長野市にある戸隠神社の火之御子社の参拝レポートです。
戸隠神社(とがくしじんじゃ)は五社からなる神社で、火之御子社はその一社です。
読み方は「ひのみこしゃ」で、日之御子社とも表記されます。境内には、樹齢500年を超える夫婦の杉や、西行法師に縁のある西行桜がある神社です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
戸隠神社「火之御子社」へ
7月の中旬、戸隠五社を巡るため、嫁と二人で長野までやって来ました。
まず初日は、宝光社、火之御子社、中社の三社を回り、そのまま戸隠の宿坊に宿泊予定です。
で、翌日の朝に奥社と九頭龍社に参拝し、長野駅の方まで戻ろうかと。
戸隠五社は一日でもじゅうぶん回れるコースかとは思うのですが、のんびりと散策したかったので、二日かけて回る形にしました。天気予報も雨マークが出ていたりしたので、それも考慮しつつのスケジュールです。
朝イチで東京を出発し、新幹線にて長野駅に到着。そこからはバスに1時間ほど揺られ、まずは宝光社に到着です。
宝光社は、長い石段と大きな杉の景色、そして社殿の彫刻が素晴らしい神社でした。
そして宝光社の次に向かいましたのが、こちらの記事で紹介する火之御子社です。
宝光社から火之御子社まで、神道(かんみち)という山の中の道を歩いて15分ほどになります。もしくは宝光社からバスにて、「戸隠営業所」バス停まで乗車し、少し歩くというルートでも行けます。
僕たち夫婦は神道ルートを選びます。神道自体が神秘的な景色の遊歩道になっているようですし、途中には大きな杉の聳える「伏拝所」という名所もあるようですし、是非とも歩いてみたいと。
神道の唯一の不安は、熊ですね。戸隠ってクマの出没情報がけっこう多くて、至るところに「クマ出没注意」の看板が出てるんですよね。僕たちは事前にそれを把握していたので、熊除けの鈴は装着済みです。
また、宝光社の参拝中に雨が降り始めましたので、シューズカバーも装着です。雨で山の中を歩くと靴がびしょびしょになっちゃうので、雨対策に今回より用意しました。
荷物になりますので、旅行先に長靴やレインブーツはなかなか持って行けませんので、こういうの欲しかったんです。滑り止めも付いているので、山歩きにも不便はなさそうですし。
雨対策でのシューズカバー、クマ対策での鈴と、準備を整え、火之御子社へと神道を出発です。
ご由緒
ご祭神は、天鈿女命(あめのうずめのみこと)、高皇産御霊命(たかみむすびのみこと)、栲幡千々姫命(たくはたちちひめのみこと)、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)です。
主祭神は天鈿女命で、天照大神が天岩戸にお隠れになったとき、岩戸の前で舞い、天照大神を誘い出すきっかけをつくった女神です。舞楽や芸能の神様として信仰されています。
高皇産御霊命は造化三神のうちの一柱で、創造の神です。栲幡千々姫命は高皇産御霊命の娘で、織物の神、安産や子宝の女神としても信仰されています。天忍穂耳命は栲幡千々姫命の夫で、天照大神と素戔嗚尊の誓約で生まれた五皇子の長男です。天孫降臨の瓊瓊杵尊の父でもあります。
創建は平安時代中期の承徳2年です。
奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の五社からなる戸隠神社の一社です。
戸隠神社が神仏習合だった時代にも、五社のうち当社だけは一貫して神社として鎮座していました。
戸隠神社の伝統的な舞である太々神楽(だいだいかぐら)は、当社の社人により伝えられ、現在に至ります。
境内には、樹齢500年を超える「夫婦の杉(二本杉)」や、西行法師に縁のある「西行桜」があります。
舞楽芸能、縁結び、火防の神様として、古くから崇敬されてきた神社です。
境内案内
こちらが宝光社からの神道の入口です。
道中にはクマ出没注意の案内。
じゃっかんクマにビビりながらも、神道の素敵な景色を楽しみつつ歩きます。
雨の森を歩くのは気持ちがいいですね。
杉の森は静かです。聞こえるのは歩くたびに鳴る、クマ除けの鈴の音だけ。
しばらく歩きますと、少し景色が変わります。
その先に、注連縄の掛けられたでっかい杉が姿を現しました。
このでかい杉のある場所は「伏拝所」です。奥院まで参詣できない人たちが、こちらで戸隠山や奥院を遥拝したそうです。
杉の足元には石碑と、そのお隣には「NHK小鳥の声放送記念碑」。NHK長野放送局が、日本で初めてここから野鳥の鳴き声を全国に中継した記念碑とのこと。
しばしこの異形の杉を見上げて過ごします。
この杉は、見れば見るほどその姿に惹かれます。
伏拝所を後にして、再び神道を進みます。
宝光社からは歩き始めて10分ちょっとだったでしょうか。火之御子社への案内が出ています。
案内に従い、神道を右折して進みます。
途中、ものすごくねじれて聳えている松があったり。
右折してから3~4分で、火之御子社と思われる境内が見えてきました。右に見える小屋のような建物はトイレです。
どうやら神道からですと、社殿に向かって左奥に出るようです。「夫婦の杉」と思われる大きな杉も見えましたが、そちらには後ほど行ってみることに。
いったん境内を突っ切り、入口の鳥居まで出てみることにします。
改めて、こちらが火之御子社の入口になります。
石鳥居の右手にはご由緒書き。
一礼して鳥居をくぐり、石段を上がります。右前方の杉もでかい。
そして石段を上がりますと、正面に社殿の見える景色です。神道は社殿の左手奥です。
境内の左手には大きな杉が連なっています。
社殿の左手前に手水鉢。龍がいます。お清めをします。
気が付けば雨も止んでいました。素敵な景色です。
社殿の前へと進みます。
参拝させて頂きます。
社殿を振り返りますと、こんな感じです。
こちらは社殿を左斜め前から。
そして社殿の左手奥に見えるのが、夫婦の杉(二本杉)です。その手前の杉もでかいですけど。
夫婦の杉に行ってみます。足元には石祠。手を合わせます。
ねじれて聳えている姿が、また不思議です。
しばし夫婦の杉を見上げて過ごします。
今度は境内の右手へ。社殿を右斜め前から。
右に、西行法師に所縁のある西行桜です。静かな境内を満喫し、火之御子社を後にします。
参拝を終えて
神道からの火之御子社。
雨の中を歩き始めたのですが、火之御子社の境内に着いた頃にはいつの間にかその雨も止んでいて、雨上がりの気持ちいい空気を満喫させて頂きました。
まず、道中の神道からして素敵でした。
見渡す限り杉だらけの道は神秘的な景色でしたし、歩いているだけで清々しい気持ちになります。
途中の伏拝所にあった大きな杉も、独特の姿をしていまして、惹かれるものがありました。高千穂の中畑神社というところで見た杉に近い姿でして、見惚れずにはいられませんでした。
神道を歩いてみてよかったな~と。
ただ、一定の間隔でクマ出没注意の看板が出てますし、いつどこからクマが出て来てもおかしくないような森でしたので、そういう意味ではじゃっかんの緊張感はありました。
静かな森の中、クマ除けの鈴の音だけが響き渡るのも、また風流な感じはしましたけれど。
宝光社から火之御子社までは、15分ほどでした。
神道を抜けて到着した火之御子社では、僕たち以外の参拝者には出会わず、境内を独占させて頂きました。
宝光社はけっこう他の参拝者の方もいらっしゃったんですけどね。たまたまタイミングだとは思うのですが、火之御子社では人の気配は全くありませんでした。
誰もいない境内の中、雨上がりの緑の中に佇む社殿の姿が、見惚れてしまうくらい美しかったです。
そして社殿の左手奥に聳える夫婦の杉が、これまた素晴らしかった。
でかいだけではなく、ねじれたような感じで上に伸びていますので、不思議な感じもしますし、神秘的なんですよね。
神社には夫婦杉とか夫婦銀杏とか、そういった御神木があることころがいくつもありますけど、そんな夫婦の御神木に、夫婦揃って参拝できるというのは、それだけでとっても幸せな気がします。
こちらの夫婦の杉も、じっくりゆっくりと眺めさせて頂きました。
事前に火之御子社の情報などチェックしていた際に、この夫婦の杉にクマが登ってる動画というのを見てしまっていたので、その光景を思い出し、少々警戒はしつつでしたけれど。
クマに遭遇することもなく、素敵な参拝ができました。
でかいハチがいきなり目の前に現れ、ビビってコケそうになったというハプニングはありましたけれど…。
火之御子社、参拝できてよかったです。
続いては、再び神道へと戻り、中社を目指します。
御朱印
こちらが戸隠神社・火之御子社の御朱印です。
御朱印の受付時間
火之御子社の御朱印は、宝光社の授与所、または中社の授与所にて頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。ただし冬季は宝光社の授与所は閉鎖されますので、頂けるのは中社の授与所のみになります。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は長野県長野市戸隠2412です。
戸隠神社の公式サイトはこちらです。
https://www.togakushi-jinja.jp/
電車&バス
長野駅からバスが出ています。7番バス乗り場から約1時間、「戸隠営業所」で下車し、徒歩2~3分です。
宝光社から神道を歩くと約15分になります。
駐車場
3台のみ停められる駐車場があります。
トイレ
境内の左手から少し入った先にあります。
周辺のパワースポット
戸隠五社巡り
戸隠神社は五社からなる神社です。五社巡りについては、こちらの記事でまとめてあります。
長野市の神社一覧
著者が参拝した長野市の神社の一覧です。