熱海市の伊豆山にある走り湯神社の参拝レポートです。
読み方は「はしりゆじんじゃ」です。「走湯神社」とも表記され、「そうとうじんじゃ」と称されることもあります。日本でも珍しい横穴式源泉で、日本三大古泉の一つといわれる「走り湯」を守る神社で、伊豆山神社の境外社になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
熱海の古泉を守る「走湯神社」へ
4月の中旬、両親を連れて熱海~伊豆と二泊三日の温泉旅行に行ってきました。
父母ともに今年77歳でして、喜寿なんです。で、喜寿のお祝いにちょっといい宿に泊まり、のんびり温泉旅行をと以前から計画しておりまして、それをこの4月に決行しました。
本当は僕たち夫婦と、弟の家族と、大人数での旅行を計画していたのですが、弟のところと予定が合わず、結果的には僕たち夫婦と両親という4人での旅行になりました。
この半月ほど前、弟の家族が両親を富山の方に連れて行きましたので、今度は僕たちが南の伊豆半島の方へ。
両親は僕の実家である長野県の茅野に住んでいますので、いったん僕のいる東京に来てもらい、そこから車で向かう形です。
僕は子供の頃に両親に連れられ、熱海や伊豆を旅行しています。記憶も断片的にですが残っています。そんな熱海伊豆に、今度は僕が両親を連れて行くというのも、なんだか不思議な感じもするものです。
朝イチで東京に到着した両親を乗せ、東名から小田原厚木道路へと入り、そのまま海沿いの気持ちのいい道を突っ走り、一路熱海へ。
事前に旅行プランを両親にも相談したものの、全部僕たちに任せるとのことで、嫁とあれこれ協議しつつ予定を立て、その最初の目的地に選んだのが、熱海の「走り湯」です。
熱海は僕たち夫婦もこれまで何度か訪れているものの、まだ走り湯には行ったことがなく、気になっていた場所なんです。その上にある伊豆山神社には参拝しているんですけどね。
走り湯には走り湯神社という神社もありますので、両親のための旅行ではありますが、僕たち夫婦の趣味である神社巡りも追加してしまいました。
旅行の間の天気予報は、初日のこの日のみ少々怪しい感じでだったのですが、なんとか雨にも降られずに熱海に到着。少し晴れ間すら出てきました。
ナビを頼りにまずは走り湯へ。
熱海ビーチラインから右手の路地を入ってすぐ、走り湯の看板が見えましたので、車を停めて向かいます。
ご由緒
ご祭神は、伊豆山神社と同じく伊豆山神と称される四柱になります。火牟須比命(ほむすびのみこと)、天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)、邇邇芸命(ににぎのみこと)です。
火牟須比命はカグツチとも称される火の神様。天之忍穂耳命は地神五代の2代目で、神武天皇の高祖父。栲幡千千姫命は織物の神として信仰されている日本神話の女神で、安産や子宝の神としても信仰されています。邇邇芸命(ににぎのみこと)は天孫降臨で地上に降りた神です。
創建の年代は不明ですが、走り湯の発見とともに、その信仰が始まっていったと考えられます。今からおよそ1300年前(飛鳥時代~奈良時代)、全国でも珍しい横穴式源泉が発見され、山腹から湧き出た湯が海岸へと飛ぶように流れ落ちる様子から、「走り湯」と名付けられました。走り湯から湧き出す湯は、病を治し長寿に効験があるとされ、古くから神格化され信仰の対象となってきました。
伊豆山神社で祀られた神仏習合の神である「走湯権現」は、走り湯を神格化した呼び名と考えられています。
平安時代には、源頼朝が走り湯の前にあった岩風呂に浸かり、旗揚げを決意したとも伝えられています。
日本三大古泉の一つに数えられていて、洞窟からは現在も70度のお湯が毎分170リットルも湧き出ています。
伊豆山神社の信仰の元ともなっている、走り湯の源泉を守護する神社で、伊豆山神社の境外摂社です。
境内案内
こちらが走り湯の入口です。
その先には石段です。上がっているのはせっかちな父。
こちらは走り湯についての説明書き。お隣には伊豆山神社の参道についての案内書きもあります。
先へと進みます。
石段の上には狛犬さんと石像です。石像は役小角(えんのおづぬ)という仙人で、走り湯を見つけた人物だとも伝えられています。
石段を上がり切りますと、小路が左右に延びていまして、右が走り湯のようです。走り湯の起源についての説明書きもあります。
右の奥へと進みますと、走り湯の洞窟の入口です。
洞窟入口の左上には、走湯温泉の説明書き。
入口の真上には、「走湯温泉湧出口」とあります。
注意書きもあります。熱いので色々気を付けろってことですね。入るなら自己責任で。
洞窟に入ります。
中は熱いです。予想以上の熱さです。
一番奥に、お湯が湧き出ている穴みたいなのがあるのですが、カメラが曇ってしまって撮影できず。こうなっちゃいました。嫁の眼鏡も一瞬で曇ってました。
灼熱の洞窟を出て、元来た道を戻ります。上に見える赤い鳥居が走り湯神社の鳥居です。
そのまま走り湯神社へ。走り湯との位置関係はこんな感じです。父と母が写り込んでいますが。
石段を上がると鳥居があり、その奥が社殿です。
一礼して鳥居をくぐり、境内へ。右手前には椿、奥の木はカヤでしょうか。
左に手水鉢です。
社殿へと進みます。
脇の木が凄い。
社殿は新しめの建物に見えます。
社殿には精巧な彫刻も施されています。
参拝。
振り返りますとこんな景色です。前方に見える石段は、伊豆山神社まで続いています。837段という長い道のり。
ここからは海も見えます。役小角さんの上にある見晴らしの良さそうな建物は足湯でした。使用禁止になっていては入れませんでしたけれど。海を眺めつつ、走り湯神社を後にしました。
参拝を終えて
走り湯は、熱海の観光スポットの中では、じゃっかんマニアックといいますか、知名度の低い場所ではあると思います。
駐車場もありませんので、車は目の前に路駐するしかありませんし、バスでのアクセスもそこまでよくありませんし。
しかしながら、このたび僕も初めて訪れ、行ってよかった!と思える場所でした。
見どころ的に多いわけではありませんが、やはり洞窟の中は凄いです。中に入った瞬間、予想以上の熱さに驚きます。前述もさせて頂きましたが、カメラのレンズはもちろん、嫁の眼鏡も一瞬で曇りましたからね。
洞窟の奥には、湯が湧き出る源泉があります。音も凄いですし、湯気も凄いですし、少々大げさかもしれませんけど、地球が生きているのを実感できるような、そんな光景を目の当たりにすることができます。
伊豆山神社の信仰の元ともなっている場所ですからね。
熱いので長時間の滞在は厳しく、洞窟の中にいられたのは一瞬ではありますが、思わずおかしな声が出てしまうスポットでした。
僕だけではなく、嫁も両親も子供のように楽しんでました。
そんな走り湯を守る走り湯神社は、洞窟の上にあります。
小さな神社ではありますが、新しめの社殿は綺麗でしたし、彫刻も美しかったです。おそらくカヤと思われる木も目を惹きました。
以前、伊豆山神社には参拝したものの、こちらの走り湯神社には参拝できておりませんでしたので、このたび足を運べたことが嬉しいです。
走り湯には、足湯ができる櫓のようなものもありまして、海を見ながら浸かれるようにもなっています。残念ながらこのたびはそちらが立ち入り禁止になっていて、使えませんでしたけれど。もしかしたら一昨年(2021年)に発生した土石流災害の影響かもしれません。
足湯には入れませんでしたが、両親を連れての温泉旅行、その最初に素敵な場所に立ち寄ることができました。
走り湯神社、参拝できてよかったです。
この後は、来宮神社で大楠を眺め、MOA美術館で昼食と観覧。
夕方には海辺のホテルにチェックインし、のんびり温泉に入り、食事とお酒も楽しみました。
翌日は伊豆へと移動し、まずは大室山に登る予定です。
御朱印
走り湯神社の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は静岡県熱海市伊豆山604-10です。
走り湯神社の公式サイトはこちらです。伊豆山神社の公式サイト内に紹介ページがあります。
https://izusanjinjya.jp/free/map13
電車&バス
JR「熱海駅」からバスor徒歩になります。
バスですと熱海駅から「湯河原」方面に乗車(約7~8分)、「逢初橋(あいぞめばし)」下車で徒歩10分ほどです。
熱海駅から歩いた場合、20~30分掛かります。
駐車場
駐車場はありません。目の前の道路にこんな感じで路駐する形になります。この先でUターンも可能です。
トイレ
ありません。伊豆山神社まで行きますと、参道の途中にあります。
周辺のパワースポット
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