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足長神社(諏訪市)の御朱印と見どころ

足長神社の紹介

長野県の諏訪市にある足長神社の参拝レポートです。

読み方は「あしながじんじゃ」です。諏訪大社上社の境外末社で、桑原城跡山腹に鎮座している神社です。同じ諏訪市内の手長神社とは夫婦の関係です。もとは手長足長の夫婦の巨人をお祀りしていたとの伝承もあります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

巨人伝説の残る「足長神社」へ

こちらのブログでも度々書いておりますが、僕は実家が長野県の茅野市でして、諏訪大社のお膝元なんです。初宮参りや七五三に始まり、結婚式まで諏訪大社で挙げちゃってます。

で、今年のお盆過ぎに帰省をしまして、その合間にちょこっとだけ、地元の神社巡りに出掛けました。

昨年のお盆はコロナで帰省を見合わせたのですが、今年は両親がどちらもワクチン2回接種済みですし、まぁ大丈夫だろうと。

僕は現在東京在住でして、神社巡りも東京が中心にはなっていますが、地元の長野にも気になる神社がたくさんあるんですよね。それを言ったら、全国各地、興味を惹かれる神社だらけではありますけれど。

そんな中で、まず帰省したら行こうと計画していたのが、お隣の諏訪市にある「手長神社」「足長神社」「八劔神社」の三社です。いずれも諏訪大社上社の境外摂社でして、手長神社と足長神社は「手長さま、足長さま」として親しまれ、八劔神社は諏訪湖の御神渡(おみわたり)の神事を担っていることでも知られています。地元ではそれなりに知名度もある神社なのではないかと思います。

僕も個人的にまず、手長足長という社名からして気になっていましたし、八劔神社は諏訪湖の御神渡のニュースでいつも目にしていた社名ではありました。ですので帰省した際には足を運んでみようと、この数年ずっと思ってはいたんです。

しかし、なかなかタイミングが合わず。天気に阻まれたり、別の予定が入ったりで、なかなか訪れる機会に恵まれず、数年も経ってしまいました。

このたびのも当初は帰省している間中、天気が雨の予報だったので、半ば諦めてはいました。しかし予報に反し晴れ間がのぞく一日がありましたので、その機を逃さずに嫁とともに出掛けることに。朝イチでの出発です。

手長、足長、八劔は特に回る順番など決まりがあるわけではなく、僕の実家がある茅野市方面からですと、①足長、②八劔、③手長というのが近い順でして、その順番で巡ることにします。

ですのでまずは、こちらの記事で紹介します、足長神社です。

茅野からは国道20号を諏訪方面へと進み、自動車学校の手前を右折し、山の方へと上がっていきますと、右手に神社へと続く石段を発見。

足長神社は駐車場がありません。事前に確認しましたところ、少し上に足長丘公園というのがあり、そちらに車を停めて歩くのがベストのようですので、それに倣います。

足長さまへと続く石段を通り過ぎ、さらに坂を上がって行きますと、右手に公園と駐車場が見えました。

車を停め、足長神社へと歩きます。

 

ご由緒

ご祭神は、脚摩乳命(あしなづちのみこと)です。諏訪大社のご祭神である建御名方神(たけみなかたのかみ)の祖神で、ヤマタノオロチの生贄となるところを素盞嗚尊(すさのおのみこと)により救われた、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の父神です。奇稲田姫命の母神である手摩乳命(てなづちのみこと)は、同じ諏訪市内の手長神社に祀られています。

脚摩乳命は、足長彦神という別名もあり、他説では建御名方神に随従する神でもあります。

創建の年代は不明です。もともとは手長足長の夫婦の巨人をお祀りしていたとの伝承もあり、諏訪大社の創建以前、古代から地元神として信仰されていました。手長足長は諏訪明神の家来という説や、元々諏訪を支配していた神で、侵入してきた建御名方神と戦ったという説など、諸説があります。

また、この辺り一帯の桑原地域が一つの郷であったときには、手長足長は一つに祀られていましたが、上桑原と下桑原に分かれた際に、それぞれの産土神となったという説もあります。

現在のご祭神が後から持ち込まれ、祀られるようになったとも考えられていますが、その詳細も不明です。

平安時代の前期には、諏訪大社上社の大祝(頂点に位置した神職)の祖が、足長神社を崇敬し、広大な社殿を造営します。以降、諏訪大社上社の末社となったと考えられています。

現在の本殿は江戸時代中期、拝殿は江戸時代後期に造営されたものになります。本殿、拝殿、舞屋は市の有形文化財に指定されています。

古くは社殿が荻葺きの屋根でったため、荻宮と称されていたそうです。

同じ諏訪市内にある手長神社とともに、古来より信仰されてきた神社です。

 

境内案内

こちらが足長丘公園です。ベンチや滑り台などがある公園です。こちらの駐車場に車を停め、足長神社へ。

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公園内からも足長神社には行けそうではあったのですが、できれば正面から入りたかったので、車道を下ります。前方には諏訪の街の景色。右手には諏訪湖も少しだけ見えました。

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坂を下って行きますと、左手に神社の建物が見えます。

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さらに下った先、こちらが足長神社へと続く石段です。

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鳥居が見当たらなかったため、道路の反対側より下を見てみたところ、石段と鳥居。できれば鳥居から入りたい僕たち夫婦は、一度この石段を下りることを決意。

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なかなかに急な石段を下り切り振り返りますと、こんな素晴らしい景色が待っていました。大きな木々の聳える参道と、入口には立派な木の灯籠も。

足長神社の入口

 

左手には「菅沼先生記恩碑」。こちらの碑の詳細はわからなかったのですが、書の杉浦重剛は、明治から大正にかけての思想家です。

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参道を進みます。最初の数段の石段が、かなり急です。膝にきます。

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こちらが足長神社の石鳥居です。一礼してくぐります。

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鳥居の先も、そこそこ急な石段が続きます。

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石段を上がり、先ほどの道路へ。鳥居をくぐりましたので、今度は心置きなく上がれます。

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石段の先には社殿の姿も見えます。上ります。

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こちらが石段を上がった先の景色です。惹き込まれます。

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こちらは拝殿に向かって右手。境内には御柱が4本建てられています。

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こちらが左手。江戸時代後期に建てられた舞屋です。屋根には諏訪大社の梶の神紋も見えます。先ほど駐車場から坂を下って来た際に見えた建物は、こちらの舞屋でした。

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舞屋の梁には龍や獅子の彫刻。

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再び拝殿へと続く石段の前へ。左には手水石。後ろには拝殿と舞屋に関する説明書き、反対の右手には本殿に関する説明書きがありましたので、目を通します。

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拝殿へと石段を上がります。一段上がるたびに、空気が少し変わっていく感じがします。

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拝殿の前に立ちます。様々な彫刻が施されている拝殿です。

足長神社の拝殿

 

手前には龍の姿も。その奥の右には、珍しいきんちゃく袋のような彫刻も。上には諏訪大社の梶の神紋です。

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様々な彫刻をしばし眺めてから、参拝させて頂きます。

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拝殿の中、左右にも大きな龍です。こちらは左側。

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こちらは右側の龍。かっこいい。

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拝殿の左手奥、脇障子と呼ばれる場所には、鳳凰の彫刻です。

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側面の上にも、鷹や松と思われる彫刻。

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こちらは右手奥の脇障子。彫刻は麒麟のようです。左手と同じく側面の上には、鷹や松と思われる彫刻が施されていました。

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拝殿を振り返りますと、こんな景色です。

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拝殿から右手には、石祠がいくつも並んでいましたので、行ってみます。

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こちらは拝殿を右斜め前から。美しい。奥には本殿の姿も見えます。

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並ぶ石祠にも、参拝させて頂きます。

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今度は拝殿を左斜め前からも。

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拝殿に向かって左手には山道が延びています。おそらく駐車場のある足長丘公園へと続いているものと思われますので、帰り道はこちらを歩いてみることに。

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足長神社を後にします。

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山道を少し歩いて行きますと、足長丘公園に出ました。

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公園内には大きな石がいくつかあり、祠の載っているものもありましたので、手を合わせます。

足長丘公園

 

公園の奥には、○玉大神と刻まれ碑がある祠。こちらにも参拝させて頂き、足長丘公園を後にしました。

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参拝を終えて

地元にて久しぶりの神社巡り。その最初に訪れた足長神社は、とっても素敵な神社でした。

足長丘公園に車を停め、石段の見えた場所まで徒歩にて坂を下って行きますと、そこからさらに下にも石段が続き、鳥居があるのを見つけてしまいました。上からでもかなり急な石段なのはわかったのですが、鳥居を見たからにはくぐらずにはいられない性分ですので、迷わず下ります。

で、一番下まで到着し、振り返った景色が素晴らしかったです。

左右に大木が聳え、その先に石鳥居、そして山の中へと石段が続いてる景色は、その場所に来ないと見れないものですからね。

石段はけっこう急でしたので、足腰に自信のない方はちょっとキツイかもしれませんが、大丈夫な方は是非下まで降りてみることをお勧めします。僕もじゃっかん膝にはきましたが、下りてみてよかった。

足長神社の御柱祭では、大きな柱を引っ張り上げて、この急な石段をいっきに上がっていくそうです。

一番下からの景色ともう一つ、拝殿へと続く最後の石段前からの景色も、同じく素晴らしかったです。立派な木々の間に、厳かな雰囲気の漂う拝殿が建つ景色は、目を留めずにはいられません。

そして、拝殿の彫刻がこれまた素晴らしかったです。龍、麒麟、獅子、鳳凰など多くの彫刻が施されていまして、じっくりと拝見せて頂きました。個人的に一番印象に残っているのは、拝殿の中、左右にあった龍の彫刻です。もっと間近で見たくなるくらい、かっこいい龍でした。

拝殿の建物自体もかっこよくて、特に少し斜めから見角度が、なんともいえない美しさがありました。

舞屋も立派な建物でして、大きかったです。

諏訪地方には昔から、だいだらぼっち、だいらぼっち、でいだらぼうなど、いわゆるダイダラボッチ伝説があります。僕も子供の頃によく聞いた覚えがあります。で、足長神社と手長神社に古くお祀りされていたのは、手長足長の巨人という説もありますので、社殿の後ろの山から今にもダイダラボッチが現れるのではないかと、そんなことを考えてしまったりもしました。

もしかしたら、昔は本当にダイダラボッチがいたのかな~と。もののけ姫の世界ですね。足長神社は、ついついそんなことをあれこれ考えてしまう、神秘的な神社でした。

車を停めた足長丘公園も、大きな岩と祠があったり、○玉大神という不思議な名前が刻まれた祠があったり、同じく神秘的な場所でもありました。

最初から最後まで、僕と嫁しか参拝者はおらず、贅沢な時間を過ごさせて頂きました。

ずっと訪れたかった足長神社。参拝できてよかったです。

続いては、同じく諏訪市内にある八劔神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが足長神社の御朱印です。

足長神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

足長神社の御朱印は、同じ諏訪市内にある八劔神社にて頂くことができます。御朱印を頂ける時間は、日中の時間帯(9時から16時までを目安に)です。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は長野県諏訪市四賀足長山5386です。

足長神社の公式サイトはありません。

 

電車

JR「上諏訪駅」からタクシーorバスで15~20分。

バスの場合は、諏訪市コミュニティバスの「6かりんちゃん子バス大和四賀線」で、「上諏訪駅霧ヶ峰口」より乗車し「足長神社下」下車か、「かりんちゃんバスすわ姫号3すわ外周線」で「上諏訪駅諏訪湖口」から乗車し「白狐入口」下車です。もしくはアルピコ交通のバスで「上諏訪駅」より乗車し「四賀桑原」下車で徒歩10分ほどです。

JR「茅野駅」からタクシーorバスで15~20分。

バスの場合は、アルピコ交通のバスで「茅野駅」より乗車し「四賀桑原」下車で徒歩10分ほどです。

上諏訪駅、茅野駅ともに、徒歩ですと1時間以上掛かるかと思われます。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。少し上に足長丘公園の駐車場がありますので、そちらに駐車して徒歩3分ほどになります。

 

周辺のパワースポット

 

諏訪市の神社一覧

僕が参拝した諏訪市の神社一覧です。