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向山神社(高千穂町)の御朱印と見どころ

向山神社の紹介

高千穂町にある向山神社の参拝レポートです。

読み方は「むこうやまじんじゃ」です。山の中の500メートルにも及ぶ神秘的な参道には、仁王像と20基の石灯籠が並んでいます。石灯籠のうち9基は、猿や七福神などの神像が彫られた珍しいものになります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

高千穂の「向山神社」へ

向山神社は、僕たち夫婦がこの度の高千穂旅行にで、ぜひ行きたかった神社の一つ。

高千穂神社や天岩戸神社のような知名度も一切なく、観光客で訪れる人もほとんどいないようなマニアックな神社かと思うのですが、事前にその景色を見て、一目惚れしてしまったんです。

その写真というのが、一面杉だらけの山の中に、仁王像や石灯籠が並ぶ参道のものでして、なんとも神秘的な景色なんです。

それを見た瞬間に、僕も嫁も、即座に目的地として追加しちゃいました。

しかしです。

どうやらこの向山神社は、行くのもそこそこ大変な場所のようでして、地図を見てもいまいち道がわからない。さらには色々調べていましたところ、道が荒れている可能性があり、レンタカーは避けた方がいいとの情報まであるではないですか。

僕たちはこの度、4泊5日という日程で高千穂にやって来まして、空港でレンタカーを借り、初日、二日目と神社を巡っておりました。

向山神社はその3日目に行く予定。

同じ向山という地区にある、秋元神社と黒仁田神社と、合わせて3社を午前中に回ろうかと。

三社ともにそれなりの山奥でして、黒仁田神社も向山神社と同様に、少々場所がわかりづらい。

で、事前にあれこれ検討した末、安全策をとりまして、この三日目の午前中のみ、タクシーをチャーターすることにしました。

ちょっと贅沢ではありますが、そんな日が一日くらいあるのもいいものです。ホテルより運転手さんの案内で、秋元神社、黒仁田神社という順番で立ち寄ってもらい、続いて向山神社へと向かいます。

運転手さんと色々お話をさせて頂きつつ、向山神社へと続く山道に入って行きましたところ、木々の枝が突き出ているところがあったり、道路上にも枝が散乱していたりと、未舗装でしたし、確かになかなかの悪路になっていました。で、運転手さんも慎重には走らせていたのですが、途中でどうやら枝を巻き込んでしまったようで、おかしな音が聞こえ始めます。ですのでいったん停車し、枝を引っ張り出すことに。

それで一安心かと思いきや、まだ枝が一部残っているようで、おかしな音は鳴りやみません。

幸いにも見た限りでは車体に傷はついていなかったので、それは何よりだったんですけどね。

後日談ですが、枝は結局この日の午後に、ガソリンスタンドでジャッキアップして、除去してもらったそうです。

タクシーには申し訳ないことをしましたが、レンタカーじゃなくてよかった…と思ってしまったり。

そんなこんなで、少々バタバタしつつも、無事に向山神社の入口に到着です。

そこはもう、完全な山の中でした。

自分たちの運転でしたら、辿り着けなかったかもしれません。

 

ご由緒

ご祭神は、伊弉諾命(いざなぎのみこと)伊弉冊命(いざなみのみこと)素戔嗚命(すさのおのみこと)天照大神(あまてらすおおみかみ)端津姫命(たぎつひめのみこと)市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)田心姫命(たごりひめのみこと)天津彦根命(あまつひこねのみこと)沽津彦根命(いくつひこねのみこと)熊野杼樟日命(くまのくすびのみこと)天穂日命(あめのほひのみこと)天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)です。

創建の年代は不明です。紀州熊野から勧請されたといわれ、古くより「向山熊野十二社権現」「丸小野権現」と称されてきました。

高千穂を治めていた三田井氏により崇敬され、三田井越前守親武により再建されたとも伝えられています。

明治6年に丸小野神社と改称されますが、昭和31年に現在の向山神社へと改称されています。

山の尾根伝いに500メートルもの参道があり、仁王像と20基の石燈篭が並びます。石灯籠の中には、猿や七福神などの神像が彫られた珍しいものが9基あり、作者は浅ヶ部八十八ヶ所霊場の仏像や、二上神社の猿の灯籠を彫った、延岡の利吉という石工です。

また、当社所蔵の鉄造狛犬一対が、高千穂町の文化財に指定されています。

 

境内案内

こちらが向山神社の入口です。もうこの景色だけでも凄い。

 

鳥居の右手前には、熊野権現と刻まれた社号碑と、その後ろにご由書きです。

 

石鳥居へと進みます。鳥居は控柱のある両部鳥居です。

 

左の足元には、米俵を担いでいると思われる石像です。

 

石灯籠の上には、七福神の像。左が恵比寿天で右が大黒天でしょうか。

 

一礼して鳥居をくぐります。

 

参道には仁王像と石灯籠。そして見渡す限り杉です。

 

異世界感がハンパない。神秘的な景色です。

向山神社の参道

 

こちらは、左右の仁王像。

 

参道には木の根です。

 

こちらは、たぶん福禄寿と弁財天。

 

杉の参道を進みます。左右の杉は細く新しいものが多いようですが、たまにでかいのもあります。

 

前方に石段が見えてきました。

 

ここからの景色も素敵です。しかし、まだまだ社殿は見えません。

 

石段を上がって行きます。けっこうな段数あります。

 

途中、左の石灯籠にのみ、寿老人でしょうか。

 

まだまだ上がります。

 

ようやく石段を上がり切ったかと思いきや、またその先にも石段。

 

左右は木しか見えません。こちらは左手。

 

こちらは右手。迷い込んだら遭難しそう。

 

ようやく石段の先に、社殿らしきものが見えてきました。杉以外の木の姿も多く見られるように。

 

最後の石段へ。

 

石段の手前、右手にのみ神像ですが、これ、お猿さんでしょうかね。

 

あと少し。

 

ついに拝殿前へと到着です。

 

上には布袋尊と毘沙門天。これで七福神は全員ですね。

 

左手には不思議な形をした、おそらく手水石。

 

反対側には注連縄の掛けられた石祠もありました。

 

そして、こちらは間違いなくお猿さんです。

 

拝殿へと進みます。

 

参拝させて頂きます。

 

社殿の周囲を歩いてみます。まず、こちらは社殿を左斜め前から。社殿はけっこう大きいです。

 

左手には小さな赤い鳥居と、石祠らしきものも。

 

その奥、さらに左手には社務所のような建物です。脇の小さな小屋はトイレでした。

 

こちらは本殿を左手から。

 

境内の周囲は森です。木しか見えません。

 

本殿の後ろをぐるっと回って、こちらは本殿を右斜め前から。

 

本殿の右には、注連縄で囲われた一角があり、中には石が積まれています。祓所でしょうか。

 

再び拝殿前へ。

 

拝殿を後にして、参道を戻ります。上から見る参道も美しい。

 

杉の参道が永遠に続くような気すらしてきます。

 

入口の鳥居が見え、ようやく現実の世界に帰ってきたような、そんな感覚になりました。鳥居をくぐり、向山神社を後にします。

 

参拝を終えて

写真を一目見たときから、ぜひ行こうと決めていた向山神社。

素晴らしかったです。

仁王像や石灯籠、そして左右には杉が茂る参道は、神秘的過ぎて、現実感を失うくらいの景色で、異世界でした。

この参道が永遠に続いて、もう帰れなくなってしまうのではないかと思うくらい、違う世界に来てしまった感じです。参道を歩くのは僕たち夫婦しかおりませんでしたので、余計にそんな感覚にもなってしまったんだと思います。

帰り道、入口の鳥居が見えたときには、元の世界に戻れたかのように、少しホっとしてしまったくらいです。

鳥居から拝殿までは10分弱でした。500mとのことですが、木の根の張った道と、石段と、どちらもそこそこ長いので、歩くのがきつい方は少々大変かと思います。絶景ではありますが、足腰と相談してから参拝に向かった方が良いかと。

参道の入口の仁王像は、けっこう大きくてインパクトも強いのですが、対照的に石灯籠の上に彫られた神像は、どれも小さくて可愛らしいです。七福神とお猿さんがいらっしゃるとのことで、見つけるのもけっこう楽しかったり。お猿さんのものは二基あるとのことで、神像の載った灯籠は全部で9基です。

しかしです。この七福神とお猿さんなのですが、どれがどれだかけっこう難しい。僕も一応上の境内案内でそれぞれ名前を書いてみたものの、自信がありません。さらにそのうちの一つは、お猿さんなのか七福神の誰かなのかも、ちょっと判別がつきませんでしたし…。上にあった一基は、間違いなくお猿さんだったんですけどね。

長い参道と石段を歩き辿り着いた先の社殿が、意外と大きかったこともびっくりしました。僕たちはここまで高千穂にて、二十数社の神社を回ってきましたが、その中でもけっこう大きい方だと思います。

拝殿も本殿も立派な建物で、美しかったです。

そしてもう一つ、こちらの向山神社ではびっくりしたことが。

この日最初に参拝した秋元神社で、佐賀からいらしたご夫婦と出会いまして、お話もさせて頂いたのですが、なんと向山神社の境内で再会することに。

秋元神社にて、僕たちが向山神社の話をしましたので、行ってみようと思ったそうです。

僕たちは秋元神社の後に黒仁田神社に寄ってからの向山神社でしたので、佐賀のご夫婦の方が先にいらっしゃっていました。

しかし不思議なことに、鳥居の前に車は停まっていなかったんですよ。なのでてっきり誰もいないと思って歩いてきたら、拝殿の前に二人がいらっしゃってビビりました。どうやら道がよくわからず、だいぶ遠くの方に車を停めて、ケモノ道のようなところを歩いてきたそうです。

同じ神社巡りが好きな方と、こうして旅先で再会できるって、嬉しいものですね。

お別れするのは少々寂しかったですけれど、ご夫婦に挨拶をし、次の神社へと向かいます。

僕たちは元々、秋元神社、黒仁田神社、向山神社の三か所をタクシーで回ってもらう予定で、3時間半というコースでタクシーをチャーターしました。

しかしこの三社を回り終えた時点で、まだ1時間ちょっと時間が余っていましたので、翌日に参拝予定だった二上神社と芝原神社、その二社にも行ってもらっちゃうことにしたんです。タクシーの運転手さんも快諾。

そんなわけで、続いては二上神社へと向かいます。

 

御朱印

向山神社の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町向山1805-3です。

向山神社の公式サイトはありません。

 

駐車場

鳥居の前に3~4台駐車できます。

向山神社の駐車場

地図上だと道がありませんが、神社の前まで細い道が続いています。正確じゃなかったら申し訳ありませんが、一応、以下のようなルートではないかと思われます。未舗装で道幅も狭いのですし、木や枝などにも注意が必要です。

向山神社への行き方

 

トイレ

社殿に向かって左手、社務所の脇にありますが、床が抜けそうに見えなくもありませんし、少々勇気が必要なトイレです。

 

周辺のパワースポット

 

高千穂の神社巡り

高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

高千穂町の神社一覧

著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。