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黒口神社(高千穂町)の御朱印と見どころ

黒口神社の紹介

高千穂町の上野にある黒口神社の参拝レポートです。

読み方は「くろくちじんじゃ」です。高天原から地上に水を運んだといわれる天村雲命(あめのむらくものみこと)が祀られていて、水の神様としても信仰されている神社です。本殿の昇り龍と降り龍や、脇障子の天村雲命の彫刻でも知られ、参道には大木が連なっています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

高千穂の「黒口神社」へ

4月の高千穂に、嫁とともに4泊5日の日程で出掛けてきました。

黒口神社は、その初日、7か所目に訪れた神社になります。

熊本空港からレンタカーにて高千穂に入り、そこから予定していた神社を一社ずつ回りまして、ここまでは順調にきています。

一つ前に訪れた柚木野神社が、事前に下調べをした際には、少々場所がわかりづらいかと思っていたのですが、実際に行ってみますとそんなこともなく、無事に参拝できました。

しかし次の黒口神社が、やはり少々場所的にわかりづらい神社ではあるんです。

地図上では表示されているので、神社の場所自体がわかりづらいわけじゃないんですけど、ストリートビューがないため、入口がどこかが確認できないんですよね。つまり、どの道に入って行くのが正解なのかが、事前にはわからなかったんです。ググってみても、神社の情報自体も少ないですし。

なので、もう行ってみるしかありません。

地図を頼りに、柚木野神社からさらに山奥へと入って行きます。幸いにも道幅はそんなに狭くなく、すれ違いができる道でしたので、そこは気楽です。

途中、真っ黒なでかい牛が繋がれているのに出くわし、いきなりの出会いにびっくりしました。道路のすぐ脇に繋がれていたので、けっこう近い距離でのご対面でしたので。

そこから少し進んだ先、おそらく神社の入口かと思われる辺りに差し掛かりますと、右に上へと上がる細~い坂がありまして、おそらくその先が神社だろうとあたりをつけ、侵入してみます。

その結果、坂の途中、右手に神社へと続くであろう石段が見えたので、正解ではありました。

しかしです。そのまま坂を上がれば車が停められるかと思い突き進んだところ、その先はひと様のおうちでした…。ですのでバックで坂を引き返します。

神社の場所はわかったものの、さて、車をどうしたものかと。

もう少し引き返したあたりに、じゃっかん道幅のある場所があった気がしたので、そこまで戻ろうかとバックで下がって行ったところ、坂の下にあったお家の庭先にいた数人のおばちゃんたちが、車の動きを不審げに見守っていることに気付きます。

どうやら庭先でご近所さんたちが立ち話をしていたようでして、そこに見慣れない車が行ったり来たりしていたわけですね。

咄嗟におばちゃん達に「黒口神社に行きたいのですが、駐車場ってありますか?」と聞いちゃいました。

そうしましたところ、皆さんとっても親切に対応してくださり、なんと「うちに停めていいよ」と。そちらのお宅の駐車場が今空いているので、停めちゃっていいよ、と。

ありがたいです。

しかも駐車する際、誘導までしてくださいました。

皆さんとっても気さくに話してくださり、嬉しくなりました。

そんなご厚意に甘え、車を停めさせて頂き、参拝へと向かいます。

 

ご由緒

ご祭神は、天村雲命(あめのむらくものみこと)天三降命(あめのみくだりのみこと)大山咋命(おおやまいくのみこと)大山祇命(おおやまづみのみこと)須佐之男命(すさのおのみこと)建甕槌命(たけみかづちのみこと)経津主命(ふつぬしのみこと)菅原道真公(すがわらのみちざねこう)の8柱です。

創建の年代は不明ですが、古くは平安時代前期にあたる天暦の時代に、社殿が再建されたとの記録があることから、創建もそれ以前になります。その後江戸時代にも三度再建されています。

高千穂神社を造営した宮大工が、その後こちらの社殿を造営したともいわれています。

元は天村雲命と天三降命の二神を祀り、大空天神社と称されていました。明治4年に近隣の小社を合祀し、現在の黒口神社へと改称されています。

ご祭神である天村雲命は、高天原から地上に水を運んだ神様であることから、水の神様としても信仰されています。

本殿の昇り龍と降り龍、脇障子の天村雲命の彫刻などでも知られています。かつてこの柱より夜な夜な龍が抜け出し、付近の作物を荒らすなど悪さをしたため、彫刻の色彩や目を抜いたとも伝えられています。また、この龍の作者の弟子が、同じく高千穂にある中畑神社の昇り龍と降り龍を彫ったともいわれています。

 

境内案内

こちらの坂が、先ほど車で引き返した坂です。この途中に黒口神社の入口があるのですが、その先は民家になっていますので、駐車はできません。

 

坂の途中の右手、こちらが黒口神社への入口です。石段の先、左手には大きなイチョウも。

 

石段を上がりイチョウを眺めます。

 

そこから先、石段はさらに上へと続きます。

 

石段の途中から、いっきに視界が開けます。

 

天空に上って行くような感覚にもなりますね。石段の脇にはところどころ大きな切り株がありましたので、以前はこんなに開けていなかったのかもしれません。

 

ようやく鳥居が近くなってきました。

 

鳥居は控柱のある両部鳥居です。

 

一礼して鳥居をくぐります。扁額が少し変わった形です。

 

前方には連なる杉の木と、その先に社殿が見えます。

 

参道の右手は開けていますが、左手は竹林です。

 

参道を進んで行きますと、左右の杉の大きさを、より認識します。

 

大木の聳える参道は、それだけで神秘的な景色です。

 

杉の参道を抜けると、さらに色んな種類の大きな木々が目に入ってきます。右手の建物は社務所かと。

 

拝殿へと歩を進めます。

 

右手はこんな感じで少し開けています。

 

その向こうは新緑の綺麗な山。

 

社殿はそんなに大きな建物ではありません。

 

拝殿の中には、扁額の位置に大きな切り株と、左右にはお写真です。参拝させて頂きます。

 

こちらは社殿を右斜め前から。後ろの本殿は、覆殿の中ですね。

 

本殿へと近づいてみます。少々暗いのでそこまではっきりは見えませんが、精巧な彫刻が施されているのが見えます。

 

まずこちらが、向拝の柱に巻き付いている、昇り龍と降り龍です。

 

すみません、少し見えづらいですけど、上にも花や動物の彫刻です。

 

脇障子に彫られているのは、こちらのご祭神である、牛を連れた天村雲命です。

黒口神社の脇障子の彫刻

 

反対側、今度は社殿を左斜め前から。

 

昇り龍と降り龍を左側からも。

黒口神社の昇り龍と降り龍

 

木鼻には獅子と獏ですね。虹梁には馬でしょうか。

 

こちらが左の脇障子です。すみません、少し暗くてわかりづらいですよね。こちらにも神様らしき彫刻です。もしかしたら天三降命でしょうか。

 

境内の左手奥には建物が一つ。後方は杉林になっています。

 

左手には石碑が二つ。

 

参拝を終え、参道を戻ります。ここからの景色は、天空感があります。

 

気持ちのいい景色を楽しみつつ、黒口神社を後にしました。

 

参拝を終えて

黒口神社は、かつて大空天神社と称されていたとのことですが、まさに空の上にあるような、とっても気持ちのいい神社でした。

まず、石段の下から見上げる景色からして素敵なのですが、上って行くにつれ視界が開け、どんどん景色が変わっていくんです。石段の途中からは、まるで天上に向かっているかのような、そんな感覚にもなりました。

そして石段を上がり切りますと、巨木の聳える参道が姿を現しまして、これがまた凄い。

変わった扁額のかっこいい鳥居をくぐり、参道を進んで行きますと、杉の巨木の大きさに圧倒されます。

石段も含め参道の右手には、いくつか大きな切り株がありましたので、以前はもっと木が茂る参道だったことが窺えまして、その当時の景色も見てみたくなります。

今は右手が開けていて、それがこの場所の高さを実感させてくれるので、また気持ちいいんですけどね。

杉の巨木を抜けた先は、開けてはいるのですが、色々な種類の大きな木々が聳えていまして、だんだんどこを見たらいいのかわからなくなるくらいです。

そんな境内の巨木たちは、もちろん黒口神社の大きな見どころではありますが、もう一つ、社殿の彫刻も素晴らしかった。

覆殿があったのと、生憎の曇り空で少し薄暗く、じゃっかん見えづらくはあったのですが、それでもバッチリ拝見させて頂きました。

昇り龍と降り龍(どっちがどっちというのは、どうやら特にないようです)には、言い伝えの通り目がありませんでした。

右の脇障子には、ご祭神である天村雲命が牛を連れた彫刻があります。天村雲命は牛に乗って天からお降りになったとのことで、牛を連れているみたいです。

反対側の脇障子に彫られているのも、おそらく神様かとは思うのですが、わからずです。元のご祭神が天村雲命と天三降命の二神とのことですので、天三降命かもしれません。

わからないといえば、拝殿の中に飾られた写真も、どなたの者かわからなかったです。

また、拝殿には大きな切り株が扁額のような形で掛けられていて、何かしら書かれていたのですが、その文字もわからず…。

そんな感じでわからないことも幾つかありはしましたが、珍しいものをあれこれ目にできましたので、それだけでもじゅうぶんでございます。

そしてこちらの黒口神社、帰り道がまた素晴らしい景色なんです。

境内を背にして石段の上から見る景色が、とっても素敵でして、まさに天空の神社でした。

参拝を終え、車を停めさせてくださったおばちゃん達にもお礼のご挨拶をします。

おばちゃんたちによりますと、どうやら黒口神社へは、少し戻った脇道から境内まで車で行くこともできるみたいです。

お世話になりました。

旅先でこんなふうに親切にして頂くと、それだけでいい旅行になるんですよね。

黒口神社、参拝できてよかったです。

続いては、再び国道へと戻り、菊宮神社へと向かいます。

 

御朱印

黒口神社の御朱印はありません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は宮崎県西臼杵郡高千穂町上野2215です。

黒口神社の公式サイトはありません。

 

駐車場

僕はたまたま下のお家に停めさせて頂くことができましたが、駐車場はありません。

おばちゃんたちの話によりますと、境内まで車で行けるようですので、未確認ではありますが、おそらく以下の道で行けるのではないかと。左の地図ですと道はないんですけど、右の航空写真ですと、道が見えます。

黒口神社の駐車場

 

もしくは神社入口の少し手前に、じゃっかん道幅の広いところがありましたので、交通の妨げにならぬよう路駐し、徒歩で向かう形になります。

 

トイレ

ありません。

 

周辺のパワースポット

 

高千穂の神社巡り

高千穂の神社マップや神社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。

 

高千穂町の神社一覧

著者が参拝した高千穂町の神社の一覧です。