江東区の猿江にある日ノ先神社の参拝レポートです。
読み方は「ひのさきじんじゃ」です。日先神社とも表記され、摩利支天尊日先神社(まりしてんそんひのさきじんじゃ)とも称されています。稲荷神と摩利支天尊が合祀されている神仏習合の神社で、江戸時代には猿江摩利支天と称されていました。最寄り駅は住吉駅で、徒歩3分ほどです。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
住吉の「摩利支天尊日先神社」へ
日ノ先神社には、7月上旬の暑い時期に嫁と二人で訪れました。
この日は東京スカイツリーに行くという大事な予定がありました。僕も嫁も、これまでスカイツリーはそこそこ近い距離で見たことは何度もあるのですが、まだ一度も本体に行ったことはなかったんです。
東京タワーには何度か上ってるんですけどね。スカイツリーの方はまだ未経験で。
興味がないわけではないのですが、なかなかこれと言ったきっかけがないと行かないんですよね。
しかしこの度、そんなきっかけが訪れたわけです。
親戚の結婚式のお返しに、カタログギフトを頂きまして、その中にスカイツリーのレストランでお食事というのがあったんです。カタログの選択肢は他にもたくさんあったのですが、嫁と協議して決めた結果、スカイツリーを選びました。
その期限が7月いっぱいでしたので、食事の予約を取り行ってみることに。
そしていつものごとく、せっかくなら周辺の神社巡りも兼ねて出掛けてみようと。
スカイツリーは押上にあります。ですので押上の神社を巡るのが妥当ではあったのですが、その前に立ち寄りたい場所があると、嫁からの提案。
僕たちが現在使っている御朱印帳の余白が残り僅かでして、そろそろ新しいものを用意しなければいけません。
そこで浮上したのが「猿江神社」という、江東区の神社です。そちらの御朱印帳が、お猿さんが描かれた可愛いやつでして、嫁は以前から目を付けていたようなんです。
猿江神社の最寄り駅は住吉駅。スカイツリーのある押上とはたったの2駅です。
なので、押上に行く前に住吉で一度降り、猿江神社に立ち寄って御朱印帳を手に入れようと。
そんな嫁の提案に賛同し、住吉からの押上というルートで神社巡りをすることに決まりました。
そして事前に回る神社や順番などを地図と照らし合わせて練ったりなどしていたところ、住吉駅と猿江神社の間に、「日ノ先神社」というのがあるのを見つけてしまいます。
通り道ですし、寄らない理由はありません。
住吉駅からはまず日ノ先神社に参拝し、その後に猿江神社に向かうことにしました。
そして当日、朝イチで家を出発し、10時前に住吉駅に到着します。
地図を確認しつつ歩き始めたところ、3~4分ほどでしょうか。
赤い鳥居を発見し、日ノ先神社に到着しました。
ご由緒
ご祭神は、稲荷神や倉稲魂命とおそらく同一である永喜稲荷大明神(えいきいなりだいむみょうじん)と、仏教の守護神で、陽炎(かげろう)を神格化した神様とされる、摩利支天尊(まりしてんそん)です。
創建は江戸時代中期の正徳の時代と考えられています。猿田彦命を祀って勧請したのが始まりとされていますが、具体的な経緯などは不明です。
江戸時代には猿江摩利支天といわれ、江戸屈指の規模をもつ摩利支天だったとのことで、江戸名所図会にも描かれています。
仏教の守護神で天界に住む神様の一柱である摩利支天尊が、日本古来の稲荷神と合祀されている、神仏習合の名残をとどめる神社です。
境内案内
こちらが日ノ先神社の正面入口になります。赤い鳥居の奥には社殿が見えます。
一礼して鳥居をくぐります。扁額には右に日ノ先神社、中央に摩利支天尊と書かれています。
境内に入ると数段の石段があり、そのすぐ先が社殿です。
左脇には燈籠と、その後ろには社名が書かれた札が立てられていました。
右にも燈籠です。
石段を上がったところにお狐さんです。こちらが左のお狐さん。
こちらが右のお狐さんです。金網に囲われていてわかりづらいかもしれませんが、どちらも小ぶりで可愛いお狐さんでした。
その先、左手には社殿改修工事の記念碑です。
社殿へと進みます。
右手には、社殿とお狐さんに挟まれたi位置に手水舎。
お水がありませんでしたので、手をはたいてお清めをします。
社殿の正面に立ちます。赤と白を基調とした小さな社殿で、両脇に下げられた摩利支天尊と書かれた提灯が目に留まります。
屋根に刻まれているのは何の紋でしょうか。中央に書かれているのは「主」という漢字にも見えます。
蒸し暑い曇り空の下、無になり参拝します。
中には二柱のご祭神の名前が刻まれていました。
梁の両端には金色の立派な狛犬さんの彫刻です。
広くはない境内でしたが、しばし滞在させて頂き、日ノ先神社を後にしました。
参拝を終えて
僕は摩利支天をお祀りした神社を訪れるのは、こちらがおそらく初めてではないかと思います。
そもそも「摩利支天」というのは言葉としては聞いたことはあれども、どんな神様なのか僕は全くわかっていませんでした。漠然と仏教の神様というのはなんとなく把握はしていましたが、名前がなんだかカッコいいな~くらいしか思っていませんでしたので。
摩利支天は仏教の守護神で、元はインドの神様で、語源は太陽や月の光線を意味するものらしいです。陽炎(かげろう)を神格化した神様だということも初めて知りました。
見た目は以下のような神様です。画像はWikipediaのものを転載させて頂きます。
(画像出典:ja.wikipedia.org)
日本では護身や蓄財などの神様として信仰されているようです。戦国武将の毛利元就は、摩利支天を旗印にもしていたそうです。
また、山岳信仰と結びついているものもあるとか。
明治の神仏分離後も、こうして摩利支天が神社にお祀りされているというのは、珍しい形なのではないかと思われます。社殿の中の扁額には、永喜稲荷大明神と摩利支天尊のそれぞれの名前がしっかりと書かれていました。
日ノ先神社は境内も広くはないく、小さな神社ではありましたが、摩利支天尊という普段神社ではあまりお会いすることのない神様に出会うことができました。
小さな神社と言っても、入口には立派な鳥居が立っていますし、手水舎も社殿もしっかりしたものが建っています。
鳥居の先には、小ぶりで可愛らしい容姿のお狐さんもいました。
そして何より、境内のお手入れが行き届いていて、大事にされている感じがしました。
近くに社務所など見当たらなかったですが、どなたかがしっかりと管理してくださっているんだと思います。ありがたいことです。
実は僕は、この日ノ先神社の存在は、今回神社巡るをするけっこう直前に気付いたんです。それまでも何度か地図を見て周辺を確認はしていたはずなのですが、見落としていて…。Google Mapでかなり拡大しないと出てこなかったんです。
ですので猿江神社までの通り道とはいえ、こうして出会えたことは嬉しいです。
きっと気付かずに素通りしてしまう神社もたくさんあると思うので、立ち寄れたことも何かのご縁だと思うようにしています。
お稲荷さんと摩利支天尊をお祀りした日ノ先神社。参拝できて良かったです。
続いて僕たちは、すぐ近くにある猿江神社へと向かいます。
御朱印
日ノ先神社では御朱印は扱っていません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都江東区猿江1-22-12です。
日ノ先神社の公式サイトはありません。
電車
半蔵門線 / 都営新宿線 「住吉駅」から徒歩3~4分。
B1出口を出て、細い路地を真っ直ぐ進み、二本目の大きめな道に出たら左折。そうすると交差点のところに赤い鳥居が見えます。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。ごく短時間でしたら、他の車の迷惑にならないよう神社前の道路に駐車することは可能かと思われます。近くにはコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
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