです。
食堂の前に出ていたメニューも美味しそうで、一瞬食べて行きたい誘惑には駆られましたが、まだお昼にはだいぶ時間がありましたので、見送ることに。食堂というか、カフェみたいな感じでもありましたので、ゆっくりお茶でもして行きたい気分になる、そんな場所でもありました。
訪れたのが於岩稲荷田宮神社ではなく、陽運寺だと気付いたのは帰宅後ではありますが、地図で確認しましたところ、於岩稲荷田宮神社は陽運寺のすぐ先、向かい側にあったみたいです。
陽運寺の門に「於岩稲荷」の幟が出ていたので、てっきり陽運寺が於岩稲荷田宮神社かと思ってしまいました。
どうやらその二つは、どちらもお岩さんをお祀りしていて、それぞれお岩さん縁の神社と寺院、という形になっているみたいです。
帰宅後に調べましたところ、本家は於岩稲荷田宮神社の方のようで、そちらが明治に遷座した際に、町の人々が代わりの祠をこの地に祀り、そこに創建されたのが陽運寺とのことです。
実際にお岩さんが信仰していて、歴史も古いのは於岩稲荷田宮神社の方なんですね。
とはいえどちらも距離はすぐ近くですし、陽運寺にもお岩さんが使っていたという井戸もありますので、お岩さんと縁のある場所ではあったのかな~と。
もしかしたらこの二つの神社と寺院には、何かしら軋轢もあるのかもしれませんが、やっぱりどちらにも参拝しておきたいものですね。
僕たちはこのたび陽運寺にて、お岩さんも使っていたという霊水でお清めをし、井戸の姿もばっちり拝見し、お参りもさせて頂きました。
ですので今度は、お岩さんが信仰していたという、本家の於岩稲荷田宮神社の方にも、是非とも訪れたいと。
僕が事前にちゃんと調べてさえおけば、どちらにも立ち寄ることができたんですけどね。
こういう凡ミス、けっこうしてしまうんです、僕は。で、後から嫁に冷ややかな視線を送られてばかりです。
しっかりと反省をして、また同じ失敗をしないように気を付けたいと思います。
しかしです。もし間違えなかったとしたら、於岩稲荷田宮神社のみ参拝し、陽運寺は訪れていないかもしれません。その場合、陽運寺の素敵な境内を知らずに終わっていたわことになりますからね。間違えてよかったんだと、前向きに考えることにします。
そしてまた近いうちに機会を作り、今度は於岩稲荷田宮神社への参拝を果たしたいと思います。
陽運寺への参拝ができてよかったです。
続いては、近くにある須賀神社へと向かいます。
御朱印
こちらが陽運寺の御朱印です。
陽運寺では月ごとに限定の御朱印も扱っています。こちらは僕たちが参拝した7月の限定御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。開門時間は8時から17時までになります。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都新宿区左門町18です。
陽運寺の公式サイトはこちらです。
http://oiwainari.or.jp/
電車
①丸ノ内線 「四谷三丁目駅」から徒歩5分。
3番出口より地上に出て、左に進み、目の前の大きな交差点を左折します。そのまましばらくまっすぐ進み、ローソンの先の路地を左折。突き当りを右折しますと、右手に於岩稲荷田宮神社があり、その少し先の左手が陽運寺です。
②JR総武線 「信濃町駅」から徒歩8分。
改札から外に出て、目の前の大きな通りを右に進みます。そのまましばらく直進し、「左門前」交差点を右折して路地に入り、最初の路地を左折すると、右手にあります。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。四谷三丁目駅周辺にいくつかコインパーキングがあります。
周辺のパワースポット
新宿区の神社一覧