川崎市の高津区にある溝口神社の参拝レポートです。
読み方は「みぞのくちじんじゃ」です。溝の口の総鎮守で、境内には、樹齢500年以上の長寿ケヤキや300年以上のクスノキなど、大木が残っています。最寄駅は東急田園都市線の溝の口駅、JR南武線の武蔵溝ノ口駅です。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
溝の口の総鎮守「溝口神社」へ
季節は9月の下旬、残暑もだいぶ和らいできた頃です。曇りときどき晴れという天気の中、嫁と二人で川崎の神社巡りに出掛けて参りました。川崎と言っても広いですけど、この日訪れたのは溝の口の周辺です。
武蔵中原駅近くにある、砲弾を持った狛犬のいる大戸神社からスタートし、その後いくつかの神社を回り、最後の締めで訪れたのが、こちらの記事で紹介する溝口神社になります。
この日はそんなにがっつりな神社巡りではなく、回ったのは全部で、溝口神社を合わせて以下の6ヶ所です。
- 大戸神社
- 権九郎稲荷
- ピンスケ稲荷
- 新城神社
- 久本神社
- 溝口神社
このうち、4ヶ所目の新城神社と5ヶ所目の久本神社は、溝口神社の兼務社です。故にその二社の御朱印は、溝口神社で頂けるとのこと。
僕たちの元々の目的地は大戸神社だったのですが、そこから新城神社、久本神社と導かれ、溝口神社へと繋がっていった形です。
さらにですが溝口神社は上記二ヶ所の他にも、高津区内に二子神社、御嶽神社、久地神社と三つの神社を兼務しています。新城神社と久本神社を合わせると、5つを兼務していることになります。
せっかくなので、どうせなら他の三つも全部参拝してから、最後に溝口神社に向かいたかったのですが、他の三つはそんなに近くにはなかったんですよね…。二子神社は溝の口から二駅先、二子新地駅の近くなので比較的行きやすそうではあったのですが、御嶽神社と久地神社がどの駅からも遠く、徒歩ですと少々しんどいかな、と。
僕たち夫婦がもっと若かったら攻めてるんでしょうけど、そう若くもない現実を踏まえ、無理はしないことにしました。つまり、残り三ヶ所は次の機会にしました。
そんなわけで、5ヶ所目の久本神社への参拝を終えた僕たちは、溝口神社をこの日の最後と決め、徒歩にて向かいます。
久本神社は溝の口駅の南側、溝口神社は北側ですので、南から北へと駅を通過しての移動です。
ごちゃごちゃした駅周辺を抜け、地図を頼りに進んで行きますと、鳥居と緑の綺麗な参道が姿を現しました。
溝口神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、天照皇大神(あまてらすおおみかみ)です。皇室の祖とされる神様で、日本国民の総氏神であり、太陽を神格化した神様ともいわれています。
創建の年代や経緯は不明です。江戸時代の前期には旧溝口村の鎮守だったと記されていることから、それ以前の創建になります。当時は神仏習合で赤城大明神として親しまれ、赤城社と称されていました。
明治の神仏分離令により、新たに伊勢神宮より御分霊を奉迎し、社名も現在の溝口神社へと改称されています。
近隣にある五つの神社(二子神社、御嶽神社、久地神社、久本神社、新城神社)の本務社でもあります。
境内には、樹齢500年以上といわれる長寿ケヤキや、300年以上といわれるクスノキなど、大木が聳えています。
現在も溝の口の総鎮守として、厚く信仰されている神社です。
境内案内
こちらが溝口神社の入口です。参道の緑が綺麗です。
入口には、社宝である「勝海舟直筆の大幟」についての案内がありました。お正月のみ公開されるみたいです。高さが10mもある大きな幟みたいです。
一礼して石鳥居をくぐります。前方には社殿も見えます。
左右には木々が茂っています。参道の両端にある溝は、かつて使われていた簡易水道とのこと。
左手に石の祠がありましたので、参拝します。境内社の水神宮でした。
左右にはご由緒書きや、祈祷の案内なども出ています。
社殿よりだいぶ手前に狛犬さんです。こちらが左の玉乗り狛犬さん。
こちらが右の狛犬さん。子供もいます。左右どちらも怪獣のようなお顔で可愛いです。
狛犬さんの先には門があり、その向こうに社殿です。
門の手前には小さな神橋。かつてこの下には川が流れていたのかもしれません。
門を抜けると、拝殿の全貌を目にすることができます。
右手、絵馬掛け処の後ろに手水舎です。
お清めをします。よく見ると手水鉢の四隅を、唐子童子が支えていました。最初は鬼かと思ったのですが、童子のようです。
手水舎に彫られていた龍も、迫力があってかっこよかったです。左右には獅子と亀もいました。
参道に戻り、拝殿へと進みます。社殿は木の濃い茶色を基調とした建物で、落ち着いた雰囲気です。
右手には立派なクスノキと銀杏が聳えていましたので、後ほどそちらにも行ってみます。
左に社務所&授与所です。後ほど御朱印を頂きに伺います。
拝殿の正面に立ちますと、施された精巧な彫刻が目に入ります。鳳凰と鶴、そして三頭の龍がいます。
こちらは、正面と左右の龍をアップで。かっこいいです。
扁額は、日清・日露戦争の英雄である東郷平八郎によるものでした。参拝させて頂きます。
参拝を終え、境内を散策してみます。拝殿を振り返るとこんな景色です。
こちらは社殿を左斜め前から。
社殿の左奥にも大きなクスノキが見え、参拝順路の矢印がそちらを向いていましたので、行ってみます。
奥へ進みますと、本殿の姿を見ることもできます。本殿は白ですね。
大きなクスノキの前へ。樹齢300年以上の楠で、こちらの種子から子楠が生まれたことから、「親楠」と名付けられているそうです。
しばし親楠を見上げて過ごします。
親楠の後ろには境内社の稲荷社がありましたので、参拝させて頂きます。こちらのお稲荷さんは、金運や商売繁盛にご利益があるそうです。
稲荷社から右、親楠の右後方には、大きなケヤキが見えます。
このケヤキが、樹齢500年以上と言われる「長寿ケヤキ」です。幹の上部は落雷によって損傷してしまったと書かれています。
落雷にも負けず、新しい枝葉が芽吹いたことから、長寿ケヤキと呼ばれるようになったそうです。見上げると、元気な枝葉が茂っています。
長寿ケヤキの反対側には、「垂乳根の銀杏」がありました。垂乳根の銀杏は、静岡にて天竜川のダム建設時に掘り出されたものとのこと。巨石を抱き抱えるように立っていたそうです。
垂乳根の銀杏の足元には「歯固め塚」があり、たくさんの石が置かれていました。我が子の健やかな成長を願い、奉納された石が積み上げられている場所です。
長寿ケヤキから右手、境内の右奥には神輿庫が並び、その前は駐車場になっています。
神輿庫の前辺りから振り返りますと、拝殿に向かって右手に見えた、楠や銀杏が見えます。この楠が、親楠から生まれた「子楠」でした。
こちらは長寿ケヤキを少し引きの絵で。社殿の右手からです。
拝殿を右斜め前からも。
子楠の足元まで行き、見上げます。親も大きかったですけど、子も立派に育っています。
こちらは、子楠のすぐ近くにある、夫婦銀杏です。
ひととおり散策を終え、御朱印を頂きに授与所へ。授与所には、歯固め塚に奉納する「歯固め石」もありました。
無事に御朱印を頂き、溝口神社を後にしました。
参拝を終えて
溝口神社は、見どころがたくさんある神社でした。
中でも特に印象に残ったのは、社殿の後方にある長寿ケヤキと、左手にある親楠です。
長寿ケヤキは樹齢500年以上といわれている御神木でして、素晴らしかったです。落雷にやられたとのことで、高さはそこまであるわけではないのですが、その大きさやフォルムは神秘的でした。
親楠の方は樹齢300年以上とのことで、こちらも大きな木です。長寿ケヤキの太さに対して、親楠は上に伸び、枝葉が空を覆っています。社殿の右手には子楠と書かれた一回り小さな楠もありまして、そちらは親楠の種子から誕生した楠だそうです。元は親楠の近くにありましたが、境内整備で現在の場所に移植されたみたいです。
子楠の手前には、願掛けの夫婦イチョウと書かれた、牝牡が一つになった立派な銀杏も聳えていました。
大きな木が何本も聳えていましたが、境内全体は木々が茂っているというよりは、開けていて開放感があります。その中に木が点在し、聳えているような形ですね。
それに対し入口の鳥居から延びる参道は、両脇に木々が茂り、森の中の小路のような感じでした。鮮やかな緑がとても綺麗でした。
木々の他には、彫刻も目を惹きました。拝殿の左右と正面に彫られた立派な龍、そして中央には鳳凰、奥には鶴。手水舎にも迫力のある龍が彫られていて、どれも今にも動き出しそうなくらい、躍動感のある彫刻でした。
また、手水鉢は四人の唐子童子が四隅を支えているという、かなり珍しいものではないかと思われます。唐子童子というのは、中国服を着て、髪の毛を中央と左右に少し残してそり落とした、童子のことを指すようです。僕はこれまでも、鬼が四隅を支えている手水鉢というのは数ヶ所で見たことがあるのですが、唐子童子は、こちらがおそらく初めての出会いです。いつもの如く、僕は全く気付かずに、嫁が気付いたんですけどね。
見逃さずに見れてよかったです。
同じく僕がこちらが初めてのもので、歯固め塚というものもありました。社殿の後ろ、長寿ケヤキと向かい合う場所に「垂乳根の銀杏」という銀杏の根がありまして、その足元には大きな歯のような白い石が積み上げられているんです。説明書きを読んでみますと、「垂乳根の銀杏」が子育て、安産、子授けなどにご利益があるとのことで、我が子の健やかな成長を願い、この銀杏に「歯固め石」が奉納されるとのこと。その石が積み重なり、「歯固め塚」となっているそうです。僕たちは石は奉納しませんでしたが、垂乳根の銀杏はしっかりと撫でさせて頂きました。
素敵なもの、面白いものをたくさん見させて頂きました。
他にも溝口神社には、勝海舟直筆の大幟という社宝があるとのことで、そちらも見れるのかな?と一瞬期待してしまったのですが、どうやらお正月の三が日のみ限定で公開されるものみたいです。残念。
境内をゆっくりと散策し、最後に授与所へと向かい、無事に御朱印も頂きました。兼務社である新城神社と久本神社の御朱印も頂きました。
同じく溝口神社が兼務している、二子神社、御嶽神社、久地神社にもいつか参拝したいです。そして再び、溝口神社に御朱印を頂きに立ち寄ろうと思います。
木々や彫刻が素晴らしかった溝口神社。
参拝できてよかったです。
いい神社巡りができました。
御朱印
ちらが溝口神社の御朱印です。
溝口神社では上記の他に、兼務社である二子神社、御嶽神社、久地神社、久本神社、新城神社の御朱印も頂くことができます。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。通常時の開門時間は、6時から17時半までです。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は神奈川県川崎市高津区溝口4-6-28です。
溝口神社の公式サイトはこちらです。
http://www.mizonokuchijinjya.org/
電車
①東急田園都市線 「溝の口駅」から徒歩5分。
正面口から出て、北東方面です。駅周辺がかなりごちゃごちゃしているので、地図を見ながらをお勧めします。
②JR南武線 「武蔵溝ノ口駅」から徒歩6分。
北口を出て、北東方面です。駅周辺がかなりごちゃごちゃしているので、地図を見ながらをお勧めします。
駐車場
40台停められる参拝者用の駐車場があります。特別な日でなければ問題なく駐車できるかと思います。駐車場の閉門時間は17時になります。近くにはコインパーキングもいくつかあります。
周辺のパワースポット
川崎市の神社一覧
僕が参拝した川崎市の神社一覧です。