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居神神社(小田原市)の御朱印と見どころ

居神神社の紹介

小田原市にある居神神社の参拝レポートです。

読み方は「いがみじんじゃ」です。戦国武将である三浦義意をお祀りする神社で、小田原三大明神の一社にも数えられています。小田原城の裏鬼門を守護する神社でもあります。最寄り駅は箱根板橋駅になります。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

小田原三大明神「居神神社」へ

この日は小田原の神社巡りを朝からしていまして、居神神社が4か所目に立ち寄る神社です。

ここまで、以下の3か所の神社に参拝しました。

  • 大稲荷神社
  • 松原神社
  • 山角天神社

次の居神神社に参拝したら、小田原城を散策し、隣接する報徳二宮神社に参拝し、そのあとは箱根に向かう予定です。元々は箱根で温泉に入るという目的でのお出掛けでして、その途中に小田原に寄り道しました。

嫁と小田原観光をするのはこの度が二度目でして、一度目は小田原城と報徳二宮神社にしか足を運んでおりませんでした。今回は神社巡りが中心です。

ここまで参拝したどの神社も素敵な神社でしたし、朝から幸せな時間を過ごしている気がします。

普段よく出掛けている東京の神社巡りも楽しいですけど、少し離れた場所での、旅先での神社巡りというのも、また格別な楽しさがあるものです。

季節が1月の下旬でして、それなりに寒さくはあったんですけどね。天気もじゃっかん曇り空ではありましたし。しかし温泉が待っていると思えば、寒さなど屁でもありません。

こちらの記事で紹介する居神神社は、参拝済みの大稲荷神社、松原神社とともに「小田原三大明神」の一社に数えられています。ですので居神神社への参拝を終えれば、三大明神は制覇です。

これは僕に限ったことではないと思いますが、「三大~」とか「~五社」とか括られていますと、全部回らずにはいられないんですよね。今までもその言葉に何度振り回されたことか。

この日もそこまで時間に余裕があったわけではないのに、「三大明神」というワードを無視することができず、無理やり三社を回るルートにしちゃいました。

ゆえにこの日も、そこそこの距離を歩く羽目になりますので、この後の足腰がじゃっかん心配ですが、それもきっと温泉が解決してくれるはず。

3か所目に参拝した山角天神社より、旧東海道へと出て歩くこと5~6分ほど。

高架をくぐった少し先、右手に立派な桜の木と玉垣が見えました。

居神神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、三浦荒次郎義意公(みうらあらじろうよしおきこう)木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)火之加具土神(ひのかぐつちのかみ)の三柱です。主祭神は三浦荒次郎義意公です。

三浦荒次郎義意公は、三浦半島を本拠に相模國を治めていた戦国武将で、筋骨たくましく文武両道に優れていたといわれる、三浦氏最後の当主です。北条氏との激しい戦いに敗れ、二十一歳という若さでこの世を去っています。後に居神大明神として祀られ神格化されました。

木花咲耶姫命は、山の神である大山津見神の娘で、天孫降臨された瓊瓊杵尊の妻です。富士山を神体山とする浅間神社のご祭神でもあります。

火之加具土神は、伊邪那岐命と伊邪那美命の間に生まれた火の神様です。 

創建は室町時代の永正の時代です。北条氏と三浦氏の戦にて、籠城していた新井城より一人門の外に出て、北条勢を迎え撃った武将がいました。豪傑といわれた三浦義意です。義意は父の義同の自刃を見届けた後に打って出て、500人もの北条の兵を討ったともいわれています。この戦で三浦氏は滅亡しますが、義意の優れた武勇に対し、小田原城主北條氏綱公の強い意向で、居神大明神として神格化され、祀られることとなりました。

以来、地域の人々に厚く信仰されてきました。

「居神流」と呼ばれる、荒々しい御神輿の担ぎ方をする神社としても知られています。

境内には小田原市重要文化財に指定された古石碑群、小田原の水道(日本最古の水道)の守護神である境内社の水神社があります。

小田原城の裏鬼門を守護する神社で、近隣の大稲荷神社・松原神社とともに、小田原三大明神の一社に数えられています。

 

境内案内

こちらが居神神社の入口です。鳥居の脇には社号碑とご由緒書き。

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入口の右手には、立派な桜が一本。

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一礼して一の鳥居をくぐり、参道を進みます。参道の両脇は駐車場になっています。

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石段の上に社殿の一部が見えます。周囲は木が多く森のようです。

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石段の手前に子安地蔵尊です。元別当寺だった貞正寺のご本尊だった地蔵尊とのこと。手を合わせます。

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石段を数段上がると二の鳥居。二の鳥居は、江戸時代の延宝の時代に造営されたものとのこと。その先、正面には石段、左手には坂、どちらも社殿へと続いているようです。

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左手には大きな木と、脇には境内社の水神社。水神社には後ほど参拝させて頂きます。

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水神社脇の大木、クスノキかと思ったのですが、違うかもしれません。何の木でしょうかね。

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二の鳥居をくぐります。右手が社務所です。

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社務所の前には手水鉢があり、中には「見守りの水屋石」と書かれた丸い石です。数百年もの間、こちらに置かれていた石のようです。

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左前方が手水舎。

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手水鉢の足元に、可愛いカエルさんが二匹いました。

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石段を上がります。

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石段を上がり切りますと、すぐ前方が拝殿です。

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右手には神楽殿。その先には大きなクスノキと、境内社の姿も。

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拝殿へと進みます。左右には狛犬さん。こちらが左の狛犬さん。

居神神社の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらもなんだか可愛いです。

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拝殿には精巧な彫刻です。鳳凰、龍、獅子、そして天狗と思われる珍しいものも。しばし彫刻を眺めた後、参拝させて頂きます。

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拝殿に向かい左手にも、立派なクスノキが一本。

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こちらは社殿を左斜め前から。

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左手に境内社と神輿庫。境内社の脇には手水舎もあります。

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境内社の扁額には「聖徳太子堂」。この扁額も彫刻が施された立派なものでした。

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境内の左奥には、小田原市の重要文化財にも指定されている古石碑群です。鎌倉時代末期のものとのこと。

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社殿をぐるっと一周回って、こちらは右手奥の境内社、八幡神社です。

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こちらは右手、クスノキの脇にある琴平神社です。奥にも石祠があり、二対の神狐さんもいらっしゃいました。

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社殿を右斜め前からも。

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石段を下ります。ここからの景色も気持ちいいです。電車が走っているのが見えます。新幹線も近いです。

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水神社に参拝。水の神様である國之水分神(くにのみくまりのかみ)をお祀りした神社で、日本最古の水道である、小田原の水道の守護神です。

水神社

 

水神社の右には、「勝って甲の緒を締めよ」という北条氏綱置文の碑です。

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左の坂の途中にも何かあるっぽいので、少し上ってみます。

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途中、「小御嶽 大権現 大天狗 小天狗」と書かれた碑がありました。

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その先には厄除不動明王さまです。手を合わせます。

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最後に社務所にて御朱印を頂きました。その際、貴重なお話もたくさん聞かせて頂きました。

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参拝を終えて

居神神社への参拝を終え、小田原三大明神には全て参拝したことになります。

三社ともに素敵な神社でして、それぞれに違った魅力があり、いい時間を過ごさせて頂きました。

居神神社は、まず石段の下から見上げる境内が森の中のようでして、その景色からして神秘的でした。

大木がそこかしこに聳え、その一本一本の大きさにも圧倒されます。

社殿の彫刻も素晴らしかったです。おそらく天狗と思われる珍しい彫刻も見ることができました。

奥にあった古石碑群は鎌倉時代のものとのことなので、今自分が鎌倉時代の人と同じものを見ているんだと思うと、とっても不思議な気持ちになりました。700年も前から、どれくらいの人がこの碑の前で手を合わせ、通り過ぎて行ったんだろうと。

大きく変わっていく景色の中で、神社というのは変わらないものが多い場所だとも思います。そういう意味では、時間を遡ることもできる場所なのかもしれません。

境内には僕と嫁しかおりませんでしたので、居神の森を独り占めさせて頂き、なんとも贅沢な時間を頂戴してしまいました。

居神神社だけではなく、僕たちはこの日訪れたどこの神社でも、他の参拝者の方とはほぼお会いすることがありませんでしたので、申し訳なくなるくらいです。

とっても静かな境内ではありましたが、新幹線の線路が近くにありますので、その通過時のみ、なかなかの轟音が響きますが、それもまた一興ですね。

最初に訪れた大稲荷神社でも、宮司さんに色んなお話を聞かせて頂いたのですが、こちらの居神神社でも、宮司さんの奥様でしょうか、御朱印を頂いた際に、貴重なお話を聞かせて頂きました。

ご祭神である三浦義意のことや、小田原の水道の歴史など、どれもこちらの神社と密接に関わっているお話しでして、知らないことばかりでしたので勉強にもなりますし、小田原という地により興味を惹かれてしまうようなものばかりでした。

特に徳川家康と水道のお話は、興味深いものでした。家康は小田原城下の水道を参考にして、江戸の上水道を築いたとのことですので、もしこの小田原の水道がなかったら、江戸の発展も遅れていたかもしれませんし、東京の形も何かが違うことになっていた可能性だってありますからね。

ですのでこちらの境内社である水神社は、小田原にとっても、江戸にとっても、大切な神社なのではないかと思います。

参拝の際、神職の方にお話を伺えるというのは、とってもありがたいことです。

今思えば、彫刻のことだったり、木の名前だったり、聞いておけばよかったことが色々あることに気付きまして、後悔もありますけれど。

いい参拝ができましたので、よしとします。

居神神社、参拝できてよかったです。

続いては、まずは美味しいお蕎麦屋さん(小田原城の観光案内所のおっちゃんが教えてくれました)にて腹ごしらえをし、報徳二宮神社への参拝と小田原城の観光を満喫し、宿をとっている箱根へと向かいます。

 

御朱印

居神神社では、二つの御朱印を頂くことができます。(二つセットになっている形です)

こちらが居神神社の御朱印です。

居神神社の御朱印

 

こちらが境内社の水神社の御朱印です。

水神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、日中の時間帯になります。ご不在のこともあるようですので、確実に頂きたい方は、事前の電話確認をお勧めします。電話番号は「0465-23-2616」です。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は神奈川県小田原市南町1ー5ー37です。

居神神社の公式サイトはこちらです。
https://igamijinja.com/

 

電車

箱根登山鉄道「箱根板橋駅」から徒歩5分。

駅を背にして目の前の旧東海道(国道1号線)を右に進みます。東海道新幹線の高架をくぐった先、左手です。

JR/小田急線「小田原駅」から徒歩17~20分。

小田原城址公園を抜け、報徳二宮神社の先、旧東海道(国道1号線)に出たら右に進み、高架を越えた先の右手です。

その他、JRの早川駅からも15~20分ほどになります。

 

駐車場

一の鳥居の内側に、数台のみ駐車できる参拝者用の駐車場があります。特別な日でなければ問題なく駐車できるかと思います。また、小田原城の周辺には有料駐車場がいくつもあります。

 

周辺のパワースポット

 

小田原市の神社一覧

著者が参拝した小田原市の神社一覧です。