さいたま市の大宮区にある埼玉縣護國神社の参拝レポートです。
読み方は「さいたまけんごこくじんじゃ」です。埼玉県にゆかりのある五万一千百八十柱の英霊をお祀りしている神社で、大宮公園の西に鎮座しています。「埼玉県護国神社」とも表記されます。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
埼玉の英霊を祀る「埼玉県護国神社」へ
7月の中旬、暑さもだいぶ厳しくなってきたこの日は、大宮にある氷川神社の総本社へと出掛けました。もうかなり前から氷川神社には参拝したいと思っておりまして、それがようやく実現するに至りました。
僕は東京在住ですので、埼玉県といえば隣接している県ですし、交通の便も良いので行きやすい県ではあります。にもかかわらず、これまで埼玉の神社にはほとんど足を運んでおりませんでした。唯一参拝したのは、温泉旅行で訪れた秩父や長瀞の神社のみ。
ですので今回の参拝は、旅行を兼ねてなどではなく、純粋な神社巡りとしては、初の埼玉ということになるわけです。やっぱり近いとはいえ、ちょっとした遠征感があって、ワクワクはしちゃいます。
目的だった大宮の氷川神社は、境内も広く見どころが盛りだくさんでして、大満足の時間を過ごすことができました。日本一長いといわれる参道を歩いた時間も含めると、結局3時間近く滞在していたのではないかと。途中、土砂降りの雨に降られてしばらく境内にて雨宿りをさせて頂いたのも、貴重な時間でした。
で、続いて向かいましたのが、こちらの記事で紹介する埼玉縣護國神社です。
埼玉縣護國神社は、たまたま地図にて氷川神社の近くにあるのを見つけました。他にも周囲にはいくつか神社があるようですが、もっとも行きやすく、興味を惹かれたのが護國神社です。
僕はこれまで靖国神社の他に、愛知県と広島県の護国神社には参拝させて頂いたことがありまして、できることなら47都道府県全てに足を運び、英霊に感謝したいと思っております。ですので今回は、埼玉県の護国神社に参拝できるまたとない機会。行ける範囲にあるのならば、是非とも足を運びたい。暑さがだいぶ厳しくなってきた時間帯ではありましたが、嫁も賛成してくれましたので、そのまま向かうことにしました。
氷川神社の北には、大きな大宮公園(かつては氷川神社の境内だった)が広がっていまして、埼玉縣護國神社はその大宮公園の西に隣接している形です。どうやら一の鳥居は公園内にある模様。
地図を確認し、雨上がりの大宮公園へと向かいます。
ご由緒
ご祭神は、埼玉県にゆかりのある五万一千百八十柱の英霊です。鳥羽・伏見の役以後の国事に殉じた戦没者をお祀りしています。
創建は昭和9年です。明治10年の西南戦争以降、国事に殉じた埼玉県人の英霊は、県内の各所に神籬(ひもろぎ)を建て、鎮魂慰霊の祭祀が行われてきました。その後、満州事変にて英霊が増えたため、昭和9年に埼玉県招魂社として創建されたのが始まりです。
昭和14年に埼玉縣護國神社と改称され、指定護国神社となりました。
大東亜戦争後には、埼霊神社と改称されますが、昭和27年に再び埼玉縣護國神社と改称され、現在に至ります。
平成25年には、特攻勇士の像が建立されています。
境内案内
氷川神社の西駐車場から出て、大宮公園に入ります。
土砂降りの雨が上がったばかりの広大な公園には、人の姿が一切ありません。僕たち夫婦しかおらず、不思議な感じです。
公園を数分歩いた先、左手に護国神社の社号碑。
そして左を向きますと、そこには大きな石鳥居がありました。
一礼して石鳥居をくぐり、参道を進みます。大宮公園は、かつて氷川神社の境内だったとのことで、大きな木が至るところに聳えています。
参道を左に折れますと、前方に二の鳥居と社殿が見えました。
右手には池があるのも見えます。かなり大きな公園ですね。
少し先、右手にはひときわ目を惹くアカシデの木。
アカシデに別れを告げ前方を見ますと、道路を挟んでその向こうが護国神社の境内になっています。立派な松が何本も聳えているのが見えます。
道路の手前、左手にご由緒書きがありましたので、目を通します。
道路を渡り、二の鳥居の前へ。氷川神社を出てからここまで、人間に誰一人会っていません。
左手には「埼玉県傷痍軍人の塔」がありましたので、前まで進み手を合わせます。
傷痍軍人の塔に向かって右の、社務所と思われる建物には「遺品展示館」の文字。ぜひ後ほど立ち寄らせて頂きたい。
再び二の鳥居の前へと戻り、一礼して鳥居をくぐります。
鳥居の先、左手に手水舎です。
お清めをします。手水石の上にお社がある手水舎は、僕はこちらで初めて出会いました。
拝殿の正面に立ってみます。木の濃い茶色を基調とした厳かな社殿と、後ろに映える緑が綺麗です。
右には「英霊に感謝しましょう」。この国のために殉じた英霊には、感謝しかありません。
人の気配が一切ない、清とした拝殿の前へと進みます。
参拝させて頂きます。
拝殿を振り返りますと、こんな景色です。誰一人いませんので、異空間に紛れ込んでしまったかのような感覚にも陥ります。
拝殿に向かい左手に授与所がありましたので、こちらにて御朱印を頂きました。
残念ながら遺品展示館は、コロナのため休館中とのことで、入れず。
こちらは社殿の左手奥です。
拝殿を左斜め前から見ますと、こんな景色です。
授与所に向かって左手前には、令和2年に靖国神社より奉納された「さくら陶板」がありました。
さくら陶板の左手には、英霊の鎮魂のため奉納された砲弾です。東郷平八郎の艦隊が用いた砲弾ではないかと言われているそうです。
さらにその左には、出征兵士之像。兄と妹でしょうか、この像を見ているだけで、色んな想いを抱いてしまいます。
今度は境内の右手へ。こちらは拝殿を右斜め前から。
右手奥はこんな感じで、緑が多いです。
こちらは大東亜戦争戦没地域図。日本から遠く離れた異国の地で、たくさんの人が亡くなられていることを想うと…胸が詰まる思いです。
戦没地域図右手には、献花された「特攻花」。特攻隊の出撃基地となった、知覧から移植されたものとのこと。
特攻花の右には、特攻勇士の像と顕彰碑。手を合わせます。
最後にもう一度拝殿に一礼し、埼玉縣護國神社を後にします。
帰り道、先ほどのアカシデの木が凄かったので、別角度からもう一度撮影。夜見たら怖いかも。
そして再び誰もいない大宮公園を歩き、帰路に就きました。
参拝を終えて
氷川神社を出て大宮公園を歩き埼玉縣護國神社まで、誰一人出会うことがなかったためか、とても不思議な時間を過ごしたような気がします。
とりわけ広大な大宮公園に誰一人いないというのは、なんだか異空間に迷い込んでしまったかのような感じでした。土砂降りの雨がなければ、おそらくたくさんの人がいたんだとは思います。
そんな公園の中、護国神社の鳥居が突然姿を現しますので、神秘的でもありました。
鳥居をくぐった先、参道にはとっても目を惹くアアカシデの木がありまして、ついつい足を止めて見入ってしまいました。
結局公園から参拝まででお会いした人間は、御朱印を頂く際の護国神社の神職さまだけでした。
護国神社の境内には、出征兵士之像、戦没地域図、特攻花、特攻勇士の像などがありまして、自然と当時の色んなことに思いを馳せてしまいます。出征兵士之像を見ていると、妹とどんな会話をして、どんな想いで出征したのだろうかと考え、戦没地域図を見ると、異国の地でどんな想いで戦っていたのかと考え、特攻花を見ると、知覧から皆どんな想いで出撃したのだろうと考え。
誰も死にたくなんてなかったはずです。でも国を守るため、故郷を守るため、家族を守るため、その命を犠牲にしたことを想うと…今の日本が英霊に恥じるような国であってはならないと、そんなふうに思わずにはいられません。
時間を掛けて、静かに参拝させて頂きました。
埼玉縣護國神社は決して境内が広いわけではないのですが、立派な松が何本も聳え、社殿は緑に囲まれ、静かで居心地のいい空間でした。
また、境内には遺品展示館がありまして、そちらもぜひ拝見させて頂きたかったのですが、残念ながらコロナの影響で休館中でして叶わず。靖国神社の遊就館や、広島の平和記念資料館にて、僕はこれまでも遺品などを目にしておりますが、実際にそういうものを目にすると、戦争というものを物凄く身近に感じるんです。そしてその凄惨さも改めて感じます。埼玉縣護國神社にまた立ち寄る機会がありましたら、今度はぜひ遺品展示館も拝見させて頂きたいと思います。
冒頭でも書きましたが、僕はこのたびの参拝を終えて、できれば47都道府県全ての護国神社にいつか足を運びたいという想いが、より強くなりました。
護国神社だけではなく、行きたい神社が各地に山のようにあるので、簡単には達成できないとは思いますが…なんとか死ぬまでには全て参拝したいですね。
長生きせねば。
この日は大宮の地にて、氷川神社と埼玉縣護國神社、二か所に参拝させて頂きましたが、どちらもとっても素敵な神社でして、いい時間を過ごすことができました。
土砂降りの雨だったり、誰もいない大宮公園だったり、貴重な体験もさせて頂きました。
やっぱり神社巡りっていいものですね。
また近々、どこかの神社にお出掛けしようと思います。
御朱印
こちらが埼玉縣護國神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、夏季(4月~9月)が9時から17時まで、冬季(10月~3月)が9時半から16時半までです。また、開閉門は夏季が6時から17時、冬季が6時半から16時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は埼玉県さいたま市大宮区高鼻町3-149です。
埼玉縣護國神社の公式サイトはありません。
電車
①東武野田線「北大宮駅」から徒歩13~15分。
改札を出て東(駅を背にして真っ直ぐ)方面に歩くと、大宮公園に突き当たりますので、そこから左に少し進んだ先、左手です。公園内を歩くと、一の鳥居から入れます。
②東武野田線「大宮公園駅」から徒歩15~17分。
改札を出て南(駅を背にして真っ直ぐ)方面に歩きますと、大宮公園に突き当りますので、そのまま公園内を歩き、右手に舟遊池を見る形で歩いて行きますと、その先にあります。
③各線「大宮駅」から徒歩25~27分。
東口を出て、駅を背にして真っ直ぐ歩いて行きますと、氷川神社の参道が現れますので、そちらを左折。そのまま氷川神社の境内に入り、蛇の池の脇にある西駐車場を越え、大宮公園を歩いて行きますと、左手に鳥居が現れます。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。氷川神社、もしくは大宮公園の駐車場に停めて、徒歩という形がベストかと思われます。一番近い駐車場は、公園の池の北西に位置しているコインパーキングになります。
周辺のパワースポット
さいたま市の神社一覧
僕が参拝したさいたま市の神社一覧です。