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熊野本宮大社(田辺市)の御朱印と見どころ

熊野本宮大社の紹介

和歌山県の田辺市にある熊野本宮大社の参拝レポートです。

読み方は「くまのほんぐうたいしゃ」です。全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮「熊野三山」の一社です。熊野信仰の中心となる神社で、旧社地である大斎原には日本一大きな鳥居が聳えています。熊野古道の中辺路を歩くと、三山のうちで最初に辿り着く神社で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

熊野三山「熊野本宮大社」へ

伊勢、出雲、高千穂など、日本の聖地と呼ばれる場所はいくつかあります。

僕は嫁と二人で、近年そんな聖地に毎年出掛けています。けっこうガッツリな日程を組んで、聖地の神社をできる限り巡る、そんな旅行をしています。

そして今年選んだのは、熊野です。

神社巡り好きとしては、熊野は死ぬまでに一度は訪れたい、代表的な聖地の一つ。神社巡りをするようになってから、いつか行きたいとずっと思っていた場所です。

その「いつか」を叶えたのは今年の5月。初夏の気持ちいい季節です。5泊6日という日程を組み、出掛けることにしました。

熊野三山はもちろん、周辺には他にも気になる神社などありましたので、できる限り回ってやろうと。

事前に立ち寄りたい場所をピックアップし、けっこうな時間を掛けて日程を練りました。おそらくこの先の人生を考えたら、そう何度も行ける場所だとは思いませんので、後悔のないように。もしかしたら人生で一度きりの熊野詣になるかもしれないですからね。

神社巡りが主ではありますが、温泉やご当地グルメなんかのチェックも忘れずに。

宿や交通機関の予約など、全ての準備を整え、決行の日を迎えます。

熊野には新幹線と特急を利用しても行けるのですが、けっこうな時間を要するため、僕たちは羽田から飛行機で向かうことにしました。

早朝に自宅を出発し、電車とバスで羽田空港へ。

行き先は南紀白浜空港になります。飛行時間は1時間ちょっと。

無事に和歌山に降り立ちました。空港は小さめです。

そしてそこからはレンタカー。レンタカー店が限られているため、けっこう混雑していまして、予約の人たちが並んでいました。少々待たされることになりましたが、手続きを終え出発です。

初日のこの日は、まず熊野三山の一社である熊野本宮大社に参拝し、旧社地である大斎原の大鳥居周辺も散策し、宿泊予定の川湯温泉の宿へ、という、比較的ゆったりなスケジュールです。川湯温泉は、本宮大社からも近くです。

僕たちは大荷物を持っての移動を避けたかったので、数日前に熊野の宅急便の営業所宛てに荷物を送っていました。大きな空港ですと、空港宛てに送れるんですけどね。南紀白浜空港にはそのようなサービスがなかったので、空港から本宮大社までの道中に見つけた、ヤマトの営業所に送ってしまったんです。身軽に移動したい方には、ちょうどいい場所に営業所があるのなら、そんな方法もお勧めです。

ヤマトで荷物を受け取り、熊野本宮大社を目指します。

事前に道もある程度チェック済みではありましたが、わかりやすい道のりです。

途中、道の駅が二か所ありまして、どちらにも立ち寄りました。嫁が道の駅好きなんです。「道の駅 ふるさとセンター 大塔」と「道の駅 熊野古道中辺路」の二か所で、中辺路の方ではお昼ご飯も頂きました。山菜そばと、この辺りの名物である「めはり寿司」を頂きまして、美味しかったです。

中辺路の道の駅の目の前には、まさに熊野古道の「中辺路(なかへち)」がありまして、歩いている人の姿も。「熊野古道」を初めて実際に目にして、これだけでもうテンションが上がってしまいました。

僕たち夫婦も4日目には熊野古道の大門坂を歩き、熊野那智大社に向かう予定でしたので、そちらがより楽しみになりました。

「道の駅 熊野古道中辺路」からは、ノンストップで熊野本宮大社へと向かいます。

寄り道をしなければ、おそらく空港からは1時間ちょっとくらいだったと思います。僕たちは道の駅でランチをしたりお土産を見たりしたので、2時間ほど掛かりましたけれど。

熊野本宮大社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、熊野十二所権現(くまのじゅうにしょごんげん)と称される十二柱の神様です。熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の熊野三山の共通のご祭神となります。本宮大社の主祭神は、十二柱の中の家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)になります。家都美御子大神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の別名ともいわれ、本地仏は阿弥陀如来です。

創建の年代は不明ですが、神武天皇の東征以前には既に鎮座されていたともいわれ、紀元前33年の第10代天皇である崇神天皇の御代に、神勅により、熊野川の中州、現在の大斎原の地に社殿が創建されたと伝えられています。

古来より神聖視され、熊野坐神社(くまのにいますじんじゃ)と号し、熊野の神といえば本宮のことを表していたと考えられています。

奈良時代の頃より神仏習合が取り入れられ、平安時代以後には熊野権現と称されるようになります。本宮・速玉・那智のそれぞれに本地仏が結びつき、「熊野三所権現」が確率されていきます。十二殿に御祭神が鎮座することから、熊野十二社権現とも称されます。

平安時代の末期には、鳥羽上皇、後白河法皇、後鳥羽上皇などが、幾度となく足を運ばれています。

室町時代にかけ、武士や庶民の間にも熊野信仰が広まります。参詣者が列をなして歩く様子が「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど、多くの参詣者が訪れるように。

かつては、熊野川・音無川・岩田川が合流する中洲に、十二の社殿(上四社、中四社、下四社)が横一列に鎮座していましたが、明治22年の十津川大水害により中社と下社が流されてしまい、残された上四社のみ、明治24年に現在の地に遷座しています。中社と下社の八社は、石祠として旧社地である大斎原に現在もお祀りされています。

平成12年には、大斎原に高さ33.9m、横42mの日本一高い大鳥居(鉄筋コンクリート造)が建てられました。

平成16年にユネスコの世界遺産に登録された、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つでもあります。

古くから熊野信仰の中心地として、崇敬されてきた神社です。

 

境内案内

駐車場に車を停め、参道へと向かいます。こちらが熊野本宮大社の入口です。鳥居の奥は深い緑。手前には八咫烏が描かれた大きな幟。

 

左手の少し後方には、歌人である前登志夫(まえとしお)の歌碑で、「那智瀧の ひびきをもちて 本宮に ぬかづくわれや 生きむとぞする」と刻まれています。脇には立派な楠。

 

鳥居に向かって左手の先が駐車場です。ここでは珍重庵の「熊野もうで餅」が売られていました。白い建物はトイレ。

 

大鳥居へと進みます。鳥居は木の鳥居。右手前には、平安時代の歌謡集「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」の一節「熊野へまいるには、紀路と伊勢路のどれ近しどれ遠し。広大慈悲の道なれば、紀路も伊勢路も遠からず」。

 

左右には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。

熊野本宮大社の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。

 

一礼して大鳥居をくぐります。参道には白い幟が連なっていて綺麗です。

 

左手には、お土産ものやお茶処などのある瑞鳳殿(ずいほうでん)です。先ほど入口でもうで餅を販売していた珍重庵の店舗もあります。瑞鳳殿は平成23年の大水害で解体を余儀なくされたとのことですが、平成23年に再建された建物です。現在は災害用の避難所にもなっています。

 

反対側、右手は森。

 

前方には石段です。総段数は158段。

 

一歩一歩、石段を上がります。途中、左手には功霊社です。日露戦争と太平洋戦争の本宮町出身の英霊をお祀りしています。こちらには後ほど参拝させて頂くことに。

 

石段を上がります。

 

今度は左手に祓戸大神です。まずこちらの祓戸大神に参拝し、身を清めてから本殿へと向かいます。

 

石段が緩やかになった先、右手に手水舎です。

 

手水舎には八咫烏も。お清めをします。

 

参道に戻り、再び石段を上がります。

 

左手の少し入った先に、「祈りの道(熊野古道)」と書かれた看板がありましたので行ってみますと、そこには下へと続く熊野古道がありました。

 

参道に戻り、少し先の右手には宝物殿です。残念ながら土日しか開いていないようで、平日のこの日は閉館していました。

 

そこから先、参道は緩やかに右に折れています。

 

白い幟がなくなったかと思えば、よく見ると可愛らしい幟が立っていました。

 

最後の石段を上がりますと、前方に神門です。

 

右手が授与所。

 

左手には、拝殿にあたる黎明殿や、神饌所などがあるようですので、後ほど行ってみます。

 

授与所の先、右手に後鳥羽上皇歌碑です。「はるばるとさかしき峯を分け過ぎて音無川を今日見つるかな」。

 

神門へと進みます。神門は元は大斎原に境内があった頃の東門です。大注連縄と、その上に大絵馬。大絵馬の左右には八咫烏注連縄です。

 

右にご由緒書きと、近衛文麿の筆による旧社号標。

 

左は祓戸です。奥に見える建物が黎明殿。

 

一礼して神門をくぐると、開けた空間に出て、目の前に社殿です。正面が第三殿の証誠殿(しょうせいでん)、左が第一殿の西御前(にしごぜん)と第二殿の中御前(なかごぜん)、右が第四殿の東御前(ひがしごぜん)になります。

 

社殿前が広いので、全体がどんなか感じかというのが伝わりづらいかとも思うのですが…少し右手に寄って斜め前から見ますとこんな感じです。

 

反対、左の斜め手前から見ますとこんな景色です。どこから見ても美しい。

 

参拝順は、まず家津美御子大神をお祀りする証誠殿(第三殿)、続いて速玉大神をお祀りする中御前(第二殿)、夫須美大神を祀りする西御前(第一殿)、天照大神をお祀りする東御前(第四殿)となっていますので、その順に参拝させて頂きます。

 

そして東御前のさらに右手に、結ひの神をお祀りする満山社(まんざんしゃ)です。四つの社殿に続きこちらに参拝するのが正式な参拝順になります。

 

奥は森です。

 

満山社の近くに、後白河上皇歌碑です。新古今和歌集に収められた御製「咲きにほふ 花の景色を 見るからに 神のこころそ そらにしらるる」が刻まれています。筆は秩父宮勢津子妃によるもの。

 

神門の近くには、おがたまの木。

 

社殿に向かって左手の奥には、和泉式部祈願塔がありました。元は大斎原の旧社地にあったものになります。

 

神聖な社殿前の空間にて、しばし過ごします。

 

神門を出ます。

 

続いて、黎明殿へと向かいます。既に社殿に参拝させて頂いたので、拝殿である黎明殿には参拝の必要はないのかもしれませんが…。こちらは黎明殿の手水石。

 

こちらが黎明殿です。黎明殿には、左右に「大筆書き」と呼ばれる毎年末に宮司さんが書きあげたものが掛けられています。左は令和5年の「力」、右は令和6年の「運」です。

 

黎明殿の参道にも狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。後ろ、大筆書きの下には八咫烏も見えます。

 

こちらが右の狛犬さん。脇には「寿乃松」と書かれた立派な松も。

 

その先、左手には大黒石。触ると金運にご利益があるそうです。

 

反対、右には亀石です。こちらは健康長寿のご利益があるそうです。右の大筆書きの下にも八咫烏です。

 

黎明殿に向かって背中側が社務所です。こちらには令和7年の大筆書き、「思」が掛かられていました。

 

社務所の近く、黎明殿に向かって左に、八咫烏ポストです。脇の木が「たらようの木」で、かつてはその葉が紙の代わりに使われていたことから、葉書の語源になった植物だそうです。後ろの建物は神饌所かと思われます。

八咫烏ポスト

 

こちらが、たらよう(多羅葉)の木。

 

授与所まで戻り、御朱印を頂き、石段を下ります。石段途中の功霊社にも参拝させて頂きました。

 

瑞鳳殿にて、お土産物などを物色。

 

瑞鳳殿の近くに、先ほどの石段途中の熊野古道へと繋がる、道の入口がありました。

 

参拝を終えて

熊野信仰の中心地ともいえる、熊野本宮大社。

その場所に自分が実際にいるということが、感慨深くもあり、不思議でもあります。熊野に限らず、ずっと憧れていた地に実際に行きますと、いつも同じような気持ちになります。

鳥居の前に立ち、大きな八咫烏の幟を見て、ついに来ることが叶ったんだな~と。

鳥居の先には、白い幟が連なる素敵な参道。158段の石段も、一段一段歩けることが嬉しくて、全く苦には感じません。

手水舎や神門にも八咫烏がいて、熊野では八咫烏が特別な存在であることを改めて実感もしました。八咫烏の注連縄というのは、こちらで初めて見ました。

そして当たり前かもしれませんけれど、本宮大社にて一番気持ちが引き締まる場所は、社殿前の空間です。第一殿から第四殿までが横に並び、後ろには木々の緑。美しくないわけがない。

この社殿前の美しい空間に自分が立つことができただけで、来た甲斐があったと、来てよかったと、そう思わずにはいられませんでした。

本宮大社は参拝順が決められていますので、その順番に従い、全てにしっかりと参拝させて頂きました。

一応もう一度書き出しておきますと、参拝順は…

①証誠殿(第三殿)
②中御前(第二殿)
③西御前(第一殿)
④東御前(第四殿)
⑤満山社

となっています。お間違えのないように。

黎明殿にも重ねて参拝させて頂きました。

社務所の近くには八咫烏のポストがあったのですが、それが脇の「たらようの木」に由来しているというのも知らなかったので、そんなちょっとした勉強ができるのもまた嬉しいです。

授与所では、御朱印と御朱印帳も頂きました。御朱印帳は、神門からの社殿と八咫烏が描かれたもの。

熊野本宮大社の御朱印帳

今回の熊野旅行は、この御朱印帳と共に巡ろうと思います。

御朱印もいくつか種類がありまして、そこそこ迷ってしまいました。

迷った末にスタンダードなものを頂くことに。このすぐ後に訪れる予定の、産田社と大斎原のものも先に頂きました。

世界遺産でもありますし、熊野信仰の中心地ですので、参拝者の方も多かったです。途絶えることがありませんでした。

外国人の方も相当多かったですね。日本人よりも外国人の方が多かったかもしれません。

少し残念だったのは、やはり中国人がうるさかったことです。外国の方でもちゃんと敬意を払って参拝してくださっている方が多いとは思うのですが、一部の中国人がうるさくて…もう少し静かに参拝してもらえたらと、そう思わずにはいられず。

そんな少々残念なことはありつつも、今回の熊野旅行を、素晴らしい場所から始めることができましたので、いい旅にならないわけがない。

こちらを皮切りに、熊野の神秘的なスポットをいくつも回る予定ですので、ますます全部が楽しみになってきました。

まずは熊野本宮大社、参拝できてよかったです。

続いては、近くに鎮座する末社である産田社と、旧社地である大斎原へと向かいます。

 

御朱印

こちらが熊野本宮大社の御朱印です。

熊野本宮大社の御朱印

上記に加え、大斎原、産田社、真名井社と、その他限定御朱印やコラボ御朱印も頂くことができます。

 

御朱印の受付時間

御朱印を頂ける時間は、8時から17時までです。参拝可能時間も同様です。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は和歌山県田辺市本宮町本宮1100です。

熊野本宮大社の公式サイトはこちらです。
https://www.hongutaisha.jp/

 

駐車場

車ですと、南紀白浜空港から1時間ちょっとです。

境内周辺に数か所、無料の参拝者用駐車所場があります。近いところですと、瑞鳳殿の脇に20台、そのお隣にある土産物店「樹の里」に50台駐車できます。お体の不自由な方は本殿近くに駐車も可能です。混雑時には、河川敷の駐車場に500台ほどが駐車可能です。

 

バス

南紀白浜空港より直通バスが出ています。140分です。

鉄道利用の場合はJR「紀伊田辺駅」より120分です。

バスの路線図や時刻表は、以下の明光バスの公式サイトを参照してください。
https://meikobus.jp/kumanokodo/

 

トイレ

参道の入口と、授与所の脇にあります。道路を挟んで鳥居の反対側にある熊野本宮館にもあります。

 

周辺のパワースポット

 

田辺市の神社一覧