高千穂町の押方にある中畑神社の参拝レポートです。
読み方は「なかばたじんじゃ」「なかはたじんじゃ」と両方の表記があります。阿蘇神社の外宮で、社殿の昇り龍と降り龍の彫刻や、樹齢300年の大きな杉でも知られている神社です。雲海で有名な国見ヶ丘の先に鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
高千穂の「中畑神社」へ
嫁と二人、4月の中旬に4泊5日という日程でやって来た高千穂旅行の4日目。
朝から激しい雨が降る中、三ヶ所神社、嶽宮神社と二か所の神社に参拝し、次に向かいましたのが、こちらの記事で紹介する中畑神社です。
僕たちはこの度の旅行では、阿蘇くまもと空港でレンタカーを借り、高千穂へと入りました。で、初日から行きたかった神社を片っ端から巡りました。
高千穂は限られた数か所だけでしたら、車がなくてもどうにか移動はできるのですが、がっつり神社巡りをするとなると、車が必須です。ないとどこにも行けません。もしくはお金は掛かりますが、タクシーですね。レンタカーかタクシーの二択になるのではないかと。
僕たちも基本はレンタカーであちこち回っていたのですが、3日目の午前中のみ、タクシーを使わせて頂きました。その理由は、行こうと思っていた神社の道がよくわからなかったことと、さらには悪路のようでレンタカーは避けた方がいいとの情報があり、それを見てタクシーを使うことにしたんです。
結果、地元の運転手さんとも色んなお話ができましたし、目的の神社にも行けましたし、とっても有意義な時間となりました。
旅先で地元の方とがっつりお話しすることって、意外となかったりしますからね。そういう意味でもタクシーっていうのは楽しかったりするんです。
そしてタクシー乗車時に、翌日に行く神社の話になったところ、中畑神社への道が少々険しいというのも運転手さんが教えてくださいました。中畑神社は、事前に僕も調べはしたのですが、ストリートビューもないエリアでして、道もじゃっかん心配ではあった神社です。
そんなあれこれを踏まえての4日目、いざ中畑神社へ向かうという段階で、激しい雨はいっこうに止む気配もなく、むしろどんどん勢いを増しているという状況に。
この豪雨の中、道も不安な中畑神社に向かうのは、少々考えてしまいます。
で、僕と嫁が出した結論は、タクシーです。
前日お世話になった運転手さんがとってもいい方だったので、また会えればな~とは思ってたんです。そして同じタクシー会社にお願いしたところ、見事に同じ運転手さんが来てくださいました。この再会は嬉しいです。
レンタカーはこの日宿泊予定だったホテルの駐車場に停めさせて頂き、そこまで迎えに来てもらった形です。
豪雨の中申し訳なかったのですが、中畑神社行きも快く承諾してくださいました。
県道203号を山の方へと上がって行き、雲海で知られる国見ヶ丘を通り越し、少し進むと右手に鳥居が出てきまして、そこの小路へと入って行きます。
小路から先は聞いていたとおり、なかなか険しい道でした。豪雨の中なので運転も大変だったとは思いますが、鳥居からは走ること7~8分だったかと思います。
無事、中畑神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、建磐龍命(たていわたつのみこと)です。建磐龍命は阿蘇神社のご祭神で、阿蘇大明神などの神号を持つ神です。諸説ありますが、神武天皇の御子神である八井耳命の子(第五子、もしくは第六子)です。
創建の年代は不明です。建磐龍命が宮崎の吾田より、高千穂を経て阿蘇に向かわれた際、現在の国見ヶ丘にて阿蘇の国々を国見されました。その間、この地域の民に田畑を耕し、五穀を作ることを教示されました。そして建磐龍命が阿蘇に向かわれた後、行在所の跡地に社殿を建立し、建磐龍命をお祀りしたのが始まりとされています。
中畑大明神と称されてきましたが、明治には五ヶ村神社へと改称され、現在の中畑神社へと改称されたのは昭和11年です。
現在の社殿は、江戸時代後期の天保に再建されたものになります。
本殿の昇り龍と降り龍の彫刻や、鳥居前にある樹齢推定300年の大きな杉などでも知られている神社です。
境内案内
こちらが中畑神社の入口です。
鳥居に向かって左手に、推定樹齢300年といわれる巨大な杉です。
枝の伸び方が凄いです。釘付けになります。
杉を眺めてから、鳥居へ。鳥居は控柱のある両部鳥居です。まるで異世界への入口です。
一礼して鳥居をくぐります。扁額には「中畑大明神」。
参道の左右にも杉です。
参道を進みます。前方の霧の中に、ぼんやり社殿が見えてきました。
左手に社務所と思われる建物。
参道には杉以外の木々も。
ようやく社殿がはっきりと見えてきました。左右には石灯籠と、左には石碑。
ところどころに聳える大きな杉にも目を奪われます。
左手には手水舎。
お清めをします。
反対側、右手は神楽殿でしょうか。
拝殿へと進みます。
拝殿前には石灯籠。
拝殿は、比較的大きめな建物です。
拝殿には七五三の注連縄と、その上には鶴の彫刻。参拝させて頂きます。
中畑神社だけに、中畑清さんもいらっしゃってるんですね。参拝記念の写真がありました。
拝殿には御朱印の案内も出ていたのですが、どこにも御朱印が見当たらず…。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。
社殿を一周してみます。まずは右側から本殿へ。向拝柱には昇り龍と降り龍の彫刻が見えます。
本殿の後ろにも、大きな杉が聳えています。脇障子にも彫刻が見えます。
境内の右奥には、榊に囲まれた一角です。
周囲は完全に杉の森。
本殿をぐるっと回って、今度は左側。同じく脇障子にも彫刻です。
境内にはところどころにシャクナゲも咲いていました。
反対側からも向拝柱の昇り龍と降り龍を。
画質が悪いのですが、昇り龍と降り龍をクローズアップ。
こちらは拝殿の木鼻。獏だと思うのですが、注連縄が掛けられていて、ターバン巻いてるみたいな感じになってます。
雨の降る杉の森を見ていますと、現実感がなくなっていきます。
再び拝殿前へ。左斜め前から。
霧の参道を戻ります。
最後に入口の大きな杉をもう一度眺め、中畑神社を後にします。
参拝を終えて
激しい雨の中での参拝でしたが、その雨のおかげで、境内がとっても神秘的な景色になっていました。雨だけではなく霧も出ていましたので、異空間に迷い込んでしまったかのような、現実離れした景色でした。
まず、到着して一番先に目に飛び込んできたのが、大きな杉です。その枝の伸び方が他の杉ではあまり見ないものでして、「異形の杉」と言ってしまってもいいような、独特のインパクトがありました。
そんな杉が雨と霧の中で聳えていますので、この世のものとは思えないような、凄い感じになってまして、幻想的ですらありました。
中畑神社は、この杉を見るだけでも行く価値のある神社なのではないかと。
入口の杉ほどではありませんが、参道には他にも大きな杉が何本も聳えていまして、その景色も素敵です。
そしてもちろん木々だけではなく、彫刻も素晴らしかったです。
残念なのは、大雨でしたので写真が上手く撮れておらず…。拝殿の向拝、本殿の脇障子、本殿の昇り龍と降り龍も、何枚も撮影はしたのですが、どれもちゃんと使えるものがありませんでした。獏に注連縄が掛かっているやつだけ、しっかり撮れてたんですけどね。自分の写真の技術の無さを自覚しました。雨の日でもちゃんと写真が撮れる男になりたい。
上の境内案内にて紹介できなかったので、高千穂町の公式サイトに掲載されていたものを引用させて頂き、掲載しておこうと思います。
まず本殿左右の脇障子がこちらです。
(画像引用元:https://www.town-takachiho.jp/)
昇り龍と降り龍も、僕が撮ったものよりはわかりやすいかと。
(画像引用元:https://www.town-takachiho.jp/)
さらには本殿の屋根の下。
(画像引用元:https://www.town-takachiho.jp/)
ちなみにこの本殿の屋根の下の彫刻は、僕は気付いていませんでしたので、実際にも目にしておりません。己の目は節穴でした。
さらには心残りがもう一つ。それは御朱印です。
拝殿に御朱印の案内があり、初穂料はお賽銭箱にとも書かれていたので、セルフサービスで頂けるものと思ったのですが…どこをどう探しても御朱印は見当らず。御守りとかおみくじは目の前のケースの中にあったんですけどね。御朱印だけはどうしても見つけられませんでした。
僕たちが見つけられなかっただけなのか、それともこの日はたまたま御朱印がなかったのか。真相はわかりませんが、こればかりはご縁ですので仕方ない。
そんな若干の心残りはありましたが、幻想的な景色も楽しめましたし、彫刻も見ることができましたし、いい参拝はできましたので、大満足でございます。
また、社名が中畑神社だけに、あの中畑清さんも参拝されているようでして、拝殿にはそのときの写真もありました。絶好調。
中畑神社、参拝できてよかったです。
この中畑神社にて、僕たちが今回の高千穂旅行にて予定していた神社は、全て参拝できたことになります。
2日間に渡りお世話になったタクシーの運転手さんとも、元の駐車場まで送り届けてもらい、お別れです。とってもいい方でしたし色んなお話ができたので、寂しい気持ちになってしまいました。
まだ激しい雨は続いていましたが、高千穂での滞在時間には、この日もまだあと少し余裕があります。ですので身の振り方を嫁と協議しまして、まずは道の駅でランチをしたりお土産を買い、その後は2日前に訪れた槵觸神社より、神話史跡コースを少し歩いてみて、高天原遥拝所や四皇子峰に行ってみることにしました。
まだまだ高千穂旅行は終わらせません。
御朱印
僕は今回頂くことができませんでしたが、こちらが中畑神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
中畑神社の御朱印は、拝殿に書き置きのものが置かれていることがあるようですので、初穂料をお賽銭箱に入れる形で頂けます。置かれていない場合もございます。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町押方6417です。
中畑神社の公式サイトはありません。
駐車場
鳥居の前に数台駐車できます。
県道203号沿いに鳥居がありまして、そこを入って進んで行きますと、左手に中畑神社と矢印のある看板が出ています。そちらを左折してしばらく進むと到着します。
トイレ
ありません。
周辺のパワースポット
高千穂の神社巡り
高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
高千穂町の神社一覧
著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。