小田原市にある松原神社の参拝レポートです。
読み方は「まつばらじんじゃ」です。小田原城の東、海からも近い場所に鎮座しています。小田原宿の総鎮守であり、近隣の大稲荷神社、居神神社とともに、小田原三大明神の一社に数えられています。
序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。
小田原の「松原神社」へ
1月の下旬、寒さに負けずに神社巡りに出掛けてきました。
元々は箱根にて温泉をという目的で出掛けてきたのですが、その途中に小田原で下車し、小田原城と周辺の神社巡りをするという流れです。
巡る神社は、小田原駅の北にある大稲荷神社、そして小田原城に隣接する報徳二宮神社、この二か所をまずピックアップ。
で、他にも周囲に神社はないか事前にググってみましたところ、たくさんあるではないですか。とてもじゃないですけど、短時間では回り切れない数です。
故に数か所に絞ろうとあれこれ見ていましたところ、「小田原三大明神」と称される三社があることを知ります。
そのうちの一社は、元々行こうと思っていた大稲荷神社。あと二社が、松原神社と居神神社という、小田原城の東と西にある神社です。
地図で確認してみましたところ、少々距離はありそうですが、どちらも徒歩圏内かと思われ、どうやら御朱印の扱いもある様子。
そんなあれこれを踏まえまして、「小田原三大明神」を制覇してみるということで、巡る神社が決まりました。
この日はまず、小田原駅から最も近い大稲荷神社に参拝し、続いて向かったのが松原神社です。
松原神社は、大稲荷神社とは駅を挟んで反対側。小田原城の東に位置していますが、駅からですと南方向の海寄りです。
事前にルートを検討する際、少々迷いはしたのですが、まずは松原神社に参拝し、その後に居神神社や報徳二宮神社へと向かうことにしました。
大稲荷神社を後にした僕たちは、一度小田原駅まで戻り、海方向に向かい歩くこと10分ほど。
「松原神社入口」の看板が出ている路地を入るとすぐ、左手に立派な松と、玉垣が見えました。
松原神社に到着です。
ご由緒
ご祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)、素戔嗚命(すさのおのみこと)、宇迦之魂命 (うかのみたまのみこと)の三柱です。主祭神は日本武尊です。
日本武尊は、第12代景行天皇の皇子、第14代仲哀天皇の父であり、武勇に優れた日本古代史上の伝説的英雄です。素戔嗚命は、天照大御神の弟で、ヤマタノオロチを退治した荒ぶる神です。宇迦之魂命は、稲荷神とも同一視されている食物や穀物の神様です。
創建の年代は不明ですが、平安時代後期の久安年間という説もあります。
かつては真鶴が棲んでいたことから、鶴の森明神と称されていたそうです。
室町時代には山王原村松原の海中より金佛の十一面観音が出現し、本地佛としてお祀りしたことから、松原大明神とも称されます。
その後、後北条氏が社領を寄進するなど、代々当社を崇敬しています。
江戸時代には稲葉氏、大久保氏からも崇敬され、小田原宿の総鎮守となります。
明治2年に現在の松原神社へと改称されました。
漁師からの信仰も厚く、お祭りの際の「小田原担ぎ(小田原流)」と呼ばれる漁船に見立てた独特な御神輿の担ぎ方でも知られています。
近隣の大稲荷神社・居神神社とともに、小田原三大明神の一社に数えられています。
境内案内
路地を入ってすぐ、立派な松が聳えているのが松原神社です。
こちらが入口の正面。社名のとおり、境内には多くの松の姿です。美しい景観です。
鳥居の手前には池があり、橋が架かっています。
こちらが橋の左手。松だけではなく、立派な桜も。池のほとりには猫ちゃんもいました。
こちらが橋の右手です。
一の鳥居の前へ。
境内の松はどれも高く聳えていて、見惚れてしまいます。
参道を進みます。左手が社務所です。後ほど御朱印を頂きに伺います。
右が神輿庫。近年建てられた建物に見えます。扉には「小田原担ぎ」でお神輿を担ぐお祭りの写真が飾られています。
この景色を見られただけでも、来た甲斐がありました。
右には手水舎です。
数段の石段を上がると、右手に「吉兆の大亀」。小田原の海岸に現れ、当社の池に持ち込まれた大亀に因んだもので、撫でるとご利益があるそうです。
前方に二の鳥居。扁額の文字が青いのも珍しいです。
左右には狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。
こちらが右の狛犬さん。
二の鳥居をくぐります。社殿は木の茶色を基調とした建物で、静かで綺麗です。
拝殿前にも狛犬さん。こちらが左です。子供もいます。
こちらが右の狛犬さん。
拝殿の前へ。
参拝させて頂きます。
拝殿を振り返ると見える景色がこちら。
拝殿に向かい左手に境内社です。扁額はありませんが、石天水桶には「鳶組合」、お賽銭箱にも「鳶」の文字が書かれています。
こちらは社殿の左手。クスノキやイチョウがあるのも見えます。
こちらは、大漁を祝い祈願するときに漁師さんたちが着て参拝した、「万祝(まいわい)」という晴れ着とのこと。後ろには「内侍所奉安所阯」と刻まれた碑もあります。明治天皇東京行幸のときの、内侍所旧跡です。
境内の左奥へと進んでみます。開けた空間になっています。前方の石碑には「鳶消防記念会」。
奥まで行きますと、本殿も見えます。
本殿の後方も歩けるようになっていましたので、ぐるっと一周してみます。
社殿の右手には、立派な梅の木がありました。
こちらは社殿を右斜め前から。
境内の右手には境内社が並んでいます。中央が叶稲荷神社、右が太子堂、左は不明です。左の社殿脇には、佐々木八幡神社と書かれた石碑もありました。
境内を散策し、最後に社務所にて御朱印を頂きました。社務所の手前にも古い狛犬さんを発見。御朱印を頂き、松原神社を後にしました。
参拝を終えて
松原神社は、その名の通り松の木が美しい神社でした。
境内に松が多いことは、事前に下調べをした際にもそれとなく頭に入っていたのですが、実際に目にすると、その景色には見惚れてしまうものがありました。
境内の木のほとんどが松だったかと思います。サクラ、クスノキ、ウメ、イチョウもありましたが、圧倒的に松の神社でした。
生憎少し雲が多い天気でしたので、これがもし快晴の青空でしたら、さらに松の木が映えていたのではないかと思います。曇りでも十分美しかったですけれど。
境内には最初から最後まで、僕と嫁の二人しかおりませんでしたので、その美しい景色を独り占めさせて頂きました。なんとも贅沢な時間です。
この日最初に訪れた大稲荷神社も素敵な神社ではありましたが、そちらとはまた景色がガラっと変わり、全く違う魅力がありました。
海に近いせいなのか、開けている感じもしました。特に社殿の後方には木がありませんでしたので、その場所だけより広々と感じてしまったのかもしれません。
鳶や消防と刻まれた碑などがいくつかありましたので、鳶や消防の方々からの信仰も厚い神社であることが窺えます。
また、漁師さんたちからも信仰も崇敬されている神社でして、展示されていた「万祝」の素敵な晴れ着も、見れてよかったです。
お神輿を漁船に見立てた「小田原担ぎ」が有名とのことでして、その写真も神輿庫に飾られていましたが、帰宅後に動画を探してみたところ、いくつか上がっていましたので、わかりやすそうなものを引用させて頂きます。
動画前半の、御神輿を担いで走るの、迫力ありますしかっこいいです!きっと生で見たらさらに迫力があるのではないかと。
いつか見に行ってみたいものです。
この日は誰もいなかった境内が、お祭りで大勢の人で賑わう景色も、また違った魅力があるはずですし。
素晴らしい松の景観の中、いい時間が過ごせました。
松原神社、参拝できてよかったです。
続いては、小田原城の西にある、山角天神社へと向かいます。
御朱印
こちらが松原神社の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、日中の時間帯になります。ご不在のこともあるようですので、確実に頂きたい方は、事前の電話確認をお勧めします。電話番号は「0465-22-2672」です。
(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
住所は神奈川県小田原市本町2ー10ー16です。
松原神社の公式サイトはありません。
電車
JR/小田急線「小田原駅」から徒歩10分。
東口を出て、駅を背にして正面に延びる道を進みます。10分ほどで左手に「松原神社入口」と書かれた看板が見えますので、その路地を左折してすぐです。
駐車場
参拝者用の駐車場はありません。小田原城の周辺に有料駐車場がいくつもあります。
周辺のパワースポット
小田原市の神社一覧
著者が参拝した小田原市の神社一覧です。