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久富稲荷神社(世田谷区/桜新町)の御朱印と見どころ

久富稲荷神社の紹介

世田谷区新町にある久富稲荷神社の参拝レポートです。

読み方は「ひさとみいなりじんじゃ」です。新町稲荷神社とも呼ばれています。ふくろうのお社があることでも知られています。漫画『ぎんぎつね』に登場する冴木神社のモデルになった神社です。最寄駅は田園都市線の桜新町駅です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

桜新町の「久富稲荷神社」へ

この日は神社を巡るため、嫁と二人で桜新町にやって来ました。

嫁が桜神宮という桜新町にある神社の御朱印を所望しまして、それに従いノコノコと出掛けてきた次第です。

桜神宮のほかにも、周辺にはいくつか神社があるようでしたので、桜新町の散策を兼ねてのお出掛けです。

僕はこれまで桜新町には一度も訪れたことがなかったのですが、どうやらそこは、サザエさんの作者である長谷川町子さんが住んでいたことから、「サザエさんの街」としても知られているみたいです。

桜新町という名前は、かつては世田ヶ谷新町村に由来する「新町」という地域に、明治から大正にかけてソメイヨシノの並木が造られたことから、昭和になり付けられた町名だそうです。

「桜」とついているからには、やっぱり桜が関係している町なんですね。

しかしながら、僕たちが桜新町にやって来たのは11月です。桜とは一切関係のない季節です。

だいぶ寒くなってきた時期ではありますが、この日は気持ち良い晴れでして、気温も高めで過ごしやすい一日です。

この日に回ってみる予定だった神社は以下の5ヶ所。

  1. 桜神宮
  2. 久富稲荷神社
  3. 弦巻神社
  4. 伊富稲荷神社
  5. 用賀神社

用賀神社だけは一つお隣の用賀駅が最寄ですが、あとの4つは桜新町駅の周辺ですので、じゅうぶんに歩けそうな距離です。

この5つをのんびりと徒歩にて巡りつつ、途中でサザエさん通りという商店街を歩いてみたり、そんな感じで散策してみようと。

電車を乗り継ぎ桜新町駅に降り立ち、まずは桜神宮に参拝します。

桜神宮は、駅を出て目の前の大通り沿いにありまして、すぐ近くでした。お目当てだった御朱印もしっかり頂き、続いて目指したのが、こちらの事で紹介する久富稲荷神社です。

久富稲荷神社については、僕はほぼ予備知識がないまま向かってしまったのですが、嫁が「ふくろうがいる神社」だとの情報を仕入れていましたので、可愛いフクロウが社務所の前などで飼われている様を勝手に想像してしまいました。実際は想像とは全然違ったんですけどね。

また、『ぎんぎつね』という漫画に登場する冴木稲荷神社のモデルとなっている神社でもあるそうです。僕は『ぎんぎつね』を読んだことがありませんので、当然ながら冴木稲荷神社もわからないんですけどね…。

久富稲荷神社は、地図で見ますと桜神宮よりだいぶ南にあるようです。しかし、どうやらその入口である一之鳥居が、桜神宮と同じ通り沿いにあるようでして、わかりやすそうです。

桜神宮を後にした僕たちは、そのまま大通りを東へと進みます。

歩き出して2~3分でしょうか。右手に赤い鳥居が見えてきました。

無事、久富稲荷神社の入口に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、五穀豊穣の神様で、食物や穀物の神様である宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)、天照大神に侍女として仕えていた、宮殿の平安を守る女神である大宮女命(おおみやめのみこと)、天孫降臨の際に道案内をした神様で、道ひらきの神や旅の神でもある猿田彦命(さるたひこのみこと)、以上三柱になります。

創建の具体的な年代は不明ですが、江戸時代前期と考えられています。この地の五穀豊穣を祈念して、京都の伏見稲荷大社より勧請され、創建されたと考えられています。以来、この辺りの鎮守として鎮座しています。

昭和の初期頃には、社殿奥の木に梟(ふくろう)が住みつき、参拝の際にその姿を見かけたり、鳴き声を聞くことができると、願いが叶うと言われていたそうです。そんな逸話にちなみ、現在も境内にはふくろうのお社があります。

参道は長さが250メートルもあり、名物にもなっています。

現在の社殿は昭和41年に改築されたものとなります。

漫画『ぎんぎつね』に登場する冴木神社のモデルになった神社で、漫画の発行元である集英社から御朱印が奉納されています。

五穀豊穣、商売繁盛、芸道上達、厄除、交通安全にご利益があるとされ、厚く信仰されている神社です。

新町稲荷神社とも称されています。

 

境内案内

こちらが250メートルあるという、久富稲荷神社の長い参道の入口です。

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まずは一之鳥居があり、奥には赤い鳥居も見えます。

久富稲荷神社の参道

 

一礼して最初の石鳥居をくぐります。

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参道は細いです。そして、ほぼ真っ直ぐです。

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二之鳥居から先は赤い鳥居です。

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三之鳥居から先、参道は少し左に折れます。

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四之鳥居、五之鳥居と続き、その先には石鳥居が見えます。鳥居の数を数え間違えていたらすみません…。

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石鳥居の手前、右手には大きな銀杏や松の姿も。

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石鳥居の前の松は、ひときわ存在感が大きいです。

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どうやらこの六之鳥居の先が境内のようです。

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一礼して石鳥居をくぐります。長い参道を終え、ようやく境内に入ります。

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右前方には社殿です。

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参道を進みます。左手にある白い木も目を惹きます。

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この白い木が何の木なのかわからなかったのが残念です。もっと勉強して物知りになりたい。

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白い木の先に手水舎です。

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お清めをします。手水鉢には龍もいました。龍の隣りに小さな蛙も。緑も綺麗な手水鉢です。

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手水鉢の先が、ふくろうの社です。

久富稲荷神社のふくろうの社

 

脇には、ふくろうの社が造られた由来が書かれています。かつては本物のフクロウが境内に住んでいたんですね。

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中央には白い大きめなフクロウさん。下には丸っこい可愛らしいフクロウも並んでいます。

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上にも様々な容姿をしたフクロウさんがいます。こちらは上の左側。奥のフクロウが独特です。

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こちらは上の右側です。小さなものから大きなものまで、個性豊かです。

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奥には梟についての伝われが書かれていました。梟は縁起がいいと言われる理由です。ふくろうの社には、社殿に参拝後、改めて参拝させて頂きました。

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参道は右に折れると社殿、まっすぐの突き当たりには石碑です。

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拝殿へと向かいます。拝殿前には七つ目となる鳥居です。

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石鳥居をくぐり進みます。社殿は派手なものではなく、閑静で落ち着いた印象の建物です。

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拝殿前にはお狐さん。こちらが左のお狐さんです。

久富稲荷神社の左の狐

 

こちらが右のお狐さんです。どちらもけっこう独特な容姿をしています。

久富稲荷神社の右の狐

 

右手は広くなっていて、神楽殿と社務所が見えます。社務所の前にはおじさん達がたむろしていました。

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拝殿へと進み出ると、彫刻が目を惹きます。手前には鳳凰、奥には龍、左右には獅子です。

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参拝します。扁額の両脇にも龍の彫刻が施されていました。

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お賽銭箱の横には「ふくろうみくじ」がありまして、嫁が引きました。結果は小吉。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。石鳥居の脇にあった赤松も立派でした。

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参拝を終え少し散策してみます。社殿に向かい左手にももう一つ鳥居があり、久富稲荷にはそちらからでも出入りできるようです。

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そちらの鳥居脇にも、可愛らしい一対のお狐さんです。だいぶ古いもののようでして、右の子供がいるお狐さんは、お顔が欠けてしまっていました。

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左の鳥居から一度境外へ出て、外から見ますとこんな感じです。

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こちらは社殿を左斜め前から。

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再び拝殿前を通り、御朱印を頂くため右手の社務所へ。

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社務所の前から拝殿を見ますと、ちょうど真横です。

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同じく社務所の前から、さらに左前方を見た景色です。境内には背の高い木が多いです。

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社務所にて御朱印を頂き、久富稲荷神社を後にしました。

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参拝を終えて

久富稲荷神社は、約250メートルの長い参道が名物と謳われいるとのことですが、まさにその長い参道がとても印象的な神社でした。

一之鳥居から六つの鳥居をくぐり、境内に辿り着くまで、思った以上に長かったです。
そして、長いだけではなく細いんです。

きっと昔からこの場所に延びている参道だと思うのですが、それが今でも同じ長さで残っているということが、凄いな~と思ってしまいました。「参道」という形が、土地の整備や開発でなくなってしまってもおかしくないのに、長いまま残されているわけですからね。

そんな長く細い参道を抜けますと、急に開けた空間に出ます。特に参道から見ると社殿の手前、右手が広くなっていますので、開放感があります。

そして社殿に向かう前に目に留まったものが、手水舎の先にある梟の社です。

僕はてっきり本物のフクロウが境内で飼われているのでは?と勝手に思っていましたので、全く違う形だったことにまず驚きます。

かつては本物のフクロウが社殿の奥に住みついていたとのことですが、現在はいません。その代わりに社があります。

ふくろうの社には、中央に少し大きめな梟の石像があり、それを囲むようにたくさんの梟たちがいました。大きなものから小さなものまで。

中でも上の段にいたトゲトゲな感じのフクロウが、なんだかジブリアニメに出てきそうなイメージの梟でして、思わずじっと見つめてしまいました。

梟は、縁起がいいと言われる理由のたくさんある鳥です。僕が神社の境内にて梟を見たのは、こちらが二ヶ所目かと思います。もう一ヶ所は、池袋の御嶽神社ですね。

どちらの神社もそれぞれ由来は全く違いますが、境内に梟がいるだけで、縁起がいい感じがしてしまいますね。

梟の社の先、拝殿前には特徴的なお顔をしたお狐さんがいました。

表情がけっこう独特なんです。無表情というか、なんとも言えない表情で…。最初は怖い顔なのか?と思いつつ見つめていますと、だんだん可愛く見えてくるんです。不思議なことに。

なんとも愛おしいお顔のお狐さんでした。

お狐さんは拝殿前の他に、南側の鳥居の前にも小さな一対がいらっしゃいました。だいぶ古いもののようでして、お顔が欠けていたりもしますが、子供もいてそちらも可愛らしい容姿のものでした。

拝殿には鳳凰と龍と獅子の立派な彫刻も施され、扁額の両脇にも龍がいました。

境内は広々としていまして、その分大きな木が目を惹きます。参道には大きなイチョウや松もありましたし、境内の赤松も素敵でした。手水舎の脇にも白っぽい魅力的な木があったのですが、何の木なのかわからず…。木にもう少し詳しくなりたいな~と思ってしまった瞬間です。

社務所前にはおじさん達が数人たむろしていまして、どうやら憩いの場にもなっているみたいです。

のんびりとした時間が流れていました。

頂いた御朱印と挟み紙には、可愛らしい狐の印が捺されていまして、どうやらそれが、漫画『ぎんぎつね』の作者である、落合さよりさんの書き下ろした印のようです。集英社より奉納されたものだとか。

こちらが御朱印を頂いた際の挟み紙です。

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僕は『ぎんぎつね』を読んだことがありませんので、どんな漫画なのか気になってきました。

ちなみにですが、久富稲荷がモデルになっているという、『ぎんぎつね』の中に出てくる冴木稲荷神社は、こんな感じみたいです。

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(画像出典:textream-cimg.west.edge.storage-yahoo.jp)

手水舎や絵馬など位置は違いますが、拝殿やお狐さんの雰囲気は確かに近い感じがしますね。

『ぎんぎつね』に関しては僕は読んだことがない漫画ですが、自分が行ったことのある神社が、映画やドラマや漫画に登場するというのは、なんだかそれだけで嬉しいものがありますね。

久富稲荷神社、参拝できてよかったです。

続いては、少し北の方にある「弦巻神社」を目指します。

 

御朱印

こちらが久富稲荷神社の御朱印です。

久富稲荷神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。ただし、お昼の12時から13時までは受付外となります。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都世田谷区新町2-17-1です。

久富稲荷神社の公式サイトはこちらです。
http://www1.speednet.ne.jp/~hisatomiinari/

 

電車

東急田園都市線 「桜新町駅」から徒歩10分。

北口から出て大通りをそのまま真っ直ぐ進むと、右側に赤い鳥居が見えてきます。鳥居をくぐり長い参道を進むと境内に出ます。

 

駐車場

2~3台でしたら境内に駐車可能です。社殿の裏手から回って境内に入れます。また、桜新町の駅周辺にもいくつかコインパーキングがあります。

 

周辺のパワースポット

 

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