杉並区の荻窪にある天沼熊野神社の参拝レポートです。
読み方は「あまぬまくまのじんじゃ」です。旧天沼村の鎮守社で、境内には新田義貞が戦勝祈願で植えたといわれる大きな杉の切り株が残っています。荻窪駅と阿佐ヶ谷駅の中間辺り、北側に位置しています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
荻窪の「天沼熊野神社」へ
この日は午前中から荻窪駅周辺の神社を回り、天沼熊野神社が四か所目の神社です。
8月の下旬でして、暑さも真っ盛り。何もそんな暑い時期に神社巡りをしなくても…と我ながら思いもするのですが、神社に行きたくてたまらなくなってしまって。
僕はまだ神社巡りの初心者です。嫁とともに神社を回り始めたのはついこの間でして、まだまだひよっこです。しかしながら、回り始めると面白くて、次から次へと色んな神社に行きたくなってしまうんですよ。で、この日もそんな衝動に駆られるまま、暑い中を歩き回ることになったわけです。
少し歩いただけでも汗だくになる気温です。荻窪駅前では昼間から居酒屋が何軒も開いていて、昼飲みしている人がたくさんいましたので、僕たち夫婦も参拝を終えたら冷たいビールを飲むことにします。それを励みに歩きます。
なんだかビールを飲むために神社に行くみたいな感じになっていますが、決してそういうわけではありません。
暑さの中歩くのは大変ですけど、夏の神社って、緑も濃いですし、蝉の声も聞こえますし、好きなんですよね。それぞれの季節で違った魅力のあるものだとは思うのですが、夏ならではの景色というのを楽しめるのは、夏しかないので。当たり前のこと書いちゃってますけど。
この日は事前に荻窪駅周辺の神社を調べ、比較的駅から近い場所にある4つの神社を訪れることに決めていました。荻窪八幡神社、荻窪白山神社、天沼八幡神社、そしてこの天沼熊野神社です。
しかし、あまりの暑さに途中で心が折れそうに…。
かと言って諦めて帰るのも負けた気がして嫌でしたので、ビールを励みに4つ全部参拝することにしました。
残すはあと一社。
三か所目に参拝した天沼八幡神社を後にて、地図を頼りに東へと歩きます。
そして10分程だったでしょうか、木々が茂っている場所が現れ、そこが天沼熊野神社でした。
到着です。
ご由緒
ご祭神は、伊邪那美命(いざなみのみこと)です。
日本神話の女神で、夫である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)とともに国生みを行った神様です。伊弉冉命などとも表記されます。
創建は奈良時代の神護景雲2年、東海道巡察使と呼ばれる地方監察官がこの地に来た際、氏神を勧請したのが始まりとされています。また、別の説では、鎌倉時代末期の元弘3年に、新田義貞が北条高時の討伐のため進軍中にこの地に布陣し、社殿を創設したとも伝えられています。
その後室町時代になり社殿が修理され、十二社権現と称されるようになりました。
社名が現在の熊野神社になったのは明治維新の後です。
境内には、新田義貞が戦勝を祈願して植えたと言われる、直径2mの大きな杉の木があり、「心願成就の杉」よ呼ばれ大切にされてきましたが、昭和17年に枯死し、伐採されます。現在はその切り株のみが残されています。
天沼の地で古くから信仰されてきた神社です。
境内案内
天沼熊野神社は、静かな住宅街の中にあります。こちらが入口。
一礼して石鳥居をくぐり、すぐ右手にある手水舎へ。手水舎には龍がいました。
参道祖進みます。立派な木が何本かありますが、境内は開けた印象です。
社殿は木の茶色を基調とした建物。
拝殿の扉はガラスです。神紋は三つ巴ですね。参拝させて頂きます。
参拝を終え境内を散策します。こちらは右斜め前から見た拝殿です。
拝殿に向かって左手には、桜の木。その奥には境内社が見えます。
境内社へと近づきますと、ご由緒書きがありました。
境内社にも参拝。左から、稲荷神社、三峰神社、太現神社、須賀神社です。左の脇には力石も。
そして右には、「出世杉」と書かれた大きな切り株です。こちらが新田義貞が植えたと伝えられている杉の切り株です。
本殿の奥に回ってみると、イチョウが三本。
境内を散策し、こちらの社務所で御朱印を頂こうと思ったのですが…社務所のドアに「御朱印は受け付けていません」と書かれたものが貼ってありましたので、それは叶わず。
入口の鳥居の横に、白玉稲荷神社が祀られていましたので、こちらにも参拝し、天沼熊野神社を後にしました。
参拝を終えて
この日の神社巡りの最後に訪れた天沼熊野神社。
境内には最初から最後まで僕たち夫婦しかおらず、なんだか贅沢な時間を頂いてしまった感じです。
この日は日曜日だったのですが、暑さのせいなのか、四社訪れたうちの三社が、僕たち夫婦だけでした。誰もいない境内にて、夏の緑に囲まれ、蝉の声を聞くというのもまた気持ちがいいものです。暑いですけど。
そんな緑の中に建つ社殿が、またいい雰囲気で素敵でした。僕はまだ神社巡りを始めて日が浅いので何とも言えないのですが、じゃっかん珍しい造りの社殿なのではないかと。どことなくログハウスっぽさのある社殿でした。拝殿の扉がガラスというのも、僕は初めてかもしれません。
拝殿の左手前には、斜めに伸びている立派な桜の木がありましたので、春にはまた違った美しい景色が楽しめるんだろうな~と。
そして境内社の脇には、新田義貞が植えたと伝えられている杉の切り株がありました。昭和17年に枯死してしまったとのことなので、できれば聳えている景色も見たかったですけれど、切り株だけでも見れてよかった。鎌倉時代には、新田義貞がこの場所にいたのかな~と思うと、ロマンもありますね。
参拝を終え、御朱印があるのなら頂こうと思い社務所の前まで行ったところ、「当社は、申し訳ありませんが、わけあってご朱印を受け付けていません」との貼り紙がありまして…どんな「わけあって」なのかとても気になるところです。近年は御朱印を頂く側のマナーの悪さなどもたまに耳にしたりしますので、そういった類のものなのかもしれません。だとしたら本当に残念です。
御朱印は扱っていませんが、御守りなどは普通に社務所で買い求められるみたいです。
またいつか御朱印が再開しましたら、その際には改めて頂きに行こうと思います。
天沼熊野神社、参拝できてよかったです。
この後僕たちは荻窪駅まで戻り、駅前の昼間からやっている焼きとん屋さんにて、念願の冷たいビールを頂くことに。
汗だくで歩き回っていましたので、ビールが最高でした。焼きとんも美味かった。
暑さにはやられましたが、この参拝した4ヵ所の神社はどこも素敵でしたし、最後のビールも美味しかったですし、いい休日が過ごせました。
また近々どこかに出掛けようと思います。
御朱印
著者参拝時は御朱印受付はしていらっしゃいませんでしたが、令和3年より再開されているようです。参拝前に公式サイト内の祈祷案内ページにてご確認ください。
御朱印の受付時間
御朱印を頂ける時間は、10時から15時までです。
(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は東京都杉並区天沼2-40-2です。
天沼熊野神社の公式サイトはこちらです。
http://www.amanumakumano.org/
電車
JR中央線・総武線 / 丸の内線「荻窪駅」から徒歩12~15分。
徒歩ですと少し距離はありますが、歩けない距離ではないです。住宅街の中にあります。
バスでも行くことができ、その際には北口バス停3番乗り場より「中村橋駅」「練馬駅」行に乗り、「日大二高」バス停御で下車すると徒歩3分です。
駐車場
境内に駐車できるスペースがありますので、特別な日でなければ問題なく停められるかと思います。
周辺のパワースポット
杉並区の神社一覧