宮島の弥山にある大日堂の参拝レポートです。
読み方は「だいにちどう」です。大聖院の堂宇の一つであり、弘法大師の作といわれる大日如来が祀られているお堂です。こちらの記事では、弥山山頂から大日堂を経て、水掛地蔵までをまとめてあります。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
弥山の「大日堂」へ
念願だった宮島の弥山に登頂しました。
弥山は長らく、嫁と「いつか登ろうね」と言い続けていた山でして、それがようやく叶ったことになります。
季節は4月の中旬です。嫁と二人で三泊四日の広島旅行に出掛けて参りまして、その二日目になります。
天気にも恵まれ、朝のうちに宮島に渡り、お昼には弥山山頂に到着しました。
弥山にはロープウェイを利用して山頂を目指すコースと、ロープウェイを使わずに、下から歩いて山頂を目指すコースがあります。僕たちはロープウェイを利用するコースを選択しています。
ロープウィイですと、獅子岩駅から山頂までは30分前後。下から歩いて登った場合には、山頂まで2時間前後です。
念願の弥山は、山頂からの景色はもちろん、その道のりも素晴らしいものでした。宮島旅行の際には、是非とも登山をお勧めしたい山です。
無事に登頂した僕たちは、そこから来たときとは別のルートで下山することに。以下に地図を載せてみます。
上の地図で見ますと、僕たちは右下の獅子岩駅を出発し、弥山本堂に到着した後は、そこから反時計周りで山頂に向かっています。三鬼堂やくぐり岩を通るルートですね。
山頂からは、そのまま左回りで、別ルートで再び弥山本堂に戻れるようになっています。もちろん来た道を戻ってもいいんですけど、せっかくなのでぐるっと回って下りたくなるものです。そちらには「大日堂」もありますし、巨石もたくさんあるみたいですし。
さらに僕たちは、地図で左下に見える「御山神社」や「仁王門」にも興味がありまして、行く気満々でしたので、必然的に左回りで下山するルートになります。
弥山登山は僕たち夫婦の念願でしたので、登頂を終えてあとは下りるだけというのは、少々寂しい気持ちにもなってしまいますが…。
ずっと山頂にいるわけにもいきませんので、大日堂に向けて下山を開始します。
ご由緒
厳島神社の別当であった、多喜山大聖院の堂宇の一つです。
ご本尊は不動明王(ふどうみょうおう)になりますが、堂舎が台風の被害を受けた際に、安全のため大聖院の霊宝館に遷され、現在もそちらに安置されています。脇侍として祀られていた、弘法大師(空海)が彫ったとされる大日如来(だいにちにょらい)は、現在も堂舎内に祀られています。
創建の年代はわかっていませんが、平安時代の初期に弘法大師(空海)が、修法の道場として造営したのが始まりといわれています。
その後一度は廃れてしまいますが、室町時代の中期に、厳島神社を管理する神護寺として再建されました。
明治までは、正月の七日間に全島の僧が登山をし、国家の隆昌を祈願した道場でもあります。
現在の堂舎は大正時代に大規模な修理が行われてはいますが、安土桃山時代に毛利輝元により再建された建物が基になっていて、弥山では最も古いものとなります。
境内案内
弥山山頂より、大日堂方面に向けて下山を開始します。
山頂付近には、大きな岩がたくさんあり、その景色だけで神秘的です。
下り始めてすぐ、ひときわ大きな岩があり、何か案内が書かれているのが見えてきます。
近付いてみると、「干満岩」と書かれていました。でかいです。
岩と岩の間には石像もありまして、手を合わせます。
干満岩は、穴に溜まった水が、海が満潮のときには溢れ出し、干潮のときには乾くといわれています。弥山七不思議の一つです。僕たちは最初、この手前に水が溜まっている穴かと思ってしまったのですが、違いました。
七不思議の穴は、矢印の先、右の小さな穴です。確かに水が垂れた跡もついています。
干満岩を後にして歩き始めます。至るところに巨石があります。
しばらく歩いて下って行くと、大日堂と思われる建物に到着です。堂舎の脇にも巨大な岩。
僕たちは上から下りてきましたので、大日堂の左手奥から来た形になります。写真はお堂を左斜め前から。とても古い建物には見えますが、美しいです。
正面に回ります。とても立派な建物です。かつてはここが修行の道場だったのですね。
大日堂は、弥山にある建物の中で最古のものだそうです。
参拝させて頂きます。扁額などはありませんでした。
振り返りますと、下へと石段が延びています。参拝を終え、こちらの石段を下って行きます。
その先に分岐点です。左に行くと弥山本堂に戻れます。右が御山神社や仁王門。僕たちは右へ。
坂がけっこう急になります。
勾配の急な地点を通過すると、平坦な道へ。
この辺りも大きな岩がたくさんです。
再び少し急な坂を下り始めると、その途中にお地蔵さんがいらっしゃいました。
こちらが水掛地蔵です。脇の湧水から水を汲み、こちらの親子地蔵さんに水を掛けながら祈願をすれば、子供についての願いが叶うと言われています。綺麗なお花もお供えされていました。
お地蔵さんの右手に長い柄杓があり、その下に湧水があります。僕たちもお地蔵さんに水を掛けさせて頂きました。
水掛地蔵を後にして、御山神社の入口を目指します。
参拝を終えて
大日堂に到着するまでに、地図上では「干満岩」「舟岩」「疥癬岩」と、でかい岩のイラストが描かれているのですが…。その道中は、でかい岩が色んなところにありまして、どれが何岩なのかもうわからない感じで。
唯一「干満岩」の前には案内が出ていましたので、ばっちり確認することができました。
とは言え僕も嫁も本当にアホだと思うのですが、最初は大きな干満岩の小穴ではなく、手前の石に溜まった水ばかり見てたんですけどね。そっちじゃないのに。
本命の小穴の方は、確かに水が垂れている跡が一目でわかります。海の満ち干きに合わせて水が溢れたり乾いたりするとのことで、さらにはその水は塩分を含んでいるそうです。ここまで海が繋がっているってことなのでしょうか。まさに七不思議の一つです。
干満岩を見れたは嬉しかったのですが、舟岩と疥癬岩が一体どれだったのか…。舟岩を後ほどネットで画像検索してみたところ、とっても特徴のある形をした岩でした。にも関わらず、見たのかどうか、脇を通ったのかどうかもわからず。僕たち夫婦は本物のアホなのかもしれません。
同じく疥癬岩も全くわからずで、もう情けない限りです。
せっかくなのでどちらの岩もこの目にしっかり焼きつけておきたかったです。
大きな岩がたくさんあり、歩いていて気持ちよく、素敵な道のりだったことはよ~く覚えてるんですけどね。名所となっている岩に関しては、ちゃんと把握できないまま通り過ぎてしまいました。
もしまた弥山に登る機会に恵まれたなら、そのときは必ずや、岩のチェックを怠らないことを誓います。
なんだか岩のことばかり書いてしまっていますが、大日堂や水掛地蔵にも参拝できて大満足です。
大日堂は、巨岩のある山道を下りていきますと、突然大きなお堂が出現する感じです。びっくりしました。堂舎は弥山で一番古いものとのことですが、木の感じがとても美しく見えました。
山頂では大勢の人がいましたので、そのギャップもあるかとは思いますが、大日堂の周辺はそんなに人も多くはなく、とても静かだった印象があります。
弥山は、獅子岩から山頂までのルートも素晴らしいですけれど、大日堂側のルートも同じく素晴らしいです。また違った景色を楽しめますし、できればどちらのルートも歩いてみることをお勧めしたいです。
大日堂を過ぎますと、弥山本堂へ戻る道と、御山神社方面へと続く道の分岐点があります。御山神社にも参拝したかった僕たちは、迷わずそちらに進みました。仁王門まで行ったら戻ろうと思いつつ。
分岐点の先には水掛地蔵堂もありまして、そちらもひっそりと静かに佇んでいる感じでした。
大きな岩の数々、大日堂、水掛地蔵、どれも素敵でして、気持ちのいい散策をさせて頂きました。
続いては、厳島神社の奥宮である「御山神社」へと向かいます。
御朱印
大日堂の御朱印はありません。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は広島県廿日市市宮島町弥山です。
大日堂の公式サイトはありません。大聖院の公式サイト内に、詳しい登山案内があります。
https://galilei.ne.jp/daisyoin/pdf/map.pdf
所要時間
宮島ロープウェイ「獅子岩駅」からですと、徒歩30~35分です。そこまで険しい道ではありませんが、靴や服装は登山に適したもので行かれた方がよいです。
ロープウェイを使わずに下から登る場合、どのコースから歩いても2時間前後だと思います。
周辺のパワースポット
宮島の神社仏閣巡り
宮島にあるその他の神社や寺院については、全体をこちらの記事でまとめてあります。
廿日市市の神社一覧
僕が参拝した廿日市市の神社一覧です。