新宿区の西早稲田にある水稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「みずいなりじんじゃ」です。ご神木の椋(むく)の木の根元より霊水が湧き出し、眼病に効くと評判になったことから、水稲荷と称されるようになった神社です。境内には富士塚もあります。早稲田大学のすぐ近くに鎮座しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
早稲田の「水稲荷神社」へ
僕はこの日、嫁と二人で高田馬場近辺の神社巡りをしようと出掛けました。
事前に何か所かの神社をピックアップし、回るルートを決め、出掛けます。
地下鉄の早稲田駅で降り、まずは駅からすぐ近くにある穴八幡宮に参拝。
続いて向かいましたのが、こちらの記事で紹介する水稲荷神社です。
天気は生憎の曇り空で、午後からは雨の予報。いつ雨が降り出すかと怯えながらの神社巡りです。そんな日にわざわざ神社巡りをしなくても、とも思うのですが、巡りたい気分だったので。
僕は20年程前に早稲田近辺はよく来ていましたので、この辺りには土地勘がけっこうあります。
当時は神社に何の関心もなかったので、お参りをした記憶は一切ないのですが、これから向かう水稲荷神社の場所もなんとなく覚えていました。神社の参道らしき道で、友人とたまにキャッチボールをしていた覚えがあるんです。今思うと少々バチ当たりな行為なのかもしれませんが…。まだ二十歳くらいの若造でしたので、そんなこと全く考えもせず。ボールが逸れて神社の方まで行ってしまったような記憶もあります。
そんな場所に、20年経っておっさんになってから行くことになるとは思ってもいませんでした。その神社を目的地として。
当時は神社の名前すら知らなかったですからね。
そんな思い出がありますので、少し懐かしい気持ちを抱きながら、水稲荷神社を目指します。
神社に近づいてきた頃、賑やかな音が聞こえてきて、お神輿が出ていました。どうやら水稲荷神社のお祭りのようです。
直前に訪れた穴八幡宮でもお祭りの準備らしきものがされていたので、この時期はお祭りが多いのかもしれませんね。
で、お神輿を少しだけ見て、水稲荷神社に向かうことに。
お祭り中と言うことは、もしや境内もかなり人が多いのでは?と思いながら歩くこと数分。
水稲荷神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)、佐田彦大神(さだひこのおおかみ)、大宮姫大神(おおみやひめのおおかみ)です。
倉稲魂大神は食物や穀物の神様で、宇迦之御魂大神とも表記され、稲荷神と同一です。佐田彦大神は伏見稲荷大社で祀られる稲荷三神の一柱で、猿田彦神の別名という説もあります。大宮姫大神は住居を護る神様で、人々の和合を叶えてくださる神様です。
創建は平安時代前期の天慶4年です。現在早稲田大学のある地に富士塚があり、藤原秀郷(ふじわらのひでさと)がその地に稲荷大神を勧請し、「冨塚稲荷」と命名し創建したといわれています。将軍稲荷とも称されていたそうです。
その後江戸時代になり、ご神木の椋(むく)の木の根元より霊水が湧き出し、それが眼病に効くと評判になり、火難退散の神託が下ったことから、現在の水稲荷神社に改称されました。
昭和38年に、早稲田大学と土地の交換を行い、現在の場所に遷座します。清水徳川家の下屋敷の旧跡である甘泉園という庭園の一角になります。
境内にある高田富士(戸塚富士)と称される富士塚も、元々は早稲田大学の構内にあったもので、それが移築されました。
眼病や水商売、消防の神様としても知られ、古くから信仰されてきた神社です。
境内案内
早稲田通りと新目白通りの間、坂の途中に水稲荷神社の入口があります。
石段を上がるとご由緒書き。
その先には参道。僕は若い頃、ここで友人とキャッチボールをして遊んでいました。すいません…。この日はお祭りの屋台が準備をしていました。右手には甘泉園という庭園の入口があります。
参道を進むと、途中左手に二宮金次郎の像。
さらに先へ進むと、右手に鳥居が現れます。お祭りでしたので人が大勢いるのでは?と思っていたのですが、人の気配はありませんでした。
一礼して鳥居をくぐると、右に手水舎です。
手水舎の脇には大国社がありました。大黒様がいらっしゃいます。
その先、左手に拝殿が現れます。
拝殿へと進みますと、左手に神楽殿。
境内には僕と嫁以外誰もいません。
こちらは拝殿に向かって左の神狐さん。
こちらは右の神狐さん。どちらもちょっと近づき難い空気を纏っているように感じました。
参拝させて頂きます。
すぐ左に授与所がありますが、閉まっていました。「御朱印は行っていません」と書かれた貼り紙も。
境内を散策してみます。授与所の奥には、身体の悪いところを撫でると痛みが和らぐという「耳欠け神狐」さん。
その向かい側にも神狐さん。
耳欠け神狐さんの先もう一つ鳥居がありました。水稲荷神社にはこちらからでも入ることができます。
社殿を左回りで裏へと進むと、小高い丘のような場所があります。こちらが「富塚古墳」です。
富塚古墳の鳥居をくぐり登ってみます。小さい神狐さんがたくさん。空気が張り詰めている感じがします。
そこから左に進んだ場所にも鳥居と祠が。こちらにもお参り。
富塚古墳を下り、右回りで拝殿正面に出る途中、境内社がありました。琴平神社、高木神社、三島神社、水神社です。
社殿を一周して拝殿前へと戻ります。こちらは右斜め前から見た拝殿です。
拝殿側から境内を見るとこんな景色です。
こちらは拝殿を背にして左側。一通り散策を終え、水稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
近くにお祭りのお神輿が出ていましたが、神社の境内は他の参拝者も見当たらず、とても静かでした。多くの人で賑わっている様をイメージして行っちゃいましたので、予想外でした。
僕と嫁以外誰もいない時間がほとんどでしたので、異空間に迷い込んだ感覚に陥ってしまったくらいです。それだけ静かでした。
そんな空気感の中でしたので、社殿の前にいらっしゃった神狐さんが、怖いお顔で、より近づき難い雰囲気を感じてしまいました。
さらには社殿の裏手の空気が凄かったです。富塚古墳の場所です。
立入ってはいけない場所なんじゃないか?と思ってしまうくらい張り詰めた空気があり、僕も少し緊張しながらの散策でした。
神社巡りをしていますと、たま~にそういう空気の場所があります。その日の天気だったり、時間帯だったり、参拝者の数だったり、色んなものの影響があるのかもしれませんが、清としているといいますか、とにかく張り詰めているんですよね。
富塚古墳には登らせて頂いたのですが、江戸最古といわれる高田冨士は、7月の海の日とその前日に催される「高田富士まつり」にしか登れず、立ち入り禁止になっていました。入口の石段の右手側ですね。二宮金次郎さんの向かい、甘泉園の方です。
高田冨士も現在の早稲田大学の敷地内から移築されたものとのことで、ぜひいつか登ってみたいですね。
水稲荷神社への参拝を楽しむとともに、かつて若かりし自分が友達とキャッチボールをしていた場所がそのまま残っていて、当時の記憶も蘇り、懐かしい気持ちにもなりました。
その真横が冨士塚だなんて当時は全く知らずにキャッチボールなどしていましたけれど。
新鮮でもあり、懐かしくもあり、いい時間が過ごせました。
水稲荷神社、参拝できてよかったです。
この後僕たちは、水稲荷神社に隣接する甘泉園という庭園を散策し、続いては近くにある天祖神社へ。
御朱印
水稲荷神社では御朱印は扱っていません。
どうやら以前は扱っていらっしゃったようなのですが、何らかの事情によりなくなってしまったようです。
御守りは扱っていますが、社務所は基本的に閉まっていることが多いようです。参道の途中におそらく神主様のご自宅がありますので、日中の時間帯でしたらそちらで頂けるかと思います。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都新宿区西早稲田3-5-43です。
水稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://mizuinari.net/
電車
①東西線 「早稲田駅」から徒歩10分。
早稲田通りを高田馬場方面に進み、途中下り坂の道を右折すると、左側に入口が見えます。
②都電荒川線 「面影橋駅」から徒歩3分。
③JR山手線 / 西武新宿線 「高田馬場駅」から徒歩10~15分。
最寄駅は都電荒川線の面影橋駅です。早稲田駅からでも遠くはありませんので、じゅうぶん歩いて行ける距離かと思います。
駐車場
参拝者用の駐車場がありませんが、近くにコインパーキングがいくつかあります。
周辺のパワースポット
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