
静岡県の三島市にある三嶋大社の参拝レポートです。
読み方は「みしまたいしゃ」です。伊豆国の一宮として古くから崇敬されてきた神社です。源頼朝が源氏再興を祈願するなど、武家からの崇敬も集めました。本殿・幣殿・拝殿は国の重要文化財に指定されています。樹齢1200年以上といわれる境内のキンモクセイの巨木は、国の天然記念物にも指定されています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
伊豆国一宮「三嶋大社」へ
三嶋大社といえば、静岡の大きな神社として以前から認識していまして、いつか行きたいな~と漠然と思っていました。
そんな三嶋大社への参拝の機会が、ふいに訪れます。
僕は子供の頃、『キン肉マン』が大好きでした。ジャンプで連載中のど真ん中の世代でして、小学生の僕は夢中になってました。もちろんキン消しもたくさん持っていましたし。
そんなキン肉マンのミュージアムが、2024年に静岡の沼津にオープンしたと知ったのは、最近です。で、そんなものができたのであれば、ぜひ行ってみたいと。
ちなみになぜ沼津かというと、キン肉マンの「夢の超人タッグ編」に出てきた「トーナメント・マウンテン」の舞台が富士山でして、沼津はそんな富士山を望むことができる立地なので、ということが理由の一つみたいです。
僕は沼津にはまだ一度も行ったことがありません。だいたいの場所はわかるのですが、アクセスなど少し詳しく調べ始めますと、沼津市のお隣が三島市であることを知ります。そして三島といえば、あの三嶋大社がある地。
これはもう、三嶋大社の参拝とキン肉マンミュージアムをセットにして、プチ旅行にしてしまってもいいのでは?と。
さらに沼津には嫁のお友達が住んでいますので、嫁がどうせならお友達にも会いたいと。
そんなわけで、一泊二日で沼津~三島というプチ旅行に出掛けることになりました。
季節は2月。冬の旅行は久しぶりです。
朝イチで新幹線に乗り、沼津に到着。そしてまずは駅近くのキン肉マンミュージアムへ。


興奮しました。一緒に行った嫁は、キン肉マンは全く見ていないのですが、それでもけっこう楽しんでくれてました。
つい、お土産もあれこれ買ってしまった。
キン肉マンミュージアム、キン肉マン好きだった人にはお勧めの場所です。
ミュージアムを出た後は、嫁のお友達と合流。駅で待っていますと、じゃっかんヤンチャな車でお迎えに来てくれました。で、そのまま沼津の景勝地である千本松原に連れて行ってもらうことに。
この日は天気にも恵まれていまして、美しい富士山と松原を眺めることができました。

やっぱり富士山はテンション上がりますね。沼津在住であるお友達は、もう見慣れていて特にテンション上がったりはしないそうです。まぁ、きっとそういうものですよね。日常の中にあるわけですからね。でも、富士山を日常的に目の前に見られるって、どうしても羨ましく思えてしまいます。
千本松原を堪能した後は、浜焼きの居酒屋へと移動し、三人で遅めのランチ。運転のない僕と嫁は昼間から浜焼きで酒宴をさせて頂きました。
その後はお土産を見て歩いたりして、夕方には宿泊予定の旅館まで車でそのまま送ってもらい、お友達とはそこでお別れ。お世話になりました。
宿泊した旅館は、部屋から富士山も見えましたし、温泉も気持ち良かったですし、料理も美味しかったです。
そして翌日。
旅館を出発し、沼津駅からは電車で2駅、三島駅へと降り立ちます。
三嶋大社に参拝し、名物のうなぎを食べ、帰路に就くという予定でしたので、まずは三嶋大社へ。
三島駅からはバスで5分ほど。すぐでした。
三嶋大社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)です。二柱を総じて三嶋大明神(みしまだいみょうじん)と称しています。
大山祇命は山の神様で、農耕や恵みの神としても信仰されています。積羽八重事代主神は大国主神の第一の息子で、恵比須様とも称されます。
創建の年代は不明ですが、奈良時代の古書にも記録が残っていることから、それよりも前になります。ご祭神である三島大明神は、伊豆半島や周辺の火山とゆかりがあり、古来より信仰されてきました。
中世になると、源頼朝が源氏再興を祈願するなど、伊豆国の一宮として武家からの崇敬も集めます。
江戸時代には、三島が東海道の宿場町として栄えたこともあり、東海道を往来する庶民からも信仰されます。
戦前までは「三島大社」と称していましたが、戦後に現在の「三嶋大社」となります。
本殿・幣殿・拝殿が国の重要文化財に指定され、北条政子の奉納と伝えられる国宝の「梅蒔絵手箱」など、国の重要文化財や県の指定文化財も多数所蔵されています。境内のキンモクセイの古木は、国の天然記念物となっています。
三島という地名の元にもなっていて、年間を通し多くの参拝者が訪れる、東海地方でも大きな神社です。
境内案内
こちらが三嶋大社の入口です。境内が広いのが外からでもわかります。

一礼して大鳥居をくぐります。参道には左右に桜です。立派な松も。

右手にたたり石です。富士山の噴火により運ばれた石とされ、大社前旧東海道と下田街道の真ん中にあり、行き交う人の流れを整理する役目を果たしていたといわれています。「たたり」は糸のもつれを防ぐ具で、整理を意味する語とのこと。この石を取り除こうとする度に災いがあり、祟りにも置き換えられたとも。後ろには立派な蘇鉄も。

たたり石の少し先に、歌人である若山牧水の歌碑です。三嶋大社の夏祭りの花火を見て詠んだという、「のずゑなる 三島のまちのあげ花火 月夜のそらに 散りて消ゆなり」。この奥は駐車場になっています。

反対側、左手にはケヤキやモッコクなど、大きな木々があちこちに。この左手の先は遊歩道のようになっています。

そして参道を少し進んで右手、先ほど見えた立派な松は、黒松(雄松)と赤松(雄松)が一つの根から生え出た相生(あいおい)の松です。縁結びや夫婦円満の象徴とされています。また、この場所は、源頼朝が源氏再興を祈願した際に、側近である安達藤九郎が警護をしていたとされる場所。

桜並木の参道を進みます。この先は神池で、橋が架かっています。

神池の景色、こちらは左手。赤い社は境内社の厳島神社。

こちらは右手。池の向こうにも立派な木々が連なっています。

厳島神社には後ほど参拝させて頂きます。

その先、左右に狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。鳩が乗ってます。

こちらが右の狛犬さん。

厳島神社の向こうには、これまた立派な大楠が見えます。

前方には、昭和6年に竣功され、台湾檜が使用された総門。三島市の文化財にも指定されています。

総門から右に行くと、休憩所「大社のよりどころ」などがあるようですので、そちらも後ほど行ってみることに。

反対、総門の左はこんな感じで、この先には三嶋大社の催事で大祓を行う祓所神社があるようですので、そちらも後ほど行ってみることに。

先に大楠だけ見に、近くまで行ってみました。でかいです。

総門に戻ります。総門には大きな注連縄。こちらは重さが400kg、太さ2m、長さ6.4mとのこと。でかいです。

総門をくぐります。その先も同じく参道は桜並木。

右手は、数日後から開催される大陶器市の準備中でした。この向こうに宝物館があるようですので、そちらも後ほど行ってみます。

左手には社務所。

前方の門が神門です。

左には矢田部盛治(やたべもりはる)の像。矢田部盛治は三嶋大社の神主だった人物で、安政の大地震で倒壊した社殿の再建に尽力されました。この像の後ろ、少し先が客殿になっています。

反対側、右手には神馬舎です。右の脇にある石は、源頼朝が腰掛けたと伝わる腰掛け石。写真ギリギリではありますが、お隣には少し小さな、北条政子が腰掛けたと伝わる石も並んでいます。

その先、左に手水舎です。お清めをします。

神門へ。江戸時代末に竣功された門で、市の文化財に指定されています。精緻な彫刻も施されています。

神門をくぐると、こちらも市の文化財に指定されている、舞殿(ぶでん)です。

右に、国の天然記念物に指定されている、樹齢推定1200年の金木犀。

反対側、左手はこんな景色です。境内社の西五社と見目神社(みるめじんじゃ)が工事中のようでして、フェンスに覆われていました。見目神社は三嶋大神の妃神六柱をお祀りしています。

見目神社の方に行ってみますと、舞殿の旧大鬼が展示されていました。

舞殿に戻ります。舞殿にも精緻な彫刻。

舞殿の脇を進むと、その先が国の重要文化財になっている社殿です。本殿・幣殿・拝殿の総けやき素木造り。拝殿へと進み、参拝させて頂きます。

拝殿の彫刻も凄い。

こちらは社殿を左斜め前から。かっこいいです。

反対、こちらは左斜め前から。

よく見ると、奥の脇障子にも精緻な彫刻が施されていました。

拝殿の左手に、境内社の若宮神社です。物忌奈之命、誉田別命、神功皇后がお祀りされています。

こちらからは本殿もよく見えます。社殿の後ろは木々が茂る森です。

社殿に向かって右手に授与所。

御朱印は授与所ではなく、客殿の祈祷受付所の方で頂けるようですので、行ってみます。神門を出ずにも行けるのですが、矢田部盛治の像の後ろにある回廊を歩いてみたかったので、一度神門を出てそちら側から向かいます。

回廊の左手には、茶室不二亭が見えました。移築された明治天皇御使用の茶室です。こちらは入ることができません。手前には大きなクスノキも聳えていました。

回廊の先が祈祷受付所となっている客殿です。御朱印はこちらで頂けます。

御朱印を頂き、客殿の脇にある、境内社の水神社へ。祠の後ろにも大きな木が聳えています。

水神社では湧水のご神水のお水取りができます。

この辺りはお庭のようになっています。水が透き通っています。

今度は境内の右エリアへ。右手奥に境内社の伊豆魂(いずたま)神社がありますので、まずはそちらに。

伊豆魂神社の参道途中に芭蕉句碑です。「どむみりと 楝や雨の 花曇り」。参詣した芭蕉が、病床の妻の身を案じて詠んだ句とのこと。

その先が伊豆魂神社のコンクリート造りの拝殿です。伊豆魂神社は、伊豆出身の戦没者をお祀りしている神社です。

どうやら拝殿の後ろの本殿に直接参拝できるようでしたので、本殿へ。参拝させて頂きます。本殿の前では、猫ちゃんが昼寝をしていました。

参道を戻ります。伊豆魂神社の入口の近くには、慶応4年に完成したかつての総門。現在は芸能殿として、奉納芸能が行われています。

芸能殿の奥には神鹿園。

神鹿園にはけっこうな数の神鹿さんがいました。

芸能殿のお隣が宝物館です。三嶋大社の歴史や資料が展示されています。拝観料を払い、拝観させて頂きました。

宝物館の脇には、「思いのまま」と書かれた梅。こちらは一本に紅・白・絞り・淡紅の四色の花が咲くそうです。下の水も綺麗です。

中央の参道に戻り、先ほど通り過ぎた厳島神社に参拝。北条政子により勧請されたと伝えられています。

一通り境内を散策しましたので、土産物などを見に「大社のよりどころ」へ。大社のよりどころは「福太郎本舗」と繋がっていて、そちらでは福太郎と言うこしあんでくるんだ草餅と、お茶を頂けます。福太郎、美味しかったです。歩き回った体にあんこが沁みました。あんこがリーゼントみたいでしたけど。

最後に、総門から左手の先にあった境内社の祓所神社へ。

こちらが祓所神社です。浦島神社とも称されていて、かつては清水が湧き出していて島の中にあったそうです。祓所神社に参拝し、三嶋大社を後にしました。

参拝を終えて
三嶋大社は境内も広く、たくさんの見どころがある神社でした。
全体的に開けていて空が広い境内だったのですが、そんな中にあちこちに立派な木が聳えています。
参道や神池の周りには桜の木が連なっていましたので、きっと春は素敵な景色が楽しめることと思います。池の先にあった大楠も大きかったですし、水神社の後ろにあった大木(何の木なのかわからなかったですけれど…)にも惹かれるものがありました。相生松も見事でした。
社殿の後ろも森になっていて緑が綺麗でしたし、色んな木々が楽しめます。
建物もどれも目を惹くものでした。総門の注連縄も大きかったですし、神門、舞殿、拝殿と、どれも精巧な彫刻が施されています。旧総門である芸能殿も立派な建物でした。
そんな中でもやっぱり、本殿・幣殿・拝殿からなる社殿は、ひときわ美しかったです。美しくもあり、かっこよくもあり、風格がありました。
伊豆魂神社では、本殿の前で猫ちゃんが昼寝をしていまして、気付かずに近づいて起こしてしまいました。おもいっきり驚いた顔をしてまして、それがまた可愛かったです。猫ちゃんとしばらく見つめ合ってしまいました。起こしてごめんね。伊豆魂神社まで参拝に来る人は、滅多にいないのかもしれないですね。
神池の弁財天も素敵でしたし、水神社も綺麗な水が流れていて心地良かったです。
芸能殿の奥、神鹿園には、思ったよりもたくさんの神鹿さんがいてびっくりしました。勝手にもっと小規模なものを想像していたんです、鹿さんは数匹いるくらいの。そしたらけっこうな数がいて、園自体も広くて。一頭残らず皆座っていましたので、歩き回っている姿は見られませんでしたけれど。
宝物館では貴重なものをいくつも拝見できました。お土産に手ぬぐいも購入しました。
そして休憩所で食べた福太郎という草餅が美味しかったです。
広い境内を、時間を掛けて満喫させて頂きました。
いつか訪れたいと思っていた神社への参拝が、また一つ叶いました。
三嶋大社、参拝できてよかったです。
境内を後にした僕たちは、帰りは三島駅まで徒歩で戻りました。行きはバスに乗ったのですが、思ったよりも近かったので、帰りは歩いてしまおうと。
桜川という川沿いの気持ちいい道を歩き、駅まで。川の水が透き通っていて綺麗でした。三島は水が綺麗です。
駅までは10分ちょっとくらいだったと。
時間もちょうどお昼時でしたので、駅前のうなぎ屋さんへ。三島はうなぎが名物ですので、ぜひ食べたいと思っていたんです。帰りの新幹線まで時間が確保できたので、余裕を持ってうなぎを食すことに。
美味しかったです。昼間から日本酒も飲んでしまいました。
そして駅でお土産など少し見て、帰路に就くことに。
今回は一泊二日というプチ旅行ではありましたが、とっても濃ゆい楽しい旅ができました。
ガッツリな神社巡り旅もいいですけど、こういう小旅行もいいものですね。
御朱印
こちらが三嶋大社の御朱印です。

御朱印の受付時間
御朱印を頂ける時間は、8時半から16時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は静岡県三島市大宮町2-1-5です。
三嶋大社の公式サイトはこちらです。
https://www.mishimataisha.or.jp/
電車
①JR東海道線「三島駅」から徒歩15分。
②伊豆箱根鉄道「三島田町駅」から徒歩7分。
三島駅の南口からバスも出ています。バスで6~7分ほどです。
駐車場
参拝者用の有料駐車場があります。
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