台東区の上野にある花園稲荷神社の参拝レポートです。
読み方は「はなぞのいなりじんじゃ」です。上野公園内に鎮座する神社で、お隣には五條天神社があります。旧跡である忍岡稲荷神社(穴稲荷神社)が境内の洞窟の中に祀られています。「白羽の矢」という願掛けでも知られているお稲荷さんです。最寄り駅は上野駅になります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
上野の「花園稲荷神社」へ
こちらの花園稲荷神社は、僕たちがこの日訪れた4つめの神社です。
季節は1月の中旬、朝から嫁と二人で「台東区神社巡り」をするために出掛けて来ました。
台東区には「台東区神社マップ」というのがありまして、そこには全部で26社の神社が紹介されています。僕たちは一昨年の5月に上野にある下谷神社に参拝した際、そのマップの存在を知り、全部制覇するためこれまでも何度か台東区を訪れています。
僕の自宅は三鷹なので、台東区ってそこそこ遠いですし、普段はなかなか来ない場所ですので、出掛けてくるのにはちょっとした覚悟が必要なんです。
そんな台東区神社巡りも今回で4度目。ついにこの日にて、全て回り切ることができそうなんです。
前日に確認したルート通り、まずは鶯谷で元三島神社に参拝。上野に移動して「上野東照宮」と五條天神社に参拝します。これで神社マップに載っている神社は24ヶ所回りましたので、残すはあと二ヶ所。
続いて訪れたのが、五條天神社のお隣にある、この花園稲荷神社です。
花園稲荷は、マップにその名前だけは書かれているものの、26ヶ所の中には含まれていません。
地図を見ると、五條天神社と繋がっているような感じで、五条天神社の境内社なのかな~となんとなく思っていました。
実際に五條天神社を訪れるまでの道中に赤い鳥居が連なる一角がありまして、そこでは記念撮影をする外国人の方がたくさんいました。鳥居の脇に石碑には花園稲荷神社と五條天神社、二つの神社名が刻まれていて、どうやら二社には同じ鳥居から入れるようです。
しかしその鳥居が正面の鳥居ではないっぽかったので、神社に正面から入らないと気が済まない僕たち夫婦は、ぐるっと回って正面へ。
そうしますと正面の側には、五條天神社と花園稲荷神社、それぞれ別の鳥居がありました。境内は繋がっているようですが、入口は分かれています。
その時点で、花園稲荷は境内社ではなく別ものの神社かも、という想いも芽生えます。台東区神社マップにも社名だけではありますが別枠で書かれていますので、その線が濃厚です。
それを踏まえ僕たちは、まず五條天神社に参拝し、いったん境外へ出てから、今度は花園稲荷神社に入り直して参拝する、という流れでこの二社を回ることにしました。
境内が繋がっていますので、いったん出る必要もないんですけどね。
しかし、花園稲荷が境内社でないのなら、ちゃんと鳥居から入らねば、と律儀に。
そんなわけでまず五條天神社に参拝し、授与所にて御朱印を頂いたのですが、なんとそこで花園稲荷神社の御朱印も頂けるとのことでして、参拝前でしたがつい頂いてしまったんです…。
後で知ったのですが、やはり花園稲荷神社は五條天神社の境内社ではなく、別の神社です。しかし兼務社とのことでして、御朱印は同じ授与所で頂けるとのこと。
本来御朱印というものは参拝してから頂くものです。しかしながら花園稲荷に参拝する前に、うっかり御朱印だけ頂いてしまうという失態を犯しました。少々後ろめたい気持ちにもなっていまいます…。
でもすぐに参拝すれば大丈夫!という言い訳をして、とりあえず五條天神社の鳥居をくぐりいったん境外へ。
そして改めて、すぐお隣にある花園稲荷神社の鳥居へと進みます。
ご由緒
ご祭神は、五穀豊穣の神様である倉稲魂命(うがのみたまのみこと)です。宇迦之御魂命とも表記され、稲荷神と同一です。
創建の年代は不明ですが、五條天神社が移転する以前よりこの地に鎮座していました。諸説はありますが、一説によると京都の東寺の門前にあった稲荷山を、戦国武将の太田道灌(おおたどうかん)が勧請したとも、天台宗の僧である天海が勧請したとも伝えられています。社伝によると、天海の弟子である晃海により江戸時代前期の承応3年に再興されたとされています。
元々の社地は、現在は境内社であり元宮である穴稲荷神社の場所でした。穴稲荷神社の正式名称は忍岡稲荷神社ですが、石窟の上にあったことから穴稲荷と呼ばれていたそうです。幕末には上野戦争の舞台となり、彰義隊が立てこもった場所だそうです。
明治6年に、周囲が寛永寺の花畑であることから、現在の「花園稲荷神社」に改称され、社殿なども整備されました。
上野公園内にて、五條天神社と隣接して鎮座しています。
縁結びや金運にもご利益が強いとされ、願掛けの「白羽の矢」でも知られている神社です。
境内案内
五條天神社の鳥居から少し右手に、花園稲荷神社の入口の鳥居があります。
一礼して鳥居をくぐり参道を進みます。広くはありませんが、いい感じの参道です。
右手の建物には、大きな額の中に、奉納された方々の名前でしょうか。額を囲むような龍の彫刻が凄いです。
参道の先に花園稲荷の拝殿が見え始めた頃、右手にも赤い鳥居です。
右の鳥居の先には一対のお狐さんがいらっしゃって、その先にも何かあるようですので、行ってみます。
参道の先は暗い洞窟の中に「穴稲荷」が祀られているようです。
突き当たりには穴稲荷の説明が書かれていました。正式には「忍岡稲荷」といい、花園稲荷の旧跡だそうです。ここから先は撮影禁止と書かれていたため、カメラはここまで。中はなかなか凄かったです。清として張り詰めた空気がありました。
穴稲荷への参拝を終え、再び花園稲荷の参道に戻ります。参道は少し左に折れて延びています。
右手に手水舎がありました。
お清めをします。よく見ると手水鉢の四隅を鬼が支えています。
拝殿の正面へ。拝殿は決して大きくはありませんが、周りの一つ一つと調和していて、とっても雰囲気がいいです。森の中のようで落ち着く景色です。
拝殿前には小さなお狐さん。こちらが左のお狐さんです。
こちらが右のお狐さん。どちらも小さくで可愛らしいです。
拝殿前に歩を進めます。
静かな風が吹く中、参拝します。
拝殿の左手に授与所がありましたが、閉まっています。御守りや御朱印は五條天神社の社務所で頂けます。
拝殿を背にして参道を見ると、こんな景色です。
右手にも参道が延び、鳥居が連なっているのが見えます。その先が僕たちが通過してきた入口になっているようです。
右手の参道を進んでみます。途中、石段を上る形になっていて、赤い鳥居が綺麗です。
石段の途中から激写。鳥居が連なっている姿は絵になりますね。
そのまま進みますと、出口と言いますか、もう一つの入口が見えてきます。
振り返るとこんな感じです。上から見るのもまたいいですね。
一礼してこちらの出入り口から境外へ出ます。境外から見るとこうなっています。
鳥居の脇には花園稲荷のご由緒。
両脇には狛犬さんもいました。こちらが左の狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。どちらも特徴のあるお顔をしています。
鳥居前に集まる外国人の方々に交じって僕もひと通り写真を撮り、花園稲荷神社を後にしました。
参拝を終えて
お隣の五條天神社と同じく、花園稲荷神社はとても静かでした。
連なる赤い鳥居の入口では多くの人が記念撮影をしていたので、境内も人がたくさんいるのかな~と思いきや、そういうわけでもなく。
外国人の方の姿をちらほら見掛ける程度で、あとは参拝者も少なく、静かな時間を過ごさせて頂きました。
境内で一番印象に残ったのは、「お穴様」と呼ばれる穴稲荷神社です。参道の途中に入口があり、暗い洞窟の中に入って行きますと、そこには二つの祠が祀られています。一つは祠といいますか、穴なんですけどね。
洞窟の中は撮影禁止でしたので、こちらの記事でも中の様子は紹介できなかったのですが、中の画像が載っているサイトがありましたので、まずそちらを引用させて頂きます。
(画像出典:static.panoramio.com)
この画像からだけでも、独特の空気感が伝わってくるかとも思います。
実際、空気も張り詰めていて神秘的でした。
上の画像の中央に穴があるのがわかるかと思いますが、その穴が「穴稲荷神社」です。写真でいいますと入口が向こう側(写真右)ですので、実際は洞窟を進んで行きますと、穴が右手にある形になります。
そして、その穴の上を見上げますと、そこには洞窟の上、地上に祠があるんです。こちらも他のサイトで画像がありましたので、引用で紹介させて頂きます。
(画像出典:bbsimg02.kakaku.k-img.com)
この穴の上が、元々の社地だった場所とのこと。
幕末にはこの場所が上野戦争の舞台になったそうですが、当時はここで激しい戦いが行われていたこと、今の長閑な上野公園からはとても想像できません。
ここで戦っていた人たちも、このお稲荷さんにお参りしていたのかな~とか考えてしまいます。
洞窟には、穴稲荷の他にもう一つ、突き当たりに祠があります。そちらも写真では紹介できなかったのですが、その祠は「弥佐衛門狐」と呼ばれる上野の山を縄張りにしていた狐が、お寺が次々と建ったため住むところがなくなってしまたため、それを憐れみ祀られたものだそうです。
洞窟の入口は正面の参道の途中にありますので、花園稲荷に立ち寄った際には、是非入ってみてください。
意外と皆さん素通りで、洞窟に入ったのは僕たち夫婦だけでしたので。
お穴様の神秘的な空間が一番印象には残ったのですが、緑の中にひっそりと佇む社殿も素敵でしたし、赤鳥居が連なる参道も素敵でした。赤鳥居の前にいた狛犬さんも可愛かったです。
のんびりと散策させて頂き、静かな時間を過ごすことができました。
参拝前に御朱印を頂いてしまった神社ではありますが、花園稲荷神社、参拝できてよかったです。
続いては、五條天神社の前に立ち寄った上野大仏の御朱印を頂くため、同じく上野公園内の清水観音堂へと向かいます。
御朱印
こちらが、花園稲荷神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
花園稲荷神社の御朱印は、お隣の五條天神社の授与所で頂くことができます。御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都台東区上野公園4-17です。
花園稲荷神社の公式サイトはありません。
電車
①JR各線 「上野駅」から徒歩4~6分。
公園口を出て、東京文化会館の左側から上野公園内に入り、真っ直ぐ進み赤い稲荷の鳥居のあるところ左折。斜面を降りたところが正面の入口です。
②京成電鉄 「京成上野駅」から徒歩3~5分。
池之端口を出て、右手に真っ直ぐ進みます。3分ほどで右斜めに入っていく道がありますので、その先です。
③銀座線/日比谷線 「上野駅」から徒歩5~7分。
6番出口から京成上野駅方面に向かい、不忍池を正面に見て右折します。そのまま真っ直ぐ進むと3分ほどで右斜めに入っていく道がありますので、その先です。
④千代田線 「根津駅」から徒歩12~14分。
2番出口を出て不忍池方面に進み、池を左折です。距離的には遠くはありませんが、入口まで周る形になりますので時間は少々要します。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。上野公園の大駐車場や、その他パーキングも近くにいくつもあります。
周辺のパワースポット
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